Google謹製のSNSサービス、Google+が俄にリストラ対象になりつつあるとかいう報が流れてますね。
SNSに関しては後発だったGoogleが、遅ればせながらリリースしたFacebookとTwitterのSNS2強の対抗という事で、相当なリソースをつぎ込み、かつかなり強引な、形振り構わない普及策を採ってまで推進して来たGoogle+ですが、その目論見の実現は未だ成らず敗北。というか勝負以前の状態で頭打ちとなり、次の手も特に見当たらず、行き詰まってしまっていた事は周知の事実なわけで。見切りの早さには定評のあるGoogleの事ですから、今回の見直しも、驚くにはあたらない、むしろよく我慢したなと思う位なわけですけれども。
今回の動きが、プロジェクト統括責任者のVic Gundotraの辞任という、これ以上ない程明白な形で表面化したという事は、Googleの組織内では諸々の綱引きとか整理とか既に片が付いている、という事なのでしょう。ここのところ、堅調な事業成績を出す一方、如何にも出口無しの無駄遣いっぽいTitan等ロボット事業の買収とか、相変わらずグダグダのGlassとか、諸々のアクションに今ひとつ緊張感が欠ける感のあったGoogleですけれども、久々にシビアかつ大胆な動きを見せてくれました。ただ、その動きがリストラといういささか後ろ向きな話な点に、少しの残念感と共に、ある種の象徴的なものを感じるのは気のせいなのでしょうか。
いつものGoogleなら、見切りを付けたプロジェクトは即撤退廃止、とするところですけれども、つぎ込んだリソースと、中途半端ながら獲得したユーザ数をして流石に勿体ないと思ったのか、Google+はこれまでのように単体のサービスではなく、プラットフォームとして横断的に諸々のプロダクトに組み込まれる見通しだとか。それに伴い、現在アサインされている1000人余りのエンジニアはandroid等の各統合先のプロジェクトに移転するんだそうです。それが本当なら、そのレベルの配置転換に耐え得るエンジニアをその人員規模で保有している辺りは、流石にGoogleだな、と感心させられる話です。まあ、中にはミスマッチを嫌って辞める人もいるんでしょうけれど。普通なら典型的なリストラ策ですしね。
ともあれ。Google+も一区切り、今後どうなるにせよ、また色々と変わる部分、切り捨てられる部分も出てくるでしょうし、早晩の消滅すらも有り得る状況になってしまったわけです。あのGoogle Readerすらあっさり切ったGoogleですし、その辺はもう諦めるしかないんでしょう。この流れを当初から予想していて、そら見た事かと思っている向きも多いのではないでしょうか。一方で、ユーザにとっては、少なくとも短期的には良くない事に違いないでしょうから、げんなりする向きもまた多くいる事でしょう。永遠のテスト版を自認し、事業の改廃をも含め、およそ全ての判断、決定を自らの都合のみに拠って行うGoogleに、信頼だとか責任だとかを云々しても通じないものと分かってはいるし、毎度の事でもありますが、それでもやはり、もう少しどうにかならんのかな、とため息の一つも吐きたくなってしまう次第なのです。
Google Is Reportedly Set To Carve Up Its Failed Social Network Google+
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