予想通りと言うべきでしょうか。intelが大規模なリストラを計画中だそうです。
規模はおよそ全体の一割12000人程度、主な削減対象はPC関連部門で、新規ビジネスに注力する方針との事なんだそうです。PC市場の急激な縮小と、それを代替する筈のモバイル系でARM系に概ね敗北した事で不良債権化したリソースに見切りをつけた、という事で。PC周りは技術の進歩の余地もほぼ枯渇して、実質的に新製品の投入が困難になっている事も併せて見れば当然の結果と言えるでしょう。外部環境面では割と八方塞がりな感じですから。
もっとも、外部的な要因を別にしても、以前ALTERAを買収した事でintel内部のリソースには明らかに余剰があって、かつソリューション面とプロダクト面とで組織体制に齟齬が生じていただろうところ、それを整理統合する必要は当然あっただろうから、そちらが主な目的で、リストラは副次的な位置づけのものなのかもしれませんけれども。
ともあれ、今後の方針としては、基本的にはデータセンター向け中心にFPGAとサーバ用プロセッサのラインを統合して、それによって成立するソリューションをこれからの主力に位置づけるって感じでしょうか。その割を食うのが決算でほとんど一人負け状態なクライアントコンピューティング部門と。具体的な製品で言えばAtom系とか厳しそうですね。本来なら主力になっていた筈なんでしょうが、ARM系ともろ競合で惨敗した結果ということで、当該部門の人達はさぞ無念でしょう。解雇されるのでなければ、新しい分野に挑戦出来る機会と捉えてむしろ喜んでいるかもしれませんが。
一応、PCが衰退しているって言っても、Windowsは無論、OSXもLinuxも基本的にCPUはintelの独占は変わりないわけだし、intelのクライアント向け製品自体が近い内に消えてしまうわけではないんでしょう。それでもこうして、先日のムーアの法則終了宣言と併せ、intel自身がゆっくりとしかし確実に白旗を挙げていくのを見て、少なくともこれからはもう殆ど進歩もしないんだろうと思うと、やはり残念に思う部分はあるわけです。一つの時代の終わり、になるんでしょうか。
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