9/11/2025

[PC] M.2 NVMe SSDのバックアップで四苦八苦

もうすぐWindows10のサポート終了ですね。

Microsoftは言うまでもなく、サポートを生業にしている向きや、PCの製造・販売に携わる人たちにとっては書き入れ時ではあるんでしょうが、ユーザーにとっては迷惑千万。対応が面倒で仕方ないです。しかし放置するわけにも行きません。というわけで、私の周りでもWindows10を積んだPCのリプレースやアップグレードを順次進めていたのです。

と言っても、アップグレードについて言えば、手間はかかるとは言え、以前のメジャーバージョンアップのようなドラスティックな変更を伴うものではないわけで、基本的に特段の問題もなくWindows11へ移行出来ていたのです。

が、1台だけ非常に手間取ったものがありまして。

そいつは比較的新しい、従ってリプレースの必要がない、DELLのInspironシリーズのノートPCだったんですが、そのアップグレードの準備としてバックアップを作成しようとしたら、これが上手く行かないのです。

私は、バックアップを作る時は、ストレージを取り出して、作業用のデスクトップ(Linux)に接続して、sgdiskやpartclone,dd等でGPTとパーティションのイメージを吸い出す方法でやっているのです。当該PCについても同様にやろうとしたんですね。つまずいたのはここでした。

ストレージはSKHynix社製のM.2 NVMeのSSD(256GB)が採用されていたのですけれども、その規格が2230と短く、作業用PCのM.2ポートが対応していなかったのがケチの付き始めでした。2242以降しか対応するネジ穴がなく、そのままでは取り付けられなかったのです。

仕方がないので、まずPCIeの変換カードを調達して接続してみました。なお使ったカードはAINEX製のAIF-09、SATAにも対応するコンボカードです。しかし認識されない。変換カードの不良か? と思うも、別のNVMe SSD(2280規格)を繋いでみるとこれは認識したので、そういうわけでもないようでした。どうもMBとSSDの相性の問題のようで、であればもうどうしようもないので断念。

次にUSB接続のアダプタを調達して接続してみました。UGREEN製の、NVMe専用のモデルです。すると一応認識しました。しかし、接続が安定しません。数秒から数十秒置きにブツブツと切れます。

これについては、Troubleshootingを色々調べてみると、ケーブルの相性が良くない可能性が高い、との情報がありました。これに従い、別のケーブルに繋ぐと一応安定しました。

なので、ようやくイメージを吸い出す作業に入れた・・・のですが、さらにいくつか問題が発生します。

まず、速度が非常に遅い。2GB/min位しか出ません。とはいえこれは致命的ではありません。たかが数十分から1時間程度、じっと待てば良いだけの事です。

しかし、次に起きた事は致命的でした。ただでさえ遅い速度がさらに徐々に低下していき、10分もしない内に遂にはエラーを起こして止まってしまうのです。partclone上ではエラーセクタが出た旨表示されていましたが、エラーが出てもスキップして継続するモードでやっても、一度エラーが出ると復帰出来ず、全てエラー扱いになってしまうのです。dmesg等を見ると、デバイス自体がエラーを起こして接続が完全に切れてしまっていました。SSDのセクタエラーが原因ではない事は明らかです。

これは熱暴走か、と思い、アダプタのカバーを取り外してみればやはりというか超高熱。とても手で触れるような状態ではありませんでした。一般にNVMe SSDの動作温度は60度位が目安とされていますが、明らかにそれ以上です。カバーは一応金属製だったのですが、あの発熱では焼け石に水にもならなかったでしょう。

もうこれはちゃんと冷やすしかない、という事で、カバーは取り外したままにして、発熱部の周辺に台を作って保冷剤等を接触しないように設置して冷えるようにして再トライ。

すると速度の低下も起こらず、2GB/min程度のまま安定して読み出しが出来るようになったのです。読み出しが2GB/minなのはどういう事なのだろうという疑問は残りますが、今回はそこは問題ではないのでスルー。途中保冷剤を交換しつつ待つこと数十分、エラーもなくバックアップが完了しました。なおその後のWindows11へのアップグレードも問題なし。やれやれです。

後で調べてみたのですが、USB接続のNVMe変換アダプタの類は大体熱問題を抱える事になるそうですね。 勿論SSDの発熱量にもよるのでしょうけれど、今回の感じだと大体アウトなんだろうと思います。中には冷却ファン付きのアダプタすらあるんだとか。正直欠陥品では?と思わざるを得ません。

今回の私に限って言えば、最低限の目的は果たせたのだから、まあいいかとギリギリ言えなくもないとも思いますが、あそこまでしないとまともに動かない(事がある)、というのでは、大半の人にとってはやはり欠陥品だろうと思います。

一応、今回問題になったSSDの規格が2230と小さく、従ってチップの密集度が高いために熱暴走が起こりやすかった可能性も考えられますが、もしそうだったとしても、アダプタ側で対応を謳っている以上はちゃんと対応していて然るべきでしょうし。

ともあれ、今回はこれでおしまい。お疲れ。