EVメーカーの米Teslaが2013Q1で初の四半期黒字化を達成したとか。驚きました。売れているのは主に新規投入されたセダン型との事ですが、販売台数も四半期で約5000台、通年で20000台超を見込むとされていて、何処にそんな需要があったんだろうと不思議にも思われる所です。おそらくはそのデメリットを無視できる程に環境面への配慮や新規性、先進性を求める層がそれだけ多数いるという事なんでしょうけれども、その多様かつ強固な価値観の有り様には、流石は米国と感嘆の念を抱かざるを得ません。単に金持ちの道楽的な無駄遣いってだけかもしれませんけど。
しかしEV普及の壁の一つであるところのインフラ面の不足は米国と言えど未だ解決されていない筈、充電はじめオーナー達はどのように運用しているのか、割と真面目に興味を惹かれます。公式によれば、件の新型セダンの2013ModelSは85kwhの搭載バッテリーにより一回の充電で最大で300miles程も走るとの事で、これは米国でも受け入れられるレベルではあるんでしょうけれども、一方でその大容量バッテリーの充電には推奨の240V電源で9時間以上かかるところ、長距離の継続的利用はやはり不可能という事になりますから、あくまで自宅周辺での日常の足としての運用に限定される点は従来のEVと変わりない筈、結局は日本での軽自動車類似的な位置づけという事になるんでしょうか。それにしてはプライスタグが$60K~$95K、オプション込みだと1000万クラスというのはやはり金持ち限定なわけで、軽とは真逆の富裕層向けニッチ需要には違いないんでしょうけれども。
これから先の事に関しては、ともかくもそれなりの数が売れてしまったという事で、時間が経つにつれEV自体に内在する問題、殊にバッテリーの経年劣化によるクレーム等も顕在化するでしょうから、その影響を取り込んだ上で持続的に成長しうるのか否か、さらに興味をそそられるところとなりました。あと当初からの命綱であるところの補助金が切れても大丈夫かとか。何しろ、1QだけでもEVが事業として成立したのは世界初ですし注目するしかないでしょう。さてさて。
Tesla Smashes Earnings And Revenue Expectations