10/31/2015

[note] Win10で画像を開くアプリを変更する方法について

またまたWindows10のワークアラウンド。色々と不満は多々感じられつつ、様子見程度にサブ機で使い続けているところのWindows10ですけれども、またしても利用の自由を妨げる苛立たしい問題がありまして。その対策を以下メモ。

何かというと、画像ビューアのデフォルト設定についてです。まず前提として、win7,8,8.1等従来のバージョンでデフォルトに設定されていたフォトビューア等がWindows10では置き換えられ、[フォト]アプリがデフォルト設定されるようになっています。で、これの挙動が極めて重いのです。特に初回の起動速度が滅茶苦茶遅い。画像を開いては確認、とかいう作業をしようとすると、ものすごく時間がかかってイライラさせられるわけで、作業効率は無論精神的にも非常によろしくありません。他にも、オンライン連携でプライバシーが侵害される可能性もつきまといます。で、アップグレード直後からそういった諸々が気に入らず、速攻で従来のフォトビューアに切り替え、しばらく使ってきたわけです。

しかし、フォトビューアも完全ではないのです。やはりスピードが問題。画像を開く際、その開こうとする画像のあるフォルダ内の画像全てをサーチして何らかの前処理をしているらしく、そのためフォルダ内に大量の画像がある場合、起動のラグに加え、前後の画像への切り替えが可能になるまでに数秒以上の時間がかかってしまう事があるのです。これでは切り替えた意味がありません。

というわけで、さらに軽量なビューアに切り替えよう、としたのですが・・・。ここでトラブルが発生してしまいました。画像ファイルを開くデフォルトアプリの関連付けが機能しないのです。エクスプローラからダブルクリックして[開く]際のプログラム設定ですね。[右クリック]-[プログラムから開く]-[別のプログラムを選択]で開かれる選択ダイアログ中から選択する際、[常にこのアプリを使って***ファイルを開く]のチェックを入れて選択しても、その時は開けても、以降その関連付けが保存されないのです。再度開こうとすると元のフォトビューアが。ファイルの[プロパティ]-[全般]タプ中の[プログラム:]の項目から[変更]ボタンを押しても同様の選択ダイアログが出てくるのですが、ここから選択変更しても同様。これは一体どうしたことか。

一方、Windows10で新設された設定画面には、デフォルトのアプリを設定する項目があります。[設定]-[システム]-[規定のアプリ]ですね。この中に、[フォト ビューアー]の項目もあります。そこで、恐らくはここの設定と従来のエクスプローラ等からの設定が整合しておらず、前者が優先され後者は無視される状態になっているのかもしれない、と仮説を立て、こちらを変更してみる事にしました。が、こちらで[既定を選ぶ]と表示される選択画面では、そもそもWindows公式のアプリ(フォト、ペイント、Windowsフォト ビューアー等)しか項目に現れず、かつその他のプログラムを選択する項目が存在しません。指定自体が出来ないのです。

という次第で、またしても色々と試行錯誤する羽目になってしまったわけです。結果から言えば、解決しました。レジストリの設定を手動で上書きするのです。ただ、今回は専用のコマンドが用意されているのでregeditを使う必要はありません。以下、pngとjpegの設定を例に手順を。

<1 .="">

何はともあれ、まず現状の確認。プログラムとの関連付けは拡張子毎に行われる仕様になっているのですが、内部ではその拡張子毎に識別子が設定され、この識別子がプログラムと関連付けられています。なので、まずは目的のファイル型について、その拡張子に対応する識別子を確認する必要があります。

具体的には、コマンドプロンプトから以下のコマンドで確認。例はpngの場合。なお、このコマンドは確認のみにつき管理者権限不要ですが、その後の変更作業では必要になるので、コマンドプロンプトはあらかじめ管理者権限付で起動したものを使うのが良いでしょう。

> assoc .png

すると、下記のように拡張子に対応する識別子が表示されます。

.png=pngfile

で、この識別子に関連付けられているプログラムを確認します。下記コマンド。

> ftype pngfile

で、同様にプログラム(実行コマンド)が表示されます。この場合はフォトビューアが設定されていた場合です。

pngfile=%SystemRoot%\System32\rundll32.exe "%ProgramFiles%\Windows Photo Viewer\PhotoViewer.dll", ImageView_Fullscreen %1

これを使いたいプログラムで置き換えてやればいいわけです。例として、Irfanviewの64bit版を指定した時のコマンドを下記。前記の通り、ここの実行には管理者権限が必要ですので注意。当然ながらパスは適宜目的のプログラムが存在する場所に置き換える必要があります。

> ftype pngfile=C:\program\Irfanview\iview440_x64\i_view64.exe %1

成功すれば、下記のように結果がエコーされます。

pngfile=C:\program\Irfanview\iview440_x64\i_view64.exe %1

これで完了。なお、jpegの場合は下記。assocコマンドで確認してみれば分かる事ですが、.jpgも.jpegも共に識別子はjpegfileです。

> assoc .jpg

.jpg=jpegfile

> ftype jpegfile=C:\program\Irfanview\iview440_x64\i_view64.exe %1

jpegfile=C:\program\Irfanview\iview440_x64\i_view64.exe %1

でOK。ただし、設定変更直後は反映されず、フォトビューアで開かれる場合がありました。ただ、その場合もエクスプローラから手動で変更する際にリスト中に設定プログラムが表示されるようになっていて、そこから選んでやれば以降は関連付けが機能しました。ですから、おそらくは一時的なものに過ぎないのでしょうけれども、これも不整合の一環という事でしょうか。何ともグダグダで酷い仕様だと、改めて呆れ果てた次第なのです。

しかしこれ、そもそも何でこんなユーザの自由な使用を妨害する仕様になっているのかと疑念が自然と湧くわけなのですが・・・。といって、まず間違いなくmicrosoftの自社製アプリ強制キャンペーンの一環という事なんでしょうが、これまた酷すぎて論外だと思うのです。アホじゃなかろうかとさえ。開発者なら、自前のツールを使うのはむしろ当然の話でしょうに。

勿論、従来のPCビジネス自体が斜陽を迎えた現在、microsoftとしては生き残りのため、androidやiOS等のようにアプリやサービスで囲い込んで収益を上げる仕組みを作りたい、という意図は分かるのです。が、ユーザが自由に使える事が第一の利点であり存在意義でもあるPCでそれは両立し得ない事は最初から明白なわけで。何故そんな無茶をするのか。最初からそういうものとして普及させるのと、後から強制的に制限する形で導入しようというのでは根本的に違うというのが分からないのでしょうか。いやまあ、それが分かっているからこそ、本件のように黙って強制したり、win10アップグレードのようにあくまで推奨と言いながら実質的に強制するような姑息なやり方を選択しているんでしょうけれども、逆効果だと思うんです。Macの売上が伸びるのもむべなるかな。

というか、本件も場合によっては業務妨害にも当たりうるだろうし、無論独占禁止にもあたるわけですから、法的にも到底許されざる暴挙に違いないのです。個々の問題の深刻さは然程ではなくとも、積もり積もれば致命傷にも成り得ると思うんですが、microsoftはその辺どう考えているんでしょうね?やれやれです。ともあれ、今回はこれでおしまい。

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10/24/2015

[note] Ubuntu15.10導入

半期に一度の恒例行事、Ubuntuの新板リリースがまたやって参りました。バージョン15.10、愛称はwily werewolf、ずる賢い人狼さんです。もはや動物ですらありません。Ubuntuは何処へ行こうとしているのか。ままならない現世に別れを告げ、自ら幻想の狭間に消えゆこうとでもいうのでしょうか。好きにすればいいとは思う一方、サポートだけは放り出さないで頂きたいとも思うのです。

