フランスの次期大統領選の予備選において、右派共和党(旧UMP)ではFrancois Fillonが決選投票でAlain Juppeを大差で退け、候補者として確定しました。
本選では、Fillonの他、極右派国民戦線のMarine Le Penに加え、現職のHollande大統領率いる社会党を含む3者で候補が乱立する左派が票を食い合う選挙戦が予想されていますが、現時点の世論調査ではFillonが優勢な模様とのことです。具体的には、第一回投票を想定した調査では対Le Penで僅差、左派の各候補には2倍から3倍程度で圧勝の見込みで、また決選投票のように1対1を仮定した場合には、Fillon対Le Penではダブルスコアになる等、いずれの候補にも大差でFellonが勝利する見込みだそうです。要するにFillonの圧勝ですね。
無論本選はまだ数か月も先の話で、新候補はしばしば登場時に過剰な期待を受ける事があるものだし、情況は様々に変化するものにつき予断は禁物ではあります。が、支持の拡大も踊り場に来たように見える極右に競り勝ち、かつ左派3陣営の各候補はFillonには遠く及ばない事からすれば、現時点でFillonが次期大統領になる可能性は相当に高いものと見てよいのでしょう。
特に、左派はもう無理かもしれない、と思うわけです。近々では移民政策での明らかな失敗等から政権への批判が高まって極右や保守に支持が流れ、左派が一枚岩になっても対抗は相当に困難であろう現状にあって、極左とそれ以外の対立に加え、Hollade政権下で事務局長を務めたEmmanuel Macronが独立候補として立って社会党の基盤を大幅に侵食しているうえ、肝心の社会党ではHollande現大統領と首相のManuel Vallsが内紛に近い状態にある、というのですから。率直に言って明らかに対Fillonを云々する以前の段階で全く話になりません。実際、3者(社会党は党として)各々10%前後しか支持が得られておらず、全部足してようやく可能性が生じるにすぎない、というのでは、そもそもその仮定が成立するところの決選投票に進む事すら出来ないという事になるわけで、むしろ不可能と言い切っていいかもしれません。
というわけで、結局のところ、フランスも保守回帰が見込まれるところとなりました。これがさらに極右にまで進む可能性はあっても、左派へと戻る事は当面は考えられないでしょう。すなわち、既に移行が進む英国・米国に加えて仏も保守回帰を果たす事となり、ドイツを除く主要国が揃って国内優先政策に舵を切ったものと言えます。その経緯からすれば、移民政策は根本的に排外へと転換する事は避けられず、経済的保護主義とも合わせて欧州各国間での方針の相違はさらに鮮明となり、EU崩壊の懸念はより一層深まるところとなるわけです。
今や主たる指導者のうちリベラリズムを掲げるものはAngela Merkelただ一人、しかしそのMerkelすら、大幅な支持の低下を前にして難民の大規模な強制送還を打ち出す等の修正ないし転換を余儀なくされている以上、事実上欧州はなべて排外主義に染まったと言っていいのでしょう。実態はともかく、少なくとも建前としては国家や人種、思想の相違を全て受け入れ融和する社会を目指した欧州の夢が、かくも儚くも崩壊する様を見るのは残念なところではありますが、毎日のように難民キャンプで爆発等の騒乱が発生し、不法入国者も一向に減らず、依然としてテロに脅やかされ続ける諸国の現在の有様からすれば、これも必然という他ないのかもしれません。排斥された者達は一体何処へ行き、何者となるのか。誰もが懸念するように、反社会性を帯びた無法者の群れへと転じてしまうのか。どうなろうとも、それを止める事はもはや誰にも出来ないのでしょう。自他共に認める自由の国ですら、抗うことは出来なかったのですから。
France election: Socialists scramble to avoid split after Fillon win
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11/29/2016
11/25/2016
[IT law] 中国にて犯罪者予備軍を顔つき(のみ)で判別するシステムの開発が進行中
中国で、顔の特徴から潜在的な犯罪者を見つけ出そう、というクレイジーな実験が行われているんだそうです。以前からよくあるところの、そして大金をつぎ込んだ挙句失敗に終わるところの、顔写真を元に監視カメラで指名手配犯やテロリストを探す、というのではありません。純粋に顔画像のみを用いて、すなわち顔つきだけから、既遂未遂未着手も含め、犯罪を犯しそうな者を判別しようというのです。
具体的には、中国の国家機関が過去に容疑者とみなして摘発した市民数百人を含む2000人弱分の顔写真を学習セットに用いて、顔認証等に用いられる一般的な特徴について容疑者群とそれ以外との差異を抽出して判別基準を作成し、それによって顔写真のみから犯罪者(潜在的なものを含む)を判別しようとしているのだとか。担当の研究者曰く、上唇の曲率や両目間の距離等には容疑者に特徴的なものがある、と主張しているそうです。
実験は、18歳から55歳までの、髭や刺青等のない男性の1856人分の顔画像セットが用いられました。その約4割、730人分が容疑者です。それら画像の90%を用いて学習した判別基準につき、残りの約200人分程度の画像を判別させた実験の結果、その成功率は89%だった、とのこと。
結果だけを見れば、およそ10人に9人は判別出来るという事で、驚愕すべき高精度です。・・・この数字が信用のおけるものなら、という但書は付くし、色々と疑義もあるわけですけれども。
さて。当然ながら、本件試みには各方面から批判・非難が山ほど寄せられているそうです。その内容・論拠は大別して2点。1つは、犯罪すなわち具体的に定義することさえ出来ない不特定の広汎な行為に及ぶ、という内面的な性向と、外見の、しかも静的な特徴との間に、因果関係の存在を見出すべき根拠が存在せず、従って科学的に意味不明な点。もう1つは、本件における犯罪者データは、中国当局が容疑者として摘発した者を集めたに過ぎないため、そもそも犯罪行為を行ったかどうかも定かではなく、従って本実験は、"当局に容疑者として摘発されやすい外見"を判別しているに過ぎず、これをもって犯罪者を判別したものとは到底言えない点です。
実験とそれに対する上記の批判を前提にすれば、ある程度判別が出来た、という結果を論理的に解釈し、理解する事が可能になります。例えば、次のように。
本実験の前提として、外見と犯罪行為一般への積極的性向の間に論理的な根拠は見出だせない。そうである以上、外見による判別は不可能であり、従って、偏りのないデータに対する本実験の成功率は50%に漸近するものと考えられる。しかし、本実験の結果には、明らかに有意な偏りが認められる。従って、データに偏りが存在するものと思われる。学習に用いたデータは、当局に容疑者として摘発された者とそれ以外の者であるから、偶々データ内に偏りがあったのでない限り、外見の特徴と中国当局による摘発対象となる事の間に強い因果関係の存在が示唆される。従って、中国当局は、外見的特徴のみに基いて相当割合の容疑者の摘発を行っているものと推定される。
という感じで。結局のところ、本実験を合理的に解釈して得られた結果は、顔つきから犯罪者を判別出来る、という事ではなく、中国当局は、当局がステレオタイプ化している犯罪者らしい見た目の男を見た目だけで検挙しているらしい、という事になるわけです。恐ろしいですね。もっとも、それはあくまで結果であり、間接的な原因は幾つか考えられるわけですけれども。例えば、中国国内ではウイグル族やチベット族をはじめ、多数のマイノリティが政治的に迫害され、その多数が検挙されてもいる事は周知であるところ、本件で判別に用いたような外見的特徴は、特に民族間に表れやすいものである事からすれば、中国各地の少数民族への迫害を裏付けるものと見る事も可能かもしれません。なおさら恐ろしいですね。
しかし、本件が怖いのはその点に止まりません。中国当局が今回の実験を行った理由は、明らかに犯罪者(潜在的なものを含む)を自動的に識別し検挙するためと思われるところ、本方式をそのままそこに適用するとすれば、これまで行ってきたところの外見のみによる偏見に満ちた根拠のない摘発に倣って検挙を進める形となり、従って無実の市民の摘発する結果になるものと考えられるわけです。それは、本方式により(見かけ上の)根拠が与えられる結果、従来よりもさらに強制的なものになり、規模も大幅に拡大する事が予想されます。しかしその実、これまで(根拠もなく見た目だけから怪しんで)検挙した市民と、その見た目が似ているからというだけで検挙されるという。
家族や親類に検挙された人がいたらその時点でもう大体アウトになる、と考えればその異常性が想像しやすいでしょうか。偶々顔の一部の特徴が過去の容疑者に似ているに過ぎない人でも、整形しなければ、何ら罪に問われる事をしていなくとも、ある日突然容疑者にされてしまうのです。容疑者っぽい顔をしているから、というだけの理由で。
それはもうマッチポンプどころじゃないですね。自分たちでこれまでレッテルを貼ってきた挙句、それを是正するどころか、逆にそれを基準にして、これまでの相手と似ているからお前も犯罪者に違いない、と言いがかりを付けて回るわけです。性質の悪いことに、顔画像のみから自動的に、従って大規模かつ迅速に出来てしまう一方、中国の権力構造からすれば、誰にも修正することは出来ません。無力で哀れな市民は、ただ理不尽を前に絶望するしかないでしょう。
