安倍首相が自衛隊をして「我が軍」と公の場で発言し、菅官房長官もその旨追認してしまいました。いやもう、阿呆ここに極まれりというべきでしょうか。
周知の通り、憲法第九条の2には「陸海空"軍"その他の戦力は、これを保持しない」と、日本における軍隊は、その存在自体が明文で禁止されています。ここで言う軍には、攻撃・自衛等の目的や形態を問わず、国家間の紛争における実行手段としての組織を広く含むものとされてきました。従って、国際社会一般に言う軍隊、少なくとも国家に属し、他国との有事に備え、あるいは実働にあたる武装を備えた組織はその全てが含まれるものとされています。だからこそ、これまで日本においては、国家間の紛争に関わらない、すなわち一般に互いに他国の軍との双方向的な対峙を想定せず、その代わりとして国家間の紛争とは分離された、事実としての一般的な脅威・攻撃のみを観念的に想定し、その対処に限定された、すなわち専ら防衛のみを担う組織としての自衛隊が作られ、維持されてきたのです。
殆どの向きから、それは詭弁であり、国際的にも"Japanese Self Defence Force"は実質的にArmyだと見做されている、その事もまた周知の事実ではあります。しかし、如何にその建前が詭弁の性質を強く帯びていようとも、それが無ければ、すなわち自衛隊が一般に言われる所の軍である事を認めてしまえば、即ち法治国家たる日本の根幹であり基本原則たる憲法に明確に反するものとなる結果、自衛隊の保持、その存在自体が当然に許され得ないものとなってしまうわけです。
「自衛隊は軍に非ず」それは、仮にも政府の責任者であれば、当然に、というか最低限弁えていなければならない根本原則だった筈なのですが、、、忘れたか意図してか、当の首相自らがその禁を犯し、あまつさえその補佐を担う官房長官までもが取り繕うどころか真正面から開き直って認めてしまい、結果、「自衛隊は軍である」ものと公認してしまいました。ご丁寧に、一般的な軍の定義そのままの具体的な説明まで付けられて。
どうするんでしょうこれから。これがその原則が撤廃される、すなわち改憲が確実となった上での事ならまだしも、具体的な計画すら出来ておらず、改憲への賛成が多数派になってもいない現時点での話なのですから。むしろ、これで首相並びに現行政府は軍国主義を掲げているものと見做す向きは増えるでしょうし、それに伴って相応の反発と非難が強まるだろう結果、改憲・再軍備推進への賛同は逆に減るだろう可能性は相当に高いものと予想されるところです。少なくとも、数年以内に改憲が成立し、軍の保持が法的に認められる可能性は極めて低いでしょう。そうである以上、いくら直接自衛隊の存在自体を違憲に問う訴訟は成し得ないと言っても、人権絡みの訴訟等で再び自衛隊の違憲性が争われた場合に、本件が影響する事は避けられないだろうし、単なる蒸し返しに留まらず、自衛隊が違憲認定されてしまう事も起こり得るでしょう。控えめに言っても大混乱は必至です。なんて事をしてくれたのか、といって、取り返しは付かないわけですけれども。イスラエルの件にしろ、次から次へと。。。やる気のある無能は最悪、を地で行く惨状には、もうため息も出ません。
それでも、これまでの数々の失態の際の結果と同じく、なんとなくといった感じでなし崩し的に現政府の継続が容認されてしまうのでしょうか。現政府の、およそ後先の影響を全く考慮せず、修正すら効かない独裁的な運営自体は今に始まった話ではありませんが、本件は憲法すなわち法治国家たる日本の秩序そのものに真っ向から反するものであって到底無視し得ない性質の事だし、しかもそれが軍事、戦争に直結し、国民の生命の安全を直接に左右するものなだけに、別にどうでもいいだろう、等と流していい事とはとても思えないのですけれども。それでも、なのでしょうか。そうであれば、その暗鬱たる未来を想像するだに、残念極まりなく思うところなのです。
「わが軍」答弁、問題ない
[関連記事 [pol] 安易な中東紛争肩入れ、曝け出された無謀と取り返しの付かない現実]
3/25/2015
3/19/2015
[crime] 京大工学部准教授が電車内での盗撮容疑で逮捕
京大の准教授が電車内での盗撮で逮捕されたそうです。
その詳細は、容疑者が水戸義忠、京都大学工学部の准教授で専門は地殻環境工学。容疑は大阪府の迷惑防止条例違反容疑で、阪急の列車内において、リュックの外ポケットに入れたタブレット型端末(iPad)のカメラで盗撮女性のスカート内を盗撮した、というもの。当然現行犯逮捕につき容疑自体に争う余地はなく、当人もその旨認めているとのこと。