ともあれ。ここ数年はもはや殆ど変更らしい変更もなく、ただ惰性でカーネルやアプリのバージョンアップを纏めただけの無意味なものになってしまっている事は周知の通り。リリースノートを見る限り今回もその例に漏れず、特に大きな問題もなかろう、という事でさっさと適用してしまいました。とりあえずサーバとノートPC各一台ずつ。

手順については毎度の如くupdate-managerから適用するだけです。途中で幾つかsambaやsane等の設定を更新するか否か聞かれるのも、差分を確認してそれに否と答えるのもいつもの通り。一時間そこそこで終了します。

変更内容が内容なので、致命的な問題はほぼ無く、使用感にも変化は感じられない位だったわけなのですが、一点だけトラブルがありました。何かというと、サーバの方で起動時にフリーズしたんですね。desktop managerの起動の辺りで。ログイン画面に到達出来ません。

Xが起動しない、という事態には久々に遭遇したので少し焦りましたが、OS自体の起動はしており、端末の切り替えとそこからのコンソールログインは可能でした。なので、以前にも遭遇したgdm周りの問題の類だろうと思い、gdmからlightdmに切り替えてみたら解決、すんなり起動したのです。ちなみに切り替えは下記コマンドで切り替えツールを起動してそこからします。しかる後にsudo service lightdm start。

$ sudo dpkg-reconfigure lightdm

無論、最初からlightdmの場合は問題ありません。従って殆どの場合は関係のない話でしょう。私のサーバについては諸事情によりgdmを使用していたのが災いした、というわけです。gdmを手動設定したのは11.10の頃の話だから、およそ4年前ですか。長く使っていればこういうこともある、と。しかし慣れていれば大した事ではないけれど、そうでない人が遭遇したとすれば普通に壊れたと青ざめるケースなわけで、そんな不具合が当たり前に起こる辺り、何年掛かかろうと一向に普及しないのにも改めて納得せざるを得ません。残念な事ですが仕方ない。普及なんかしなくても、サポートが切れない限り私が使う分には問題もありませんしね。

あと、これはUbuntuに限った問題ではありませんけれども、gtk3の新バージョンでまた色々とモジュールや関数がdeprecatedになったらしく、コンパイル時のワーニングが沢山出て鬱陶しいのと、今回変更になったらしいemacsの配色が非常にケバケバしいのには不満を禁じえません。が、まあそれ位の話で、機能的にはとりあえず問題ないようです。というわけでこれでおしまい。

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10/15/2015

[note] Windows10アップグレードの無効化

リリースから少しばかり時間が経ったWindows10のアップグレードですけれども。先日知人から、Windows10のアップグレードを推奨する画面出るようになったが、これが非常に鬱陶しい、どうにかならないか、と相談を受けまして。はいはいちゃちゃっとやってやるよ、と軽い気持ちで対処を引き受けて、結果から言えば成功したんですけれども、これが想像以上に面倒で、色々試行錯誤する羽目になったのです。あんな面倒なのはもう勘弁、というわけでそのキモの所をメモ。

結論としては、レジストリにフラグを立てるだけなんですけれども、一応以下順を追って。まず前置きとして、調べれば直ぐに出てくる方法である所の、更新プログラムKB3035583をアンインストールすれば完了、だったのはリリース前すなわち7月までの話で、現在ではそれでは足りません。アンインストールしても、WindowsUpdateの表示は残るしGWXも生きてるし、アイコンやポップアップは依然として出て来ます。アップグレードの準備が出来る所まで行ってしまうと別のラインが出来てしまうという事でしょうか。迷惑極まりない事です。

んじゃどうすれば、という所で、潰しても潰しても蘇る連中を前に色々と試行錯誤させられる羽目になったんですが、その辺の悲しい話はばっさり省略して結論だけ。まず準備として、更新周りを無効化した後、準備完了しているアップグレード周りを抑えます。

1.WindowsUpdateを手動インストールに設定変更し、作業途中の復活を防止
2.更新プログラムKB3035583をアンインストールのちWindowsUpdateにて非表示設定
3.WindowsUpdateの適用可能な更新プログラム中にWindows10****(Home, Pro等)があれば、非表示設定

しかる後に、レジストリに下記の通りDisableOSUpgradeを追加し、かつ値を1にして有効化(キーが存在しなければそれも新規作成の上)

<レジストリキー場所>
 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate
<項目名> DisableOSUpgrade
<タイプ> DWORD
<値> 1

このレジストリキーの設定が肝だったのです。これを入れて再起動するとすっきり。なお、レジストリの設定に際しては、私はAdministratorアカウントのコマンドプロンプトからコマンド一発で入力しました。無論regeditから手動でも問題ないでしょう。と言っても今回のケースではこれで良かった、というだけなので、一般的に通用するのかは不明なのですけれども。復活したりしたら、とか考えるだけでもげんなりしますね。

ただし、この後でも[Windows10を入手する]アイコンは別口で、まだ表示されます。しつこいっての。当然消すべきものなわけですが、その方法も同様にレジストリへのキー追加によります。正確にはGWXアプリ自体の無効化なんですけれども、具体的には以下の場所に。上記とほぼ同じというか、お隣ですね。

<アイコン非表示レジストリキー場所>
 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Gwx
<項目名> DisableGwx
<タイプ> DWORD
<値> 1

ともあれ、さしあたりこれで本件は方付いたしまあいいんですが。そもそもの話として今回のWindows10アップグレード自体、ここまでしないと拒否出来ないというのは理不尽というか滅茶苦茶だと思うのです。当然ながら一般のユーザの大半はこんなレジストリ弄ったりなんて出来ないのですから。Windows10が互換性も完全、プライバシー面のデメリット等も一切ないとかいうならまだしも、そうではない事も明白な事実なのにも関わらず、ユーザに拒否の選択を与えずに推奨を表示し続ける、それはもはや不当な強要そのものであって、すなわち結局のところアップグレードの強制と言えるだろうわけなのですよ。公然とユーザの権利を侵害しています。

Microsoftとしては、思うように上がらない適用率を前にして切羽詰まってる事情はあるのかもしれません。が、だからといってユーザに不利益を強いるとは言語道断な話です。それ以前に、Windows7もWindows8もそれを売って対価を得ているのだから、ユーザには当然にそれを使い続ける権利があり、Microsoftにはサポートを提供する義務がある筈なのであって。それを事実上拒否し、義務を放棄するかの如き振る舞いは許されざる背信行為、場合によっては違法行為にも当たるでしょう。本件の如き不当な措置が速やかに撤回され、かつ二度と為されないよう強く願う次第です。ほんとユーザを何だと思ってるんでしょうか。全く以って腹立たしい限りです。

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<追記:後始末等>
 後日、復活したと連絡が。ゴミが残ってたらしく、下記処理をしたらまた収まりました。
 ・ディスククリーンアップ実行(システムファイルも含める。この時アップデート関連もチェック)
  (コントロールパネルの[システムとセキュリティ]-[ディスク領域の解放]-[システムファイルのクリーンアップ]から。Windows Update関連やOSアップグレード関連にチェックして[OK])
 ・KB3035583が復活していたので再度アンインストールかつ非表示設定
 もういい加減にしろと。

<さらに追記>
 上記の復活はWindowsUpdate上でWindows10アップグレードがデフォルトで有効になっていたからだとか。Microsoftも公式に認めつつも手違いだとか言い張ってるそうですが、あの消しても消しても復活するしつこさは故意としか考えられません。どれだけ手間がかかったと思っているのか、と怒りが収まらないのです。件の知人には、処置が不十分だったとして頭を下げる羽目にもなったのですよ。純粋にPCが使用不能になったために生じた損失も無視できませんし。

