とうとう、というか。オムロンの監視映像無断流用の件が明るみに出ました。いや、別にこの種の違法行為は盗撮も含め画像監視系の開発会社は何処でも手に染めてるだろうと思われていたし、ほとんど周知の事実でしたからそれ自体についての驚きは欠片もないんですけれども、それが発覚した点に関してはとうとうやっちまったか、と。
この種のデータ収集・取得は、法的に被験者の同意を得なければ実行出来ないものなわけで、従って公共の場については事実上殆ど不可能だし、私的な場でのシュミレーション的な収集にしても手続きの手間や高額な報酬等による各種コストが高くつきますから、手元にデータがあれば使いたくなるのはわかるんですけれども。無論、信義上も法的にもあらゆる意味で絶対にやってはいけない事ですし、一度露見すれば、信頼を裏切った代償として、顧客から社会一般まで、およそ全ての方面から信用を失い、少なくとも当該開発に係る事業の継続は事実上不可能になるだろう事も必然、データ流用で節約したコストなどゴミ同然と言えるほど高くつくわけで、それ自体が目的でもない限り、やるメリットとデメリットが釣り合いません。オムロンは従来からこの種の技術ではトップに位置していたにもかかわらず、実はそんな基本的な事もわからない愚かな会社だったと言う事です。全く以て馬鹿馬鹿しい事ですね。
本件の影響は、当該監視関連事業に止まるものとは到底思えません。かような信義に悖る反社会的な企業が、同様以上の信頼が前提となるATM等金融関連製品はじめ、各種セキュリティ関連製品サービスやの提供を手がけるなど、もはや論外と言わざるを得ないのですから。先日のジャストシステムにしても、それなりに長い間事業を継続し、それぞれの分野で一定以上の評価を確立していた筈の企業が揃ってバレなければいいとばかりに平然と違法行為に手を染めていた、それは極めて残念な事実ですが、明らかになった以上は仕方がありません。この上は即刻その報いを受けて社会から退場頂きたく願う次第なのです。そうでなければ、法令を遵守してコストを支払っている競合他社に対してアンフェアですし、公共の倫理・秩序も保てませんからね。
しかし、これで監視関係のデータ収集は今後は殆ど不可能という事で確定でしょうか。元々大阪駅の件で、映像を記録されるだけでも社会からの忌避反応が極めて強く困難な事は明らかだったところですが、その後の映像の利用についても業者がコレとあっては、ダメ押しどころの話ではありませんから。その意味でもやってくれたものです。もっとも、これで図らずも公共の場における監視の普及に歯止めがかかる面もあるでしょうから、プライバシーを重視する向きには逆に朗報とも言えるでしょうか。さて。
JR乗降客映像を無断流用 オムロンが「不審行動」解析
さらに無断撮影まで。しかも大量、長期間。いよいよ終わりで確定ですね。
オムロン、ひそかに撮影13カ所 実験目的告げず
その後、こんなのまで発覚。人権無視のやりたい放題ぶりには呆れる他ありません。
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