3/08/2025

[PC] Windows11の24H2強制適用でPCが死にかけた

ひどい目に遭いました。いやほんとに。

何かというと、Windows11です。多分にその最新の大型アップデートである24H2のせいでPCが死にかけたのです。

最終的には生還させる事が出来たのですが、何日もに渡って、ぶっ壊れたとしか思えない、しかもその挙動がころころと変わる不可解な状態が続き、それに翻弄されて精神的なストレスは尋常ではありませんでした。あと作業にかかった時間、労力も。

概要をまとめると、下記のような流れでした。

[概要]

・24H2の適用が強制になり、サブのミニPCに気づかない内に適用される

・ミニPCが頻繁に落ちるようになる。

・次いでOSが起動しなくなる。LED点灯,ファン回転,無反応等、挙動はまちまち

・色々試行。ファン回転orLED点灯等の頻度が減り、ほぼ無反応ばかりになる

・それでも悪あがきをしていると、ごく稀に起動に成功

・起動成功時に数点設定を変更し、24H2の累積パッチを当てる。不具合解消

という感じです。数日に渡っての悪戦苦闘でした。

悪あがき〜の段では正直9割方死んだかと思い、代替機調達の検討を進めていました。その作業は徒労に終わったわけで、安堵はしつつも少々複雑な気分でもあります。

以下は細かい部分を補足したメモです。長いことPCを使ってきましたが本件のような状態に陥った経験はほぼなく、他でも起こり得る話なのかどうかは極めて怪しいのですが、似たような症状が出た場合の参考になれば幸いです。そもそも起こって欲しくないのですけれど。一応、原因についての個人的な推測も載せていますが、確証はないのでご参考程度に。

[詳細メモ]

ユーザー諸氏もご存知の通り、Windowsの大型アップデートの最新版である24H2がつい先日windowsupdateで強制適用の対象になりました。当然ながら、私が使用しているサブのミニPCも漏れなく対象に含まれていたわけです。

なお、対象のPCはいわゆる中華ミニPCです。メーカーはTRIGKEY、APUはJasper Lake世代のN5095A、メモリはDDR4のモデルです。 使用期間は1年半強。使用頻度は数日に1度の起動で、各数時間程度の稼働でした。流石にこの期間、またその程度の使い方で壊れられるのは信頼性が最底辺の安物にしても少々納得し難く思われたところです。

以前から、設定パネルのwindowsupdateの項目に24H2を任意で適用出来る旨が表示されていた事には気づいていましたが、周知の通り24H2に関しては既に色々と致命的な不具合が山ほど報告されていたので、可能な限り適用は遅らせたい、適用が避けられないにしても不具合が解消されてからにしたい、と思いスルーしていたのです。

が、勿論microsoftが配慮してくれるわけもありません。そんな気遣いが出来るならそもそも不具合だらけの状態でリリースする筈もないのですから。そして容赦なく、不具合が解消される事もないままに強制適用されてしまったのです。バックグラウンドで告知も警告もなく。

そして始まった悪夢の時間。

症状としては、時系列順に以下の通りです。

1. 初期 突然OS自体が落ちる

そのまんまです。特に重い処理でもなんでもない、ただの事務作業中にプツッと電源が切れて落ちるのです。これ自体はマザーボードの故障時や熱暴走時、またUSBハブ等の周辺機器の不具合の際等に割とよく見られる症状なので、ハードの故障かと冷や汗を流しつつも、再起動はするので、PCのメーカー(とmicrosoft)に呪詛を吐きながら未保存で消失した分の作業のやり直しをしたりしていました。

しかし当然ながらこの手の不具合が自然と治るはずもなく、事態は悪化します。

2.中期 起動しなくなる

何度か作業中に落ちた後、立ち上がらなくなりました。結果としてはそれだけの話なのですが、質の悪い事に、その後電源を入れようとした際のLEDやファン等の挙動がコロコロと変わって一定せず、単純にハードウェアがぶっ壊れたとも判じ難い状態でした。なので、諦めるに諦められず、色々と試行錯誤する羽目になったのです。

なお、この間試した事は、USB機器等の取り外し、本体を分解して掃除&メモリ等を抜き差し、CMOSクリア、ACアダプタ等の電圧チェック、等です。

症状の例としては、概ね次のような(2-1,2-2,2-3)挙動がほぼランダムに発生しました。

2-1. 電源ボタンを押してもうんともすんとも言わない(何の反応もない)

2-2. ACアダプタを抜き差ししただけで、電源ボタンを推してもいないのにLEDが点灯してCPUの冷却ファンが回り始め、しかもその状態が続く(ファンが回り続ける)。しかしその間、画面には何も表示されない。

2-3. 電源ボタンを押すと、一瞬ファンが回ってすぐ電源が切れ、その後は2-1と同じになる

他にも、ごく稀にBIOSの起動画面が表示される事もあり、また更に稀にそこから進んでOSのログイン画面まで辿り着く事はありました。ただ、これらの場合はいずれもすぐに落ちてしまってログインまでは進めない、極めて不安定な状態でした。

