さて。経緯には色々と疑義がありますが、兎にも角にも選挙をやる事になってしまいました。ついては、状況の整理と起こりうる展開、結果の予測、また準備等をしておきたいと思う、のですが。。。野党側がカオスで、ちょっと収集がつきません。どうなるんでしょうこれ。
ようやく名前と代表が決まった小池新党であるところの希望の党、これがどれだけの地域にどれだけの候補者を立て、どのような戦術を取るのか、それによって結果が殆ど決まるだろう事だけは確かなのですが、これが全く固まりません。投票日になるだろう1ヶ月弱先の状況なんて、殆ど占いの世界です。
まず既に確定している要素だけを見れば、おそらく今の政界で随一の支持を集める小池都知事が代表に収まった事で、新党が候補者の擁立さえすればそれなりの当選者を出すだろう事はほぼ確実な見込みとなりました。民進党からは離党して新党へ参加する議員が雪崩を打ち、既に民進党自体を新党に吸収させる案すら有力になりつつあるとも言われる他、他の少数勢力との合流の動きも盛んに報じられています。一方、与党側からの離党者は現時点ではまださほどおらず、今後も爆発的に増える見込みはありません。従って、この傾向が続くならば、新党は民進党を中心として、共産党と大阪維新を除く野党側の大部分をまとめたものとなり、それを小池知事が率いる、という形になる可能性が高いものと考えられます。
もしそうなれば、ぶっちゃけ実質的には民進党の看板が変わるだけな感じになってしまいます。元々新党は抽象的なスローガンを発する以外何もしておらず、政策面では具体性が全くなく、また組織面でも実体が無いも同然でしたから、それを補う必要があったし、その手段には民進党から引き抜く以外の選択肢が殆どありませんでした。本来は維新に倣って一から養成したかったのかもしれませんが、それは時間的に不可能になり、逆に開き直る事が出来た格好とも言えるでしょうか。開き直り過ぎな気もしますけど、そこら辺は当人の自由なのですし、眉を顰めつつ見守る、あるいは見捨てる他ありません。
つい昨日まで理念や政策で相容れない云々言って縄張り争いに汲々としていた面々が、いざ選挙となるとそんな事は知った事かと言わんばかりにあっさり寄り合うというのもなんだか釈然としませんが、これで長らく死に体だった旧民主党の解体に加え、第三極の残骸の掃除並びに野党の統合がなされる(かもしれない)事自体は、概ね歓迎すべき事なのでしょう。
ただ、やはり実メンバーが民進党の、それもはじき出された面々が中心というのがどう評価されるかは気にかかります。もう少し、自民からの離党者を取り込んでいればその評価は薄まるだろうし心配する必要も無くなるのでしょうけれど、仮にこのままそれが進まず、民進党自体が吸収されたりして党内の主勢力にでもなれば、それはもう流石に、新党とは見られなくなる可能性も高くなります。そこを小池代表のイメージだけで押し通せるか、その辺りが主たる分岐点になるでしょう。
もし新党の形で野党勢力がまとまれば、そういった批判を受けてもなお、今回の選挙に限っては代表の人気と勢いだけで大勝する可能性もあります。一方で、そこまでは行かず、民進党が一定以上の規模を保持したまま、与党・新党・民進の三つ巴+その他、のような構図になれば、個々の議員や地区の事情に応じて状況が変動する乱戦になるでしょう。地域によっては、先日の都議選挙の時のような展開も有り得ます。ただ、流石に国政は選挙区毎に事情が様々ですから、大半の地域でそこまで安直な結果にはならないものと思われますけれども。確実なのは、新党に批判票を根こそぎ持っていかれるだろう民進等の既存野党が消滅レベルの壊滅的な敗北に終わるだろう事だけですね。当人達もそれがわかっているから、離党・解党の動きが出ているのでしょうし。
しかしねえ。どいつもこいつも、政策とか本来すべき仕事の方はどうなってんの、って話で。与党側は言うに及ばず、新党はじめ野党側も数や体制の整備に追われて、肝心の議席を得て為すべき事が全くの空っぽなのは流石に。。。希望とか言うわりには、むしろ絶望を強く感じてしまうのは私だけでしょうか。
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