川重でお家騒動とな。火種は先般から話が進んでいた筈の造船部門、三井造船との合併交渉に反発する向きによるクーデターの形ですか。
まあねえ、大きいところ同士の合併だとどうしても該当部門にはリストラが不可避になるわけで、部門幹部の定年逃げ切りまでの保身策としては至極自然な話なんでしょう。無論企業イメージに与える影響はとても悪いし、実際問題として事業的に造船は危機的状況にあるわけで、色々と本末転倒な感は否めませんが、解任要件たる過半数の取締役を取り込めた時点で法的には何の問題もないし、結局のところ社内の根回しを疎かにした長谷川元社長の自業自得と解釈すべきものでしょうか。
といって、好調な鉄道部門を抱えて全体としては良好な経営状態にある川重の事ですから、たかが雇われ社長の首が飛んだ程度、取り立てて外野が騒ぐような話でもないんでしょう。とはいえ後継は誰になるのか、どう舵取りされるのか、こういうもろ権力闘争的な経緯を経てしまうと、少なくとも暫くは良くない影響が残るでしょうから、多少なりと心配な面も否定はしづらいところですが、さて。
川重、長谷川社長を解任 経営陣に確執か
続報によると後継は村山滋、宇宙航空畑の人ですか。何故この人なの、と疑問なきにしもあらずですけれども、緩衝材的な人事ということなのかな。しかし宇宙航空って事は例の陸自ヘリ談合の当事者なわけで、その記憶も新しいところで外向けの顔というのはさすがにいかがなものかと。社内的には逆に高評価だったりしてクーデター後のトップとしてむしろ自然なのかもしれませんけど、黒すぎるでしょう。ますます迷走の予感が強まってしまうこの感じ、大丈夫なんでしょうか。