こういう無茶苦茶な話を聞くにつけ、自分は中国人でなくてよかったと心から思うのです。中国人の方々は・・・御愁傷様としか。ただね。どこまで本気なのか、と疑問に思うところもないわけではありません。単に言いがかりのネタをでっち上げようとしているだけなのか、それとも本当に外見だけから犯罪者とわかると信じているのか。非論理的だったり非科学的だったりする事自体は途上国としてある程度致し方ない部分はあるだろうけれども、中国の場合は大体理解していて、それでも悪意の下あえて実行する事もざらにあるものだから、本件もその一例に過ぎないのかもしれない、等とどうしても疑念を抱かされてしまうのです。であればなおさら救えない話ということになるわけですけれども。どちらせによ、恐ろしい事には変わりありませんし、多少その性質が変わるというに過ぎないんでしょうけれどもね。
Convict-spotting algorithm criticised
具体的には、中国の国家機関が過去に容疑者とみなして摘発した市民数百人を含む2000人弱分の顔写真を学習セットに用いて、顔認証等に用いられる一般的な特徴について容疑者群とそれ以外との差異を抽出して判別基準を作成し、それによって顔写真のみから犯罪者(潜在的なものを含む)を判別しようとしているのだとか。担当の研究者曰く、上唇の曲率や両目間の距離等には容疑者に特徴的なものがある、と主張しているそうです。
実験は、18歳から55歳までの、髭や刺青等のない男性の1856人分の顔画像セットが用いられました。その約4割、730人分が容疑者です。それら画像の90%を用いて学習した判別基準につき、残りの約200人分程度の画像を判別させた実験の結果、その成功率は89%だった、とのこと。
結果だけを見れば、およそ10人に9人は判別出来るという事で、驚愕すべき高精度です。・・・この数字が信用のおけるものなら、という但書は付くし、色々と疑義もあるわけですけれども。
さて。当然ながら、本件試みには各方面から批判・非難が山ほど寄せられているそうです。その内容・論拠は大別して2点。1つは、犯罪すなわち具体的に定義することさえ出来ない不特定の広汎な行為に及ぶ、という内面的な性向と、外見の、しかも静的な特徴との間に、因果関係の存在を見出すべき根拠が存在せず、従って科学的に意味不明な点。もう1つは、本件における犯罪者データは、中国当局が容疑者として摘発した者を集めたに過ぎないため、そもそも犯罪行為を行ったかどうかも定かではなく、従って本実験は、"当局に容疑者として摘発されやすい外見"を判別しているに過ぎず、これをもって犯罪者を判別したものとは到底言えない点です。
実験とそれに対する上記の批判を前提にすれば、ある程度判別が出来た、という結果を論理的に解釈し、理解する事が可能になります。例えば、次のように。
本実験の前提として、外見と犯罪行為一般への積極的性向の間に論理的な根拠は見出だせない。そうである以上、外見による判別は不可能であり、従って、偏りのないデータに対する本実験の成功率は50%に漸近するものと考えられる。しかし、本実験の結果には、明らかに有意な偏りが認められる。従って、データに偏りが存在するものと思われる。学習に用いたデータは、当局に容疑者として摘発された者とそれ以外の者であるから、偶々データ内に偏りがあったのでない限り、外見の特徴と中国当局による摘発対象となる事の間に強い因果関係の存在が示唆される。従って、中国当局は、外見的特徴のみに基いて相当割合の容疑者の摘発を行っているものと推定される。
という感じで。結局のところ、本実験を合理的に解釈して得られた結果は、顔つきから犯罪者を判別出来る、という事ではなく、中国当局は、当局がステレオタイプ化している犯罪者らしい見た目の男を見た目だけで検挙しているらしい、という事になるわけです。恐ろしいですね。もっとも、それはあくまで結果であり、間接的な原因は幾つか考えられるわけですけれども。例えば、中国国内ではウイグル族やチベット族をはじめ、多数のマイノリティが政治的に迫害され、その多数が検挙されてもいる事は周知であるところ、本件で判別に用いたような外見的特徴は、特に民族間に表れやすいものである事からすれば、中国各地の少数民族への迫害を裏付けるものと見る事も可能かもしれません。なおさら恐ろしいですね。
しかし、本件が怖いのはその点に止まりません。中国当局が今回の実験を行った理由は、明らかに犯罪者(潜在的なものを含む)を自動的に識別し検挙するためと思われるところ、本方式をそのままそこに適用するとすれば、これまで行ってきたところの外見のみによる偏見に満ちた根拠のない摘発に倣って検挙を進める形となり、従って無実の市民の摘発する結果になるものと考えられるわけです。それは、本方式により(見かけ上の)根拠が与えられる結果、従来よりもさらに強制的なものになり、規模も大幅に拡大する事が予想されます。しかしその実、これまで(根拠もなく見た目だけから怪しんで)検挙した市民と、その見た目が似ているからというだけで検挙されるという。
家族や親類に検挙された人がいたらその時点でもう大体アウトになる、と考えればその異常性が想像しやすいでしょうか。偶々顔の一部の特徴が過去の容疑者に似ているに過ぎない人でも、整形しなければ、何ら罪に問われる事をしていなくとも、ある日突然容疑者にされてしまうのです。容疑者っぽい顔をしているから、というだけの理由で。
それはもうマッチポンプどころじゃないですね。自分たちでこれまでレッテルを貼ってきた挙句、それを是正するどころか、逆にそれを基準にして、これまでの相手と似ているからお前も犯罪者に違いない、と言いがかりを付けて回るわけです。性質の悪いことに、顔画像のみから自動的に、従って大規模かつ迅速に出来てしまう一方、中国の権力構造からすれば、誰にも修正することは出来ません。無力で哀れな市民は、ただ理不尽を前に絶望するしかないでしょう。
こういう無茶苦茶な話を聞くにつけ、自分は中国人でなくてよかったと心から思うのです。中国人の方々は・・・御愁傷様としか。ただね。どこまで本気なのか、と疑問に思うところもないわけではありません。単に言いがかりのネタをでっち上げようとしているだけなのか、それとも本当に外見だけから犯罪者とわかると信じているのか。非論理的だったり非科学的だったりする事自体は途上国としてある程度致し方ない部分はあるだろうけれども、中国の場合は大体理解していて、それでも悪意の下あえて実行する事もざらにあるものだから、本件もその一例に過ぎないのかもしれない、等とどうしても疑念を抱かされてしまうのです。であればなおさら救えない話ということになるわけですけれども。どちらせによ、恐ろしい事には変わりありませんし、多少その性質が変わるというに過ぎないんでしょうけれどもね。
Convict-spotting algorithm criticised
11/22/2016
[note] Launchyのビルド失敗への対処について(on ubuntu16.10)
ubuntu(lubuntu)上のランチャーとして、もう何年もバージョンが2.5のままでアップデートも長らくされていないLaunchyをなんとなく使い続けているのですけれども。先日、新規にlubuntu16.10の64bit版を導入する機会があり、いつものようにセットアップ作業を行っていたところ、Launchyのビルドに失敗したのです。
結構長い間新規のビルドはしていなかったので、本件失敗が何時何が原因で発生するようになったのかは不明ですが、少なくとも2年前位までは問題なかった筈ですし、おそらくはライブラリ類の変更に伴う些細な問題とかその辺だろうと推測し、調査の上対処することにしました。
まず、ビルド中に発生したエラーは、下記の通りリンカにおける未定義参照すなわちライブラリの参照失敗でした。
[ビルドエラー]
/usr/bin/ld: build/platform_x11_hotkey.o: シンボル 'XKeycodeToKeysym' への未定義参照です
これを見た時、少し首を傾げてしまいました。というのも、問題の関数XKeycodeToKeysymはDeprecatedになっていて後継の関数への置き換えが可能ではあるものの、使えないわけではなかった筈です。実際、後継関数のXkbKeycodeToKeysymに置き換えてみると、上記エラーは消えたものの、別の、Deprecatedになっていない関数の未定義エラーが発生しました。というわけで、本件は個別の関数の問題ではなく、X11関連のライブラリへの参照一般に失敗している事が原因だろうと理解し、Makefile中のg++のリンカオプションに-lX11を追加したところ、無事ビルドに成功。なお前記関数の置き換えは元に戻しましたが、やはり問題なくビルド出来ます。というわけで割とあっさり解決して一安心です。
具体的な修正点は下記の通りとなります。Launchyのソースのバージョンは2.5。
[修正ファイル] src/Makefile.Release
※本ファイルは、正規のビルド手順の途中でqmakeにより自動生成されるものです。
[修正点]
LIBS変数(18行目あたり)の中に、-lX11を追加挿入
(修正例)
LIBS = $(SUBLIBS) -L/usr/lib/x86_64-linux-gnu -lX11 -lQtGui -lQtNetwork -lQtCore -lpthread
なお、本件とは関係ありませんが、以前行ったアイコン処理関連で落ちる現象の修正(下記)は適用済みです。
[note] Launchyが落ちるので暫定修正
というわけで今回は以上です。
結構長い間新規のビルドはしていなかったので、本件失敗が何時何が原因で発生するようになったのかは不明ですが、少なくとも2年前位までは問題なかった筈ですし、おそらくはライブラリ類の変更に伴う些細な問題とかその辺だろうと推測し、調査の上対処することにしました。
まず、ビルド中に発生したエラーは、下記の通りリンカにおける未定義参照すなわちライブラリの参照失敗でした。
[ビルドエラー]
/usr/bin/ld: build/platform_x11_hotkey.o: シンボル 'XKeycodeToKeysym' への未定義参照です
