が沢山いると聞いて、少しばかり愕然とした次第です。
周知の通り、コロナウイルスの蔓延に伴うマスクの品不足に付け込んで、マスクを買い占めて法外な高額で転売する行為が横行していたところ、これが3/15に刑法上の処罰対象となりました。具体的には、国民生活安定緊急措置法第26条第1項に基づき、譲渡制限措置の対象に衛生マスクが指定され、卸売取引経由を除く一般向けの売買のほぼ全てについて、購入価格を超える価格での販売が禁止されたわけです。
罰則は一年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金です。これはDV防止法の保護命令違反と同等であり、この種の規制におけるものとしてはかなり重いものとなっています。世間一般的に犯罪者の烙印を押されるレベルは超えている、と言えるでしょう。
なのですが、規制を掻い潜ってのオークション等での出品が続いている旨の報道が相次いでいます。それ自体は予想された事です。転売で高額の利益を得ていた者がその利益を維持しようとするのはごく自然な成り行きでしょう。
問題は、その手段です。ざっと見たところ、今の所用いられている手法は、以下の3つに大別されるようです。
1.卸等からの仕入れを装う
2.他の物品のおまけとしてマスクは無償と称する
3.名目上他の物品を取引し、実際にはマスクを販売する
これらの手法が、報道では抜け道等と表現されているようです。が、これのどこが抜け道なのでしょうか。
規制に対する抜け道、といえば、通常、法的には違法とは言えない手法を指すものです。脱法的、あるいはグレー等と言われるところの、法の趣旨からすれば本来規制されるべきものであり、その点からの非難は免れないけれども、明確に違法とは言えないために、現行法の適用で罰する事が困難な手法、と定義できるでしょうか。
しかし、上記の方法は、いずれもそのようなグレーなものではなく、単なる転売を、そうではないふりをして行っているだけの、すなわち明らかな違法行為であり、紛うことなき犯罪です。ネットオークション等のシステム上の規制、すなわち品名にマスクを含むものの出品禁止措置は回避出来るでしょうけれども、それはあくまで各システムの仕様上の不備を利用して出品禁止を回避するだけであって、法の規制を潜脱し得るものではなく、抜け道とは到底言えないものでしょう。
個別に見ると、1.については、仕入先を偽っているわけですが、その特定はそれほど難しい事ではないでしょうし、2.については価格に対するおまけの占める部分が購入価格より高いと判断されればそれで終わりです。3.については単なる虚偽表示です。いずれも、司法の捜査の手が入れば、極めて容易に露見するだろう程度の子供だましレベルのごまかしでしかありません。
そんな事もわからないのか、理解した上で摘発されないと高を括っているのかはわかりませんが、軽くない刑事罰を伴う犯罪が公然と行われる、しかもそれが多数に上る今の状況は、正直言って異様だと、戦慄を覚えた次第なのです。
ただでさえ施行直後は一罰百戒の意味も込めて特に摘発が行われがちな時期なのですし、これは早い段階で摘発の手が入るでしょうね。恐れを知らないというか、何というか。。。いやはや。