Baidu IME利用時にキー入力が全て百度のサーバーに送信される事をして、情報漏洩だと騒ぐ報道がなされているようですけれども。いわずもがなな話ですが、何を今更、としか言いようがありません。
サーバー上で変換を行うクラウド系IMEは、その膨大なバックデータから抽出された語彙文脈情報を利用してローカルIMEに比して遥に高度でタイムリーな変換を行うものですが、その構造上ユーザの全キー入力を一旦取得する事は最初から明らかで、無断でも何でもない当たり前の話なわけです。それを今更あたかも不正取得されたかのように騒ぎ立てるのには、流石にちょっとミスリードが過ぎるんじゃないかと思うし、呆れを抱かざるを得ません。そんなの当然に承知の上、というか気にしないから入れた筈でしょうと。
中国系の無料ソフトやオフィススイートなんかと抱き合わせ的にインストールされる場合をして、ユーザに殆ど無意識で導入させるケースも多々あるのは事実でしょうけれども、それにしても各ユーザの選択の結果なのだし、報道に挙げられたような公的機関やら情報管理の要請が強い組織の人員なら当然に十分なチェックが行われてしかるべき話なわけで。そうは思わなかった、考えもしなかった、というのでは、さすがに無責任に過ぎると思うのです。言ってて恥ずかしくないんでしょうか。
そもそもこれは百度に限った話ではなく、そのオリジナルと言うべきGoogleIMEだって同じ、というかクラウド系IME全般に共通する話なわけですし。まさかEvernoteとかも同じような文脈で非難されたりするんでしょうか。そこまで行くと、もうプライベート系以外は全てアウトになってしまいますが、それならそれで、元からある一つの立場に落ち着くだけの事です。けれども、そこまで意識しているなら、最初からクラウド系の導入には慎重であってしかるべき話なわけで、やはり何も考えていないだけなのだろうなと、改めて呆れざるを得ないのです。
本文です 百度ソフト、便利で人気だが「まるでウイルス」
やはりSimejiもか。こっちは利用者がBaiduに比べても格段に多いし、ローカル設定にしても送信する仕様だった事もあって大慌てな人達がたくさんいるようです。ご愁傷様。
中国検索大手「百度」、情報の一部を無断送信