これを見た時、少し首を傾げてしまいました。というのも、問題の関数XKeycodeToKeysymはDeprecatedになっていて後継の関数への置き換えが可能ではあるものの、使えないわけではなかった筈です。実際、後継関数のXkbKeycodeToKeysymに置き換えてみると、上記エラーは消えたものの、別の、Deprecatedになっていない関数の未定義エラーが発生しました。というわけで、本件は個別の関数の問題ではなく、X11関連のライブラリへの参照一般に失敗している事が原因だろうと理解し、Makefile中のg++のリンカオプションに-lX11を追加したところ、無事ビルドに成功。なお前記関数の置き換えは元に戻しましたが、やはり問題なくビルド出来ます。というわけで割とあっさり解決して一安心です。
具体的な修正点は下記の通りとなります。Launchyのソースのバージョンは2.5。
[修正ファイル] src/Makefile.Release
※本ファイルは、正規のビルド手順の途中でqmakeにより自動生成されるものです。
[修正点]
LIBS変数(18行目あたり)の中に、-lX11を追加挿入
(修正例)
LIBS = $(SUBLIBS) -L/usr/lib/x86_64-linux-gnu -lX11 -lQtGui -lQtNetwork -lQtCore -lpthread
なお、本件とは関係ありませんが、以前行ったアイコン処理関連で落ちる現象の修正(下記)は適用済みです。
[note] Launchyが落ちるので暫定修正
というわけで今回は以上です。
11/18/2016
[note] ubuntu16.10のtcshに修正版がようやくリリース
ubuntu16.10において、オートコンプリート(tabキー押下)実行時に必ず落ちるという酷いバグが発生していたtcshですが、ようやく修正されたようです。アップデート適用後に使ってみると、tabキーを押しても落ちなくなっていました。
なお、修正後のバージョンは、修正前と変わらず6.18.01です。
$ tcsh --version
tcsh 6.18.01 (Astron) 2012-02-14 (x86_64-unknown-linux) options wide,nls,dl,al,kan,sm,rh,nd,color,filec
内部的には、024-use-sysmalloc.patchを当てた修正版として、6.18.01-5ubuntu0.16.10.1とサブバージョンが振られているようです。これはあくまでubuntu専用に独自に修正したものだから、という事なんでしょうけれども、紛らわしいし、そういう独自の修正は今後のバージョン間で仕様にズレを生む危険も当然あって、新たな問題の温床になるといった副作用が生じる可能性も懸念されるわけで、それが見た目は同じバージョン、というのはやはり適切とは言い難いと思うのです。表層的な部分であれば格別、シェルのような基幹的部分への、しかも本件のような重大な事象に対する修正であれば、なおさら慎重であるべきでしょう。実際、本件修正のログを見ても、副作用の可能性についても言及されているのですし。もちろん一応一通りチェックはされているのですけれども、そういう問題ではないでしょう。
かように少々怪しい感じではありますが、修正された事自体は歓迎すべき事でしょうから、折を見て徐々に戻すか、あるいはこのままbashを使い続けるかを決めようと思います。しかし発生からおよそ1ヶ月、その間は殆ど使用不能というべき症状の酷さからすれば、いささか時間が掛かり過ぎ、遅きに失した感も否めません。Canonicalは、リリースという言葉と行為の意味、そこに当然伴うべき責任、及びその適切な実行の方法を、今一度再考する必要があるのではないでしょうか。
[前記事 [note] ubuntu16.10導入 ※tcshユーザは回避推奨]
なお、修正後のバージョンは、修正前と変わらず6.18.01です。
$ tcsh --version
tcsh 6.18.01 (Astron) 2012-02-14 (x86_64-unknown-linux) options wide,nls,dl,al,kan,sm,rh,nd,color,filec
内部的には、024-use-sysmalloc.patchを当てた修正版として、6.18.01-5ubuntu0.16.10.1とサブバージョンが振られているようです。これはあくまでubuntu専用に独自に修正したものだから、という事なんでしょうけれども、紛らわしいし、そういう独自の修正は今後のバージョン間で仕様にズレを生む危険も当然あって、新たな問題の温床になるといった副作用が生じる可能性も懸念されるわけで、それが見た目は同じバージョン、というのはやはり適切とは言い難いと思うのです。表層的な部分であれば格別、シェルのような基幹的部分への、しかも本件のような重大な事象に対する修正であれば、なおさら慎重であるべきでしょう。実際、本件修正のログを見ても、副作用の可能性についても言及されているのですし。もちろん一応一通りチェックはされているのですけれども、そういう問題ではないでしょう。
かように少々怪しい感じではありますが、修正された事自体は歓迎すべき事でしょうから、折を見て徐々に戻すか、あるいはこのままbashを使い続けるかを決めようと思います。しかし発生からおよそ1ヶ月、その間は殆ど使用不能というべき症状の酷さからすれば、いささか時間が掛かり過ぎ、遅きに失した感も否めません。Canonicalは、リリースという言葉と行為の意味、そこに当然伴うべき責任、及びその適切な実行の方法を、今一度再考する必要があるのではないでしょうか。
[前記事 [note] ubuntu16.10導入 ※tcshユーザは回避推奨]
11/16/2016
[note] 地デジ用室内アンテナの作成
今回は趣味の工作的な話です。最近は色々と壊れた物の修理をする事が多かったわけですが、久しぶりに新規の作成となります。事の経緯は、先日知人から、小型テレビの電波の入りが今ひとつよろしくない、との話を伺った事に始まります。詳しい状況を聞いてみたところ、問題のテレビは所謂ポータブルテレビで、付属のアンテナを付けて窓際に設置しているのだけれど、フルセグでの受信は不安定で、ワンセグでしか入らなくなる事が多いんだとか。地域的には電波塔からさほど離れているわけではなく、電波自体が弱いわけではないらしい事から、受信側のアンテナの問題だろうと思われる状況でした。
素直に考えれば、市販のアンテナを使えばいいって話なんでしょうけれども、調べてみるとそこそこの価格が付けられている事と、そのテレビ自体も1万円程度の安価なものという事もあり、たかが地デジ用の小型アンテナをそこまで出してわざわざ買うのも若干不釣り合いな気がしないでもない、という事で、今回は安価さを重視し、100均で調達可能な部材を使ってアンテナを作成してみる事にしたわけです。なお、同軸ケーブル(F端子付)は手元にあったものを使いました。
今回作成したのは2種類。ダイポールアンテナとヘンテナ。いずれも多数作成事例が存在しますので詳細は割愛しますが、定番ですね。共に周波数500MHz、すなわち波長60cm程度に合うようにしました。受信専用だしそんなにシビアでもないだろう、と期待して。
結果から言えば、ダイポールでは足りず、ヘンテナでOKとなりました。というわけで、以下その作成についてメモ。
まずダイポール。以前キーボードのパターン修復に使った銅箔が残っていたので、これを1/2波長すなわち約30cmずつ切り出して段ボールに貼り付け、
中央部に開けた穴からF端子を通して、
導線をハンダ付けして出来上がり。
非常に簡単です。が、流石に性能は良いとは言えず、付属のアンテナとどっこいな感じでした。そりゃそうか。というわけで没。
本体の寸法は、長辺30cm、短辺10cmの長方形状のループに、長辺の1/3(端から10cm:20cm)の内分する位置に短辺と平行にして両側から内向きに伸ばした枝に中央でプラグを固定する形です。大まかに針金をペンチで伸ばし、曲げ、カシメて調整し、各接点をハンダ付けしてからグルーガンで覆います。覆う必要は必ずしもありませんが、尖った部分が剥き出しだと何かと危険ですからね。安全第一。というわけで出来上がった姿が下図です。
裏側。
全体図。ちょっと歪んでいますね。もちろん修正しようと思えば出来るのですけれども、今回は受信専用という事もあり、性能面では問題なさそうなので放置。
コネクタ部分は少し苦労しました。同軸ケーブルを固定する金具にそれぞれ針金の先を挿しこんだり、巻きつけたりしてからハンダ付けして、これも同様にグルーガンで固めてあります。とてもスマートとは言えませんが、強度面では十分でしょう。
これを、窓際でハンガーから垂らしたケーブルの先に接続する形で設置した結果、流石にダイポールや付属アンテナとは違い、全チャンネル安定してフルセグ受信出来るようになったのでした。めでたし。ただ、角度はある程度電波塔の方へ向ける必要があるらしかったり、窓からは少し離したほうが良いらしかったり等、若干調整は必要ではあったのですけれども。といってもその程度、些細なことです。というわけで、今回はこれでおしまい。
[関連記事 [note] 古いキーボードを修理・その3]
[関連記事 [note] 鞄の取っ手金具(手カン)の修理]
素直に考えれば、市販のアンテナを使えばいいって話なんでしょうけれども、調べてみるとそこそこの価格が付けられている事と、そのテレビ自体も1万円程度の安価なものという事もあり、たかが地デジ用の小型アンテナをそこまで出してわざわざ買うのも若干不釣り合いな気がしないでもない、という事で、今回は安価さを重視し、100均で調達可能な部材を使ってアンテナを作成してみる事にしたわけです。なお、同軸ケーブル(F端子付)は手元にあったものを使いました。
今回作成したのは2種類。ダイポールアンテナとヘンテナ。いずれも多数作成事例が存在しますので詳細は割愛しますが、定番ですね。共に周波数500MHz、すなわち波長60cm程度に合うようにしました。受信専用だしそんなにシビアでもないだろう、と期待して。
