4/09/2012

[biz] Sonyがまたリストラ、今度は1万人

ま た か。

常態化する赤字、毎年回復予想を宣言しながら逆に超絶悪化する一方の営業状況からすれば致し方ないんでしょうけれど、こう頻繁にリストラしては採算が悪化するのを繰り返すのを見ると、基本的な所の事業運営が杜撰かつ経営判断も安直に過ぎるように思えて仕方ないわけで。一体この数年間何をやってたんでしょうか、と蔑みの目が向けられるのも避けがたいところでしょう。いやまあ実質何にもやってなかったように見えるわけですけど。

周知の通り、今回のリストラの主たる対象はソニーの中核であるところのエレキ、特に事業自体の閉鎖も視野に入っているだろう惨状のテレビ関連ですね。少なくとも大幅な品目の絞り込みとそれに伴う生産拠点の縮小も伴い、従って開発部隊と工場人員の双方を含め広範な部門を対象にリソースの削減が行われるものと予想されますが、それ自体もミクロ的にはそれなりに自然かつ必然的な話ではあるんでしょう。

ただ、近年凋落が著しかったとはいえ、殆ど会社のアイデンティティーにも近く、売上比率も相当にある中核部門の削減ですから、切り落としてそれでOK、というような甘い話では当然ありえないわけで。どうしても、それで空いた穴をある程度は補える、柱として育つ可能性のある事業が必要であるところ、それに相当する話が可能性も含めて皆無に等しいというのは流石にどうかと。後釜はスマホ、なんて妄言もあるにはありますけど、現状を見て誰が真に受けるんでしょうね。

そういう状況は別段ソニーに限った話ではありませんが、皆このまま漫然として死に行くに任せるつもりなんでしょうか。だとしたら残念な話です。諸行無常、盛者必衰、それは抗い難い世の習いだとしても、希望を見出そうとする意志すら感じさせない、というのでは、虚無的に過ぎると思うのですけれども。

ソニー、年内にも1万人削減 TV事業不振で 

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そしてすかさず超絶下方修正。お決まりの繰延税金資産取り崩しってわけですが、そんなもん前回の下方修正の時には既にわかってた筈なのになんでこう小分けにするんですかね?ステークホルダーにしたら尋常ではない迷惑でしょうに。あと瑣末な事ですが、日本語での会見なんだから普通に増資って言うべきだと思います。響きを嫌ったのかもしれませんけど、だからって無理に英単語とか使うと逆にアホに見えますよ。

ソニー 加藤優CFO「エクイティファイナンスは選択肢の1つ」

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続いて、人件費含めテレビ事業の固定費6割削減するとか。それはもう撤退に等しいように思われるわけで、さらに今年度も始まったばかりなのに来年度の話、しかも現実味のある具体的なネタもなしに単なる努力目標的な決意表明とか鬼も笑うどころか無視されるレベルです。何考えてんでしょうか。何も考えてないんでしょうね。

ソニー固定費6割削減 テレビ事業13年度黒字化目指し