7/29/2014

[biz law] スカイマークがA380キャンセルでエアバスに追い込まれる

スカイマークがエアバスA380の受注をキャンセルしようとして揉めてるんだそうで。違約金云々で。

本件、ぶっちゃけ、そら見たことかと思ってる人が大半じゃないでしょうか。元々海外路線自体を持たない、しかも国内ですら安かろう悪かろう、事業規模も年間売上が高々800億強に過ぎず頻繁に赤字も出す弱小キャリアが、よりによってANAやJALですら低採算性の懸念から導入を回避した一機400億を超え、燃費も悪い同型機を、それも6機もビジネス向けに新品調達して国際路線へ参入、という事業計画が発表された時には、誰もが驚いた、というかその非現実性に目を疑ったものでしたから。信用も実績も皆無のキャリアにそんなプレミアムな需要があるわけないだろう、と。

そもそも、エアバス社が本契約の締結に応じた事自体、本来なら非合理的だったと言うべきところですが、そこは当時A380の開発・納期の大幅な遅延から大量の受注キャンセルを食らって当該機種の事業継続自体が危ぶまれてもいたエアバス社が、受注欲しさに血迷ったのだろうとの見方が強かったところでした。本件はその見方が結果として正しかったという事を示すものに他ならないわけです。

スカイマーク社の事業計画における見通しの救いがたいまでの甘さ、杜撰さは言うに及ばず、エアバス社も最初から支払い能力に難がある事は明らかだったキャリア相手に保証も取らずに契約に及んだのだし、結局のところ第三者からすれば、双方共に自業自得としか思えないわけです。

しかし、どちらが悪いと言えば、それは債務不履行に及んだスカイマーク社の方です。報道によれば、スカイ社はエアバス社に法外な違約金を請求された、として遺憾の意を示してもいますが、それはすなわちあれだけ先行き不透明な契約にも関わらず、キャンセル条項が含まれていなかった事の証左でもあるわけで、改めてスカイマーク経営陣の底なしの阿呆ぶりに戦慄せざるを得ません。200億と言われる前払い金は商習慣上手付として返還されないのは当然として、当該請求にかかる違約金の額は公表されておらず不明ですが、それが仮に相場より高額と言えるものだとしても、それはもう甘んじて受けてしかるべきものなのではないでしょうかね。いやほんとに。取引とか契約とか、およそビジネス自体を舐めていたとしか思えない、その愚かさ加減の報いとして。

ただ、大手への身売りは流石に無茶だと思いますが。というか、そもそもJALにしろANAにしろ、スカイマークを引き取るメリットはなく、しかしデメリットは数知れず、それこそ非現実的と言わざるを得ないわけで。いっそエアバス社が買収するしかないのでは、とか思う次第なのです。

エアバス、納入解約通告 スカイマークに違約金要求へ

そして次々と明らかになるスカイマークの終わりっぷり。正直もうどうにもならないかと思うんですが。。。

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とりあえず路線削減とかで当面の資金繰りを図るようです。が、只でさえ小さい売上が激減するのだから、それはそれで先が無い事には変わりないわけでね。

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