結果から言えば、ダイポールでは足りず、ヘンテナでOKとなりました。というわけで、以下その作成についてメモ。
まずダイポール。以前キーボードのパターン修復に使った銅箔が残っていたので、これを1/2波長すなわち約30cmずつ切り出して段ボールに貼り付け、
中央部に開けた穴からF端子を通して、
導線をハンダ付けして出来上がり。
非常に簡単です。が、流石に性能は良いとは言えず、付属のアンテナとどっこいな感じでした。そりゃそうか。というわけで没。
次に、シンプルな割に利得が高いと定評のあるヘンテナの作成です。スチールの針金を用いて、F端子プラグを取り付け可能な形で作ります。100均で下図のようなプラグ2個と針金を調達。
本体の寸法は、長辺30cm、短辺10cmの長方形状のループに、長辺の1/3(端から10cm:20cm)の内分する位置に短辺と平行にして両側から内向きに伸ばした枝に中央でプラグを固定する形です。大まかに針金をペンチで伸ばし、曲げ、カシメて調整し、各接点をハンダ付けしてからグルーガンで覆います。覆う必要は必ずしもありませんが、尖った部分が剥き出しだと何かと危険ですからね。安全第一。というわけで出来上がった姿が下図です。
裏側。
全体図。ちょっと歪んでいますね。もちろん修正しようと思えば出来るのですけれども、今回は受信専用という事もあり、性能面では問題なさそうなので放置。
コネクタ部分は少し苦労しました。同軸ケーブルを固定する金具にそれぞれ針金の先を挿しこんだり、巻きつけたりしてからハンダ付けして、これも同様にグルーガンで固めてあります。とてもスマートとは言えませんが、強度面では十分でしょう。
これを、窓際でハンガーから垂らしたケーブルの先に接続する形で設置した結果、流石にダイポールや付属アンテナとは違い、全チャンネル安定してフルセグ受信出来るようになったのでした。めでたし。ただ、角度はある程度電波塔の方へ向ける必要があるらしかったり、窓からは少し離したほうが良いらしかったり等、若干調整は必要ではあったのですけれども。といってもその程度、些細なことです。というわけで、今回はこれでおしまい。
[関連記事 [note] 古いキーボードを修理・その3]
[関連記事 [note] 鞄の取っ手金具(手カン)の修理]
[note] 鞄の取っ手金具(手カン)の修理
本件の金具は、四角形に近い比較的単純な形状のもので、割と汎用性も高そうに思われたため、最初は交換用の部品を探したのですが、これが意外と見つかりませんでした。そうそう壊れるものでもないし、あまり需要がなく、そのために流通もしていない、という事なのでしょうか。他にも、ワイヤーの接続用金具(シャックル)の細長いもので代用出来ないかと検討してみたりもしましたが、微妙に寸法が合わず、本体側の穴に差し込む事が困難につき断念。
仕方がないので、壊れた金具を修理する事にしたのです。材質はおそらく亜鉛系で、そもそももげる位には柔らかいものなのだから、それほど苦労はしないだろうと見込んで。具体的な修理方法としては、サイド部分のみ流用して、折れたシャフトは取り払い、代わりに長いネジを通す事にしました。結果から言えば概ね思い通りに修理する事が出来たのです。以下はその工程のメモ。
まず、 シャフト部分にネジを通すための穴を開けます。バイスに固定して、
ドリルで3mmの穴を開けます。
位置や角度がズレないよう、特に最初の内は軽く当てては目的の位置に近づくよう斜めに動かして離す、を繰り返しつつ、少しずつ削り取るようにして掘っていきます。
ほぼ位置が定まったら、角度を優先して掘り進めます。柔らかいので削りやすいのはいいのですが、逆に言えば間違った位置・方向にも削れやすいという事なので、 気を使います。
当然ながら削りかすが沢山出るので、時々外して掃除します。同時に位置等を確かめつつ。
数ミリ以上まで行くと、あとはひたすら垂直になるよう掘り進めるだけです。
これで出来上がり。
もう片側。シャフトが残っているので、まず切り落とします。
金鋸でコリコリと。
やはり柔らかいので、さほど苦労する事もなく切れます。
先ほどと同様にバイスにセットして、
もう片方に開けた穴と位置が合うよう、殊更に気を使って位置決めして、ドリルで穴を開けます。
これで穴あけは完了。組み上げます。
シャフトの代わりには、3Mの小ねじ、今回は元々の壊れた原因であるところの強度を重視してステンレス製を採用しました。なお長さは40mmです。ちなみに、もげていなかった側のシャフトも長さを合わせるため同じく交換。本体と取っ手のそれぞれに通した後、両側をボルトで固めて出来上がりです。
写真を見ればわかるとおり、片方のネジが長すぎて少し飛び出しています。いささか不格好ですが、そこまで目立つというわけでもなく、とりあえず強度は問題ない様子なので、ひとまずはこれでよしとしました。気になるようなら片側だけ35mmに交換するかもしれませんけれども。というわけで今回はこれでおしまい。
[関連記事 [note] 壊れたマウスのスイッチを交換修理]
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11/11/2016
[note] 壊れたマウスのスイッチを交換修理
殆ど恒例になりつつある、デバイスの修理の話です。日常的に使っていれば、あるいは使っていなくとも、何だかんだでチラホラと壊れるのですよね。今回故障したのはマウス。型番はLogicool製のM235で、同社製品の中でも安価なカテゴリのモデルです。症状は左のスイッチを押しても反応しない事が頻繁に発生する、というもの。完全に壊れたわけではなく、カチカチというクリック音はするし、数回に一回は反応もするのですが、通常のクリックとダブルクリックの使い分けが殆ど出来なくなるし、ドラッグの途中で勝手にグリップが外れてしまったりして、実際の所使い物になりません。
購入してから既に数年経っていてそこそこ古いものの、使用頻度の非常に低いPCに接続している事から殆ど摩耗等はしていない筈なのですが、運が悪かったのでしょう。ただ、当然ながら見た目もさほど劣化しておらず、いくら安価なモデルとはいえ廃棄は躊躇われる、というわけで、スイッチだけを交換して修理する事にしたわけです。
まずは交換用部品を調達しました。本機のスイッチは、D2FC-F-7Nという角形のポピュラーな部品が使用されているのですが、これは各所で流通しており、入手も容易です。それだけ故障も多いという事なのかもしれませんね。国内でも入手可能なのですが、やはりそこそこの値段がします。数百円のマウスの修理に数百円の部品というのはいささか不釣り合いのように思われ、かつ急ぐ理由もない、というわけで、今回はコストを重視してebay経由で中国は深センの業者から購入しました。5個入りで送料込$1.07。発送から2週間弱と比較的早く到着したのは幸運でした。OMRONの刻印が入っているものの、本物かどうかは・・・まあ、気にしない方がいいのでしょう。動けばいいのです。
というわけで、以下は作業記録です。まず、問題のマウスを分解。
本機のネジは1箇所。電池を入れる部分の裏、シールで覆われた下にあります。
蓋を開けて、
基盤を取り外します。基盤はネジ止め等はされておらず、爪と電極部分で固定されている形です。爪を押さえつつ、マイナス側の電極を持ち上げるようにして外します。
裏側。 下図の画面上側の3端子を外します。
ハンダごてと吸取線でちまちまと格闘する事数分、取り外し。うっかり一つの端子について接点のリングパターンも剥がしてしまいました。
が、慌てず交換部品を差し込み、リング諸共ハンダ付けします。
ついでにレンズユニットの掃除などしつつ、組み立て直します。動作確認の結果は良好で一安心。ちなみに元の部品のメーカーは中国のHiMAKEで、交換前後で比較すると、新しい方は若干幅が細く、だからというわけではないのでしょうけれども、クリック感は軽く、音も小さめでいい感じです。今回は左側だけを交換しましたが、これなら両方交換してもいいかもしれない、とも。
ともあれ、めでたしめでたし、というわけで、今回はこれでおしまい。
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購入してから既に数年経っていてそこそこ古いものの、使用頻度の非常に低いPCに接続している事から殆ど摩耗等はしていない筈なのですが、運が悪かったのでしょう。ただ、当然ながら見た目もさほど劣化しておらず、いくら安価なモデルとはいえ廃棄は躊躇われる、というわけで、スイッチだけを交換して修理する事にしたわけです。
まずは交換用部品を調達しました。本機のスイッチは、D2FC-F-7Nという角形のポピュラーな部品が使用されているのですが、これは各所で流通しており、入手も容易です。それだけ故障も多いという事なのかもしれませんね。国内でも入手可能なのですが、やはりそこそこの値段がします。数百円のマウスの修理に数百円の部品というのはいささか不釣り合いのように思われ、かつ急ぐ理由もない、というわけで、今回はコストを重視してebay経由で中国は深センの業者から購入しました。5個入りで送料込$1.07。発送から2週間弱と比較的早く到着したのは幸運でした。OMRONの刻印が入っているものの、本物かどうかは・・・まあ、気にしない方がいいのでしょう。動けばいいのです。
というわけで、以下は作業記録です。まず、問題のマウスを分解。
本機のネジは1箇所。電池を入れる部分の裏、シールで覆われた下にあります。
蓋を開けて、
基盤を取り外します。基盤はネジ止め等はされておらず、爪と電極部分で固定されている形です。爪を押さえつつ、マイナス側の電極を持ち上げるようにして外します。
裏側。 下図の画面上側の3端子を外します。
ハンダごてと吸取線でちまちまと格闘する事数分、取り外し。うっかり一つの端子について接点のリングパターンも剥がしてしまいました。
が、慌てず交換部品を差し込み、リング諸共ハンダ付けします。