この不安定さと、比較的頻度が高かったのが2-2の症状であった事から、熱暴走か、でなければ温度センサあたりが逝ったのかと疑いました。もちろん発熱は全くしていないし、温度センサは壊れやすい部位ではない筈な事もあって、その見方もあまり有力とは思えなかったのですが。

症状的にハードウェアが逝った可能性は高い、しかし完全に壊れたと言い切れるわけではない、と判断に迷いつつ、考えうる操作の組み合わせを試しましたが、改善の兆しは見られませんでした。しばらく試行錯誤を繰り返し、徒に時間を浪費する事になります。 

そして現実は非情でした。症状は改善するどころか、悪化へと傾いたのです。

3.終期 殆ど基盤が完全に壊れたように見える

2で行った操作をしても、LEDは点かず、ファンも回らない。当然画面も出ない。無反応。つまり、2-1.の状態が殆どになったわけです。

ここに及んで、その症状からして基盤の故障が原因である可能性が高く思えた事から、復旧を諦めかけました。実際、代替機の調達も検討していたのです。

しかし、殆ど無反応ではあるけれど、稀に反応がある。であればハードウェアが完全に壊れたとも言い切れないのでは、と半ば諦めつつも未練たらしく比較的長い時間の放置を絡めて色々試していると、ハード面の反応が見られるケースが見つかったのです。

4.蘇生期

反応が見られたのは、主に次のような操作(?)を行った場合でした。

・電源ケーブルを抜いてしばらく放置(数時間〜)した後に電源ケーブルを刺し込む

こうすると、高確率で2-2の状態になるようになったのです。起動はしないけれど、LEDが点灯してファンが回り続ける、という症状です。

そして、またなんでこんな挙動が、と理解に苦しみつつそれを何度か繰り返していると、ついに決定的な変化が現れました。OSの起動に成功するケースが発生したのです。

のみならず、起動に成功した後は、それまでの不調が嘘のように正常かつ安定的に動作するのです。恐る恐るログインし、色々と操作をしてみても、落ちるそぶりもありません。

もちろんこれ幸いと、まずデータ類のバックアップを取り、次いでアップデート時に不具合の原因になりやすいとされる高速スタートアップを無効化。

しかし、再現を願いつつシャットダウンすると、また起動しなくなってしまいました。

だけれども、ついに掴んだ解決への糸口です。一度成功したのだからと、またケーブル抜き放置からのケーブル差し込みを繰り返していると、やはり稀に起動に成功するのでした。起動後の動作は問題ない事も同様です。

この段になって、ようやく原因はハードウェアではなくソフトウェア、すなわちOS(とBIOS)の方にあるのでは、と思い始めます。つまり、ブートの最初期の段階で躓いているのでは、と。

ではソフトウェアの何が問題なのだろう?そういえば24H2がそろそろ強制適用される時期だった筈。確認すると確かに適用されている。いつの間に。不具合の出始めたタイミングと完全に合致しており、これが偶然とは考えにくい。

24H2が深刻な不具合を多数引き起こしていた事は知っていました。その中にPCが落ちるとか起動しなくなるというものがあった事も。おそらくこれが原因だ。

という流れで、やっと原因が24H2であるらしい事に気づいたのです。この時の脱力感は半端なかったですね。Microsoftへの憎悪も当然感じました。ふざけるなと。

ここまで気づいてしまえば、後は簡単です。強制適用直後に不具合に陥ったのなら、24H2の不具合に対処するためのパッチはまだ適用されていない筈。これをあてればいい、とネットワークに接続してwindowsupdateを実行してみると、24H2の累積アップデートが降ってきました。当然適用。

適用後は、それまでの不調が嘘のように普通に起動するようになったのです。再起動も問題なく出来るようになり、一連の不具合は全て解消されました。

不具合の発生から解決まで、一連の事の次第は以上です。 

[具体的な原因についての推測]

それで、結局具体的には24H2の何が障害になっていたの?という疑問が残るわけですが。これについては色々調査したものの、今に至るまで確証はありません。

仮説はあります。多分にセキュリティ関連、特にセキュアブートの部分にバグがあったとかではないかと思うのです。

というのも、イベントビューアのログ等を確認したところ、当該PCでは以前からセキュアブートに問題があったらしく(自覚はありませんでした。おそらく購入当初からそうなっていたものと思われます。なおTPM2.0は有効)、それに応じてエラーが記録されていました。

なおBIOSを確認したところでは、セキュアブートは有効に設定されていました。なのに何が問題でエラーが出ているのか、それは推測するにも情報が乏しく難しい。もやもやします。

この点、24H2の起動に関する不具合の大部分はBIOS(UEFI)の更新で解決するケースが報告されている事、また24H2ではTPMも含めたハードウェアに関連するセキュリティ回りの大幅な変更(厳格性の強化)が行われたらしい点等を併せて考えると、セキュアブート回りで想定と異なる挙動があった場合にOSが起動に失敗するバグがあった可能性は低くないと思われるのです。その真偽を確認するのはこれまた困難なのですけれども。

