周知の通り、ロシアが取り返しがつかない最悪の墓穴を掘ったわけですが。もう起こってしまった事ですからそれは事実として受け止める他ありません。問題はこの行き着く先です。
どう言い繕おうと、MH17は撃墜され、298人もの罪もない市民が無残に殺された事は事実であって、それは不幸な事故、では到底片付け得ない、単なる無差別大量殺人です。ロシアが素直に非を認め、謝罪賠償その他実現可能な限りの努力を尽くしたとしてもなお収まらないだろうと思われるところ、それどころかこの期に及んで陰謀論を持ち出し、証拠隠滅や責任回避に汲々とし、死者への冒涜すら平然と行う、ロシアの救い難い振る舞いを見る限り、最悪の上にも最悪な先行きも全く否定出来ないわけです。
そして、幾つか想定される悪夢的な帰結の一つに、当然西側諸国とロシアとの武力衝突も含まれるわけで。ウクライナ内での代理戦争や国境近辺限定の小競り合いから、全面戦争なら核の10発や20発が飛び交い同数程度の都市が失われる事態まで、様々な規模や構造で起こりうるでしょう。小競り合いのち冷戦の再来で済めば最善といったところでしょうか。
そうなった場合の問題、とりわけ私が現在属するところの日本にとってまずいのは、折しも解釈改憲によって確立された集団的自衛権の下、アメリカ側に立って参戦を余儀なくされるであろう点です。そしてその場合、中国は当然ロシア側に付くでしょうし、嬉々として便乗し領土の拡張に出もするでしょうから、たちまちにして北から南まで、ほぼ日本海側全てが最前線になってしまうわけです。
そうなった時には、安倍首相はじめ、今回の解釈改憲を推進した、もしくは賛同した連中に私はこう言ってやるのです。ほら喜べ愛国者ども、日本を守るんでしょう。北方領土か尖閣か、好きな戦場へ行くがいいよ、と。場合によっては本州でも戦えるかもしれませんね。存分にヒロイズムに浸って、命を投げ捨てて来るがいいですよ、と。私?私は理由の如何によらず戦争に関わるつもりはないし、さっさと国外に避難するでしょう。海外の親戚知人の内、その時最も安全な所にでも。
・・・と、そんな事まで半ば本気で想定せざるを得ない現状にあるわけです。遺憾の極みというべき事態ではありますが、国の代表者達が公式に決定した、正当性に疑義があるとは言っても法に基づく政権によって形成された状況なのだから、一個人たる身にはどうしようもありません。起こりうる事態を想定し、それなりの準備をしておくだけです。全く以て糞喰らえです。ロシアも、日本政府も。
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