ついでにレンズユニットの掃除などしつつ、組み立て直します。動作確認の結果は良好で一安心。ちなみに元の部品のメーカーは中国のHiMAKEで、交換前後で比較すると、新しい方は若干幅が細く、だからというわけではないのでしょうけれども、クリック感は軽く、音も小さめでいい感じです。今回は左側だけを交換しましたが、これなら両方交換してもいいかもしれない、とも。
ともあれ、めでたしめでたし、というわけで、今回はこれでおしまい。
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11/10/2016
[pol] 排外主義へと転換する米国、その行く先について
Trump大統領の誕生により、米国では諸々の政治的事項・案件について相当にドラスティックな方針変更が見込まれる事となりました。それらの事項等を適当にまとめてみたいと思います。
第一に、移民関連。不法入国者の摘発と強制送還、及びメキシコ国境への障壁建設が主たる公約に掲げられており、原則として積極的に移民を制限ないし排斥する事になります。その実現は極めて困難な事も明らかなのですが、それでも氏が支持を集めた最大の要因とも言える公約であることから、無理にでも進める事になるでしょう。議会の承認は得られるのか、というところから不明なのですけれども。
第二に、税制。米国内での個人向けの大規模な減税は、おそらく氏の公約の中で、実利面を重視する有権者に対し最も訴求しただろう目玉政策です。財政面の整合をどう取るのかは全くの不明である等、これも実現手段の面で相当の困難が見込まれますが、上記と同様の理由により、やらないという選択肢は有り得ないでしょう。その皺寄せが何処へ向かうのか、それが問題です。相続税は廃止、法人税も半減レベルで大幅に減税するというのですから、それこそお得意の"You're Fired"を連発して人件費を半減する、位の大幅な制度変更をしなければ実現不可能な筈なのですが。他に関連する話としては、軍事費は減らすどころか増える見込みだとか。これ程の減税を進める中で、その費用はどうやって賄うつもりなのか、これまた謎です。
第三に、社会保障。米国内の保険制度改革、通称Obamacareに対する氏の非難はあまりに苛烈なものでした。元々制度上の不備や欠陥が多々指摘され、脆弱そのものである同制度が廃止されない理由は殆ど存在しないように思われるところであり、果して国民皆保険の夢は潰え、諸々の保障は再び裕福な個々人と大手保険会社との間にのみ存在する高価なサービスでしかなかったところの旧来の制度へ回帰する事になるでしょう。規制から開放され、患者から搾り取る事が出来るようになるAIGをはじめとした保険会社は大喜びです。とはいえ、既に数千万件以上の契約が存在する以上、廃止と言ってもその後始末も大変な事になる筈なのにも関わらず、殆ど誰もそれには触れていない点はいささか奇妙であり、どこぞの無責任な党が政権交代を果たした後の惨事を彷彿とさせるわけですが、さて。
第四に、米国内産業の保護。逆に言えば、国外産業の冷遇。保護主義の復活そのものと言っていいだろうその方針に沿った政策が取られれば、米国内の産業・雇用には補助金や案件の割当等でそれなりの優遇がされるだろう一方、関税等の輸入障壁が復活し、加えて生産と雇用の海外移転にはペナルティが課される事になるでしょう。少なくとも近年増加を続けていたメキシコの生産拠点はやり玉に挙げられる形で冷遇されるでしょう。日本にとっては、自動車の関税がどの程度になるかが問題でしょうか。TPP?何のことでしょう。知りませんね。同時に、労働ビザの取得・維持の要件もさらに厳しくなるだろうものと見込まれます。永住権を持たない外国人の相当数について、帰国あるいは別の国への移転を検討する必要が生じるかもしれません。
第五に、思想差別。大統領の公認の下、イスラム教は米国内で危険思想と見做され、程度はともかくとして、監視・管理の対象となるでしょう。新規入国の制限に始まる形で排斥も始まり、そこから進んで社会的に迫害される事例も増えるでしょう。 当然、イスラム教徒を多数抱える国々との深刻な対立も招くでしょう。ジェンダー関連についても保守的な方向への回帰が予想されます。
第六に、諸外国との関係。まず前提として、この点において氏はあまりに無知であり、少なくとも協力関係の維持・構築については殆ど無関心です。およそロシア以外の国については共感も関心すらも示していない、という事実は、その国内を再優先にする方針を証明するものです。その一方で、積極的に諸外国を支配しようとする姿勢もまた見えません。要するに、自国の事しか知らないし、考える気もない、という事です。
従来の、数十年に渡る同盟関係は、氏の中ではリセットされ、もはや存在すらしていないのかもしれません。そうであれば、NATOを筆頭とする西側諸国間の安全保障の枠組みが事実上解体される可能性も低いとは言えないでしょう。国連ですら例外とは言い切る事は出来ません。すなわち、本当の意味で第二次世界大戦後の、西側諸国の同盟を中心にした秩序体制が終焉を迎える可能性もある、と言えるわけです。中国やインドはじめ、経済的に米国の雇用を奪っていると見なされる国々と米国の対立も進むでしょう。また、それらの大国間の話からすれば些細な事でしょうけれども、日米安保についても、条件の見直しは避けられず、その交渉の成り行き次第ではその解消も普通にあり得るでしょう。米国の圧力が弱まる、あるいは消える事で侵略主義を強めるだろう中国やロシアへの抑止は誰が担うのか、それとも誰にも止められなくなるのか。欧州にしろ、極東にしろ、その不安定化した軍事バランスが、暴発を招く可能性はどれほどでしょうか。
関連して、アフガニスタンとイラク・シリアを中心とする現在も進行中の戦争についてはどうなるのでしょうか。今の所それを判断する材料は乏しく、具体的にどうなるとも予想する事は困難です。軍需産業への補助として維持・拡大を続けるのか、減税等への資金捻出のため、縮小へと舵を切るのか。どちらの判断もあり得るでしょうけれども、もし終わらせる判断を採るのなら、その際の措置は他国・他国民への配慮等微塵もない自己中心的なものとなり、従って残される結果は悲惨なもの以外には成り得ないでしょう。それも仕方がないのです。彼には、知識も経験もなく、そもそも配慮をしようとする意思のかけらもないのですから。
かように数多くの決定的な変化が見込まれます。その多くが前代未聞というべきドラスティックなものですから、予測も対処も相当の困難が伴うだろう事は疑いようもありません。ただ、警官と市民の殺し合いといった、近年深まり続けてきた米国内における国民間での対立については、おそらく彼の就任後も変わる事はなく、むしろさらにその傾向は強まるでしょう。それに伴い、銃規制や死刑廃止等の議論も消滅するでしょう。刺激的な日々が続く事に、喜ぶ向きも少なくはないのではないでしょうか。テロリスト等の、米国や西側諸国の自滅を願う者にとってもおそらく歓迎すべき事なのでしょうしね。
無責任と無秩序が支配する、狂った世界はすぐそこにあるのかもしれません。そういった世界を好む者にとって、Trumpは最高の案内人であり、エンターテイナーであるように感じられるでしょう。God bless U.S!
当事者としては正直勘弁して欲しかった、と思う一方、第三者的には、積み上がった空手形の山のうち、何を何処まで実行出来るのか、仮に実行出来た場合はどのような世界になるのか、また実行出来なかった場合はどのようなタイミングと形で失望に転じるのか、等、正直に言えば色々と興味も感じるところではあります。Obama,Hillaryはじめ民主党側の手のひらを返したような協力姿勢にも無理してる感が凄すぎますし、あそこまで決定的に分裂対立した国民が素直に連帯を取り戻し得るとは思えませんから、そういった諸々の無理がどういう帰結をもたらすのか、せいぜい観察させて頂こうと思う次第なのです。もう決まってしまった事なのですし、何せ色々と前代未聞の事態、それもこの規模で、というのでは、興味を惹かれずにいられるわけもないのですから。
[前記事 [pol] 米大統領選に感じる"予想外"のデジャヴ]
第一に、移民関連。不法入国者の摘発と強制送還、及びメキシコ国境への障壁建設が主たる公約に掲げられており、原則として積極的に移民を制限ないし排斥する事になります。その実現は極めて困難な事も明らかなのですが、それでも氏が支持を集めた最大の要因とも言える公約であることから、無理にでも進める事になるでしょう。議会の承認は得られるのか、というところから不明なのですけれども。
第二に、税制。米国内での個人向けの大規模な減税は、おそらく氏の公約の中で、実利面を重視する有権者に対し最も訴求しただろう目玉政策です。財政面の整合をどう取るのかは全くの不明である等、これも実現手段の面で相当の困難が見込まれますが、上記と同様の理由により、やらないという選択肢は有り得ないでしょう。その皺寄せが何処へ向かうのか、それが問題です。相続税は廃止、法人税も半減レベルで大幅に減税するというのですから、それこそお得意の"You're Fired"を連発して人件費を半減する、位の大幅な制度変更をしなければ実現不可能な筈なのですが。他に関連する話としては、軍事費は減らすどころか増える見込みだとか。これ程の減税を進める中で、その費用はどうやって賄うつもりなのか、これまた謎です。
第三に、社会保障。米国内の保険制度改革、通称Obamacareに対する氏の非難はあまりに苛烈なものでした。元々制度上の不備や欠陥が多々指摘され、脆弱そのものである同制度が廃止されない理由は殆ど存在しないように思われるところであり、果して国民皆保険の夢は潰え、諸々の保障は再び裕福な個々人と大手保険会社との間にのみ存在する高価なサービスでしかなかったところの旧来の制度へ回帰する事になるでしょう。規制から開放され、患者から搾り取る事が出来るようになるAIGをはじめとした保険会社は大喜びです。とはいえ、既に数千万件以上の契約が存在する以上、廃止と言ってもその後始末も大変な事になる筈なのにも関わらず、殆ど誰もそれには触れていない点はいささか奇妙であり、どこぞの無責任な党が政権交代を果たした後の惨事を彷彿とさせるわけですが、さて。
