なんじゃそれは。NTT西のフレッツ光の販売代理店営業が、マンションに設置されているKDDIの光回線用機器の電源を落として回っていたとか。容疑は不法侵入、有線電気通信法違反、あと切断時間は数時間とのことですが、その間利用者が回線を利用出来なくなった分の不法行為に基づく損害賠償責任も発生しますね。それにKDDIに対する業務妨害も。
容疑者は樋渡丈二、九州北部の容疑者が担当していた数十にもなる複数の他マンションでも同様の被害が確認されているとの事で、これはまた無茶苦茶やったもんだと。
仮にもNTTから正規の委託を受けた営業が、何故そんな犯行に走ったのか。動機は何でしょう。営業所あたりの組織的なものなのか、容疑者の独断なのかはまだ不明ですが、いずれにせよ、その犯行によって起こされた通信障害を引き合いにして自社サービスの優位性を顧客に主張する事による顧客獲得を狙った、とかそういう事なんでしょうか。そうだとしたら、それはまさに詐欺師のやり口そのものであって、刑法的な意味での極めて悪質な詐欺にもあたるわけなんですけれども。そもそも実際に効果が期待出来る手段とも思えないし、その正気を失った所業には戦慄を禁じ得ません。
本件が常軌を逸している事は明らかですが、おそらく、全くの単なる狂気というわけではなく、固定回線事業自体、利用者が減少して、KDDIはじめ競合他社との奪い合いも激化する、構造的に新規顧客の獲得が極めて困難な状況にあって、多分に非現実なその営業目標なりに追われたとかそういう事情はあったんでしょう。しかしそうだとしても、そのような利己的な理由で、犯罪、とりわけ本件のような何らの落ち度もない多数の一般人を害する手段に訴えるとは言語道断です。そんな手段に出る事を考える程見通しが厳しいというのなら、その時点で見切りを付けてポジションの転換なり転職なりすべきところだし、営業なら何とでもなったでしょうに、そんなにNTTの看板なり付き合いが大事だったんでしょうか?しかし、そうであればなおさら、このようなNTT全体の信用をも毀損する悪辣な犯罪に手を染めるべきではなかった筈でしょうにね。
目先の保身に走った、で片付けるにはあまりに重い行いですが、監督責任のある営業所ならびにNTT西も含め、それに見合うだけの報いを受けて頂かなくてはなりません。残念な事です。
マンションに侵入、ライバル社の通信電源抜く フレッツ光営業員逮捕