米国務長官のRex Tillersonがついにクビになりました。これで、Trump政権発足時の主要メンバーで残っているのは副大統領のPenceのみ。Ivankaもいると言えばいますが、彼女は実務面では完全に素人ですし、主要と言うには躊躇を覚えますね。
ともあれ、Tillersonの退場には、主要メンバーがいなくなった、という以上の意味がある、と言われています。というのも、後先を考えない短慮そのものと言うべきTrumpの方針、行動に対し、修正を促す事が出来たほぼ唯一の人物だったからです。外交面では基本的に対話を模索し、北朝鮮や中東諸国との水面下での交渉を一手に担ってきました。まあ、その北関連での方針の対立が彼の罷免の直接の原因になったのだから、もうどうしようもなくなっていた、という事なんでしょうけれども。
後任には当然ながらTillersonとは異なる、すなわちTrumpの方針に迎合するPompeoが就いた事で、ほぼ全面的に実務担当者を事実上失い、これで外交関連での箍が外れるだろうTrump政権が、経済、軍事、環境等、分野を問わず諸外国との軋轢を先鋭化させる事はほぼ疑いようがありません。意味もはっきりしない、おそらくは本人も意味がわかっていないだろう"America First"の下、各種の条約、協定は安易に反故にされ、貿易等での障壁は大幅に強化されるでしょう。そのドラスティックな動きに、米国の議会はじめ国内もさらに混沌とするだろう事も疑いようがありません。
無論、そこに日本の都合など欠片も考慮される筈もありません。不祥事、というより犯罪の露見によって窮地に陥っている政権にとってはまさに泣きっ面にスズメバチの大軍が群がってきたようなものでしょうか。
とはいえ、残念ながら一連の米国の動きは全て正当なものです。その国力を背景にした米国の主権は他者の介入を許さない強大なものであり、その大統領たるTrumpには、その国を代表する権限が国民の信認によって与えられているのですから。日本を含め、その主権の外にある者は、如何にそれが理不尽に見えても、すべからく翻弄される他ないのです。困った事ですが、あきらめましょう。
Rex Tillerson Out as Trump’s Secretary of State, Replaced by Mike Pompeo
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