第四に、米国内産業の保護。逆に言えば、国外産業の冷遇。保護主義の復活そのものと言っていいだろうその方針に沿った政策が取られれば、米国内の産業・雇用には補助金や案件の割当等でそれなりの優遇がされるだろう一方、関税等の輸入障壁が復活し、加えて生産と雇用の海外移転にはペナルティが課される事になるでしょう。少なくとも近年増加を続けていたメキシコの生産拠点はやり玉に挙げられる形で冷遇されるでしょう。日本にとっては、自動車の関税がどの程度になるかが問題でしょうか。TPP?何のことでしょう。知りませんね。同時に、労働ビザの取得・維持の要件もさらに厳しくなるだろうものと見込まれます。永住権を持たない外国人の相当数について、帰国あるいは別の国への移転を検討する必要が生じるかもしれません。
第五に、思想差別。大統領の公認の下、イスラム教は米国内で危険思想と見做され、程度はともかくとして、監視・管理の対象となるでしょう。新規入国の制限に始まる形で排斥も始まり、そこから進んで社会的に迫害される事例も増えるでしょう。 当然、イスラム教徒を多数抱える国々との深刻な対立も招くでしょう。ジェンダー関連についても保守的な方向への回帰が予想されます。
第六に、諸外国との関係。まず前提として、この点において氏はあまりに無知であり、少なくとも協力関係の維持・構築については殆ど無関心です。およそロシア以外の国については共感も関心すらも示していない、という事実は、その国内を再優先にする方針を証明するものです。その一方で、積極的に諸外国を支配しようとする姿勢もまた見えません。要するに、自国の事しか知らないし、考える気もない、という事です。
従来の、数十年に渡る同盟関係は、氏の中ではリセットされ、もはや存在すらしていないのかもしれません。そうであれば、NATOを筆頭とする西側諸国間の安全保障の枠組みが事実上解体される可能性も低いとは言えないでしょう。国連ですら例外とは言い切る事は出来ません。すなわち、本当の意味で第二次世界大戦後の、西側諸国の同盟を中心にした秩序体制が終焉を迎える可能性もある、と言えるわけです。中国やインドはじめ、経済的に米国の雇用を奪っていると見なされる国々と米国の対立も進むでしょう。また、それらの大国間の話からすれば些細な事でしょうけれども、日米安保についても、条件の見直しは避けられず、その交渉の成り行き次第ではその解消も普通にあり得るでしょう。米国の圧力が弱まる、あるいは消える事で侵略主義を強めるだろう中国やロシアへの抑止は誰が担うのか、それとも誰にも止められなくなるのか。欧州にしろ、極東にしろ、その不安定化した軍事バランスが、暴発を招く可能性はどれほどでしょうか。
関連して、アフガニスタンとイラク・シリアを中心とする現在も進行中の戦争についてはどうなるのでしょうか。今の所それを判断する材料は乏しく、具体的にどうなるとも予想する事は困難です。軍需産業への補助として維持・拡大を続けるのか、減税等への資金捻出のため、縮小へと舵を切るのか。どちらの判断もあり得るでしょうけれども、もし終わらせる判断を採るのなら、その際の措置は他国・他国民への配慮等微塵もない自己中心的なものとなり、従って残される結果は悲惨なもの以外には成り得ないでしょう。それも仕方がないのです。彼には、知識も経験もなく、そもそも配慮をしようとする意思のかけらもないのですから。
かように数多くの決定的な変化が見込まれます。その多くが前代未聞というべきドラスティックなものですから、予測も対処も相当の困難が伴うだろう事は疑いようもありません。ただ、警官と市民の殺し合いといった、近年深まり続けてきた米国内における国民間での対立については、おそらく彼の就任後も変わる事はなく、むしろさらにその傾向は強まるでしょう。それに伴い、銃規制や死刑廃止等の議論も消滅するでしょう。刺激的な日々が続く事に、喜ぶ向きも少なくはないのではないでしょうか。テロリスト等の、米国や西側諸国の自滅を願う者にとってもおそらく歓迎すべき事なのでしょうしね。
無責任と無秩序が支配する、狂った世界はすぐそこにあるのかもしれません。そういった世界を好む者にとって、Trumpは最高の案内人であり、エンターテイナーであるように感じられるでしょう。God bless U.S!
当事者としては正直勘弁して欲しかった、と思う一方、第三者的には、積み上がった空手形の山のうち、何を何処まで実行出来るのか、仮に実行出来た場合はどのような世界になるのか、また実行出来なかった場合はどのようなタイミングと形で失望に転じるのか、等、正直に言えば色々と興味も感じるところではあります。Obama,Hillaryはじめ民主党側の手のひらを返したような協力姿勢にも無理してる感が凄すぎますし、あそこまで決定的に分裂対立した国民が素直に連帯を取り戻し得るとは思えませんから、そういった諸々の無理がどういう帰結をもたらすのか、せいぜい観察させて頂こうと思う次第なのです。もう決まってしまった事なのですし、何せ色々と前代未聞の事態、それもこの規模で、というのでは、興味を惹かれずにいられるわけもないのですから。
[前記事 [pol] 米大統領選に感じる"予想外"のデジャヴ]
11/09/2016
[pol] 米大統領選に感じる"予想外"のデジャヴ
米大統領選が先日の英国でのEU離脱国民投票と似たような展開になってるようで、各種市場関係者を中心に阿鼻叫喚な感じですね。いや、稼ぎ時だ、とか言って逆に喜んでる人も多いのかもしれませんけど。
半数程度が決定した段階では、予想に反してTrumpが健闘、というより優勢です。同時実施中の議会選の方は明らかに共和党の勝利に傾いている、という事もあり、現時点ではTrumpの勝利の可能性が相当に高いものと予想されています。これにより、基本的にClintonの勝利すなわち現行路線の踏襲を予想し織り込んでいた各界は強制的に修正を迫られ、大混乱に陥った、というわけです。
このままTrump政権が成立すれば、広く長く世界中の政財界が未曾有の大混乱に陥るだろう事は明らかであって、同氏が従来から具体的かつ建設的な政策を殆ど呈示して来なかった事からすれば、少なくとも経済的には当面マイナスの影響が見込まれるわけで、当然ながらロシアを除くほぼ全ての諸外国にとっては歓迎出来ない結果であり、その損失回避あるいは軽減を図るべく頭を悩ませる事になるでしょう。なのですが、しかしその選択もまた英国のそれと同じく、米国民の固有の権利を行使した結果である以上、他者が異を挟む権利はなく、米国そのものの決定として受け入れざるを得ないものなのであります。
これはあれですね、現実に起こり得る可能性がある限り、その中で最も無さそうに思われ、かつ多数が望ましくないと考える結果が往々にして現実になってしまう、というやつですね。それを防ぐには、あらかじめ可能性を0にしておかなければならないのだ、という。ビジネスの現場なんかではよくある話、とはいっても普通は繰り返している内にいつかは起こるという統計的確率の話で、今回のような2者択一で可能性が低く見積もられていた側が予想に反して現実になるというのはさほど頻度は高くない筈なのですが、よりによって米国の大統領選でそれが起こってしまうとは。いや、まだ可能性がそこそこ高くなったというだけの段階ですけれども。
それはそれとして、為替はじめ市場のボラの高さは何とかならないものなのでしょうか。数時間で5%以上の幅で上下するとか、価格調整もクソもない単なる賭場と言わざるを得ない惨状なわけで、最初から投機目的の向きはともかく、それ以外にとってはそれで被る損失はあまりに大きく、迷惑というだけでは済まないと思うのですよ。まあ、途中経過に左右されて混乱する事は目に見えていたのだから、この日の取引はあらかじめ避けるのが適切なのでしょうが、そうするわけにもいかない向きもいるわけですから。困ったものです。
ともあれ、どのような結果になるにせよ、自分の周囲や政府がトチ狂ってしまったりする事のないよう願いたいところです。もっとも、Trumpが当選した場合には、彼の基本ポリシーが外国人の排斥であり、日本もその範疇に含まれるだろう以上、問答無用で排斥される可能性は高いだろうし、そうなったとしてこちらから何が出来るというわけでもないのでしょうけれども。
(追記)
Trump大統領誕生だそうです。悪夢が現実のものになってしまいました。あっちもこっちも大変です。アメリカは何処へ行ってしまうのでしょうか。
なお、今回"予想外"の結果になった原因は、各種メディア等の予想の基礎データすなわちオンラインによる統計調査におけるモデルの設定と母集団の選別に不備があり、現実の有権者の分布と乖離していた事が原因のようです。すなわち、この種の調査は通信手段等の有無により母集団の抽出に際して元々都市部への偏りがあったところに、Hillary支持者は都市部で圧倒的で調査に応じる率も高い一方、Trump支持者は地方に多く、またネットを利用しない層が多かったために、オンライン調査等による推測は本来的に困難なケースだった、という事なのでしょう。要するに、統計的調査の方法の誤りが今回の"予想外"を生んだ、というわけです。これは、英国のEU離脱の際にも見られたものですが、メディアはその辺を全く反省していなかったという事なのでしょう。困ったものです。
[過去記事 [pol] 怒涛の勢いで政治的自殺行為を重ねるTrumpがそれでも大統領候補という恐怖]
[過去記事 [pol] 傲慢で愚かなTrumpが大統領候補筆頭という現実]
[過去記事 [pol] 英国は独立を取り戻すか > 取戻します。さらばEU]
半数程度が決定した段階では、予想に反してTrumpが健闘、というより優勢です。同時実施中の議会選の方は明らかに共和党の勝利に傾いている、という事もあり、現時点ではTrumpの勝利の可能性が相当に高いものと予想されています。これにより、基本的にClintonの勝利すなわち現行路線の踏襲を予想し織り込んでいた各界は強制的に修正を迫られ、大混乱に陥った、というわけです。