容疑の盗撮自体はありふれた話なのですが、どうにも理解に苦しむ事件です。 報道された本人の弁にもあるように、犯罪行為である事は明白で、常日頃から山程逮捕者も出ており、発覚すればおよそ社会的な面で苛烈な報いを受ける事も分かり切っているのに、それもその大きさから露見もしやすいだろうタブレットを使って犯行に及ぶというのはどういう心理なのかと。
倫理面の破綻はあったとしても、多少なりと露見を恐れる心理があったのであれば取り得ないだろう、稚拙というより不可解な振る舞いに思えるわけです。仮にも技術の専門家のそれとはとても思えません。その見つけて下さい、逮捕して下さいと言わんばかりの手口には、当人には元々破滅願望のようなものがあって、それが何がしかストレスだとかの影響で発露されてしまったとか、その種の病的な要因の存在を仮定しないと理解は困難に思われるところです。実際の所は定かではありませんが、何にせよ業が深そうですね。
京大准教授を逮捕=スカート内盗撮疑い-大阪府警
その詳細は、容疑者が水戸義忠、京都大学工学部の准教授で専門は地殻環境工学。容疑は大阪府の迷惑防止条例違反容疑で、阪急の列車内において、リュックの外ポケットに入れたタブレット型端末(iPad)のカメラで盗撮女性のスカート内を盗撮した、というもの。当然現行犯逮捕につき容疑自体に争う余地はなく、当人もその旨認めているとのこと。
容疑の盗撮自体はありふれた話なのですが、どうにも理解に苦しむ事件です。 報道された本人の弁にもあるように、犯罪行為である事は明白で、常日頃から山程逮捕者も出ており、発覚すればおよそ社会的な面で苛烈な報いを受ける事も分かり切っているのに、それもその大きさから露見もしやすいだろうタブレットを使って犯行に及ぶというのはどういう心理なのかと。
倫理面の破綻はあったとしても、多少なりと露見を恐れる心理があったのであれば取り得ないだろう、稚拙というより不可解な振る舞いに思えるわけです。仮にも技術の専門家のそれとはとても思えません。その見つけて下さい、逮捕して下さいと言わんばかりの手口には、当人には元々破滅願望のようなものがあって、それが何がしかストレスだとかの影響で発露されてしまったとか、その種の病的な要因の存在を仮定しないと理解は困難に思われるところです。実際の所は定かではありませんが、何にせよ業が深そうですね。
京大准教授を逮捕=スカート内盗撮疑い-大阪府警
3/14/2015
[PC] linuxでGoogle Walletが勝手にインストールされる
最近、およそ3月に入ってからですかね?UbuntuでChromeのLinux版であるところのchromiumを使っていると、突然"Google Wallet"アプリケーションが新規インストールされ、その旨のメッセージがデスクトップに表示される現象が発生したのです。そんな操作も許可もした覚えは全くないのにも関わらず。
これは私の環境でだけ起きたものではなく、Ubuntuのフォーラムでも驚きと不安、不快感、あるいは怒りを訴える意見が噴出していました。"WTF!?"な感じで。
事情は少し調べてみれば直ぐに判明したんですが、これ、Googleが自社サービスにログオンすると、アドオンを勝手にインストールするように変更したからなんだそうです。で、そのそのアドオンがスタートアップにも自分を登録し、常駐するプログラムで、Ubuntuというか私の使っているcairo-dockはスタートアップに新しいアプリケーションが登録されるとそれを自動的に検知して実行するか聞いてくるんですが、それが作動したという事らしいのでした。
しかし質が悪い話です。言うまでもなくGoogle Walletは決済サービスですから、そのアドオンも色々と秘密情報をやり取りする、セキュリティ上一番問題になりやすい類の機能を持ったものには違いなく、それを勝手に仕込まれたとなると、セキュリティやプライバシーに敏感なユーザは無論拒絶的な反応をするだろうし、そうでなくともおよそ全てのユーザが何らかのネガティブな印象を持つ事でしょう。その点ウィルスと何ら変わりないし、一見して区別も困難でしょうし。それに、cairo-dockを使っていればそうやって検出されるから直ぐに気づけますが、そうでなければ気づかない内に仕込まれている事になります。気持ち悪いなんてものではありません。絶対にやってはいけない類の、攻撃と言っても過言ではない暴挙に他ならないと言えるでしょう。この手のGoogleの暴挙は今に始まった話ではありませんけど、その中でも突出したものを感じさせます。何考えてんの。
