よりによって放射性物質による被害が特に懸念される幼児用粉ミルク、それも最大手の明治の首都圏(埼玉)工場製とあって、そのユーザ数は膨大、範囲は広範で、まさに阿鼻叫喚というべき状況になっている、と。
大手の正規品だからと信頼して利用していたであろう人達には、ご愁傷様、と多少なりと同情します。しかし同時に軽蔑の感も禁じ得ません。そもそも公の放射性物質含有量規制値が無意味な程に高く、生乳にしろ、水にしろ、それら原料の段階で危険とされる水準を遥に超えて汚染されたものが公然と流通している以上、その加工品が同様に汚染されているのは当然の帰結であるわけで、従って当然少なくとも幼児に与えてはいけない、その事は、自ら事実たるべき情報を集め、判断する努力を多少でも行っていれば容易に認識出来た筈なのですから。
当然、その他乳製品についても全て汚染され(たものが混入し)ているものと考えるべきであるわけで、であれば、国内東側の乳製品業界全体が壊滅してしまう可能性すら高く思われる本件、改めて無根拠な楽観論によって目先の都合を優先しリスクを無視する事の愚かさ、またその帰結の悲惨さ虚しさを痛感する次第なのです。
「明治ステップ」からセシウム…無償交換へ
----------追記
その後の詳報では、今回の無償交換対象は3月下旬生産分のみとの事で、主な感染経路は乾燥時の大気と推測され、原料のうち生乳は事故前のものにつき因果関係はおそらくない、とか。これは当該ロットの危険性は低い旨広報したい意図に発せられた情報なのでしょうけれども、しかしそれならその後の分はなおさら危険なものと推測されるし、東日本の中では比較的汚染度合の低い埼玉の、しかも隔離された工場内における空気接触だけでそこまで汚染されていたという事実は極めて衝撃的に感じられるわけで、殆ど無意味に思われるところです。本件から今後敷衍されるだろう事実を想像するに憂鬱にならざるを得ませんし、今回のロットに限っても、半年以上前のものなのだし大半は既に消費済で取り返しが付かない筈なんですけれども、どう責任を取るつもりなんでしょう。