へえー。APのTwitterアカウントが乗っ取られた件で、あろうことか"ホワイトハウスが爆破されてオバマ米大統領負傷"などという嘘ツイートが流され、その瞬間各市場が急落して一分後には元に戻り、要するに一部の大口機関投資家が盛大に釣られて涙目、という事件があったんだそうで。
これはなかなか興味深い現象です。変動時間の短期性と動きの急峻さからすればまず間違いなく主犯はRobot Tradingで、それに気づいた周囲が慌てて修正に走った、大筋はおそらくそういう流れでしょう。ただ、本件の誘因はあくまでTwitterに入力された嘘ニュース、すなわち文字情報なのであって、これがいかなる経緯で市場への売り行動に繋がったのか、それは当然ながら当事者の機密にあたりますから外部からは推測するしかないのですけれども、この即応性、またここまで明らさまな嘘をそうと判別出来ない愚かさ加減からすれば、文章の意味認識とその評価までもがAlgorithmに組み込まれていて、人間が介在しないままにTrading Robotが本件嘘ツイートに釣られた可能性が相当に高そうに思われるわけです。
もしそうなら、それは膨大な資産を預かるメジャープレイヤーが、市場取引にあたって範囲は不明ながら少なくとも今回動いた部分では人間の責任者は事後的にチェックをするに止まり、実世界の情報収集からそれに基づいた判断および意思決定に至るまで、およそ取引に関する行為を全面的にプログラムに委任しているに等しいという事なのであって。そんな事して今回みたいにおそらくは少なからず損失を出した場合の帰結、責任の所在やら仮に破綻した場合等における社会への影響だとか、少し想像してみるだけでも戦慄を禁じ得ません。極めてCrazyな行為に思われます。
本件でやらかしたプログラムの作成者及び運用責任者は今頃吊し上げられてたりするんでしょうけれど、それも当然の結果だし、努めて反省の上、以降は想定外の取引を行ってしまうような無茶なプログラムの作成使用を厳に慎むよう望みたいところです。市場取引のようなクリティカルなシステムで想定外の動きをしてしまうとか、その時点でもう致命的な欠陥品だし、それでも自業自得で済めばまだしも、市場を介するために当事者以外への悪影響も甚だしいのですから。少なくとも後であれはミスだから無かったことにしてとか言って泣きつくなよ、と。