6/11/2012

[law] 福島被曝者が東電前経営陣ら刑事告発

ようやく、です。容疑は、津波等による事故の危険を複数指摘され認知しながら長年に渡って対策を怠った事により事故またそれによる被害の拡大を招き、多数の住民を被曝させるとともに避難生活を強いた事に対する業務上過失致傷、及び原発作業員や避難者を死に至らしめた事に対する同致死。告発者は福島県で原発により被曝した1300人、対する被告発者は、勝俣前会長、清水元社長はじめ東電旧経営陣および斑目原子力安全委員長、福島県立医大の山下副学長ら33人。政府首脳が含まれていないのは、まず事故と被曝被害に関する直接の関係者に絞ったからでしょうか。また、法人としての東電も公害罪法違反容疑で併せて告発されているとの事。

本件は、その告訴事由、すなわち被曝や過酷な避難生活による健康・生命に対する被害と、原因たる原発の大規模事故、そしてそれを引き起こした東電・行政双方の原発業界関係者の過失の各事実、また事実間の因果関係の存在はもはや疑いの余地もないところ、むしろ今まで刑事扱いになっていなかった事が考えられないものでした。その裁判には膨大な時間が必要だし、事実の検証にも相当な困難を伴う事が予想されますが、法に基づき可能な限り速やかに断罪がなされる事を願う次第です。

しかし、本件の被害は規模、性質共に未曾有という他なく、おそらくは被告全員に対し法定の上限刑を適用したとしても到底償う事など出来ないだろう現実の前には、改めて無念を感じずにはいられません。あまつさえ、もう全て片付いたとばかりに原発を稼動させ、福島の惨状を再び繰り返そうとする政府、自治体、企業各社の振る舞いを目の当たりにしては、人々はかくまで愚かであったかと、深く絶望に沈まざるを得ないのです。

福島で被ばくの1300人、東電会長ら33人告訴 業務上過失致傷などの容疑、地検に 

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