12/29/2010

[biz] 標準化の連携組織、メンツが微妙

な気がする。新設される「基準認証イノベーション技術研究組合(仮称)」の件です。

パナソニック主幹事、日立、東芝、三菱電機、ソニー、産総研、と。

まあ電機関連のみという事ではある。しかしその中に限っても、標準化でいつも顔を出すIT系の面々がいない。NEC、富士通、NTT(データ)あたりは何故参加していないのだろう。ってまあ想像は付くんですけど。

大体、電機関連のみでというのがどうも腑に落ちない。確かに大きい所ではあるけど、通信とか車とか協力が欠かせない標準化分野なんて他に沢山あるし。現時点の位置づけとしてはオールジャパンには程遠く、単なる業界団体の一つに過ぎないような感じですね。

そもそも、標準化なんてのは各企業が自社を優位にするために参加するものであって、委員同士はぶっちゃけ商売敵、表面的には協力するものの、内実では腹の探り合いとか牽制とか、実利の無い所は押し付け合いとか、そんなんばっかりなわけで、全体最適の面からは調整協力が望ましい所ではあるけれども、それは無理な話、というのが現実なわけでね。まあそのあたりの争いを多少スマートに談合調整するためのオフィシャルな組織になるのが関の山でしょう。返ってややこしくなるかもしれませんけど。

標準化を経営戦略に組み込めるのがメリットの一つとか言ってますが、団体設立以前に当たり前の話であって。元々事業展開に必要だからやってんです。少なくとも名目上は。でなきゃ撤退します。逆に経営に関係なく標準化なんて面倒な仕事に関わるような所があったら、そちらの方が驚き、というものです。標準化の委員を担当するレベルの人材コストがどんだけ高いか、知らない訳でもあるまいに。

とまあ何だか位置づけもよくわからない、とりあえず形を作れば何とかなるとかいう発想があからさまに見える微妙組織に思われます。きっと高齢者の肩書き作りのための保養所みたいになるんでしょう。んで、大学とかに転職していくと。そんなに害も無いでしょうし、好きにすればよいかと。無駄な話ですけれども。

パナソニック・日立・東芝・産総研など、国際標準で連携組織−初の“オールジャパン”