3/01/2026

[note] IsraelとUSがIranのKhameneiを殺害

Iranの最高指導者、Ali Hosseini Khameneiが殺害されたとの事です。

勿論IsraelとUSの犯行です。Khameneiが指導者としての執務をしていた建物を多数の親族らもろとも破壊したそうです。

Iranは当然ながらミサイル等でIsraelや周辺国の米軍関連施設に報復を行い、Hormuz海峡も封鎖しました。事実上IranとIsrael及びUSは戦争に突入したと言えるでしょう。

Israelの目的は前回と同じく自国に対するIranの脅威の排除、USはそのサポートをしつつ、敵国Iranを潰して壊滅的になったUS国内の政権支持率の改善を狙う、といったところでしょう。

まあ、そんなこと出来るわけがないんですが。正直何がしたいのか、何が出来ると思っているのか、理解し難いところです。どうするつもりなんでしょう。まさか何も考えていないのでしょうか。Trumpとその取り巻きの事ですから、まさかではないんでしょうね。

周知の通り、Iranは古来から国民のほぼ全員が生まれながらのイスラム教徒の国です。それも厳格で原理主義に近いShia派の。そしてIranの指導者は強い権限こそあるものの、独裁者ではありません。文字通り国民を指導する代表者であり、国民の支持も相応に得ている、むしろ教皇や大統領に近い性質のものです。

当然、体制の実質も、強権的な独裁者が君臨していたかつてのイラクやリビア、シリア等とはわけが違います。指導者を排除したところで、国民の意識がイスラムの教義に支配されている以上、Israelへの敵対的な姿勢は変わる筈もないし、誰に代わろうと指導者は敬虔で厳格、原理主義的なイスラム教徒のままです。

また、KhameneiはIsraelとの敵対的な姿勢、そしてIsraelやUSからの攻撃への反撃も辞さない姿勢から穏健派とまでは言えなかったものの、ISISやAl-Qaeda、タリバンといったイスラム過激派とは一線を画し、自国の側からの武力行使には抑制的でした。実際、9/11の同時多発テロの際には、Al-Qaedaを非難する声明を出してもいました。そのKhameneiの排除は、Iranの穏健化をもたらすどころか、逆に積極的な武力行使を引き起こす可能性があります。

加えて、Khameneiは既に86歳と高齢で、当然ながら死去に備えて後継者の選定も進められていました。排除したところで、多少スタンスが違うだけの似たような指導者に代わるだけの話でしょう。実際Iranでは混乱は生じておらず、まして民主化の動きなどは全く見られません。

つまり、Khameneiの排除には意味がない。少なくとも、IsraelやUSの意図しているだろうような、IsraelやUSに友好的なIranに変わる事などありえないのです。イラクにはあったような抵抗勢力、対立勢力というのが存在しない以上、傀儡政権というのも作り得ないでしょう。

なお、先日のIran国内での大規模デモの際には、Iran革命で滅んだPahlavi朝の復活を叫んだ者もそれなりにいたと言われていますが、その崩壊から既に50年近く、今更そんな求心力はないでしょう。また、そもそも王朝の復活は独裁体制への回帰にほかならないわけで、国民に広く受け入れられるとは考えられないし、その復活を望む者も少なくとも現体制周りには皆無でしょうから、なおさら現実的ではないでしょう。

すなわち、IranがKhameneiの死を契機として、親Israel、親US的な国へと自発的に変化する事など考えられないのです。本当にそのような変化を求めるというのなら、それこそIranと全面戦争をした上で征服し、IsraelかUSの完全な支配下に置く必要があるでしょう。

しかしそれは主にリソースの面で物理的に不可能です。

Iranは人口9000万を超える大国なのです。この規模の国が完全に他国の支配下に置かれた例は第二次世界大戦の終結以降は存在しません。USとの距離も考えれば尚更でしょう。やはりIranの体制は変わり得ないのです。

そして、体制が変わらないのならば、Iranを攻撃し、Khameneiをはじめとした上層部を中心に多数を殺害したIsraelとUSに対する報復は嫌が応にも激化するでしょう。IsraelとUSの側としても、指導者を殺してしまった以上、もう後戻りも出来ません。双方がやめどころを見失い、際限なく応酬がエスカレートする可能性も決して低くはありません。

少なくとも、Hormuz海峡近辺の情勢は相当の長期に渡って極めて厳しいものになるだろう事が予想されます。当然ながら、その見通しに従って、石油価格等は既に大きく動いてもいます。

IsraelとUSは、取り返しのつかない、出口のない泥沼の戦争に踏み出してしまったのではないか。そのように思えてならないのです。Israelは言うに及ばず、Trump政権下のUSが後先考えない危険な国になってしまった事はわかり切っていた話ですが、第一次Trump政権での唯一の美徳であった武力行使への抑制的な姿勢も失った今、もはや最悪の人的災害と化してしまいました。

その被害を受けるIranはじめ関係各国の方々には誠にご愁傷様です。おそらくその後でTrump周りが大量に弾劾を受け、大幅に権限が抑制されるだろう中間選挙まであと半年余り、あまりにも長いその苦難の時期を、どうか被害を抑制して生き延びられるよう祈ります。

<追記>

US側にも死者が確認されました。Iranの報復は、その継続が困難になるまで続くものと予想されます。そしてその攻撃範囲は広く、US側の死者は今後も増えるものと見込まれます。そうすれば当然、USはますます抜け出せなくなるでしょう。無論Iran側の死者はそれ以上に増える。双方死者が増えれば、それだけ応酬が激化する。

こうなるだろう事はわかり切っていたでしょうに、USはなぜこの戦争を始めてしまったのでしょうか。Israel以外の誰も望まなかっただろうこの愚かな殺し合いを。