 というかこれ、法人用のPC等も当然対象だろうわけで。社内で更新を保留出来るところは別なのでしょうけれども、中小のPCだとそれはまずないし、強制アップグレードしてシステムが機能不全に陥るだとか、同様の事象、障害が普通に山程発生しているものと思われるわけです。私の場合のように対処が間に合うとしても、そのサポートコストの発生は避けられません。どう責任を取るつもりなのでしょうか。

10/10/2015

[note] 壊れたTRANSCEND製USBメモリをRMAで交換

ここ最近、割と長期に渡ってHDD類に故障が起こらず平穏が続いていた私のストレージ事情に思わぬところからの刺客。何かと言うと、予備データ用のUSBフラッシュメモリがぶっ壊れてしまったのです。

当該メモリの製品名はTS32GJF700E、TRANSCEND製の安価な機種です。容量は32GB。末尾のEはAmazon販売用モデルという意味ですね。一応USB3.0に対応はしているのですが、あまり意味が無い位の速度しか出ません。発熱が控えめなのと、やはり安価な点が長所と割り切ったモデルと言えるでしょうか。



昨今のメモリの例に漏れず、実際問題として信頼性が低いのと、そもそも速度が微妙なので常用には向かないと判断して、専らもしもの時のための保険的な予備データ持ち運び用に使っていた、というか殆ど単に保管するだけで使ってはいなかったのです。が、先日、その数カ月に一回程度のデータ更新をしようとした時に、突如として全く認識しなくなってしまったのです。USBポートに挿すと、一瞬だけLEDが光って消え、その後は一切反応なし。なんじゃそら。

この種のフラッシュメモリの壊れ方には大きく分けて2通りあって、一つは個々のセクタ等が死んでデータの欠落や速度の著しい低下が生じ、それが段々と酷くなっていくような緩やかなものと、もう一つは管理部等の致命的な箇所が壊れていきなり全く反応しなくなってしまう急激なものがあるわけですが、今回は後者に当たってしまったようです。ハード側の致命的な故障につき、ユーザの側では基本どうする事も出来ません。最悪ですね。

しかしあの使い方で、というか、書き込みもしくは書き換えの回数なんて多分100回にも達してない筈なのに。。。やはり安かろう悪かろうという事なのか。ここ10年程の間に市場価格が急激に低下し、いつの間にかMLCですら高級品扱いされるようになり、粗悪そのもののTLCが当たり前のように流通する昨今では致し方ない所なんでしょうけれども、無念です。その信頼性の低さから、消えたりして困るような重要なデータは入れておらず、安物買いのデータ失い、にはならなかったのは不幸中の幸いか虚しい皮肉か。

と、その時点でもう99%以上諦めていたものの、一応、色々とチェックしてはみました。しかしながらやはりと言うか、Windowsのデバイスマネージャにも影も形も現れないし、LinuxのPCに繋いでもdmesgのログには何も出ません。結局のところ、全て徒労に終わったのであります。時間を置いて再度試しても変わらず。お手上げです。購入から数えておよそ2年半でのご臨終でした。

というわけで、本メモリの復活は諦めて、メーカーの保証が有効かどうか保証規定を読んで確認したところ、無期限保証の対象だそうで。すっかり忘れていましたがラッキー、というかこんな壊れやすいものを無期限保証なんてしてたら、それは破綻必至なのでは、と訝しく思ったりもするわけですが、ともかくユーザとしては有り難い話です。というわけで、早速RMA手続き。TRANSCENDのHPの問い合わせフォームに従って、"RMA手続きのお問い合わせ"を選んで製品名とシリアル番号(本体の側面、下図の場所に薄く印字されていました。)や連絡先、症状及び、"保証規定に基づく修理or交換"を求める旨等を記入して送信したのです。


すると、平日の午前中に問い合わせたのですけれども、その日の午後にはメールで返信がありました。その中には故障状況の確認作業等についても記載されていて、Transcendのチェックツールを使う旨指示されていたのですが、本件の場合そもそも認識しないのだから無意味と分かりそうなものだろう、と若干違和感を覚えた次第です。テンプレだから仕方ないという事なんでしょうが、ちょっと間抜けな感じがしますね。ともあれ一応ツールを落として走らせてはみましたが、案の定デバイスが見つからない、と起動時に表示されて終了。

余計な手間をかせさせよって、と軽く遺憾に思いつつ本題に戻り、メール記載のRMA手続きのページにアクセスします。ユーザ登録をしてログインのち製品名とシリアル等を入力し、RMA番号とステータスシートの発行を受けます。で、印刷したステータスシートと本体、あと購入を証する書面(今回はAmazonの領収書を印刷したもの)の3点を下図の通り揃え、同梱して台東区のRMA担当宛に送付するのです。


ちなみに、梱包には手元にあったAmazonのメール便用のクッション封筒が丁度良さそうだったので流用しました。送付方法は、先方からは外形の破損等がある場合は保証出来ないという事もあり、追跡かつ保証ありの方法が推奨されていたのですが、流石に元の値段が値段だし追跡や保証は費用的に不釣り合いに思われたので、最悪ロストしても諦めるかと普通郵便の定形外120円で送ってしまいました。

で、待つこと数日。郵便局の窓口に差し出してから4日後にメールで受領確認の報告があった、と思ったらその翌日には代替品が到着したのです。計5日で全手続きが完了した事になります。他の人の報告ではもう少し、10日位かかるのが標準なように見えていましたから、予想外の迅速さに驚きました。ちなみに配送はヤマトの宅急便です。事の性質上、メール便で送るわけには行かないというのは分かるのですが、Amazonから購入した時からしてメール便だったのとは不釣り合いなのは事実だし、いささか大げさな気がしなくもありませんね。


開封すると、当然ながら中身は大半が緩衝材です。本体の入った封筒とインボイスは底に張り付いているだけ。受け取る側としては構わないんですけど、やはり少々の違和感は禁じ得ません。



型番は変わらず、見た目も元と同じ。なおシリアル番号が元は数字のみ10桁だったのが、アルファベットも混在する形式に変わっており、かつ桁数(文字数)も大きく増えています。RMA用に区別されてたりするんでしょうか。


とりあえず使ってみたところでは、機能面にはさしあたり問題なし。ただ、元はランプの色が黄色だったのが、代替品では青色に変わっていたのには、元の色のほうが落ち着いた感じがして好みだったなと少し残念に感じた次第です。大した事じゃないですけれどもね。今度は長く、少なくとも5年くらいは壊れないで欲しいと願いつつ、今回はこれでおしまい。

<追記>

本件に関係して、ちょっと気になった事を。というのは、今回適用のあったTranscendの保証については、何やら購入30日以内に登録しなければ無効になるだとかいう話が出回っているようで、Amazonのレビューにもその旨の記載が見受けられますが、これは明らかに誤りですね。事実、私は元々登録しておらず、購入から2年以上経った今回のRMA申請直前に登録したのですが、上記の通り何も不都合なく保証を受ける事が出来たのです。確かに保証規定には30日以内の登録を推奨する旨記載があるものの、保証の効力・期間とは別の項目で、文言上も無関係な単なる推奨としか解釈しようが無いものなのですし、何故そのような誤解がされ、かつ広まっているのか、どうにも不可解なのです。口コミの悪い面というか、自分で確認するのが面倒だから、誰かが言い出した間違いを鵜呑みにする、というのはありがちな話なんでしょうけれども、だからといって明らかな嘘を広めるのは流石にまずいだろうと思うのです。不法行為にあたるおそれも無いとは言えないでしょうし。うーん。

