三菱自動車がまたやらかしてくれたようです。国交省に報告する燃費試験の結果を改ざんしていたんだそうで。
対象は、主力の軽自動車2車種。ekワゴン・ekスペース。日産にもデイズ・デイズルークスとしてOEM供給されているものです。当然その他車種での余罪も疑われるわけですが、それはさておき。
その手法は、試験時の車輪に加えられる負荷を軽く設定する事で、5〜10%程度燃費を良く見せかけていた、との事。ekワゴンで言えば、カタログ燃費は25〜30.4km/lですけれども、実際には22〜27km/l程度だったという事ですね。 確かに全然受ける印象が違ってきます。競合するスズキのワゴンRが33km/lを謳っているところからすれば、素の数値では太刀打ち出来ない感が漂います。減税の区分も当然変更になるでしょう。
本件の後始末については、よりによっての主力車種ですし、当該車種の総販売台数にして60万台を超える規模のカテゴリー自体が丸ごと事業から消える事による年間数千億規模の売上減少、ユーザーと日産への損害賠償、減税分の不当利得返還、あといよいよ壊滅的に失われた信用の将来への影響も考えれば、少なく見積もっても会社の存続に強い疑義が付くだろう、極めて深刻な事態と評価すべきものでしょう。
しかしもうなんでそんな事したの、としか。無論燃費が最重要項目な車種である事は間違いなく、上述の通り到底敵わない競合がある以上、改竄の動機は十分ではあるだろうところですが、そもそも第3者が試験したら即バレな数値、しかもOEM車種。車の性能値の中ではおそらく最も誰もが気にするところでもあるし、隠しおおせる可能性など最初からなく、やったが最後、遅かれ早かれその先には破滅しかないだろう事は分かり切っていた筈なのですけれども。全く以ってわけがわかりません。
そういえば、三菱自では以前に開発の遅れの責任を取らされて部長が2人クビになってましたけど、実はこの辺の絡みだったという事なんでしょうか。しかしあの時の部門は確かRVRだった筈で、今回は軽自動車なので直接の関係は無い筈、であれば間接的に、すなわちそういう恐怖政治的というか、無茶な目標を現場に押し付け、目標未達ならクビ、という理不尽な社内体質が、その場しのぎの破滅的な改竄に走らせたものと考えるべき所でしょうか。
もしそうなら、なんと言うか。あまりにも愚かで、かつ哀れな話です。開発部門はじめ、三菱自の社員は何のために生きてるんでしょうね。そこまで追い詰められたなら、RVRの部長達と同じように、さっさと辞めればよかったのに、と残念に思わずにはいられません。彼らが諭旨退職であり、すなわち自発的なものではおそらくなかった点からすれば、見せしめ効果で恐怖が先に立ったか、それともやはり元々の社員の体質的にも難しかったのか。外野からではわかりませんが、もはや云々しても仕方ないところなのでしょう。返す返すも残念です。
無論、そうさせた会社側は存分に報いを受ければいいと思うわけですけれども。リコールの件の時も酷いと思いましたが、組織というのは一度腐るとこうまで救えなくなってしまうものなのかと、驚きと共に落胆を禁じえません。どうせそうさせた体質は棚に上げて、部門に責任を押し付けて済まそうとするんでしょうし、もう会社ごと潰れてしまえばいいと思わずにはいられないわけです。いやはや。
三菱自、燃費試験での不正を発表 日産自の指摘で発覚
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そして当然のようにその他車種でも余罪が発覚。主力車種が全滅の模様で、流石にもう無理ですかね。
[続き記事 [biz law] 三菱自、主力車種ほぼ全滅]