5/03/2013

[note] ubuntu 13.04導入

12.10に失望して12.04LTSに留まる事数ヶ月、早くも13.04がリリースされて数日が過ぎました。実際のところ12.04LTSに不自由も不満もなかったんですけれども、あまり最新リリースとバージョンが乖離するといざ更新となった時に複雑な問題を引き起こしかねないので、問題なければそろそろ上げとくかなと思案しまして。まずは確認とReleaseNotesやForumを覗いてみたところ、13.04は主に12.10からの改善、特にメモリ使用量の削減等、中身の最適化に注力されたものとの事で、特段の不具合等も報告されておらずまずまずの出来との事らしいと。逆に言えばこれメジャーバージョンアップというには無理があるんじゃないのCanonicalさんとか思いつつ、ともかくもこれなら上げても問題なさそうだと判断し、アップデートに踏み切ったわけです。

対象は64bitのServer機とサブの32bitノート1台の計2台。LooxUは少し前に切り替えたLubuntuが追従していないのでまたも見送り。このところの旧機種切り捨てなアップデートの傾向を鑑みるにLooxUはもう12.04LTSから上げられないかもしれませんね。

そして実行。結論から言えば2台とも何も問題もなくアップデート出来、12.04LTSの時と少なくとも見た目は殆ど変わらない状態で使用可能になりました。 以上。

一応メモ程度にアップデートの経過を下記に。

UpdateはUpdate Managerから実行です。まずオプションを変更してLTS以外のリリースへのアップグレードを許可すると12.10を適用可能と出ます。なぜ13.04ではないの、と訝しんで確認すると直接のアップグレードは不可で12.10を経由する必要があるんだそうで。ディスクからなら直接に出来るようですが、多分にトラブルが懸念されるし面倒だけど仕方ない、とおとなしく段階を踏みます。2000以上のパッケージの入れ替えが発生するので時間もかかるんですよね。途中時折表示されるカスタマイズ済のconfファイル類の保存確認ダイアログに差分確認して維持の旨応答等しつつ、じっと待つこと数時間、恙なく終了し再起動。この段階ではインストール特段の問題もなし。いや個人的にはここでUnityが復活してしまうのが気に入らないのですが、少し前に導入済のCairo-Dockに切り替えて速やかに排除して問題なし。再びUpdate Managerから同じく13.04へのアップグレードを実行します。少し出てくるダイアログが違うし、コアライブラリの再読込の確認とか聞かれますがそれはやはりメジャーアップデートだからという事でしょうか。いや関係ないか。ともかくそれ以外は殆ど同じ、やはり2000超の延々と続くパッケージアップデートの実行をじっと待ちます。殆どは無駄手間なんだろうなあとげんなりしつつ数時間後、こちらも恙なく終了。

さて、と触ってみると、動作自体に問題はないのですが個人的には無効化していたウィンドウの各種エフェクトや配置の自動調整等が復活しているのが気に入りません。ccsmでcompizのオプションからanimationとかウィンドウのフェードとかsnappingとかGridとか諸々外し直してようやく元通り。

結局、時間はかかるけれどもトラブルという程のトラブルは起こらず、概ねすんなり適用出来たものと言ってよさそうです。戦々恐々とした割には拍子抜けと言うか。Canonicalはスマホやタブレットの対応で忙しいからデスクトップ版は放置気味、大きな変更がない分すんなり行ったってだけなんでしょうけれども、もっともそれはそれでむしろ好ましい話だと思うのです。当たり前の話ですが、インタフェースとかコロコロ変えられるととても困るんでありまして、もういい加減Unityのようなガワの開発は諦めて内側に注力した方がいいんじゃないかとも思うところなんですが、まあ大きなお世話でしょう。ともあれ今回はこれでおしまい。次は秋頃ですか。これからもあまり冒険はせず、堅実なアップデートに努められるよう願いたいところです。しかしサポート9ヶ月は短いですよねえ。

ところで、13.04のコードネームのRaring Ringtailってどう訳すのが適切なんでしょう。一部には"荒ぶるアライグマ"とか訳されているようですが、Ringtailにはイタ公とか嫌な奴だとかスラングも含め色々他の意味もあるんですよね。イメージ的にはアライグマで納得しておくのが幸せなんでしょうけれども何か少し気になります。しかし相変わらず謎なネーミングセンスです。うーん。