このままTrump政権が成立すれば、広く長く世界中の政財界が未曾有の大混乱に陥るだろう事は明らかであって、同氏が従来から具体的かつ建設的な政策を殆ど呈示して来なかった事からすれば、少なくとも経済的には当面マイナスの影響が見込まれるわけで、当然ながらロシアを除くほぼ全ての諸外国にとっては歓迎出来ない結果であり、その損失回避あるいは軽減を図るべく頭を悩ませる事になるでしょう。なのですが、しかしその選択もまた英国のそれと同じく、米国民の固有の権利を行使した結果である以上、他者が異を挟む権利はなく、米国そのものの決定として受け入れざるを得ないものなのであります。
これはあれですね、現実に起こり得る可能性がある限り、その中で最も無さそうに思われ、かつ多数が望ましくないと考える結果が往々にして現実になってしまう、というやつですね。それを防ぐには、あらかじめ可能性を0にしておかなければならないのだ、という。ビジネスの現場なんかではよくある話、とはいっても普通は繰り返している内にいつかは起こるという統計的確率の話で、今回のような2者択一で可能性が低く見積もられていた側が予想に反して現実になるというのはさほど頻度は高くない筈なのですが、よりによって米国の大統領選でそれが起こってしまうとは。いや、まだ可能性がそこそこ高くなったというだけの段階ですけれども。
それはそれとして、為替はじめ市場のボラの高さは何とかならないものなのでしょうか。数時間で5%以上の幅で上下するとか、価格調整もクソもない単なる賭場と言わざるを得ない惨状なわけで、最初から投機目的の向きはともかく、それ以外にとってはそれで被る損失はあまりに大きく、迷惑というだけでは済まないと思うのですよ。まあ、途中経過に左右されて混乱する事は目に見えていたのだから、この日の取引はあらかじめ避けるのが適切なのでしょうが、そうするわけにもいかない向きもいるわけですから。困ったものです。
ともあれ、どのような結果になるにせよ、自分の周囲や政府がトチ狂ってしまったりする事のないよう願いたいところです。もっとも、Trumpが当選した場合には、彼の基本ポリシーが外国人の排斥であり、日本もその範疇に含まれるだろう以上、問答無用で排斥される可能性は高いだろうし、そうなったとしてこちらから何が出来るというわけでもないのでしょうけれども。
(追記)
Trump大統領誕生だそうです。悪夢が現実のものになってしまいました。あっちもこっちも大変です。アメリカは何処へ行ってしまうのでしょうか。
なお、今回"予想外"の結果になった原因は、各種メディア等の予想の基礎データすなわちオンラインによる統計調査におけるモデルの設定と母集団の選別に不備があり、現実の有権者の分布と乖離していた事が原因のようです。すなわち、この種の調査は通信手段等の有無により母集団の抽出に際して元々都市部への偏りがあったところに、Hillary支持者は都市部で圧倒的で調査に応じる率も高い一方、Trump支持者は地方に多く、またネットを利用しない層が多かったために、オンライン調査等による推測は本来的に困難なケースだった、という事なのでしょう。要するに、統計的調査の方法の誤りが今回の"予想外"を生んだ、というわけです。これは、英国のEU離脱の際にも見られたものですが、メディアはその辺を全く反省していなかったという事なのでしょう。困ったものです。
[過去記事 [pol] 怒涛の勢いで政治的自殺行為を重ねるTrumpがそれでも大統領候補という恐怖]
[過去記事 [pol] 傲慢で愚かなTrumpが大統領候補筆頭という現実]
[過去記事 [pol] 英国は独立を取り戻すか > 取戻します。さらばEU]
11/08/2016
[biz] ニコン国内1000人リストラ、露光装置・カメラ等主力事業から
ニコンがリストラだそうです。国内人員の約1割にあたる1000人程を、主に露光装置とカメラ事業から削減する、との事で、その規模、また両事業が同社の主力事業である事からして、事業全般に渡る業績不振によって追い込まれた結果の事業縮小策と解釈すべきところでしょうか。主原因がスマホ等の普及、また市場縮小による半導体産業の不振、及び先行き見通しの暗さにあるだろうあたり、色々と既視感も覚える次第なのですが、それはさておき。
一応レンズ関連は直接的な対象ではない様子ではあるものの、関連が深く、その主たる出口でもあった上記事業の縮小の影響が及ぶ事は避けられないでしょう。光学周りの技術については今更一々論ずるまでもなく最先端の技術を維持し続けている同社をして、あっけなくもかような状況に至った事実には、やはりこうなったか、といったある種の納得とともに、幾らかの残念な思いも感じずにはいられないのです。
同事業の周辺を見渡しても、ここ数年以上に渡ってもはや画期的と言えるような飛躍的な技術の進歩はなく、それによって生産含め技術・製品が成熟するとともに、従来は世代交代を頻繁に繰り返していた殆どの製品群、とりわけ同社が最も強みを持つところのハード類は、必要十分な性能を備えた低コストの汎用品に集約されて行きました。それを受けて、技術面での優位性を強みとし、しかしスケールとそこから得られる種々のメリットの面で全く太刀打ち出来ない既存各社は、必然的に数よりも高単価を志向せざるを得ず、結果として、高級路線や法人向け特殊用途等の、ほとんどニッチと言えるような、全体からすれば部分に留まる特別な需要向けに特化する事で生き残りを図って来たわけです。
しかし、画期的な進歩が途絶えてしまった以上、技術・製品全体の陳腐化は避けられず、従って生き残りを期したそれらの高級路線等についても時間の経過と共に困難さを増す事はあってもその逆はないだろう事はもとより殆ど明らかでした。事実、一時は持ち直した需要は減少に転じ、競合は強まり、売上は減少していったのです。しかしその路線を維持するためには、如何に費用対効果が悪かろうとも開発費を減らす事は出来ませんから、その減少分を補うために価格に転嫁したところ、さらに急激な需要の減少を招く悪循環にも陥ってしまっていました。露光装置のような特殊用途については、元々トップ1社の総取りになり易い製品の性質もあり、シェアの面で競合に大きく差を付けられた時点で挽回は極めて困難になっていました。
結果だけを見れば明らかに失敗と言う他ないところです。しかし、それ以外にやりようはなかったのか、といえば、おそらくはなかったのでしょう。技術をその根幹とする事業の先行きは、既存技術を誰よりも知り、あらゆる可能性の追求を続けているところの、その技術開発を担っている者が一番良く知っているものです。その分野のトップに長年在り続けているニコンが、この程度の状況認識を出来ていなかった、等という事は有り得ません。遅くとも、数を追う事を諦めた時点では、もはや先は長くないだろう事も理解していた筈です。個々の施策に対する批判も多々ありました。それでもこうなってしまったその理由は、結局のところ他に取り得る手段が無かったから、という事なのでしょう。その意味で、この成り行き、及びその結果は、一種の必然であったと言えるのだろうと思うのです。
このような成り行きすなわち、汎用品や上位シェアとの競合に敗れて衰退するという流れは、既に国内の携帯電話やテレビ等で経験されたところであって、それ自体は特に目新しいものでも何でもなく、特に注目すべき点があるわけでもない事は明らかです。ただ、そこまで壊滅的ではないにせよ、かつて唯一無二とも言えた筈の技術的な優位によって独自のポジションを築いていた筈のニコンもまたその例に倣う事になった、という事実は、技術革新による発展を続けた時代の完全な終わりを象徴するもののように思えて、殊更に印象深く感じられるような気がするのです。
無論それは必ずしも悪い事とは言い得ない一方、歓迎すべき事とも言い難く、どう捉え、評価すべきものなのか、判然としないのですけれども。ところで、本件のような話はニコン以外も人事ではないはずなのですが、どうするんでしょう。どうもしないのか、それとも再編ブーム再び、とかあるのか。ただ、再編するにしても、以前ですらほぼ押し付け合いな状況だったのに、今の状況で最終的な引き取り手とかあるのかどうかは疑問ですけれども。さて。
(追記)
レンズの開発・生産についても担当子会社間で統廃合が行われるそうです。当然といえば当然なんでしょうけれども、大変ですね。
一応レンズ関連は直接的な対象ではない様子ではあるものの、関連が深く、その主たる出口でもあった上記事業の縮小の影響が及ぶ事は避けられないでしょう。光学周りの技術については今更一々論ずるまでもなく最先端の技術を維持し続けている同社をして、あっけなくもかような状況に至った事実には、やはりこうなったか、といったある種の納得とともに、幾らかの残念な思いも感じずにはいられないのです。
同事業の周辺を見渡しても、ここ数年以上に渡ってもはや画期的と言えるような飛躍的な技術の進歩はなく、それによって生産含め技術・製品が成熟するとともに、従来は世代交代を頻繁に繰り返していた殆どの製品群、とりわけ同社が最も強みを持つところのハード類は、必要十分な性能を備えた低コストの汎用品に集約されて行きました。それを受けて、技術面での優位性を強みとし、しかしスケールとそこから得られる種々のメリットの面で全く太刀打ち出来ない既存各社は、必然的に数よりも高単価を志向せざるを得ず、結果として、高級路線や法人向け特殊用途等の、ほとんどニッチと言えるような、全体からすれば部分に留まる特別な需要向けに特化する事で生き残りを図って来たわけです。