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9/28/2015

[PC law] 全Thinkpadにユーザ情報収集プロセス発覚

元々、殆ど創業時から常にユーザのプライバシーを侵害していると誰しもから疑われ続け、つい最近もSuperfishで多くのユーザを混乱の只中に突き落としたLenovoに再びユーザ情報収集機能の仕込みが発覚してしまいました。平たく言えばスパイウェアが出荷時から堂々と仕込まれていたというのです。

しかも今回の対象はThinkシリーズ全機種だそうで。Thinkpadは無論、デスクトップのThinkCentreも含まれます。これまでのSuperfish等では対象外だったので安心していたユーザも多かろうと思われるところ、その一方で実は堂々と情報を抜き放題されていたというわけですね。最悪です。中身は既にIBM時代とは別物、単なる廉価PCと変わらないとはいえ、Thinkpadのブランドはまだそれなりに愛着のあるユーザもいる筈ですから、取り分けビジネス関連のユーザにとっては洒落にならない話でしょう。

つくづく懲りないというか、死ねよLenovoと。いや、本件では他人事ではないのです。私の以前購入していたThinkpad(E440)も確かめてみたらバッチリ入っていまして。問題のプロセスはC:\Lenovoフォルダ以下の[Customer Feedback Program]と[Customer Feedback Program 35]の2つのフォルダに入っている[Lenovo.TVT.CustomerFeedback.Agend.exe]及び[Lenovo.TVT.CustomerFeedback.Agend35.exe]です。それにdllが少々。これらが、堂々とタスクスケジューラに登録され、毎日一回ずつ起動して情報を収集し送信しているのです。

私自身、まさかこんな堂々と仕込んでくるとは思っておらず、スケジューラの詳細な確認を怠っており、きっちり抜かれてしまっていました。不覚です。即無効化したのに加え、元々予備扱いでそれ程抜かれて困るような情報は多くなく、かつデュアルブート利用のLinux(Ubuntu)側を主に使用していたため抜かれて本当に困るデータはwindows側には入っていなかったのが救いです。とはいえ、非常に不愉快ですね。

このThinkpadは3万を切る位で安売りしていたところを予備の予備程度のつもりで購入したものですが、それでもそう思う位なのだから、他の高額モデルを購入した、特に企業ユーザの失望は半端ではないでしょう。法人周りは言うまでもなく最重要の筈、その顧客層を丸ごと裏切るとか、正直Lenovoはイカれていると思わずにはいられません。もうPC事業自体どうでもいいと言うことなのかもしれませんけれども、それでもこれはないだろうと思うのです。今後のユーザからの突き上げは半端無いでしょう。携帯事業も順調とは言い難いのにいいんでしょうか。無論、どうなろうとLenovoの勝手ではあるのですけれども。

もっとも、ComputerWorldの元記事でも指摘されている通り、ユーザ情報の収集自体もはやありとあらゆるデバイス・アプリ・サイトが競って実施している事なわけで、AndroidやiOSは無論、ThinkシリーズにしてもWindows10では山のような収集機能群がデフォルトで堂々と有効化されているのだし、それらに比べれば大したことではない、とする事も論理的には有り得ないでは無いと言えなくもないのですけれども。実際、個人レベルでは気にしない向きもそれなりにいるでしょう。Lenovoも、Microsoft自体が公式に情報収集を公表しているのだから堂々とやれば問題ないと考えたのかも知れません。しかし、少なくともLenovoは前科が酷すぎるし、元々事実上中国政府の管理下にあって、その軍事目的も含む情報収集と同一視される立場にあるのだから信用は皆無なわけであり、元よりそういう是非を論ずる俎上に乗り得ないのです。少なくとも、企業はじめ少しでも情報を保護する必要や義務がある向きには到底受け入れられないだろう事は間違いないでしょう。事前の了解があれば問題はないのですが、そんなものがある筈もないでしょうし。相応の報いがあるだろう事は必至です。さてどうなる、というかどれ位酷い事になるものやら。

ちなみに、私はThinkpadをもう一台、少し前のモデルである所のL512を所有しているのですが、こちらには入っていませんでした。実は割と最近という事ですかね。という事は色々とやらかしてからあえて本プログラムを仕込み始めたという事になるわけで、尚更理解できないのです。

<無効化方法例>

なお本プログラムを止めるには、上記2つのフォルダを移動もしくは削除するか、タスクスケジューラをいじって起動しないようにすれば良いのです。後者については、ComputerWorldの記事が推奨するTaskschedulerviewを使った場合の画面では下図のようになっているので、


[Lenovo Customer Feedback Program ...]の3項目をReadyからDisabledにします。


これでOK。これを見ると、きっちり昨日も動いてますね。やれやれです。まさかこんな堂々と。。。

Lenovo collects usage data on ThinkPad, ThinkCentre and ThinkStation PCs

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9/19/2015

[biz law] VWディーゼル車に排気ガス適合試験での不正プログラム使用発覚

ここ数年、毎年のようにGMはじめ大手自動車メーカー不正等が明るみになって訴訟その他の大問題になっている米国で、今度はVolkswagenが摘発されたそうです。

容疑はディーゼル車の排気ガス環境規制適合試験における不正。具体的には、ECUに試験時にのみ動作する制御プログラムを仕込み、排気ガス中の有害物質含有量を本来のすなわち通常運転時の制御プログラムによる走行時と比較して遥かに小さく見せかけていた、というものです。通常時だと規制基準の数十倍超過だとかいうのだから酷い話です。試験用プログラムに一本化すれば今回の問題は生じなかったんでしょうけれども、そうしなかったという事は、多分に試験用プログラムでは燃費の悪化や急激な変化に対応出来ない等、実際の運転時には許容し得ない問題があるのでしょう。

ともあれこれに伴い、当然ながらリコール命令も出されています。如何に問題があろうとも試験時の設定すなわち排気ガス制御モードで走行するよう改修が強制される、というわけで。対象は2009年から現在までに製造され、米国で販売されたVWとAudiの自動車約50万台。米国では非主流のディーゼル車のみとはいえ、販売台数世界一を争うメーカーの主力カテゴリーを直撃したにしては意外と少ない気がしなくもありませんが、それでも大した数ですね。元々VWは米国でのシェア獲得には長年苦労していて、直近でもトヨタの数分の一に過ぎない事が台数の少なさに繋がったのでしょうけれども、逆にそのシェア拡大への焦りが本件のような不正に走った原因と推測されますし、結局の所とても残念な話、と言うべきなのでしょう。

しかしこれ、米国で規制基準違反だった、というだけでは済まない筈なわけで。というのも、問題のディーゼル車自体、欧州等では言わずと知れた主力製品なのであって、しかも長年この環境性能を売りにして普及させて来たところ、それが虚偽であったものと疑われる、その影響が小さい等という事は有り得ないのです。これから欧州でも調査・追試が行われるでしょうし、その結果次第ということになりますが、その如何によっては欧州の環境規制自体が事実上虚偽だったという事になり、そのものが崩壊しかねず、控えめに言っても大混乱です。無論、VWに対する信用や製品の競争力等、あらゆる企業体力面での悪影響も半端ではないでしょうから、経済的にも大打撃必至でしょうし。

さらに、本件の発覚した経緯を鑑みれば、本件類似の調査が展開されるのはこれから。すなわち他社へも波及するでしょうし、これからこの種の試験用モードの仕込みに対する摘発も排気ガス規制以外の燃費や衝突防止機能等、広く試験一般に対して実施される事になるでしょうから、その種の不正に依存していたメーカーや部門は文字通り崩壊・壊滅の危機に叩き込まれる可能性があるわけです。

