8/31/2024

[note] Ubuntu24.04.1がようやくリリース

ついにこの日がやって来てしまいました。当初予定の2週間遅れです。 

LTS版にも関わらず、バグまみれのβ版同然の状態でリリースされてしまった24.04。案の定というか、頻繁に固まるだの、アップグレードに失敗するだの、音が出ないだのと、大量の致命的な不具合の報告が溢れていて、安定的な動作を望む一般ユーザとしてはとても手を出せる状態ではありませんでした。

通常はリリース後に発覚したバグを修正した安定版としてリリースされる.1版ですら、アップグレード時の致命的な不具合が残っているとしてリリースが延期される始末で、ユーザとしては殆ど恐怖を感じる状況でしたが、なんとか24.04.1の再延期は免れました。そして運命の時がやって来たのです。

リリース後に一日様子を見たところでは、明らかに致命的な問題は生じていない様子。あくまで修正版なのだし、それは当たり前でしょうけれども、とりあえず一安心。

とはいえ、流石にいきなりサーバー(22.04LTS)に適用するのは怖すぎます。幸いというか、クライアント利用が中心の作業用PCはLTS以外もアップグレード適用してきていて現在は23.10。23.10は既にサポートは切れているので嫌が応にもアップグレードするしかありません。というわけで、こちらのアップグレードを恐る恐る適用してみた次第です。

結論から言えば、成功しました。

ただ、アップグレードインストーラの挙動は怪しいところがあり、実際に致命的ではないものの問題も発生しました。以下にそれをいくつか。

手順はいつもの通り、update-managerからアップグレードを選択しました。概ねいつもと同じような挙動なのですが、途中で2点、終了時に1点割とシャレにならない問題が発生。

問題1.  一部パッケージのインストールに失敗

 そのまんまです。thunderbirdパッケージがインストール前のsubprocessでエラーが出て、インストールできない旨メッセージが出ました。"アップグレードを続けますが、パッケージが動かない状態にある可能性があります。この件に関してバグレポートを送信することを検討してください。"的なメッセージも出て、実際インストール完了後にはaptの修復等を行う必要も生じました。致命的なものではありませんが、肝は冷えましたね。24.04からthunderbirdもsnapに移行しているのですが、それ関係の不整合によるものでしょう。

 なお、aptの修復等は、

  $ sudo apt --fix-broken install 

 とかです。autoremoveなんかも、普通のアップデートコマンドをやればOK。

問題2. grubのインストール先設定要求

 これは厳密には問題とは言えないかもしれません。何かと言うと、これまでアップグレードではgrubのインストール先、すなわちプートローダ周りをどの記憶媒体に入れるかを聞かれる事はなく、単に従来の設定を踏襲するようになっていて、例外的にgrubのバージョン変更時に以前のバージョンを保持するか否かを聞かれる事がある程度でした。

 それが、PCに接続されている、grubを設定可能なHDDやSSDとそのパーティションを検出し、その内のどれにgrubを入れるかを選択するよう要求するようになっていたのです。具体的には、/dev/sda,/dev/sda3,/dev/sdbとかが表示されて、それぞれの横にあるチェックボックスをチェックする形ですね。

 当然、困惑させられたわけです。何だこれはと。こちらとしては特に変更するメリットもないし、従来通りにして欲しいだけです。わざわざ聞くという事はユーザーにとって意味がある話な筈なのですが、それが何なのかわかりません。なので、最初はどれにもチェックボックスを入れずに進めようとしたのですが、そうすると、"grubをインストールせずに進めますが、よろしいですか"的な警告が表示されたのです。これは最悪起動出来なくなるやばいやつだ、と理解したので、慌てて戻って従来grubを入れていた筈のドライブをチェックして進めました。結果としては別段問題はありませんでした。何だったんでしょう。

 なおチェックして進めた時、即時にgrubの設定をしているのか、数分間程度ダイアログが先に進まず固まります。これも心臓に悪いので表示をどうにかした方がいいと思います。

