そういえばありましたねえ。話が出た当時はあのIBMが、とあまりの酷さに非常に驚かされたものですけれども、ようやく一審判決ですか。もうすっかり忘れてましたよ。内容は請求115億に対し74億の給付を命じるもので、かつIBMの反訴は全面棄却と、スルガ銀行の訴えをほぼ完全に認めるものですが、まあ話の通りの事実関係であれば、長期に渡り膨大な労力を費やし、かつ多額の費用を受領しておきながら契約を完全に反故にした訳ですし、まず妥当な所であろうかと思われます。
ていうか、あれほどまでに完全にベンダの責任だろう失敗をやらかしておいて、IBMが一体何を以って責任を回避しようとしているのか謎です。控訴もするそうですけれども、スルガ銀に難癖付けられたとか、仕様変更を繰り返されたとか、そういった類の相殺を狙う責任転嫁的な主張以外に何かあるんでしょうか。これだけ長い期間審理してたんだからそんなのは出尽くしてる筈なんですけれども。
IBMとしては財務的にも法務的にも、あと担当の弁護士的にもこの結果では退けないだろうし、少なくとも減額を狙って宣言の通りに控訴するんでしょうけれど、そしたらさらに年単位の時間がかかるだろう訳で。多分に無駄かつ社会的には迷惑な感じで、困ったものです。
日本アイ・ビー・エム株式会社に対する損害賠償請求訴訟の第一審判決に関するお知らせ
そして直後に社長交代。本件とは直接は無関係なんでしょうけれども、元々経営的に微妙だったプロパー社長が首になる形だった事もあり、本件の責任を取って辞任したようにも見えて一層物哀しい雰囲気が感じられます。あえてそういう形にして本件の延焼抑制を狙ったのかもしれませんけれども。
日本IBM「独立路線」転換 外国人社長でテコ入れ 米本体とのパイプ生かす