さて。準備をして望んだリリース日とその翌日に渡ってほとんど放置された挙句音沙汰もなくなり、インストールの実行に辿り着く事すら出来ずに終わったWindows10のアップグレードですけれども。このまま諦めるのも一案ではあるものの、わざわざHDDのバックアップまで取ったのだから一度はやっておこうと思い直しまして。一日空け、概ね出揃った感じのworkaroundを確認の上、再トライしてみたのです。
結果から言えば、成功しました。Win8.1からとWin7Proからの2台とも。手順は概ね以下の通り、インストールメディアを作成して行うのではなく、トリガー部だけを手動で起動する方法を選択。これなら、アップグレード自体は標準のパスで行われるため自己責任にはならず、また失敗も起こりにくい筈な点を考慮したのです。それでも、失敗した時のためにメディアはPro用とHome用、それぞれ32bit64bit兼用のものを作成して準備だけはしておきましたけれども。
<手順>
1. \Windows\SoftwareDistribution\Download以下のファイル・フォルダを手動で削除。
2. コマンドプロンプトをadmin権限で開き、wuauclt /updatenowを実行。
3. WindowsUpdateからWindows 10のダウンロードが開始されるまで1-2を繰り返す
4. 順次表示されるインストーラ画面の指示に従う
まず、1が必要な理由は、WindowsUpdateがインストールの開始に失敗すると、自力で修正出来ないらしいためです。[更新プログラムのインストール日時:]の日時の横に、(失敗)とあればその可能性が高いでしょう。更新履歴の表示を見てみると、下図のように[Windows 10 Home(Pro)にアップグレード]の更新適用に失敗した旨ログが残っている筈。エラーコードは大半が80240020のようですが、Win7Proの方ではC1900208も混ざっていました。
そこでリセットしてやる必要があるわけです。なお、必ずしも一度で成功するわけでもありません。私の場合、Win7Proの方は一回で済んだんですけれども、Win8.1は7回目位でようやく成功でした。ともあれ、1-3の措置が奏功すれば、下図のような画面が出てダウンロードが開始されるのです。
なお、Win8.1では、ダウンロード終了後に現れる再起動ボタンがアップグレード開始のトリガーになっていました。一方、Win7Proの方では、途中で中断し、下図のようなチェックを促すメッセージが表示されたり、
また、下図のような開始用のダイアログが表示されたりと、少しばかり面倒な感じになっていました。何故にこのような違いが出たのかは不明ですが、挙動の不可解さについては今更でしょうし気にしても無意味かなとスルー。
Win7Proの場合に出たこの画面は、おそらく準備完了通知からアップグレードする場合と同じ、すなわち標準のパスに沿ったものだろうと思われますし、むしろWin8.1の場合にスキップされた事の方が異常だったのかもしれません。なお、上図のライセンス条項への同意等については、Win8.1の時は再起動後のインストール実行の直前に同様の内容の確認画面が出て来ました。多分、メディア経由の場合のパスだと思うのですが、まあどちらでも同じ事だろうしやはり気にする必要はなかったのでしょう。
ともあれ、こうしてアップグレードの実行にまで辿りついたわけですが、此処から先はほぼ一本道で、特に問題もありませんでした。強いて言えば、何かとレポートだとか連絡先へのアクセスだとか、プライバシーの侵害を許諾させようとして来るので、それを一々確認して解除するのが面倒だった位でしょうか。小さく表示された(詳細設定)を選択してそこから解除する仕様になってたりしましたから。
起動後も、第一にやったのはその辺のプライバシー侵害設定の解除です。スタートメニューの[設定]-[プライバシー]から数十個はあるオプションの解除と、[システム]-[通知と操作]の項目類、[更新とセキュリティ]-[Windows Defender]の[クラウドベースの保護]とか[サンプルの送信]等。いや面倒です。しかもこれ、上記で同意したライセンス条項の中に情報の送信に同意してるためか、[プライバシー]-[フィードバックと診断]の、[デバイスのデータをMicrosoftに送信する]が完全に解除出来ないんですよね。デフォルトが[拡張]で、推奨が[完全]、縮小するにも[基本]にしか出来ないみたいなのです。とても気持ち悪いわけですが、ライセンスの管理上必要なのは其の通りだろうし、これくらいはと諦めるより仕方ないところでしょうか。
とりあえず動作は概ね問題ありません。ただ、標準のフォントがどう見ても歪で、控えめに言っても美しくない点は正直残念だし、ウィンドウ枠がほぼ無くなったデザインも微妙な感じがします。他にもWin8.1はLenovoのノートPCなのですが、[Lenovo Companion]とかいう謎のアプリが勝手にインストールされてたり。その他の不要なアプリ類と共に即アンインストールしましたが、この強制アップデートはやはり気持ち悪いですね。リスクもやはり高そうですし。一部で言われてるような軽さも感じません。他にも、タスクバーが自動的に隠れなくなる不具合にも遭遇しました。Win8.1の時の一々全画面に移行する事が無くなった点は喜ばしいのですけれども、むしろそれは改悪がようやく撤回されたに過ぎないわけだし、率直に言えば、設定等の使い勝手、プライバシー周りの妥当性、あと見た目とか、概してWin7の方が上だなと思う次第です。
ともあれ。とりあえず移行は完了した事だし、まずは様子を見てみるとしますか。やれやれです。
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そして襲いかかる苛立たしい不具合。地雷だと分かってはいましたけれども、Microsoftの開発体制に疑問を感じるのです。この程度で済んで御の字と思うか、ユーザに害を成して恥じないその姿勢に遺憾を覚えるかはそれぞれでしょうが、個人的にはこれは無いと思う次第です。
[続き記事 [note] Windows10の表示周りに不具合頻発]
[前記事 [note] Windows10アップグレードはやはり地雷]
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リリースからしばらく経って、予約もしてないユーザのPCにアップグレード推奨が表示されるようになったそうで。知人のPCで対処をする羽目になったんですが、その鬱陶しいあれこれが中々消えてくれず、無効にするのに骨が折れました。その時のメモが以下。
[関連記事 [note] 迷惑なWindows10のアップグレード推奨を無効化する方法]