というわけで最高に不愉快なので、当該スタートアップとアドオンは即削除。具体的には、それぞれ下記をrmします。
<スタートアップ>
<アドオン>
しかる後に再起動なり再ログオンなり、で元通り。といって、googleがそのサービスのポリシーを修正しない限り、chromiumを使っていれば直ぐに再発しちゃうんでしょうね。元々あまり使ってはいませんけれども、より一層使用を控えるしかない、という事でしょうか。それとも、Ubuntuフォーラムの意見にもあるようにsandboxを作るか。やれやれです。
しかしwalletって、縮小・廃止コースに乗ったんじゃなかったんでしたっけ、それが何で今更、と疑問にも思うわけです。廃止予定の捨てサービスだからこそ逆にどうとでもなれ的な運営をしている可能性もあるし、本件暴挙もその一環という事なのかもしれませんが。だとしたら迷惑な話です。
[関連記事 [IT biz] Googleの決済サービスwallet一部廃止]
これは私の環境でだけ起きたものではなく、Ubuntuのフォーラムでも驚きと不安、不快感、あるいは怒りを訴える意見が噴出していました。"WTF!?"な感じで。
事情は少し調べてみれば直ぐに判明したんですが、これ、Googleが自社サービスにログオンすると、アドオンを勝手にインストールするように変更したからなんだそうです。で、そのそのアドオンがスタートアップにも自分を登録し、常駐するプログラムで、Ubuntuというか私の使っているcairo-dockはスタートアップに新しいアプリケーションが登録されるとそれを自動的に検知して実行するか聞いてくるんですが、それが作動したという事らしいのでした。
しかし質が悪い話です。言うまでもなくGoogle Walletは決済サービスですから、そのアドオンも色々と秘密情報をやり取りする、セキュリティ上一番問題になりやすい類の機能を持ったものには違いなく、それを勝手に仕込まれたとなると、セキュリティやプライバシーに敏感なユーザは無論拒絶的な反応をするだろうし、そうでなくともおよそ全てのユーザが何らかのネガティブな印象を持つ事でしょう。その点ウィルスと何ら変わりないし、一見して区別も困難でしょうし。それに、cairo-dockを使っていればそうやって検出されるから直ぐに気づけますが、そうでなければ気づかない内に仕込まれている事になります。気持ち悪いなんてものではありません。絶対にやってはいけない類の、攻撃と言っても過言ではない暴挙に他ならないと言えるでしょう。この手のGoogleの暴挙は今に始まった話ではありませんけど、その中でも突出したものを感じさせます。何考えてんの。
というわけで最高に不愉快なので、当該スタートアップとアドオンは即削除。具体的には、それぞれ下記をrmします。
<スタートアップ>
~/.local/share/applications/chrome-nmmhkkegccagdldgiimedpiccmgmieda-Default.desktop
<アドオン>
~/.config/chromium/Default/Extensions/nmmhkkegccagdldgiimedpiccmgmieda
しかる後に再起動なり再ログオンなり、で元通り。といって、googleがそのサービスのポリシーを修正しない限り、chromiumを使っていれば直ぐに再発しちゃうんでしょうね。元々あまり使ってはいませんけれども、より一層使用を控えるしかない、という事でしょうか。それとも、Ubuntuフォーラムの意見にもあるようにsandboxを作るか。やれやれです。
Google wallet mysteriously appeared on Ubuntu 14.10
しかしwalletって、縮小・廃止コースに乗ったんじゃなかったんでしたっけ、それが何で今更、と疑問にも思うわけです。廃止予定の捨てサービスだからこそ逆にどうとでもなれ的な運営をしている可能性もあるし、本件暴挙もその一環という事なのかもしれませんが。だとしたら迷惑な話です。
[関連記事 [IT biz] Googleの決済サービスwallet一部廃止]
[note] Lenovo製ノートPCに汎用wifiカードを増設
したのです。大した話でもないんですが、ビジネス用のノートPC、型番はThinkpadのL512なんですけれども、これ元々無線LANナシだったんですが、ちょっと有線LANのケーブルが引けない、もしくは頻繁に移動するので抜き差しが面倒な場所で使う必要がありまして。