電子制御が一般に普及し、ECUのリコールも頻発する昨今、このような不正が現れる事も当然に予想されたところではありますが、実際に目の当たりにして、しかもそれがこれほど悪質とあってはやはり失望せざるを得ません。ユーザに対しては完全に詐欺なわけですから、その倍賞請求もされて然るべきところですしその額は半端では済まない筈なわけですが、メーカーにしてみればその愚行の報いを受けるだけの事です。ただ、社会・経済に対する影響もまた小さくないわけで、これにどう始末を付けるのでしょうか。もっとも、不正をしていなかったメーカーにはシェア獲得の絶好機到来とも言えるだろうし、全体的に見れば不正一掃のいい機会と見るべきなのかもとも思うわけですが。。。やれやれです。

VW Is Said to Cheat on Diesel Emissions; U.S. Orders Big Recall

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9/03/2015

[note] Win10のモニタOFFタイムアウト設定を無視する現象の修正方法

Windows10へのアップグレード適用以来、モニタOFFタイムアウトの設定時間を無視して画面がOFFになる症状にずっと悩まされて来ていまして。よくある初期OSリリースの不具合かもしれない、と様子を見ていたものの、一月が経過して尚改善されないのに業を煮やし、本腰を入れて対処方法を探してみたところ、何とか修正に成功したのでメモ。

もっとも本件、調査途中で覗いたフォーラムの内容を見るに、症状自体はWindows8時代にも割と広く発生して多くのユーザを悩ませていたものなんだそうで。解決方法も既に確立されており、それを適用すれば良いだけだったのでした。私の処のPCは元々Win8.1で、そのアップグレード前には幸いにも発生していなかったので知らなかったのですけれども、結局のところイライラしながらもMicrosoft公式の修正を期待した私が間抜けだったという事で、誠に遺憾な限りです。

ともあれ。発生条件は、

・USB等外付けのキーボード・マウスの操作によるスリープからの復帰

です。内臓のキーボードやタッチパッド操作から復帰した場合は関係なく、普通にモニタのタイムアウト設定が適用されます。外付けデバイス操作による復帰の場合、コントロールパネル等から設定出来るディスプレイのタイムアウトとは別にタイムアウト時間の設定項目が内部的にあるんだそうで、そのデフォルトが2分なのですね。私は当該ノートPCにキーボード・マウス・モニタを外付けしてデスクトップと同様の使い方をしていたので、自然と該当していた、というわけです。

そしてこのタイムアウト時間は、デフォルトでは電源設定等の項目中に表示されず、従って変更する事が出来ないというか設定可能な事すらユーザには分からないのですね。それでいて、前出Forumのメンバーの一人が問い合わせたところ、Microsoftの公式見解では本挙動は不具合ではなく仕様とのことなのです。思わず脱力してしまいました。ふざけんじゃねえよ、という怒りとともに。

怒りはともかく。というわけで、修正するには、まずレジストリを弄って設定項目を表示させてやる必要があるのです。といって、レジストリ中の以下の場所に以下の値を書き込むだけです。

<レジストリ追加先>

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\238C9FA8-0AAD-41ED-83F4-97BE242C8F20\7bc4a2f9-d8fc-4469-b07b-33eb785aaca0

<レジストリ設定項目・設定値>

"Attributes"=dword:00000002

無論regeditから手動で追加してもいいのですが、有志による追加設定用のレジストリファイルが下記に公開されていますのでこれを使えば良いでしょう(2.のAdd_System_unattended_sleep_timeout.regをダウンロードして実行)。なお下記ではvista,7,8用とされていますが、win10でもこのあたりの仕様は同じにつき、問題なく使えました。

http://www.sevenforums.com/tutorials/246364-power-options-add-system-unattended-sleep-timeout.html

すると、下図の通り、電源の詳細設定ダイアログ中、[スリープ]以下に[システム無人スリープ タイムアウト]という項目が追加表示されて変更が可能になります。


デフォルトではバッテリ駆動、電源接続時共に2分。


 これを、例えば下記のように好みの時間に変更します。


これでOK。ようやく解決なのです。分かってしまえば設定自体は簡単なのですが、そもそも設定項目自体が隠されていようとは。。。不親切なんて生易しいものではなく、完全に罠だと思うのです。それも悪質な。これが仕様だと言い張るMicrosoftは率直に言って正気ではないと思いますし、数年前から問題になっていることがわかっていながら、デフォルトで設定変更不可にしているのはどういうつもりなのか、全く以って理解出来ません。まさかwin10リリースについては項目自体社内でも把握していないとか?それにしたってねえ。何にせよこれでおしまい。やれやれです。

[関連記事 [note] Windows10の表示周りに不具合頻発]

9/02/2015

[law] 東京五輪、無能と無責任の果てに近づく破綻

五輪ロゴ盗用の件、ようやく一段落というか、白紙に戻ったようですけれども。

自称デザイナーの佐野氏本人は直接間接取り混ぜてのあれほど明白な証拠を突き付けられながら未だに盗用を認めず、またその後の無茶苦茶な正当化の当事者たる各委員はじめ関係者も誰一人として非を認めず、揃って責任逃れに汲々とする現状にあっては、一区切りとすらとても言えないし、代わりの選定にも相当な困難があるだろう事は間違いないわけで、どう始末を付けるつもりなのか逆に興味が湧きます。

既にロゴの使用権に投資あるいは行使済みのサプライヤーには当然その分の損害が発生しているし、広告費用等を中心にその額は少なくとも数百億にはなるでしょう。それは仮に当人が認めたとしても佐野氏一人に到底負える筈もなし、関係者全員が首を差し出す位しないと収まらない向きも多いのではないでしょうか。事の性質上、逃げようもないと思うのですけれども、どうするんでしょうね。

しかし競技場の件といい、揃いも揃って後先を考えず個々の利益追求と保身ばかり目論んで無茶な談合に走り当然のように破綻して、また見切り発車からクソのような損害の山を出し、さらに仕切りなおしすら殆ど不可能に思える程に状況を複雑にしてなお居座る阿呆さ加減には、もうね、呆れすら感じないのです。元々五輪の開催自体に否定的な私としてはそのまま失敗してしまえと思うわけですが、実際そのリスクは急速に高まっているように思われてなりません。関係者が揃って自分に都合の良い現実離れした妄想のもと、てんでバラバラに無法を繰り広げているのだから当然とも言えるだろうわけですけれども。もっともあえて突き放さずとも、これまで数年でこの体たらく、さらに事態は複雑で身動きが取れなくなっていっているのに、これから数年でリカバー出来るとはとても思えないのですが、さて。

頭が痛い今後のあれこれはともかく。さしあたり佐野氏のこれからについては、本件の膨大な損害賠償請求に加え、純粋な著作権上の紛争も山のように振りかかるでしょうし、余罪も同様に追求され続けるでしょう。当人もそれが分かっているから悪意について頑なに否認を続けているんでしょうけれども、訴訟になれば容易に有罪が立証されてしまう程度には一般人の立場から見ても容疑は明白に見えるだけの証拠があるように思われますし、すなわちもう終わっていると言うべきでしょう。無論完全に自業自得だし、これだけ社会に広範かつ膨大な損害を与えておきながら逃げおおせるなど許される筈もないのですが、この上はせめて今からでも潔く罪を認め、自ら進んで責任を取って頂きたく思う次第なのですが。。。無理ですかね。