しかし、画期的な進歩が途絶えてしまった以上、技術・製品全体の陳腐化は避けられず、従って生き残りを期したそれらの高級路線等についても時間の経過と共に困難さを増す事はあってもその逆はないだろう事はもとより殆ど明らかでした。事実、一時は持ち直した需要は減少に転じ、競合は強まり、売上は減少していったのです。しかしその路線を維持するためには、如何に費用対効果が悪かろうとも開発費を減らす事は出来ませんから、その減少分を補うために価格に転嫁したところ、さらに急激な需要の減少を招く悪循環にも陥ってしまっていました。露光装置のような特殊用途については、元々トップ1社の総取りになり易い製品の性質もあり、シェアの面で競合に大きく差を付けられた時点で挽回は極めて困難になっていました。
結果だけを見れば明らかに失敗と言う他ないところです。しかし、それ以外にやりようはなかったのか、といえば、おそらくはなかったのでしょう。技術をその根幹とする事業の先行きは、既存技術を誰よりも知り、あらゆる可能性の追求を続けているところの、その技術開発を担っている者が一番良く知っているものです。その分野のトップに長年在り続けているニコンが、この程度の状況認識を出来ていなかった、等という事は有り得ません。遅くとも、数を追う事を諦めた時点では、もはや先は長くないだろう事も理解していた筈です。個々の施策に対する批判も多々ありました。それでもこうなってしまったその理由は、結局のところ他に取り得る手段が無かったから、という事なのでしょう。その意味で、この成り行き、及びその結果は、一種の必然であったと言えるのだろうと思うのです。
このような成り行きすなわち、汎用品や上位シェアとの競合に敗れて衰退するという流れは、既に国内の携帯電話やテレビ等で経験されたところであって、それ自体は特に目新しいものでも何でもなく、特に注目すべき点があるわけでもない事は明らかです。ただ、そこまで壊滅的ではないにせよ、かつて唯一無二とも言えた筈の技術的な優位によって独自のポジションを築いていた筈のニコンもまたその例に倣う事になった、という事実は、技術革新による発展を続けた時代の完全な終わりを象徴するもののように思えて、殊更に印象深く感じられるような気がするのです。
無論それは必ずしも悪い事とは言い得ない一方、歓迎すべき事とも言い難く、どう捉え、評価すべきものなのか、判然としないのですけれども。ところで、本件のような話はニコン以外も人事ではないはずなのですが、どうするんでしょう。どうもしないのか、それとも再編ブーム再び、とかあるのか。ただ、再編するにしても、以前ですらほぼ押し付け合いな状況だったのに、今の状況で最終的な引き取り手とかあるのかどうかは疑問ですけれども。さて。
(追記)
レンズの開発・生産についても担当子会社間で統廃合が行われるそうです。当然といえば当然なんでしょうけれども、大変ですね。
11/01/2016
[biz law] ゴキブリ以前にハエも混入、嘘と隠蔽を重ねたはごろもフーズ
シーチキン缶へのゴキブリ混入につき隠蔽しようとした事が発覚し、なおも回収等の対応採らず放置を続けるはごろもフーズですけれども、同製品で過去にハエの混入が発生し、同社も認識していたにも関わらず、それを隠蔽していた事が発覚したそうです。写真付きで。
ハエの混入があったのは、2014年に同じ工場で生産された製品。同年に消費者が発見し、同社が調査したところ加熱の痕跡もあったため、先日のゴキブリの件と同じく生産過程で混入したものと認識していた、というのです。で、それを公表せずに隠蔽し、先日の件も同様に隠蔽しようとしたところ失敗し露見、そこからさらに本件も、件の消費者が当時撮影していた写真をマスコミに持ち込んで発覚、というのが経緯のようです。まさに因果応報というところでしょうか。
同社は前回のゴキブリ混入の際、混入の報告事例はその一件のみであり、その他には報告がないと説明し、それを理由に、他に混入はなく、従って回収等の対応は不要である、として、同社の常識外れと言うべき対応を正当化していたところでした。しかし、実際にはその説明の時点で複数事例の発生を把握しており、にも関わらずあえて虚偽の説明をした、という事になります。他にはない、と断定したその言い分自体も常軌を逸した到底理解し難いものでしたが、それすらも虚偽だったとは恐れ入ります。
というか、隠しおおせると本気で思ってたんでしょうか。実際に混入が起こり得た環境を長期間に渡って放置し、その環境下で生産を続けていた以上、混入が一回だけであったと考えるべき理由はなく、むしろ逆であり、それなりの頻度で発生していただろうものと推測されるところであって、実物が消費者の手に渡ってしまった後では、いくら同社が無視を試み、あるいは詭弁や強弁を弄したところで何の意味もなく、発覚は時間の問題に過ぎない事も分かり切っていた筈なのに。
もとより同社には、後始末を可能な限り上手く行う以外に取りうる手立ては存在しなかった筈です。すなわち、従来のこの種の不良品発生の例と同様、可能な限り速やかに非を認めて被害者に償うとともに、被害の拡大を防止する事で、誠実な姿勢を示し、それによって信頼の回復を図るべきでした。第三者も基本的にそうして当然と考えていたところ、対応を拒絶したために驚愕し、多数の消費者が反発してもいたわけです。
が、同社は、本来為すべき対応をするどころか、この期に及んでコメントすら拒否しているそうで。虚偽に虚偽を重ねた事がバレて、言い逃れのしようもないだろうところ、もはやその事を謝罪する以外に道はないと思うのですけれども、まさかここからさらにバックレるつもりなんでしょうか。だとしたら凄いですね。意味がわからないし、事業を続けるつもりがあるのかすら疑問であると言わざるを得ません。
隠蔽や虚偽の説明をした事への責任云々は一旦おくとしても、少なくとも、複数ではないから他にはなく回収は不要、と説明していたのは他ならぬ同社であって、複数の混入が確認され、その前提が誤りであった事が明らかになったのだから、被害者に対して相応の対応をするべきところな筈です。まさかハエとゴキブリは別、とでも言うつもりなんでしょうか。それとも、自身のした説明に責任を負う気すらないという事なんでしょうか。
CRMって何?と言わんばかりの、現代の大手企業のそれとは到底理解し難く、もはや反社会的とも評価し得るだろうその振る舞いには、唖然として言葉もないわけです。いやもう頭おかしいでしょう。どうなってんのこの会社。何がどうすれば今時こんな、不誠実という表現すら不足に思える酷い対応が出来るのか、逆に興味が湧いたりもするわけですが。。。流石に笑う気にはなれませんね。
[前記事 [biz law] はごろもフーズ、シーチキン缶へのゴキブリ混入の隠蔽に失敗し開き直る]
ハエの混入があったのは、2014年に同じ工場で生産された製品。同年に消費者が発見し、同社が調査したところ加熱の痕跡もあったため、先日のゴキブリの件と同じく生産過程で混入したものと認識していた、というのです。で、それを公表せずに隠蔽し、先日の件も同様に隠蔽しようとしたところ失敗し露見、そこからさらに本件も、件の消費者が当時撮影していた写真をマスコミに持ち込んで発覚、というのが経緯のようです。まさに因果応報というところでしょうか。
同社は前回のゴキブリ混入の際、混入の報告事例はその一件のみであり、その他には報告がないと説明し、それを理由に、他に混入はなく、従って回収等の対応は不要である、として、同社の常識外れと言うべき対応を正当化していたところでした。しかし、実際にはその説明の時点で複数事例の発生を把握しており、にも関わらずあえて虚偽の説明をした、という事になります。他にはない、と断定したその言い分自体も常軌を逸した到底理解し難いものでしたが、それすらも虚偽だったとは恐れ入ります。
というか、隠しおおせると本気で思ってたんでしょうか。実際に混入が起こり得た環境を長期間に渡って放置し、その環境下で生産を続けていた以上、混入が一回だけであったと考えるべき理由はなく、むしろ逆であり、それなりの頻度で発生していただろうものと推測されるところであって、実物が消費者の手に渡ってしまった後では、いくら同社が無視を試み、あるいは詭弁や強弁を弄したところで何の意味もなく、発覚は時間の問題に過ぎない事も分かり切っていた筈なのに。
もとより同社には、後始末を可能な限り上手く行う以外に取りうる手立ては存在しなかった筈です。すなわち、従来のこの種の不良品発生の例と同様、可能な限り速やかに非を認めて被害者に償うとともに、被害の拡大を防止する事で、誠実な姿勢を示し、それによって信頼の回復を図るべきでした。第三者も基本的にそうして当然と考えていたところ、対応を拒絶したために驚愕し、多数の消費者が反発してもいたわけです。
が、同社は、本来為すべき対応をするどころか、この期に及んでコメントすら拒否しているそうで。虚偽に虚偽を重ねた事がバレて、言い逃れのしようもないだろうところ、もはやその事を謝罪する以外に道はないと思うのですけれども、まさかここからさらにバックレるつもりなんでしょうか。だとしたら凄いですね。意味がわからないし、事業を続けるつもりがあるのかすら疑問であると言わざるを得ません。
隠蔽や虚偽の説明をした事への責任云々は一旦おくとしても、少なくとも、複数ではないから他にはなく回収は不要、と説明していたのは他ならぬ同社であって、複数の混入が確認され、その前提が誤りであった事が明らかになったのだから、被害者に対して相応の対応をするべきところな筈です。まさかハエとゴキブリは別、とでも言うつもりなんでしょうか。それとも、自身のした説明に責任を負う気すらないという事なんでしょうか。
CRMって何?と言わんばかりの、現代の大手企業のそれとは到底理解し難く、もはや反社会的とも評価し得るだろうその振る舞いには、唖然として言葉もないわけです。いやもう頭おかしいでしょう。どうなってんのこの会社。何がどうすれば今時こんな、不誠実という表現すら不足に思える酷い対応が出来るのか、逆に興味が湧いたりもするわけですが。。。流石に笑う気にはなれませんね。
[前記事 [biz law] はごろもフーズ、シーチキン缶へのゴキブリ混入の隠蔽に失敗し開き直る]
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