ただ、本機種に限らずLenovo製ノートPCはBIOSレベルでハードの互換性に制限が掛かっていて、汎用のカードだと認識されない場合があるんです。じゃあどれが使えるの、と疑問に思うところですが、これが適合リスト的なものというか、純正以外で使えるカードの情報はほぼ存在しないのです。各所で販売されているカードにも、判を押したように"HP,Lenovoは対象外"とかなってるんですね。販売側は責任持てないし面倒だから純正を買え、という事なんでしょうけれども、しかし純正は大分割高なのです。本体が30000円程度だったのに、カードだけで2000円とかいうのはちょっと・・・と思うのですよ。というわけで、ケチ臭い話ですが安い汎用カードの中から適合するものを探して増設する事にしたのでした。
探す、と言っても情報が全くと言っていいほど流れていないので、調査も自前でしなければなりません。しかし手当たり次第に購入して試す、というのも本末転倒です。というわけで手元もしくは近隣にあるThinkpad等を調べてみるしかないわけですが、幸いな事に以前修理した知人のThinkpad E530を開けさせて貰える事になったのです。で、いそいそと開けて調べてみたところ、その機体に使われていたのはRealtek社のRTL8188CEチップを使ったカード。RTL8188シリーズは安価な汎用カードによく使われている、社同様あまり評判は良くないものの割と定番のチップで、これはいけるかと。ものは試し、とL512に挿してみたら一発で認識されました。
というわけで同チップのカードを探したわけですが・・・これが意外と難航というか、RTL8188CEは無線LANだけのプレーンなチップなのですが、全く同じものを使ったカードはあまり流通していないようなのでした。まあ今どき無線LANだけのカードっていうのも需要が微妙なのかもしれませんね。で、代わりにチラホラ見かけたのが、RTL8188CEBといってBluetooth3.0とコンボになったチップを使ったカードです。こちらだと$5〜$6位から出回ってるんですね。価格は十分に安いんですが、不安点も。何かというと、L512は本来Bluetoothと無線LANは別々のボードで提供される仕様になっていますから、この種のコンボカードの使用は想定されていない筈で、互換性に懸念があるのです。小売の説明ではやはりLenovoは対象外扱いとされてますし。がまあ、余程厳密なチェックをしていない限り大丈夫だろうし、そこまで厳しくするのも面倒だろうから、いける可能性も高かろう、と思って試しに調達してみたんです。
結果から言えば、問題なく認識されました。ついでにBluetoothも普通に認識されます。下図は取り付け時の様子。アームレスト部下に増設用のmini-pciポートがあって、アンテナ線もちゃんと引かれていました。ちなみに開け方はLenovo公式に分解マニュアルがあるのでそちらを参照の事。背面のネジを6個程外します。注意点という程の事もないのですが、外すべきネジの一つが光学ドライブの下に隠れているので、ドライブも一旦外す必要がある位でしょうか。んで手前側からパキパキっと爪を剥がしつつ持ち上げるように開ければ良いのです。
中央少し右のスロットです。ここにカードを差し込んでネジ止めした後、アンテナ線を差し込むだけでOK。んでカバー等を戻して終わり。なお、L512には無線機能のOn/Offスイッチがあるので、これをOnにするのを忘れずに。
作業自体は数分で終わる程度の至極簡単なものなのですが、準備にとても手間取ってしまいました。こういう事があると、やはり先人というのは有り難く、偉大だとつくづく思うのです。もっとも、そもそもLenovoが嫌がらせをしていなければこんな面倒を被る事も無かったわけですけれども。やれやれです。いやまあ保証やサポートが面倒な事になるし、商売的にも純正品を売り付けたいって気持ちは分かるんですけどね。なんですが、保証期間が過ぎた後とかにはその純正品が入手困難になる事もあるし、一層割高にもなったりするわけで、やはりユーザにとっては害になる面が大半だろうと思うわけです。ともあれ、今回はこれでおしまい。
[関連記事 [PC] 電源の入らなくなったノートPCを修理]
[関連記事 [note] ノートPCのCPUを換装(P4500->i5 450M)]
