する判決が米で出されました。
対象はMetaとGoogle。LAの地裁での判決です。
その趣旨は、Instagram等のSNSサイトのデザインについて、際限なく情報を表示し、ユーザーの興味を引き続ける構造になっており、若年者にネット中毒に陥らせる危険が高いにも関わらず、その旨の注意喚起等を全くしておらず、消費者保護の責任を果たしていない、との事。
賠償金は二社合計で6m$(Meta7割、Google3割)と米国のこの手の裁判にしては控えめですが、同種の係争が多数提起されている中、それらへの波及は避けられないだろう事から両社は無論、SNS業界全体について構造的な転換を迫るものになると見られています。
MetaについてはNew Mexicoで提起されていた別の裁判で児童に対する性加害についての責任が認定されたとの報道もあります。安全だと誤認させ、かつ防止措置を怠ったとの事です。こちらは児童への性犯罪という事で賠償額が300m$と高額。
如何な巨大企業と言えども積み重なればその事業の存亡にも関わるでしょう。米ではタバコへの規制になぞらえる向きも多数見られます。いわゆるデジタルドラッグに認定された、という見方も出来るでしょう。
タバコの例を見ても明らかな通り、この種の社会的な認定は、その対象が継続的に被害者を生む性質のものであって、とりわけネガティブなものである場合、ほぼ半永久的に継続します。ほとぼりが冷めれば忘れられる、というような事業者にとって都合のいい事は起こりません。
自社サービスへのユーザーの依存をそのビジネスの生命線とするSNS事業者は、しかし過剰な依存は防がなければならない、という根本的に背反する制約の下、極めて困難な舵取りを余儀なくされる事になるでしょう。
あるいはAustraliaのように若年者のSNS利用制限に踏み切らなければならなくなるかもしれません。事業者にとっては極めて厳しいシナリオですが、仮にそうなったとしても、これまで何の配慮も対策もせず、各ユーザーの自己責任として問題を放置し続けて来た事業者側の自業自得なので諦めて従う他ないでしょうね。
ネットの有用性、社会インフラとしての重要性等がどれほどあろうとも、個人の人権はそれに優越します。それが子供達についてのものであればなおさらです。
若年者がネットに依存する事は健全とは到底言い難いし、依存性も含めて有害な情報が溢れるネットに触れるのは精神がそれなりに成熟して情報の選別や自制が出来るようになってからにすべき、という主張には一理も二理もあります。事業者側の事情や建前を持ち出したところで、到底太刀打ちできないでしょう。
もっとも、大人になれば必ずしも自制等が出来るというわけではなく、単に年齢制限や年齢によるゾーニング等をすれば済む、とは言えないのが悩ましいところではあります。本来なら、年齢によらず依存に陥らせないように律せられるべきだろうし、依存すれば社会生活に問題が生じる違法行為への誘引、またデマや陰謀論、扇動のような明らかに悪性の情報は排除されるべきなのでしょうが、そんな事が出来るとも思えません。
その辺りの議論はこれから嫌が応にもせざるを得ないだろうし、その中である種の基準が形成されていくのでしょう。それが巨大企業、産業の利益を優先させるものではなく、子供達にとってあるべきものとなる事を願います。