ニューヨークを含む東海岸を直撃して、数百万戸の停電、死者も含め尋常ではない被害を引き起こしているハリケーンIreneですけれども、その被害額の見積もりについて情報が錯綜していて、メジャーなソースの中だけでもその額に一桁程も差があるのは一体どうした事でしょう。例えばNYTimesでは70億ドル、日経では770億円とか。
こういう齟齬は困ります。勿論、ハリケーン自体の強さ及び進路の推移、またそれに伴う物理的影響の係数に対して、予想の元となるデータの選択とその取り扱い手法、さらに対象となる地理的時間的性質的な範囲の相違も加われば、相当な差異の発生は避け難い所なのでしょうけれども、報道機関の責務はあくまで現状を正しく報道する事であって、予想屋的に数値を当てる事ではないのですから。不確実性が高いならそのように伝えられてしかるべきでしょう。
少なくとも日経のような後発かつ外部における報道にあっては、直近までの報道を踏まえ、ある程度信頼出来る範囲での予測は全て包摂する形で、例えばその最小値から最大値までの範囲を見積もり方法等と合わせて整理して伝えるべきところだと思うのですけれども。スピードを重視してるのかもしれませんが、殆ど脊髄反射的な感じで狭いソースから各社バラバラな報道がなされていて、結果として主観的な報道になっているのは困ったものです。
Irene Damage May Hit $7 Billion, Adding to Insurer Woes
米ハリケーン、経済損失770億円超に 洪水被害など
----------追記
さらに桁が増えて、円でいうと兆単位の可能性もあるとか。凄まじいですね。
IRENE Damage Estimates Range From $7 Billion To $20 Billion