もしそうであれば、本件のような不具合が生じるor生じている可能性は実はものすごく高いのでは、と考えて、背筋が寒くなりました。こんな推測は外れていた方がいい、とも思います。もしそうでも、既に今更というか手遅れでどうにもならない話なんでしょうし。

[最後に]

何にせよ、ひどい目に遭いました。対処に費やした数日に渡る時間と労力は勿論の事、解決までミニPCがまともに使えず、その間当該PCで行う筈だった事務作業等が滞りもしました。原因の分析と推測が正しければ、私にはMicrosoftとPCメーカーに不法行為ないし製造物責任の義務違反に基づく損害賠償を請求する権利があると思うんです。 少なくとも10万くらいは。

しかしMicrosoftもPCメーカーも、24H2に限らずこの種の損害に対して補償をした例は殆どありません。まさしく無責任。これだからWindowsをメインで使う気にはなれないんです。

とはいえ、これでもまだサブだったから被害がマシだった筈なのです。もしメインだったら、と思うとゾッとしますね。ちなみに、今回そのPCを使っていたのは、Windowsでしか動かないアプリを使わざるを得ない作業だったからです。そうでなければ誰が使うものかこんなもん。

 Linuxならこんな事は起こらないのに。。。世の中の標準がLinuxに移行する事を願わずにはいられません。たとえそれが不可能だとわかっていても。

3/05/2025

[pol] 米国中心の世界秩序の終焉

ひどかったですね。Zelensky大統領とアメリカ首脳連との会談。

話が全く噛み合っておらず、あまりに醜悪で、見るに耐えませんでした。

特にVance副大統領は一体何がしたかったんでしょうか。最初からまともに話をするつもりもなく、もちろん援助を続けるつもりもなく、ただ自身の嗜虐性を満たすために、相手の窮状に付け込み理不尽な難癖を付けて、挑発し辱めた上で屈服させて悦に入ろうとしていたように映りました。

そして当然に決裂。もはや米国には頼れない。期待する事も出来ない。米国にその意思がないのだから。苦悩に満ち、悲壮感も色濃いZelensky大統領の言動には、そういう諦めがありありと見て取れました。おそらくは、他の殆ど全ての国の指導者や市民も、同様の思いを抱いたのではないでしょうか。

UkraineとRussiaに対する一連の振る舞いを見る限り、米国は、自国領土の近隣地域とIsraelのような自国内で影響力を確保しているごく少数の例外を除く、ほぼ全ての地域について、その安全保障に関わる事を放棄しようとしているように見えます。

否、それどころか、GreenlandやPanama等の近隣諸国、それにGazaやUkraine等の紛争地域に対する姿勢は、武力行使にこそ及んではいないものの、明らかに侵略者のそれです。もはや米国はRussia、Chinaと同様の、ならず者国家の一員に成り下がりました。

善意の協力者としての建前を捨て、圧倒的な暴力を盾にして、財産を差し出せ、領土をよこせ、属国になれと要求する。しかもあらゆる発言、提案、約束を、その時の都合に合わせてなかった事にさえする。

このような振る舞いを見て、米国を信頼できると考えるような者はいないでしょう。最低限の判断力があれば、要求に従ったところで裏切られるだけ、そう悟り、どうやってその侵略・干渉を回避ないし緩和するか、身の振り方に頭を悩ませる事になるのです。

Russia、China、そして米国。大国が揃って武力による侵略に傾斜するのは、ある種の必然なのでしょうか。おそらくそうなのでしょう。倫理の欠如した権力者にとって、武力はあまりに便利なツールです。面倒な交渉も政策もすっとばして、およそ全ての犯罪が思いのままなのですから。脅迫も強盗も、もちろん殺人も。ほとんど全ての独裁者が、善良な市民の敵に堕ちる所以はそこにあるのでしょう。その点、米国も例外ではなかったというだけの事です。

米国では、国連からの脱退さえ現実的な選択肢として取り沙汰されています。米国が世界の警察と言われた時代は、既に過去のものになりました。多極化を強める世界にあっては、むしろそれは自然な事なのかもしれません。

欧州の事は欧州が。中東の事は中東が。アフリカの事はアフリカが。アジアの事はアジアが。そして、米国の事は米国が。その地に住む人がそれぞれに決める。争う。自国を脅かす者は誰であろうと打ち倒すべき敵となる。米国もその例外ではなく、むしろRussia、Chinaと同列の侵略者に位置づけられる。

かくして大国は独裁的な覇権主義に染まり、それぞれの利益のみを追求し、その国土を拡大させるべく侵略を目論む。侵略を受ける近隣諸国はその脅威に怯えながらも生存をかけて抗う。存亡の危機を前にして、必然的に各国は軍事力の強化を際限なく進め、生産力を低下させ、生存に必須ではないものを切り捨てる。

訪れようとしている世界のあり方が、近代化以前の、原始的な世界のあり方に回帰していくように見えるのは、多極化のもたらす自然な帰結と言うべきなのか、それとも退化と言うべきなのか。いずれにせよ、米国中心の世界秩序は終わろうとしています。

その行き着く先に、悲劇の少なからん事を、そして、避け得ない破滅が訪れない事を願いつつ。