か。半年という超短期での社長解任に端を発する今回の不祥事、話が出てきてから既に結構時間が経ってるわけですけれども、解任の正当性云々以前になんでこうなったのかという理由、それを裏付けるところの事実関係が今もって不明なんですよね。色々と建前上の整合性を考えると、裏も何もない、で終わらせたい事情はあるんでしょうけれども、olympusの企業評価、価値にも相当な損害が発生して、まださらに進行しそうな状況、通常なら速やかな情報公開をもって防止に努めるべきところであるにも関わらず、あえて黙秘して放置し続ける経営陣の姿勢は、流石に不可解と言わざるを得ないように見えるわけです。どういうことなんでしょう。
そろそろ当局の捜査、それも海外から着手されつつあるとの話もあって、待っていればそのうちある程度は明らかになるのかもしれませんけれども。それでもあえて今ある情報、殊に利益提供先の一方がケイマン諸島所在の無名のコンサル会社AXAM Investmentであり、しかも本取引終了直後に登録抹消済みという話、これが事実だとしてそれから想像するに、要するに裏金作り、資金洗浄が一義的な理由であった可能性が最も高そうに思われるわけです。であれば、この時点で違法という事で、黙秘せざるを得ないのは当然と理解出来ます。
ただ、それで作った資金の用途は何か、というともうさっぱりわからない、というか情報が出ていないわけで。典型的には、この不景気のご時勢ですし、大王製紙会長の事例と同様、経営陣等の私的な投資失敗分の穴埋めだとか、ステークホルダーへの損失補填等を目的とする利益提供だとか、過去の粉飾の辻褄合わせだとか、あと単に賄賂だとか、まあその種の、昔ながらの違法な用途だろうとは想像されるわけですけれども。
当局としてもその辺の疑念は当然持っているだろうし、であれば手口も悪質、かつ額が額だから無視もできないしで、現経営陣が知らぬ存ぜぬを続ける以上は、早晩大規模なガサ入れがあるんでしょうけれど。そうだとして、範囲、規模から見て本件は年単位の長期に渡って続く可能性があるわけで。その間は資金調達もままならなくなるでしょうし、元々弱小と言っていいだろうオリンパスの企業体力的に、会社自体が保たなくなる可能性も高いと思うんですが、どうするんでしょうか。自業自得だし、別に潰れても問題ない規模ではあるんですけど、それでも迷惑な話ではありますから、潰れるにせよ、鼠一匹で終わるにせよ、速やかに方をつけて頂きたいものです。
---------------------追記
やはりクロだったという事で。さようならオリンパス。
[biz law] オリンパス不祥事の理由は粉飾穴埋め