8/26/2014

[PC biz] 老舗PCショップの店頭にずらりと並んだ電気炊飯器

至極どうでもいい話なんですけどね。

この間、久しぶりに大阪に行く用事があって、その際に日本橋の近くを通り掛かったので、Sofmapの店舗を覗いてみたんです。日本橋1号店。昔からある中古中心の店舗で、今でも僅かながらジャンク類も扱う、往年のPC興隆時代の名残りを残した愛すべき店舗です。

いつものようにエスカレーターと狭い階段を登り、上の階で中古ノートとか相変わらず割高だなーとか思いながら見て回った後、最後に一階のカメラとかを見て終わりにするつもりで降りて来てみると、そこで狭いフロアの半分近くを占めていたのが何と電気炊飯器の大群。

衝撃的でした。何でここにそんなものがあるの?と。だって20年以上、折に触れて訪れた同店舗で、家電の類を見た事は一度もありませんでしたから。テレビやレコーダーですら稀だったところに突然電気炊飯器がずらりと並ぶ様がどれほど異様に感じられたか、分かる人には分かるでしょう。なまじそれ以外が従来通りなだけに尚更です。

戦慄しつつ、これはどういう事だ、と。連想されるのは、ビックカメラそのものと言うべき秋葉原の店舗や地方で見られるコジマとの共同店舗、あと、先日ニュースで流れていた、中国人らに日本製の電気炊飯器が人気だという話。要するに、業績の芳しくない同店舗が、家電系に押し負けた結果、観光客受けの良い家電商品として炊飯器を置く事にした、もしくは強いられたのかと思われるところなわけです。

実際のところ、PC等の中古市場自体が既にオークションやらに取って代わられて、リース落ち以外の安定した供給原も無くなって受けの良い商品があまり供給されなくなっているだろう事と、何より価格下落が激しく、新品のノートPCですら3万程度から通販で常時購入可能となり、中古のデメリットが価格に釣り合わなくなってしまっただろう昨今、もうこれまでと同じような商品、業態では居られないという事でもあるんでしょうけど。XP終了特需も終わりましたし、頼みだったスマホ類もここに来て終了しつつありますしね。カメラ類も概ね同様。

しかしそれにしたって、ねえ。売れるの?そもそもの話。基本的にPC屋として認知されてる筈なSofmapの、それも日本橋の店舗に、電気炊飯器を求めて来る客なんているんだろうか、と。普通、中古PCと関連機器か自作パーツ、あとカメラ類目当ての人位しか来ないんじゃないかと。私だって、実際に目にするまで、炊飯器が売られてるなんて想像すらしませんでしたもん。値段も確認してませんけど、どうせビックカメラと同じでしょうから、それなら難波のビックカメラに行けばいい話だし、それ以前に大半の人はヨドバシ梅田に行くでしょう。わざわざ恵美須町まで来るとは到底思えません。そもそも炊飯器なんてそうそう買うものじゃないですし。

どうにも不可解な話に思えたので、同店舗の試験的な話なのかと疑って他店舗も確認してみたら、難波の店舗でも同様でした。割と本気でPC類が売れなくて切羽詰まってるのかもしれません。と言っても、親会社のビックカメラは壊滅状態な家電小売の中では比較的堅調な部類だし、そこから見捨てられない限りは近いうちに破綻どうこうという話ではないんでしょうけれども。何にせよ、愛着のある店が実質的に消滅していくようで、寂しい話ではあると思うのです。まあ、秋葉原にしろ日本橋にしろ、業界自体が殆ど消滅してしまった今となっては、あまりにも今更な話ですけれどもね。これでいよいよ本当に終わりかな、と。電子部品の店もひっそりと消えて行ったりしてるようですし。よく通ったあの店もこの店も、その殆どが既に閉店して跡形もありませんが、数少ない生き残りも一つまた一つと閉じて行きます。全くこの世は諸行無情でありますね。

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