8/02/2015

[note] Windows10の表示周りに不具合頻発

地雷と知りつつ特攻したはいいものの、何とも微妙なWindows10ですが。。。とりあえずディスプレイ等の表示周りの挙動がおかしいのです。

具体的には、

・抑えめに設定した画面の明るさが突然MAXになって目が灼かれる(ノートPC)
・設定時間経過前のごく短時間でディスプレイ電源オフでロックがかかる
 (HDMI接続の外付けモニタ使用時。1時間設定の筈が数分で)

とか。前者はグラフィックドライバ周りのバグで、後者はスクリーンセーバーの設定が効かないって事なんでしょうか。何で今さらこんな、と訝しく思うわけですが、他にも、

・自動隠し設定をした筈のタスクバーが表示されっぱなしになる

とかいう不愉快な症状も頻発します。なお、アップグレード前のWin8.1及びWin7Proではいずれも一度足りともそのような症状が発生した事はありませんでした。使用不可になるわけではないため、使用していると繰り返し遭遇する羽目になるので、精神的に非常に苛立たしいし、実際の使用・運用にも無視できない程度の差し障りが生じるので早急に除去したいのですけれども、今のところ対策のしようがありません。

いや、地雷と知って特攻したのである程度覚悟はしていましたけれどもね。これはないでしょうと。。。だってこんな瑣末な不具合、普通に設計してあれば入り込みようもないだろうし、そうでなくともリリース前に多少なりとまっとうに実地検証していれば起こりえない筈なわけで。もうわざとやってるとしか思えません。単なる見切り発車なのか、それとも嫌がらせなのか。どっちにしろ遺憾な限りです。

しかしこれ、私のメインPCはLinuxで、Win10機はいずれもサブ機だからまだいいものの、メインPC利用の方は悲惨でしょうね。南無。

(その後追記)
Windows10リリース後、初の累積アップデートKB3081424が来ました。という事で、表示周りの不具合が修正されている事を期待して早速これを入れてみたのです。結果、少なくとも画面ロックのタイムアウト設定無視については解決された様子で一安心。もっともその他の不具合については発生のタイミングが不明につき直ぐに分かる性質のものではないのでしばらく様子見が必要ですが、同様に治っているものと期待したいところです。さてどうかな。

(さらに後日追記)
・・・と思っていたら、画面ロックの設定時間無視が再発しました。数分入力していないとロックされてその都度パスワードを打つ羽目に。。。Nadella sucks.

[前記事 [note] Win10アップグレードという名の地雷を踏み抜いてみました]
[元記事 [note] Windows10アップグレードはやはり地雷]

(そして解決)

結局、自力で修正する羽目に。デフォルトでは表示されない設定項目を弄る必要があったのでした。やれやれ。

[続き記事 [note] Win10のモニタOFFタイムアウト設定を無視する現象の修正方法]

8/01/2015

[note] Win10アップグレードという名の地雷を踏み抜いてみました

さて。準備をして望んだリリース日とその翌日に渡ってほとんど放置された挙句音沙汰もなくなり、インストールの実行に辿り着く事すら出来ずに終わったWindows10のアップグレードですけれども。このまま諦めるのも一案ではあるものの、わざわざHDDのバックアップまで取ったのだから一度はやっておこうと思い直しまして。一日空け、概ね出揃った感じのworkaroundを確認の上、再トライしてみたのです。

結果から言えば、成功しました。Win8.1からとWin7Proからの2台とも。手順は概ね以下の通り、インストールメディアを作成して行うのではなく、トリガー部だけを手動で起動する方法を選択。これなら、アップグレード自体は標準のパスで行われるため自己責任にはならず、また失敗も起こりにくい筈な点を考慮したのです。それでも、失敗した時のためにメディアはPro用とHome用、それぞれ32bit64bit兼用のものを作成して準備だけはしておきましたけれども。

<手順>
1. \Windows\SoftwareDistribution\Download以下のファイル・フォルダを手動で削除。
2. コマンドプロンプトをadmin権限で開き、wuauclt /updatenowを実行。
3. WindowsUpdateからWindows 10のダウンロードが開始されるまで1-2を繰り返す
4. 順次表示されるインストーラ画面の指示に従う

まず、1が必要な理由は、WindowsUpdateがインストールの開始に失敗すると、自力で修正出来ないらしいためです。[更新プログラムのインストール日時:]の日時の横に、(失敗)とあればその可能性が高いでしょう。更新履歴の表示を見てみると、下図のように[Windows 10 Home(Pro)にアップグレード]の更新適用に失敗した旨ログが残っている筈。エラーコードは大半が80240020のようですが、Win7Proの方ではC1900208も混ざっていました。
そこでリセットしてやる必要があるわけです。なお、必ずしも一度で成功するわけでもありません。私の場合、Win7Proの方は一回で済んだんですけれども、Win8.1は7回目位でようやく成功でした。ともあれ、1-3の措置が奏功すれば、下図のような画面が出てダウンロードが開始されるのです。
なお、Win8.1では、ダウンロード終了後に現れる再起動ボタンがアップグレード開始のトリガーになっていました。一方、Win7Proの方では、途中で中断し、下図のようなチェックを促すメッセージが表示されたり、
また、下図のような開始用のダイアログが表示されたりと、少しばかり面倒な感じになっていました。何故にこのような違いが出たのかは不明ですが、挙動の不可解さについては今更でしょうし気にしても無意味かなとスルー。
Win7Proの場合に出たこの画面は、おそらく準備完了通知からアップグレードする場合と同じ、すなわち標準のパスに沿ったものだろうと思われますし、むしろWin8.1の場合にスキップされた事の方が異常だったのかもしれません。なお、上図のライセンス条項への同意等については、Win8.1の時は再起動後のインストール実行の直前に同様の内容の確認画面が出て来ました。多分、メディア経由の場合のパスだと思うのですが、まあどちらでも同じ事だろうしやはり気にする必要はなかったのでしょう。
ともあれ、こうしてアップグレードの実行にまで辿りついたわけですが、此処から先はほぼ一本道で、特に問題もありませんでした。強いて言えば、何かとレポートだとか連絡先へのアクセスだとか、プライバシーの侵害を許諾させようとして来るので、それを一々確認して解除するのが面倒だった位でしょうか。小さく表示された(詳細設定)を選択してそこから解除する仕様になってたりしましたから。

起動後も、第一にやったのはその辺のプライバシー侵害設定の解除です。スタートメニューの[設定]-[プライバシー]から数十個はあるオプションの解除と、[システム]-[通知と操作]の項目類、[更新とセキュリティ]-[Windows Defender]の[クラウドベースの保護]とか[サンプルの送信]等。いや面倒です。しかもこれ、上記で同意したライセンス条項の中に情報の送信に同意してるためか、[プライバシー]-[フィードバックと診断]の、[デバイスのデータをMicrosoftに送信する]が完全に解除出来ないんですよね。デフォルトが[拡張]で、推奨が[完全]、縮小するにも[基本]にしか出来ないみたいなのです。とても気持ち悪いわけですが、ライセンスの管理上必要なのは其の通りだろうし、これくらいはと諦めるより仕方ないところでしょうか。

とりあえず動作は概ね問題ありません。ただ、標準のフォントがどう見ても歪で、控えめに言っても美しくない点は正直残念だし、ウィンドウ枠がほぼ無くなったデザインも微妙な感じがします。他にもWin8.1はLenovoのノートPCなのですが、[Lenovo Companion]とかいう謎のアプリが勝手にインストールされてたり。その他の不要なアプリ類と共に即アンインストールしましたが、この強制アップデートはやはり気持ち悪いですね。リスクもやはり高そうですし。一部で言われてるような軽さも感じません。他にも、タスクバーが自動的に隠れなくなる不具合にも遭遇しました。Win8.1の時の一々全画面に移行する事が無くなった点は喜ばしいのですけれども、むしろそれは改悪がようやく撤回されたに過ぎないわけだし、率直に言えば、設定等の使い勝手、プライバシー周りの妥当性、あと見た目とか、概してWin7の方が上だなと思う次第です。

