4/05/2015

[pol] 維新の会内紛、意味不明な責任転嫁の醜悪

このところ俄に国内の、とりわけ政治周りの話題を攫った感のある、日本維新の会所属の上西議員の件ですが。アレなんなんでしょうね。

橋下代表が突然出て来て、何やら議員失格だとか喚き立てた、と思ったら直後に大阪維新の会から除名。といって当然ながら国政とは関係なく、議員の資格には影響しない事もあって上西議員が議員の継続を表明したら即無意味な罵倒。一般市民からしてみたらわけがわかりません。何がどうなってんのと。というかそもそも何の意味があるのかと。

一応、理由としては予算案の採決をした本会議に病欠し、しかし2日後に旅行に出掛けていた事が非行に当たるという事らしいのですが・・・。そう言っていたと思ったらその次の日には本会議の前日に外食に出かけた事が主たる問題行動という事になっていて、その一方でもう単なる人格否定としか取りようのない非難をして、まとめて除籍の理由としていたり。論理性も一貫性も何もあったものではありません。強引というより支離滅裂にも見えて、一体何を言っているのか、理解に苦しむところです。せめて世間に公表するところの建前位は整合させて頂かないと、受け取る側としても困るのです。それに処分を云々するにしても、国会議員の話に市長にしろ知事にしろ、地域政党に過ぎない大阪の面々が出張って、本来責任を持つべき日本維新の会はただ追認するだけというのも理解し難い話でもありますし。

そもそも、問題とされている上記行動を個別に見れば、それ自体は必ずしも有り得ないとは言い難く思えるものなわけで。勿論、無断や仮病で本会議を欠席して旅行や外食に出掛けていた、というのであれば議員として不適正と言えるでしょう。けれどもそうではなく、欠席にあたっては診断書も提出し、諸々の行動もあくまで前日や後日の話で、本人曰く本件行動の際には体調が回復していた、というのですから、客観的に見て、疑念はあれども不適切と判じるには不足にも見えるし、まして個人をして議員として不適格と断じる事も、現時点では到底成し得ないもののように思われるわけで。むしろ、議員の職責の重大さを鑑みれば、少なくともその身分を左右するような処分に及ぶ根拠としては不確かで、にも関わらず処分に及んだ事は、国政に関わる者のそれとしして、あまりに軽率に過ぎると言わざるを得ないでしょう。国会議員というのは、そんな適当にホイホイすげ替えられていいものではない筈、それを法に基づかず、殆ど脅迫とも言うべき威力をもって辞任を迫り、また受け入れられないと見るや放逐し党としての議席を放棄した点からしても、議員という立場、すなわち国民の付託そのものを軽んじ過ぎている、とも言えるでしょうか。もっとも、そういう組織が有力政党足り得、またかような人物らを議員にしてしまえる制度自体が問題と言うべきなのでしょうけれども、それはともかく。

さらに言えば、氏は比例区選出議員につき、当選する程の上位候補として擁立し、その立場に就けたのは政党執行部たる自分たちなのであって、その責任のおよそ殆ど全てが帰せられるべき当人の筈なのですから、その当人達があたかも被害者であるが如く批判する側に回っている、というのはますますもって不可解な話なのです。政党として得た票、その信任を裏切ったのですから、その代表が不適格であり責任を取る、というのであれば、政党全部の議席を返上し、あるいは政党を解散する等、党に対して処分がなされるのが本来の筋というものでしょう。少なくとも、選挙にあたっての全判断における責任者たる執行部は、その関連する範囲において職を辞するべきもののように思われるわけです。それをせず、議員個人を攻撃する事によって本来受けるべき非難を回避しつつ責任転嫁に終止する代表らの振る舞いは姑息と言う他なく、その短慮かつ軽率さもあって、到底見るに耐えません。

まあ、タイミングがあまりに地方選の開始と合い過ぎにも思えるところからすれば、ここ最近は殆ど世間からの関心も失い、メディアへの露出の機会すら失っていた橋下氏はじめ維新の会としては、悪名でもいいからこの時期に有権者へ広告を打ちたいという腹づもりもあるのかもしれませんけど、もしそうなら言語道断な話であって。もっともその辺の思惑がどうであれ、これだけ意味不明だといくら責任転嫁に努めたところで全体的な悪印象は甚大で逆効果の方が大きいだろうし、維新の候補選定の杜撰さから、今回の地方選も含めた同党候補への信用も大幅に毀損されたでしょうから、これで元々死に体だった維新の会も大阪以外では実体的に消滅、となれば良いだろうとも期待する次第なのですが、さて。

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