3/17/2012

[sci] ニュートリノの超光速性、誤報確定

独立的な別チームの追検証で否定的な結果が出て、あえなく終了と。その辻褄の合わなさ加減から、おそらくは測定装置なり方法なりに不備があったのだろうと、当事者除く殆ど全ての方面から眉唾な扱いを受けていたCERNはOPERAプロジェクトの発表ですけれども、果たして測定方法に実験結果に影響する不備が見つかった旨公式にも発表されました。言及された不備は二点、一つはGPSの同期用タイムスタンプ生成に用いた発振子の不良、もう一つは既に報道もされた、GPS信号と同期信号を繋ぐ部分の光ファイバの接続不良。要するに、大方の見方であった所のGPSの誤差絡みとの推測が正しく、計測の基本的な部分でベタな失敗をやらかしただけだったという訳で、CERNは計測技術の基礎を一からやり直すべき大失態と言わざるを得ない結末となってしまいました。

CERNといえども事業体である以上、活動を続けるためにはその膨大な費用に見合った成果が必要なところ、本件のような結果は、それが誤りである可能性があっても真実だと信じたくなるものだろうし、さらにそれを発表してしまった以上は引くに引けずに正当化に走る、その気持ちとか事情は理解出来ないでもないんですけれども、当然ながら本件のような物理的事実というのは厳密に定義もされた客観的なものなのだから、そういう願望やら業界の事情やらは何の意味も関係もないし、そうである以上は、こうやって無残に否定されて終わるのも必然なわけで。その事は当人達が一番よく解っていなければならなかった筈なんですけど。

だからって直ぐにCERN解体、とかになるわけではないだろうけれど、この種の研究活動、その分野全体について、世界的に信用を大きく毀損した事は間違いないし、それに伴って予算削減等の動きもそれなりにあるんでしょう。自業自得ですけれども、残念な話です。

OPERA: Official statement Tuesday 28 February 2012