ともあれ。とりあえず移行は完了した事だし、まずは様子を見てみるとしますか。やれやれです。

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そして襲いかかる苛立たしい不具合。地雷だと分かってはいましたけれども、Microsoftの開発体制に疑問を感じるのです。この程度で済んで御の字と思うか、ユーザに害を成して恥じないその姿勢に遺憾を覚えるかはそれぞれでしょうが、個人的にはこれは無いと思う次第です。

[続き記事 [note] Windows10の表示周りに不具合頻発]

[前記事 [note] Windows10アップグレードはやはり地雷]

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リリースからしばらく経って、予約もしてないユーザのPCにアップグレード推奨が表示されるようになったそうで。知人のPCで対処をする羽目になったんですが、その鬱陶しいあれこれが中々消えてくれず、無効にするのに骨が折れました。その時のメモが以下。

[関連記事 [note] 迷惑なWindows10のアップグレード推奨を無効化する方法]

7/30/2015

[note] 傘の折れた骨を補修

先日、日差しの厳しい最中、日傘を差して歩いていたんですが、とある橋の上でぴゅうっと吹いた風にあおられて、ポキンと骨が折れてしまったんです。その傘はまだ数える位しか使っていなかったものにつき流石に買い換えが躊躇われまして、ここはひとつ修理してみるかと。

折れた場所とその折れ方は下図の通り。これは折りたたみ傘なんですけれども、そのリンク部分の骨が折れて外れてしまっています。只でさえ弱いアルミの骨が、さらにリンク穴の分弱くなっているところ、そこに応力がかかってあえなく折れた、というわけです。あまりに残念な貧弱さに愕然とせざるを得ません。
これを、添え木的な金具にはめ込んでつなげます。この金具、先端部分とか色々な部品が入ったキット的な形での販売が主流らしいのですが、当然ながら余計な部品は不要だし、いささか割高でもあるようにも見えたので、今回は某ホームセンターで販売されていた個別売りの部品を調達しました。和気産業製のUS-017という、大きめ(太め)の骨用の金具です。四個セット税込みで200円弱、一個あたり40円ちょい。それ位が適正でしょう。鉄製で、当然ながらアルミの骨とは段違いの剛性があります。
さてその取り付け、まずは太い方から。隙間なく嵌まるよう、ペンチで少し広げたりしておいてから骨に合わせ、爪を骨ごとペンチでカシメます。後でぐらついたり抜けたりしないよう、2つの爪を骨に食い込ませる形でそれぞれギュッと。
次いで、リンク部分と、それを挟むようにもう片方の骨を合わせ、同様にカシメます。これ、骨組みの内側だし狭いしで、ペンチで締めるのが大変。慎重かつ迅速に、少しずつ調整しながら固定していきます。
あっちから締め付けてはこっちから締め付け、を繰り返す事数分、なんとか上手く取り付け完了。リンク部分が外れたりしないか少し不安ですが、とりあえずは繋がっているようです。
開いてみても、とりあえず元と同等以上の強度はある感じ。といってこれはむしろ元の骨が貧弱過ぎると言うべきなのかもしれませんが・・・。そもそも折れたのも強風とかいうわけでもなく、少し風に煽られた程度だったのです。軽いのはいい事だけど、流石にこれはね。今回とは別の骨もまた直ぐ折れそうで不安が掻き立てられます。うーん。
ともあれ、とりあえず使えるようにはなりました。やはり不安のあるリンク部分をもう少し補強するかもしれませんが、まずはこれで一度使ってみようかと思うのです。ちょっとでも風があったら使用中止する心づもりで。あまりビクビクしながら使うのも不本意ではありますが仕方ない。というわけで今回はこれでおしまい。

[note] Windows10アップグレードはやはり地雷

さて、この程リリースされたWindows10ですけれども。予想通りというか、結構な割合でインストール失敗とか、成功しても不具合だらけだとか、酷い事になっているようで残念です。

といって、私の所ではそれ以前の段階なのですけれども。Windows8.1とWindows7Proの2台をアップグレードすべく、HDDのバックアップを取った上で予約し、当日は早朝から起動して観察していたのですが、まる一日以上経ってもインストール手続きに進むことすら出来ませんでした。その間の経緯を簡単にまとめると以下の通りとなります。

 <当日〜翌日の経緯概要>

・当日・朝方
 Win8.1の方で"Windows Modules Installer Worker"プロセスが断続的に稼働。\Windows\SoftwareDistribution\Download以下に幾つかファイルが生成されているのを確認。一方、Win7Proの方は音沙汰なし。

・当日・午前中
 Win8.1、Win7Proとも、何も動かなくなる。バックグラウンドでGWXプロセスは存在しているが、稼働率0%のまま。イメージのダウンロード等がされる兆候もない。Windows10入手アイコンからアプリを起動しても、まもなく入手可能になる旨のメッセージが表示されるだけ。「入手可能になったら通知する」ボタンを落としても何の変化もなし。

・当日・午後
 そのまま何も変わらず。

・翌日・朝方
 前日から変わらず。仕方がないので、一度再起動する。すると、 Win8.1の方ではWindows10入手アイコンが消え、バックグラウンドのGWXプロセスすらも消える。再起動を繰り返しても変わらず。\Windows\SoftwareDistribution\Download以下に前日ダウンロードされていたファイル・フォルダ類も消滅。Win7Proの方はアイコン・プロセス共存在するが、稼働しない点は変わらず。なお双方とも、WindowsUpdateに「予約が完了しました」の表示はされている、ただし詳細を表示するリンクはクリックしても反応しなくなった

・翌日・午後 (追記)
 Win8.1に続いてWin7Proの方もGWXプロセス及びアイコンが消滅。

というわけで処置なしです。この間、テンポラリのイメージ保存フォルダとされるc:\$Windows.~BTフォルダは一度たりとも生成されていませんでした。どうなってるんでしょう。覚悟はしていましたけれども、経緯の説明も何もないというのは酷すぎると思うのですよ。

推測するに、今日になってアイコンすら表示されなくなったのは、不具合頻発につき配信を一時停止したからじゃないかと思われるところです。が、それならその旨アナウンスの1つもあって然るべきだと思うのです。数カ月も前からアナウンスして予約を促し、実際に「まもなく」とまで表示しておきながら、何らの説明もなく停止して放置とか、正気とは思えません。ユーザにもそれなりの準備と対応の手間が掛かっているのですから。数十分間隔でチェックを繰り返した手間と時間を返せと。その杜撰かつ不誠実さには、今更ながらに怒りを覚えます。このままローンチに失敗して、会社ごと潰れればいいと思いますよ。ええ。そうすれば心置きなくWindowsを捨てられますから。

インストールに成功した、もしくは手動インストールした方々からの阿鼻叫喚の報告の山を見る限り、インストールに進めなかった事自体はむしろ良かったと思うべきなのでしょうけれども。何にせよ、現時点でWindows10のアップグレードは地雷と言っていいでしょう。これもタダほど高いものはない、の一種というべきか、少なくとも、様子見をした方々は、少なくとも数週間はそのまま保留にするべきものと思われます。お気をつけ下さい。

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その後、情報収集して準備の上、地雷を踏み抜きにかかりました。一応成功はしたんですが、色々と微妙な気分です。
[続き記事 [note] Win10アップグレードという名の地雷を踏み抜いてみました]

