11/16/2016

[note] 地デジ用室内アンテナの作成

今回は趣味の工作的な話です。最近は色々と壊れた物の修理をする事が多かったわけですが、久しぶりに新規の作成となります。事の経緯は、先日知人から、小型テレビの電波の入りが今ひとつよろしくない、との話を伺った事に始まります。詳しい状況を聞いてみたところ、問題のテレビは所謂ポータブルテレビで、付属のアンテナを付けて窓際に設置しているのだけれど、フルセグでの受信は不安定で、ワンセグでしか入らなくなる事が多いんだとか。地域的には電波塔からさほど離れているわけではなく、電波自体が弱いわけではないらしい事から、受信側のアンテナの問題だろうと思われる状況でした。

素直に考えれば、市販のアンテナを使えばいいって話なんでしょうけれども、調べてみるとそこそこの価格が付けられている事と、そのテレビ自体も1万円程度の安価なものという事もあり、たかが地デジ用の小型アンテナをそこまで出してわざわざ買うのも若干不釣り合いな気がしないでもない、という事で、今回は安価さを重視し、100均で調達可能な部材を使ってアンテナを作成してみる事にしたわけです。なお、同軸ケーブル(F端子付)は手元にあったものを使いました。

今回作成したのは2種類。ダイポールアンテナとヘンテナ。いずれも多数作成事例が存在しますので詳細は割愛しますが、定番ですね。共に周波数500MHz、すなわち波長60cm程度に合うようにしました。受信専用だしそんなにシビアでもないだろう、と期待して。

結果から言えば、ダイポールでは足りず、ヘンテナでOKとなりました。というわけで、以下その作成についてメモ。

まずダイポール。以前キーボードのパターン修復に使った銅箔が残っていたので、これを1/2波長すなわち約30cmずつ切り出して段ボールに貼り付け、


中央部に開けた穴からF端子を通して、


 導線をハンダ付けして出来上がり。


 非常に簡単です。が、流石に性能は良いとは言えず、付属のアンテナとどっこいな感じでした。そりゃそうか。というわけで没。


次に、シンプルな割に利得が高いと定評のあるヘンテナの作成です。スチールの針金を用いて、F端子プラグを取り付け可能な形で作ります。100均で下図のようなプラグ2個と針金を調達。


本体の寸法は、長辺30cm、短辺10cmの長方形状のループに、長辺の1/3(端から10cm:20cm)の内分する位置に短辺と平行にして両側から内向きに伸ばした枝に中央でプラグを固定する形です。大まかに針金をペンチで伸ばし、曲げ、カシメて調整し、各接点をハンダ付けしてからグルーガンで覆います。覆う必要は必ずしもありませんが、尖った部分が剥き出しだと何かと危険ですからね。安全第一。というわけで出来上がった姿が下図です。


 裏側。


全体図。ちょっと歪んでいますね。もちろん修正しようと思えば出来るのですけれども、今回は受信専用という事もあり、性能面では問題なさそうなので放置。


コネクタ部分は少し苦労しました。同軸ケーブルを固定する金具にそれぞれ針金の先を挿しこんだり、巻きつけたりしてからハンダ付けして、これも同様にグルーガンで固めてあります。とてもスマートとは言えませんが、強度面では十分でしょう。


これを、窓際でハンガーから垂らしたケーブルの先に接続する形で設置した結果、流石にダイポールや付属アンテナとは違い、全チャンネル安定してフルセグ受信出来るようになったのでした。めでたし。ただ、角度はある程度電波塔の方へ向ける必要があるらしかったり、窓からは少し離したほうが良いらしかったり等、若干調整は必要ではあったのですけれども。といってもその程度、些細なことです。というわけで、今回はこれでおしまい。

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