HPがサービス部門のHP Enterprise Services中心に1万6000人ほど追加でリストラするんだそうです。これで一連の人員削減は累計で5万人程にもなりますね。当該部門の前身にあたる旧Electronic Data Systemsの2009年の買収当時の人員数は14万人程でしたから、まだ半分は残っていますがそれでも相当なものです。
HPのリストラはとりあえず打ち止めだと思っていたし、今時、というかここ一年、IBM以外にはITサービス部門での大規模なリストラはあまり聞かないのでちょっと驚きました。決算も確かに振るわないものではありましたが、赤字ではなく、そんな大規模なリストラが必要になる程とまでは必ずしも言えないように見えましたし。先行きの見通しが良くないと判断して先手を打ったって事なんでしょうけれども、いささか安易に過ぎるようにも見えて、一難が去る前にまさかの追い討ちに曝される同社従業員にはさすがに同情を禁じ得ません。
もっとも、米国のITサービス産業全体としては成長中なので、再就職先はそれなりにあるだろうしさほど心配する必要もないのかもしれませんけれども。結局のところ、ITサービスと言っても構造の変化が進み、大手各社が自前でシステムを構築し、逆にクラウドサービス等の外部提供まで手掛けるようになり、旧来下請け的にシステム構築を担っていたSIerへの需要が失われた、その帰結としての産業内での人員移動の一環と見るべきなのかもしれませんね。そうであれば、むしろ適切な変化とも言えそうです。というか、でなければ悲惨すぎますし、そういうポジティブな側面が多少なりとあるよう願いたいものですが、甘い願望に過ぎるでしょうか。
かつて活況を呈したPC業界も既に成長を止め、縮小均衡に移行して数年。XPサポート終了に伴うリプレース需要に支えられた束の間の平穏も終わり、あまりに急激な変化に取り残された人々が、限られたパイを取り合いつつ衰退を続ける状況、その再来を予感させられる本件、だからといってどうしようもなく、再びの諦めと共に、憂鬱を抱かずにはいられない次第なのです。
HP May Cut Up to 16,000 More Jobs as Results Disappoint
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