問題3. 終了時に、"インストールに失敗しました。"的な表示が出る

 これもまんまです。おそらくは問題1.のパッケージインストール失敗に起因するものだと思うのですが、そんな細かい事情は示されず、ただ失敗した旨だけが表示されます。そりゃもう血の気が引きましたね。ロールバックする旨も表示されましたし、アップグレード全体が失敗したとしか読めないものでしたから。しかし、実はこれは表示だけだった様で、実際にロールバック等が行われる事はなく、すぐにアップグレード完了の旨表示され、そのままインストーラは終了しました。

 ただ、途中終了の形にはなっていたのか、パッケージのクリーンアップ等は行われず、その後(再起動後)に手動でする必要がありました。結果的にはアップグレード自体は成功したと言って良い結果ではあります。ほんと一安心。この間の私の気持ちは、久しく感じた事がない程つらいものでした。勘弁してほしいです。

その他、ライブラリのバージョンが変わっていて自作プログラムの一部をリビルドする必要があったりはしましたが、基本的にビルトインのアプリケーション等には目立った不具合は見当たりません。日本語やビデオ・オーディオ周りも特に問題はありません。

というわけで、23.10からのアップグレードは致命的な問題はなく終了。結果だけ見れば拍子抜けとも言えなくもないですが、やってる最中はそんな事はわかりませんから、精神的には非常に消耗しました。サーバーについてはもっとシビアだし色々準備も必要なので、また後日。 というわけで、今回はこれでおしまい。お疲れ様でした。

[note] Ubuntu24.04LTSリリース、いつになくやばげ?

[note] Ubuntu24.04.1のリリースが延期、やはりヤバい模様

<追記>

やっぱり(22.04からの)アップグレードにはバグがあるようです。特にserverでのアップグレードに使うubuntu-release-upgraderにはcriticalなbugがある、との事で、現在24.04.1はLTSリリースから一時的に取り下げられており、通常のコマンドではアップグレード出来なくなっているとの事。

一応develop版としてなら24.04.1にアップグレードする事は出来るとの報告もありますが、いずれにせよサーバーへの適用は修正版のリリースを待った方が良さそうです。というわけで私の所もサーバーのアップグレードはペンディング。やれやれです。

Unable to upgrade from Ubuntu Server 22.04 to 24.04.1

Noble missing from meta-release-lts


8/15/2024

[note] Ubuntu24.04.1のリリースが延期、やはりヤバい模様

LTS版にも関わらず、基本部分の仕様変更に伴うリビルドが追いついておらず、デバッグも満足にされないままにリリースされ、当然にバグだらけでとてもアップグレードする気にはなれなかった24.04LTSですが。

そのあまりのヤバさから、22.04LTSからのアップグレードは一通りのfixが反映される24.04.1で実装される事とされていました。そして、その24.04.1のリリースは2024年8月19日に予定されていた・・・のですが、これが延期になったそうです。延期先は8月29日、10日間の延期ですね。

理由はインストーラの深刻なバグ等の修正のためとのこと。要するにまだデバッグが終わっていないというわけです。ひどい話ですね。そもそも、そのレベルの不具合というのは最初のリリースまでに解消されていなければならない筈です。少なくとも、LTS版である以上はそんなバグを残したままリリースしていいものではありません。

それが放置されたままリリースされ、あまつさえリリースから四ヶ月近く経っても修正できていない、というのは、もはやCanonicalのマネジメントは破綻していると言わざるを得ません。そんな体たらくで、あと2週間で完璧な状態になる等と、どうして信じられるでしょうか。

率直に言って、24.04.1が29日にリリースされたとして、依然としてバグまみれである可能性は極めて高いでしょう。少なくとも、リリース直後にアップグレードに踏み切る勇気は私にはありません。引き続きしばらく様子見ですかね。バックアップ用の記憶媒体等も調達して、移行の準備を進めていたのですが。。。

23.10のPCについても悩ましいです。サポート期限までにまともになるのでしょうか。

Ubuntu 24.04.1 point-release delayed until August 29 

[note] Ubuntu24.04LTSリリース、いつになくやばげ? 

