11/18/2016

[note] ubuntu16.10のtcshに修正版がようやくリリース

ubuntu16.10において、オートコンプリート(tabキー押下)実行時に必ず落ちるという酷いバグが発生していたtcshですが、ようやく修正されたようです。アップデート適用後に使ってみると、tabキーを押しても落ちなくなっていました。

なお、修正後のバージョンは、修正前と変わらず6.18.01です。

$ tcsh --version
tcsh 6.18.01 (Astron) 2012-02-14 (x86_64-unknown-linux) options wide,nls,dl,al,kan,sm,rh,nd,color,filec

内部的には、024-use-sysmalloc.patchを当てた修正版として6.18.01-5ubuntu0.16.10.1とサブバージョンが振られているようです。これはあくまでubuntu専用に独自に修正したものだから、という事なんでしょうけれども、紛らわしいし、そういう独自の修正は今後のバージョン間で仕様にズレを生む危険も当然あって、新たな問題の温床になるといった副作用が生じる可能性も懸念されるわけで、それが見た目は同じバージョン、というのはやはり適切とは言い難いと思うのです。表層的な部分であれば格別、シェルのような基幹的部分への、しかも本件のような重大な事象に対する修正であれば、なおさら慎重であるべきでしょう。実際、本件修正のログを見ても、副作用の可能性についても言及されているのですし。もちろん一応一通りチェックはされているのですけれども、そういう問題ではないでしょう。

かように少々怪しい感じではありますが、修正された事自体は歓迎すべき事でしょうから、折を見て徐々に戻すか、あるいはこのままbashを使い続けるかを決めようと思います。しかし発生からおよそ1ヶ月、その間は殆ど使用不能というべき症状の酷さからすれば、いささか時間が掛かり過ぎ、遅きに失した感も否めません。Canonicalは、リリースという言葉と行為の意味、そこに当然伴うべき責任、及びその適切な実行の方法を、今一度再考する必要があるのではないでしょうか。

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