日野自動車がトヨタから見捨てられたとか。現実は非情です。
エンジンの型式指定取得に際しての検査不正が発覚、多数のエンジンについて型式指定が取り消され、複数車種につき事実上販売が不可能になってしまっていた日野自動車ですが、トヨタグループから切り離される事になってしまいました。
分離後は三菱ふそうと一緒になるんだそうで。状況から言って、事実上の三菱ふそうによる日野自動車の吸収になる事は明白です。不正発覚前なら想像も出来なかったような話ですね。
問題の型式指定については、その後主力の大型車関連につき再申請を行い、販売再開にこぎつけた車種も出ていたのですが、23年4月時点でまだ以前の1/4は販売出来ない状態だったそうです。完全な回復まではまだ時間がかかる事は明らかでしたが、それを待つ余裕はない、という事だったのでしょう。
それも当然というか、商用車なのだから、当然顧客は事業者なわけで、事業上必要な時に供給出来ないメーカーからは当然顧客は離れるでしょうし、さらに一度離れた顧客が戻ってくることもほぼ無いでしょう。結局のところ、信用を失ったメーカーは顧客に見放される、というだけの事です。そして、そんな状況に陥った日野自動車には、もはや自力で事業を維持出来る見込みが十分持てなかったという事なのでしょう。元々単価が高い一方で顧客数は少ない業界ですからね。リプレースのサイクルも長めですし。
それにしても、相手が三菱ふそうですか・・・。大半の人がそうでしょうけど、どうしても不祥事がちらつきます。4社しかない国内大型トラック業界内の序列的にも下位なのだし、負け組連合な感は否めません。それでも台数で言えばこれから首位になるんでしょうけど、信用とか企業としての評価は最低、ですか。どうなるのやら。
もっとも、まだ三菱ふそうの親会社であるところのダイムラーとトヨタを含む4社間で覚書を交わした段階で、時期等の具体的な条件はこれから決めるという話ですから、二転三転するかもしれませんけどね。内外の反発も半端ではないでしょうし。