※当初のリリース日が間違っていました。8/15ではなく8/19でした。

<追記>

24.04.1がリリースされました。が、アップグレードツールに深刻なバグがあるとの事で、一旦LTSリリースから取り下げられており、通常のupgradeコマンドでは(22.04LTSからの)アップグレードが出来なくなっています。困ったものです。

[note] Ubuntu24.04.1がようやくリリース

8/09/2024

[law] 検察官の違法取り調べにつき刑事裁判開始決定

画期的な決定が下されました。検察官がその職務上の言動に関して刑事事件の被告人となる裁判が行われる事になりました。

今回被告となるのは元特捜の、田渕大輔検察官です。容疑は、2019年に不動産会社社長の山岸忍氏に対する横領容疑の捜査に関し、共犯の容疑者として山岸氏の元部下を取り調べた際に、机を叩き、大声で恫喝する等の威圧的な言動を行った事が特別公務員暴行陵虐にあたる疑いがあるというものです。

山岸氏の容疑は2021年に地裁で無罪判決が下され、検察は控訴せず無罪が確定しています。これを受けて山岸氏は国家賠償請求訴訟を提起し、それに併せて検察官2名に対し証人威迫の容疑で刑事告発をしました。が、大阪地裁及び検察審査会で不起訴とされ、山岸氏がさらに大阪地裁へ付審判請求をしてこれも退けられ、さらに大阪高裁へ付審判請求をして、今回これがようやく認められたものです。山岸氏の執念の賜物と言えるでしょう。まだこれからが本番ですが、ひとまず山岸氏にはお疲れ様でした。

しかし、検察官は明らかに保護されすぎですね。問題となった当該検察官の言動については、当然ながら全て記録が残っています。つまり動かぬ証拠があるわけで、容疑も明確です。勿論刑事事件として起訴される為の要件は全て揃っている。にも関わらず、被害者がここまでしないと検察官を罪に問う、すなわち裁判にかけることすら出来ないというのは、制度上の欠陥と言わざるを得ません。山岸氏のように追求に労力を注ぎ込める人はそうはいないでしょうし、ほとんどの場合において、一般人に対する検察官の違法行為の追求はほとんど事実上不可能と言ってよいものなわけですから。

検察官の職務上の言動について、一般人のそれと同様に扱う事には難しい面もあるでしょう。容疑者は罪を逃れようとするものですから、その取り調べは基本的に容易ならざるものになり、それを乗り越えて犯罪者の罪を問うためには容疑者の心を折るような言動が効果的だろうし、それ以外に有効な手段がないという事もあり得るのでしょう。何より、有罪が立証出来なかった場合に、検察官がその職務の執行について容易に責任を問われるようでは検察官の職務の安定性が損なわれるだろう事も理解出来ます。

しかし、です。当然ながら、それは目的のためなら手段が正当化されるという事は意味しないのです。容疑者はあくまで容疑者であり、自ら罪を認めているので無い限り、取り調べ時点では犯罪者ではない一市民です。犯罪者同然に扱われる謂れはありません。それ以前に、犯罪者であっても人権は侵すべからざる権利です。冤罪の虞が大いに生じるような方法でなければ自白を引き出せないというのなら、それはもはや追求をあきらめる他ないのです。そもそも威迫によって引き出された自白や証言など、意味がないのですし。

その、司法に携わる者であれば当然にわきまえていなければならない筈の原則を忘れ、自分勝手な、独善的正義を優先して、絶対的に守られるべき人権を侵害する。そのような者にはもはや法の中でも最も公正かつ厳格たるべき刑事法の執行者たる検察官としての資格などありません。

もっとも、おそらく程度の差こそあれ、同様の違法な取り調べは他でも、というか至る所で横行しているんでしょうね。。。それは、検察組織が司法上の聖域となってしまっているという我が国の司法制度の構造上の問題であると言えるでしょう。この点は改善が必要です。すなわち、抑止力として、検察官と言えども法を犯せば罰せられるという、当たり前の仕組みが必要なのです。何人たりとも、法の上には立たないのです。裁判官も、検察官も。制度の改正が強く望まれるところですね。

まあ、こういう話をすると、民事刑事全て免責される天皇という法制度上の特大の例外があるのがやっぱりネックになるのですが。日本国の象徴自体が聖域そのものとして存在するのだから、他にも聖域はあってもいいじゃないか、みたいな話にもなるし、やはり天皇制の廃止から始めるべきでは?9条改正なんかより余程意味があると思います。

8/05/2024

[biz] 令和のブラックマンデー記念。バブルに踊った馬鹿、再び地獄へ

はい。本格的にバブルが弾けたようです。すなわち本日、令和6年8月5日は最新のブラックマンデーに(多分)なりました。日本が世界の歴史に残る(かもしれない)よ、おめでとう!

