4/24/2018

[biz] Kindle storeで海賊版コミックが堂々と販売される

流石に驚きました。先日AmazonのKindle storeに登録された某人気コミックの最新刊、これが丸ごと漫画村で違法公開されていた海賊版だったというのです。

しかもその発覚した理由が、版権者からの指摘ではなく、各ページの隅などに"漫画村"のスタンプがあったから、という誰が見ても一瞬でそうとわかる代物だった、というのだからわけがわかりません。

言うまでもない事ですが、これは著作権法違反の明らかな犯罪であり、著名作品ともなればその摘発を受けた場合の賠償金額は莫大なものになるだろう点で迂闊に犯せる類の罪ではない筈だし、とりわけ漫画村はここ最近の海賊版規制を巡る議論の中心にあって急速にその悪名が広まっているところのソースなわけで、しかもそれを当然ながらある程度の身分登録が必須のAmazonでこれをやるというのは。。。犯人は何がしたかったのかと。自滅願望の類があったとかいうのでなければ理解しづらいところです。

当然ながら本件はあっという間に対処がなされ、既に本件データは購入・参照出来ないようになっています。同時に、Amazon経由で版権者や司法関係にも通報がなされ、あるいは捜査等も始まっているでしょう。これが犯人の望んだ事なのか。世間を騒がせ、各所に騒動を起こすことが目的の愉快犯か、あるいは自身の自滅を臨む破綻者であれば、その望みは概ね達せられたものと言って良いのでしょう。単なる興味本位や、可能性は低いだろうけれども犯罪として摘発される可能性を考慮していなかった場合は大いに後悔する事になるでしょうけれども。

あるいは、販売は最初から目的ではなく、ここ最近俄に活発になっている海賊版規制を建前にした違憲そのものと言うべき通信の秘密の侵害たる検閲を導入しようとする動き、その議論における中心的な対象である漫画村について、あえて漫画村がソースである事を明示し、それにより容易にこうして海賊版を入手する事が出来る、という事実を広く知らしめる事で、世論における検閲によるネット規制の正当化を後押ししたい、というような、ある種の活動家的な意図があったのかもしれません。そうだとすれば、版権者や当局等の規制賛成派のマッチポンプの可能性も無きにしも非ずな感じがしてげんなりするし、そもそも犯罪をその手段にする時点で共感のしようもないわけですけれども。

いずれにせよ、理解し難く、また一々相手にするのも無意味な事件である事は間違いありません。このような馬鹿馬鹿しい行為が繰り返される事のないよう、速やかに摘発されるよう願いたいところです。

「漫画村」のロゴ入り漫画、Amazon Kindleストアで無断販売される 集英社「至急対応する」