-------追記

とりあえず普段通りに使っていると色々違いが感じられます。全体的に動作が滑らかになっているように思われて好感触。特にデザインがスマートに一新されたnautilusは、これまで付き纏っていた操作時の不連続感が解消されていて非常にgoodです。いいねこれ。

--------その後

いつの間にかLubuntuが13.04対応済みに。 もう少し様子を見るかどうするか。さて。

-----さらにしばらくして

長らく12.04LTSに留めていたLooxU/C40も13.04にアップデートしてみましたので追記。安全を重視して上記同様12.10を経由するパスで実施したところ特段の問題もなく恙なく終了し、再起動も問題無し。が、やはりノートラブルとは行かず、幾つか問題が発生しました。概ね以下の3点。

1.サスペンドから正常に復帰出来ない
2.輝度設定が保存されない
3.ログイン時に毎回内部エラーが発生する

Forum等の情報を漁って試行を繰り返した結果、このうち使用上致命的だった1と2が概ね修正出来たのでとりあえずよしとします。手順は下記。3のエラー表示は目障りで気分はよろしくありませんが、ちょっといじってみても治らず、残念ながら今回は目を瞑ります。なお環境はLubuntu、従ってマネージャーはOpenboxです。Unity環境については未検証につきご注意下さい。もっともUnity2Dが廃止された現状にあってはそもそもLooxUでUnityを使う事自体が現実的ではないだろうとも思われるところですけれども。

・サスペンド復帰異常
 サスペンドは正常になされるものの、復帰の際にブランクスクリーンになるというもの。マウスカーソルは表示されるし、ウィンドウ類も表示されないだけで操作は出来るのですが、当然使い物になりません。なお12.04の時に発生したサスペンド時の異常とは別口で、その際の対策で/etc/pm/config.d/下に追加したパラメタ(ADD_PARAMETERS='--quirk-vbemode-restore' サスペンド時にVGAのパラメタを保存読み出しするオプション)は本件には無力、というかむしろ邪魔で、それは削除した上で別途設定ファイルを追加してドライバモジュールを明示的に設定してやる必要があります。具体的には以下の通り。

まずドライバの設定を追加し、

/usr/share/X11/xorg.conf.d/20-gpudriver.conf

 Section "Device"
  Identifier "Card0"
  Driver "fbdev"
 EndSection

次いで下記内容のファイルを作成し、サスペンド対象にグラフィックモジュールも追加します。

/etc/pm/config.d/modules

 SUSPEND_MODULES="gma500_gfx"

あと、余計な悪さをしているらしいモジュールを例えば下記コマンドで実行不可にしておきます。

 $sudo chmod -x /etc/pm/sleep.d/novatel_3g_suspend

とりあえず私の環境では以上でサスペンドから正常に復帰するようになりました。実はその後20-gpudriver.confとかmodulesとか省いてみたら問題なくサスペンド出来る様子だったりして挙動が謎なのですが、Forumで公開されていた例は上記なので念のため全部掲載しています。おそらく個別環境毎に要不要が分かれるものと推測されますのでご注意の程。

・ 輝度設定保存等修正
 こちらは題名のまま。対応も下記の通り起動時のカーネルオプションを追加修正するだけです。

/etc/default/grub
  GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet console=tty1 nomodeset acpi_osi=Linux
acpi_backlight=vendor"

その後grubを更新。下記コマンド。

 $sudo update-grub

他の設定の調整と一緒にいじっていたので必要十分かは不明なのですが、とりあえず上記の通りnomodesetとacpi_osiにacpi_backlightオプションを付け加えると輝度設定等も保存されるようになりました。なお、輝度変更自体については以前の記事に記載の通り、 /sys/devices/virtual/backlight/psb-bl/brightnessにechoしてやれば変更出来ます。


とりあえず以上で。何はともあれクリーンインストールは回避出来て一安心。ccsmでオプション外しまくったりしたからか挙動も懸念したほど重くも感じられず、まずまずいい感じです。GMA500に振り回されるのも毎度の事ながら、頑張ればそれなりに解決出来るあたりは良い事なのか悪い事なのか。やれやれです。

[過去記事 [note] ubuntu12.10お試し導入]
[過去記事 [note] ubuntu 12.04LTS導入]