というわけでブラックマンデーです。もっとも下落は先週末から始まっていたので、オリジナルのブラックマンデーと比較するのは適切ではないかもしれませんが、まあ株価・為替相場の変動幅が格段に大きい点で本日の方が決定的な感はありますから、間違いというわけでもないでしょう。

きっかけは、先週末の米国の雇用統計で失業率の大幅な悪化が出た事です。そこから当然のように米国株は下落し、元々予想されていた秋頃の利下げの見込みにつき確信を抱いた向きが大勢を占めた事からドル安が起こり、その直前に日銀による利上げ実施と今後の追加利上げ見通しの発表がなされていた事と相まって、ここ数年の円安と歩調を合わせて、主に日銀の投信の購入による公的資金と近々でのNISAの拡充による無知な一般人の資産をも吸い込んで膨張を続けていた国内株式市場及び為替市場のバブルが諸共に一気に弾けた、というわけですね。

日銀は投信の購入を既に縮小していましたから、買い支えがなく、また今後もない見通しである事も明らかであり、それが底が抜ける要因になった事も疑いようのないところでしょう。

何より、バブルはいつか弾けるもの。そしてその膨らみが大きければ大きいほど、弾けた時の反動は大きくなる、それが形になって現れたという事です。つまり、極めて合理的な結果という他はないわけです。

なのですが、取引関係者は当然に阿鼻叫喚です。とりわけ、信用取引をしていた、また今もしている向きはとんでもない地獄になっているでしょうね。ここまで変動が大きいと、買いも売りも読み切る事はほぼ不可能でしょうし、いわゆる落ちてくるナイフを掴んだ哀れな者も多かろうと思います。一時的に利益を出す幸運に恵まれた者もいるでしょうが、ここまで無茶苦茶な動きだと、何人たりとも参加し続ければいつかは破滅が避けられないでしょうし。常識的にはポジション解消のリスクオフ一択です。

一方で、取引云々は別にしても、単純に株価の大幅な下落は、当然ながらその権利者にとって金融資産の減少を意味します。株式を担保にした取引については、すべからく追加担保を求められるか、あるいは差し替えや清算を余儀なくされる事になるでしょうし、多くの企業が保有株式について評価損の処理を迫られます。

それは大手金融機関や日銀も例外ではありません。というか今や日銀がその影響を受ける筆頭です。日銀が購入した投信は大半がまだ含み益がある状態だとは思われますが、今後の下落の程度次第では、利上げで日銀が債務超過になる前に、株式の評価損で債務超過に陥りかねないわけです。本格的な利上げもこれからだというのに。一体日銀はどうなってしまうのでしょうか。まさか本当に破綻してしまうのでしょうか。日銀が公的資金のお世話になる、とか冗談みたいな話が本当になるのかもしれません。そんな資金をどこからどうやって持ってくるのかは知りませんが。

しかしまあ、見事に弾けたものです。馬鹿は死んでも治らないというか、バブル崩壊を経験しておきながら、再発を防ぐどころか目先の利益に見事に目が眩み、アベノミクス等と寝言を言ってバブルを膨らませる事に全力を尽くし続けた日本政府と日銀、それに全力で乗った金融界隈の面々、そしてそれに粛々と従った多くの日本国民、みんなほんとアホばかりです。それらの全てが自らの浅はかさと欲深さの報いを存分に受けるのかと思うと、清々しい思いがしますね。アホはみんな死ぬがよい、です。

とはいえ、諸々の市場に直接の関係を持たない第三者としては、馬鹿馬鹿しくも非情に興味深い一大事象ではあります。その行く末を、高みの見物的に観察させてもらうとしましょう。さしあたってはどこまで広がるのか、そこに注目ですかね。