米国債の格付け引き下げに伴い、関連する債権ということで、すっかり忘れられていたファニーメイとフレディマックの2社も米国債と同じくAAAからAA+に引き下げられたとか。
筋から言えば当然の話ではあって、本尊に比べれば周辺的な話だし、あまり気にもされていない様子なのですけれど、本来単体であれば相当なインパクトがある筈、というかサブプライムバブル崩壊の折にはあれだけ騒がれた2社が再び危機に直面するであろう事態なのに、それが些細な余震程度に見えるというのは、逆に今起こっている変動の規模、その激しさを表しているものと解釈できるだろうわけで。色々楽観論もあるけれど、政策的にある程度緩和される形での縮小に向かう可能性は十分に高い事も事実だろうし、やはり大変な事態には違いないと認識せざるを得ないのです。
もっとも、今回毀損しつつある債権の価値、価格の性質として、バブル的というか過剰な信用に基づいて盛りまくっていた部分も多分にあるでしょうし、その縮小は長期的に見れば必ずしも悪い事ではないのだから、必然的、必要的な修正として受け入れるべきものなのかもしれないとも思うのですけれど。2008年の件で反省して、実質的なリスクを把握した上で回避していたところは、なんだかんだ言って大部分破滅は避けられるでしょうし、反省しなかった所はまあ自業自得という事で、むしろそういうのは退場した方が世のため人のため自分のためでしょうしね。
しかし、どこぞの政府やらは買い支えを公言したりしてて。そう誘導したい気持ちは分かるんですけど、実際問題として食われるだけの無駄だと思う、ていうかやるならせめて協調するのが当たり前だと思うんですけど、それ以前にハブられてる状況なわけで、どうにもならん話なんでしょうし。ただ、応急処置的な対応であれば可能な筈、やらないよりマシ程度であろうともその辺に注力すべき今この時に財務責任者が辞意表明とか、わけがわかりません。救えませんねホント。
他にも、当の米国では政府がわが国の格付けは云々とかのたまってますが、今回の格付け見直しは、前回のサブプライムの件で実態とかけ離れた格付けを政策的配慮の下に放置した結果、その主犯的な役割を担ってしまった事に対する格付け会社の反省の表れでもあるわけで、本来ならむしろ主要国政府が真っ先に法制化してでもそのように指導しなければならなかった筈の話、それを怠るどころか再び二の舞になるよう圧力をかけるとは、その無反省ぶりには失望せざるを得ません。茶番とはいえあれだけの機能不全を晒しておいて、何がノーリスクだ笑わせるな、って話です。
S&P Downgrades Fannie And Freddie, As Stocks Tumble To Their Lows Of The Day
[過去記事 [biz] 米国債格付け引き下げ ]