H3ロケットが打ち上げ失敗だそうで。
延期に延期を重ねた末に先日打ち上げを実行したものの、噴煙を上げながらも不具合が検知され打ち上がらなかった本機ですが、周知の通り運営体であるJAXA(及びその下請けで実質的な開発担当である三菱重工)は失敗ではなく中止であると強弁していた本件。
打ち上げを任意でやめたのではなく、実行しながらも機器の問題で遂行できなかったのですから、それはまごうこと無き失敗であり、当然ながら、本来ならその障害となった技術的問題を解決すべく、その原因究明がなされ、その上で対策が行われるべきものでした。それをせず、そのまま再チャレンジなど無謀という他ないでしょう。
しかしその失敗をそもそも認めず、従って機器に問題はないとして対策もないままに漫然と再実行した結果が今回の失敗というわけです。今度は途中で自動停止もせず打ち上がってしまい、あえなく爆破となりました。中止と強弁する余地はありません。完全に失敗です。
この失敗は、単なる偶然による失敗ではありません。前回の失敗を失敗と認めなかった、そのJAXAの運営、意思決定のプロセスにこそ原因がある、すなわちJAXAのロケット事業自体の構造的な機能不全を示している事は明らかです。平たく言えば、JAXAには少なくとも新型ロケット事業を行う能力がないという事でしょう。
本事業を巡っては、予算の都合等でこれ以上延期は出来ないとかそういう内部の事情があったのでしょうが、その種の社内政治的な事情を優先し、技術面のプロセスを軽んじた時点でこの失敗はほとんど決まっていたのでしょう。
これから後始末という形でJAXAと三菱重工はじめ担当各所が責任のなすり合いやらを始めるんでしょうが、無惨なものです。救いはありません。今回の失敗が今後の糧になる事すらないのですから。本当に最低ですね。