7/10/2015

[note] Ubuntuのlogin時、$TERM変数未定義エラーが表示される現象への対処について

ちょっとした備忘メモ。Ubuntuのログイン時、デフォルトターミナルの変数$TERMがundefinedな旨のエラーを示すダイアログが表示される場合があったのですが、その簡単な調査と対処法を確認したので。

具体的には、ログインプロンプトからユーザ名とパスワードを入力した後、下記のメッセージが表示される現象についてです。

"setterm: $TERM is not defined in /HOME/[ユーザ名]/.profile"

と言っても、これは単なる警告に過ぎず、[OK]ボタンを押すとそのまま普通にログイン出来ます。鬱陶しいだけなので放置していたんですけど、気分はよろしくありません。

しかも$TERM変数が定義されない、という割に、ログイン後に確認してみれば$TERM=xterm等と定義はされているのです。要するに、ログイン処理中の変数定義・チェックの順序不整合が原因と考えられるわけで、確かにそれなら大した問題にはならないだろうと。

で、.profile読み込み段階で不整合が誤検出されているというのなら、そこに修正を加えてやればいいだろう、と思われたわけなんですが、TERMの定義を追記しても変わらずエラーダイアログが表示されます。どういう事なのかと、デフォルトの/etc/skel/.profileと比較してみたところ、自分で追加した変数の定義に加え、下記のターミナルオプション設定が差分にひっかかりました。

setterm -blank 0

これが最後尾に。これはターミナルの節電用画面ブラックアウト時間のオプションで、デフォルト端末の定義云々とは本来関係ない筈なんですが、これが裏でTERM変数とかそれに関係する諸々をチェックしてるのかなと。おそらく自前で追加した変数の設定等と区別出来なかったために仕様変更時に削除されず、そのために齟齬を来していたんだろう、とも。というわけで、 これを無効にしたらエラーダイアログは出なくなりました。

解決した事自体は喜ばしい事です。なんですがこれ、.profileに自前のユーザ変数定義を書き込んでいたのが問題だった、という結論になるわけです。しかし、それは自業自得かと言うと疑問無きにしもあらずです。というのも、.profileは.bashrcを読み込む仕様になっていて、ユーザが通常通りbashを使用し、.bashrcをいじるのならおそらく今回のような問題は発生しないように思われるところ、しかし少し前に起こったbashの致命的脆弱性の件以来、私はbashの使用は躊躇われるのでcsh系のtcshを使っているのです。なもんだから、変数を設定するには.bashrcは使えず、.profileが適切なんですよね。しかしそうするとアップデートから漏れると。Canonicalからすれば、デフォルト外のシェルまでサポート出来ないと言う事だろうし、対応しようとすればコストもかかる話だから、ある程度は切り捨てるのも仕方ない事なんでしょうけど、本来シェルはディストリビューションによらず、unix系システムを使うにあたって一番ユーザがこだわるところで、自由に選択し得えて当然の箇所な筈なわけで。どうにも不満の残る次第なのでした。 ともあれ、これでおしまい。やれやれです。

[過去記事 [IT] bashに最悪の脆弱性発覚]

7/09/2015

[biz] Microsoft旧Nokia携帯部門リストラ7800人、76億$減損

MicrosoftがNokiaのスマホ事業買収時ののれん減損で76億$の損失、併せて当該部門の7800人程度のリストラを発表しました。

どうせこうなるだろうと誰もが思った結果になった、ただそれだけの事なんですが、それを認めるのに随分と時間がかかったものです。モバイル専用OSの系列自体、Windows10でデスクトップに吸収される形で消滅する運びにつき、もうこれ以上先延ばし、言い逃れは不可能になったとかいう話なんでしょうが、そこまで追い込まれないと動けないというのも、現在のMicrosoftの硬直化ぶりをよく表していると思います。難儀な事ですね。せめてもうちょっと段階的にとか出来なかったものなのでしょうか。

ですが、予想もされていた話ではありますし、資金にはまだまだ余裕のある会社は無論、リストラされる社員も贅沢を言わなければ再就職先に困る事もないでしょうから、 外野がそんなに気にするべきものでもないのかもしれません。目の前の問題は中国関連企業の方か、と言ってもそっちは全部が全部偉い事になってますし何処から見ればいいのやら。Alibabaは今のところ全体に比べると落ち方は比較的緩やかなようですが、結局のところ不可避でしょうしいつまで持つのかな、とか。さてさて。

Microsoft plans 7,800 layoffs, $7.6 billion Nokia write-down

7/06/2015

[pol] ギリシャの社会保障削減拒否、瓦解する欧州の夢

ギリシャで財政縮減策受け入れを問う国民投票が大差で否決され、改めて当国民の意思に変わりがない事が示されたそうですね。

結果としては概ね理解し得るところです。現政権の成立の経緯からしても、受け入れた場合のデメリットにしろ、国民が今更転換を受け入れられないと思うのは当然でしょうから。もっとも、これで従来通りの他国の支援は実施しづらくなりましたから、国内に無い袖は振れず、結局は実質的に年金削減等の縮減策を実施せざるを得ない点は変わりがないんでしょうけれども。

それでも、自主的な国家運営の結果か、外国の要求に屈してするかでは、やはり小さからぬ違いはあると言えるだろうのも事実なのであって。極言すれば、仮に結果としては変わらずとも、国家運営の主権を金策のために放棄する事を拒否したと見れば、それはそれで十分に正当性があると言えるのでしょう。そもそも借金を借金で返しても先送りにしかならないわけですし、現実として返済が不可能である以上、それなら踏み倒すなり破産するなり、清算に踏み込む事を含め、それにどう対応するのかは、当事者の問題、あり得べき選択というものではないかと思うのです。

そもそも、赤字だから社会保障費を削れ、というのは、借金を背負った家庭に口減らしをしろと言っているようなものであり、一般に不法なのであって、私企業のコストカット等と同じように扱う事自体不適切な筈なのです。EUの他の国も同様に困窮しているというのならともかく、そうではないのだし、この種の生活保障は国家運営上不可欠なものなのだから、EU国家間で共通して補完するべきものだと個人的には思うのですが。

財政赤字が問題なら、生産性を改善するべきなのであって。私企業経営者がするように単に切り捨てればいいというのは無責任というものです。少なくとも、国民の代表者たる政権が取っていい方針では有り得ません。産業振興策を取るなり、全体的に労働時間が短すぎるというのなら長時間労働を容認するなりすればいいのです。その前に、生活基盤たる社会保障費から削りに行くというのは、流石に有り得ないだろうと。それを拒否した今回の結果は、主権国家の国民のそれとしてはむしろ当然と理解し得るものだと思うのですよ。

もっともギリシャに取っての今後は、仮に可決されていた場合と比べても大変になるでしょうけれども。しかし単に老人を切り捨てて終わり、というのが安直で簡単に過ぎるだけなのであって、何らかの能動的な解決を図るのなら、どうしたってそれよりは大変になるのは分かり切った話、それも致し方ないところというもの。EUは社会保障費位は直接負担をするべきでしょうが、もしそれを拒否すると言うのなら、それはもはや共同体とその一員との関係ではないと言うべきところ、袂を分かつのが筋だと思われるわけですけれども、さてそこまで割り切れるのかどうか。

そもそも経済的な面だけを共通化した国家連合というのに無理があったんだろうと思ったりもするんですけれども。ロシア絡みの事といい、英国の脱退が公然と主張される事といい、都合のいいところ以外を捨象して作り上げられた欧州の夢は、やはり夢、 儚くも散る定めにあるのでしょうか。それとも踏みとどまり、今後は負の側面も正面から協力し、連帯を強めるのでしょうか。後者の方が望ましいのは無論ですが、現状では想像しづらいのがなんとも残念です。