11/16/2016

[note] 鞄の取っ手金具(手カン)の修理

鞄が壊れたのです。ビジネスバッグの類なんですけれども、PCや書類等を詰め込んで、ちょっと重いなと思う位だった時に、突然持ち手の付け根の片方が取れてしまいまして。見ると、本体と持ち手を繋ぐ金具(手カン)の取っ手に差し込まれていた棒状の部分が根本からもげてしまっていたのです。その鞄は2wayなので、そのまま肩掛け鞄として使う事も出来なくはないものの、不格好な事この上ありません。程なく修理をしようと決める事になったわけです。

本件の金具は、四角形に近い比較的単純な形状のもので、割と汎用性も高そうに思われたため、最初は交換用の部品を探したのですが、これが意外と見つかりませんでした。そうそう壊れるものでもないし、あまり需要がなく、そのために流通もしていない、という事なのでしょうか。他にも、ワイヤーの接続用金具(シャックル)の細長いもので代用出来ないかと検討してみたりもしましたが、微妙に寸法が合わず、本体側の穴に差し込む事が困難につき断念。

仕方がないので、壊れた金具を修理する事にしたのです。材質はおそらく亜鉛系で、そもそももげる位には柔らかいものなのだから、それほど苦労はしないだろうと見込んで。具体的な修理方法としては、サイド部分のみ流用して、折れたシャフトは取り払い、代わりに長いネジを通す事にしました。結果から言えば概ね思い通りに修理する事が出来たのです。以下はその工程のメモ。

まず、 シャフト部分にネジを通すための穴を開けます。バイスに固定して、


ドリルで3mmの穴を開けます。


位置や角度がズレないよう、特に最初の内は軽く当てては目的の位置に近づくよう斜めに動かして離す、を繰り返しつつ、少しずつ削り取るようにして掘っていきます。


ほぼ位置が定まったら、角度を優先して掘り進めます。柔らかいので削りやすいのはいいのですが、逆に言えば間違った位置・方向にも削れやすいという事なので、 気を使います。


当然ながら削りかすが沢山出るので、時々外して掃除します。同時に位置等を確かめつつ。


数ミリ以上まで行くと、あとはひたすら垂直になるよう掘り進めるだけです。


これで出来上がり。


 もう片側。シャフトが残っているので、まず切り落とします。


金鋸でコリコリと。


 やはり柔らかいので、さほど苦労する事もなく切れます。


先ほどと同様にバイスにセットして、


もう片方に開けた穴と位置が合うよう、殊更に気を使って位置決めして、ドリルで穴を開けます。


これで穴あけは完了。組み上げます。


シャフトの代わりには、3Mの小ねじ、今回は元々の壊れた原因であるところの強度を重視してステンレス製を採用しました。なお長さは40mmです。ちなみに、もげていなかった側のシャフトも長さを合わせるため同じく交換。本体と取っ手のそれぞれに通した後、両側をボルトで固めて出来上がりです。


写真を見ればわかるとおり、片方のネジが長すぎて少し飛び出しています。いささか不格好ですが、そこまで目立つというわけでもなく、とりあえず強度は問題ない様子なので、ひとまずはこれでよしとしました。気になるようなら片側だけ35mmに交換するかもしれませんけれども。というわけで今回はこれでおしまい。

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