ただ、本機種に限らずLenovo製ノートPCはBIOSレベルでハードの互換性に制限が掛かっていて、汎用のカードだと認識されない場合があるんです。じゃあどれが使えるの、と疑問に思うところですが、これが適合リスト的なものというか、純正以外で使えるカードの情報はほぼ存在しないのです。各所で販売されているカードにも、判を押したように"HP,Lenovoは対象外"とかなってるんですね。販売側は責任持てないし面倒だから純正を買え、という事なんでしょうけれども、しかし純正は大分割高なのです。本体が30000円程度だったのに、カードだけで2000円とかいうのはちょっと・・・と思うのですよ。というわけで、ケチ臭い話ですが安い汎用カードの中から適合するものを探して増設する事にしたのでした。
探す、と言っても情報が全くと言っていいほど流れていないので、調査も自前でしなければなりません。しかし手当たり次第に購入して試す、というのも本末転倒です。というわけで手元もしくは近隣にあるThinkpad等を調べてみるしかないわけですが、幸いな事に以前修理した知人のThinkpad E530を開けさせて貰える事になったのです。で、いそいそと開けて調べてみたところ、その機体に使われていたのはRealtek社のRTL8188CEチップを使ったカード。RTL8188シリーズは安価な汎用カードによく使われている、社同様あまり評判は良くないものの割と定番のチップで、これはいけるかと。ものは試し、とL512に挿してみたら一発で認識されました。
というわけで同チップのカードを探したわけですが・・・これが意外と難航というか、RTL8188CEは無線LANだけのプレーンなチップなのですが、全く同じものを使ったカードはあまり流通していないようなのでした。まあ今どき無線LANだけのカードっていうのも需要が微妙なのかもしれませんね。で、代わりにチラホラ見かけたのが、RTL8188CEBといってBluetooth3.0とコンボになったチップを使ったカードです。こちらだと$5〜$6位から出回ってるんですね。価格は十分に安いんですが、不安点も。何かというと、L512は本来Bluetoothと無線LANは別々のボードで提供される仕様になっていますから、この種のコンボカードの使用は想定されていない筈で、互換性に懸念があるのです。小売の説明ではやはりLenovoは対象外扱いとされてますし。がまあ、余程厳密なチェックをしていない限り大丈夫だろうし、そこまで厳しくするのも面倒だろうから、いける可能性も高かろう、と思って試しに調達してみたんです。
結果から言えば、問題なく認識されました。ついでにBluetoothも普通に認識されます。下図は取り付け時の様子。アームレスト部下に増設用のmini-pciポートがあって、アンテナ線もちゃんと引かれていました。ちなみに開け方はLenovo公式に分解マニュアルがあるのでそちらを参照の事。背面のネジを6個程外します。注意点という程の事もないのですが、外すべきネジの一つが光学ドライブの下に隠れているので、ドライブも一旦外す必要がある位でしょうか。んで手前側からパキパキっと爪を剥がしつつ持ち上げるように開ければ良いのです。
中央少し右のスロットです。ここにカードを差し込んでネジ止めした後、アンテナ線を差し込むだけでOK。んでカバー等を戻して終わり。なお、L512には無線機能のOn/Offスイッチがあるので、これをOnにするのを忘れずに。
作業自体は数分で終わる程度の至極簡単なものなのですが、準備にとても手間取ってしまいました。こういう事があると、やはり先人というのは有り難く、偉大だとつくづく思うのです。もっとも、そもそもLenovoが嫌がらせをしていなければこんな面倒を被る事も無かったわけですけれども。やれやれです。いやまあ保証やサポートが面倒な事になるし、商売的にも純正品を売り付けたいって気持ちは分かるんですけどね。なんですが、保証期間が過ぎた後とかにはその純正品が入手困難になる事もあるし、一層割高にもなったりするわけで、やはりユーザにとっては害になる面が大半だろうと思うわけです。ともあれ、今回はこれでおしまい。
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[biz law] 東洋ゴム社製免震装置材料の性能評価偽装発覚に
東洋ゴム社製の免震装置用材料について、出荷前の性能評価で偽装がなされ、それに伴い当該材料を使用した多数の建築物が不正に免震性能評価を認定されていた事が発覚したそうですが。同社の発表によれば、期間は少なくとも平成15年から同23年と長期に及び、当該材料を用いた免震装置の出荷台数は判明した分だけで2052基、建物数は55棟にも上るそうです。普通に大惨事ですね。
具体的な偽装の内容は、同材料が当該認定を受けるにあたり、本来許容される変形度の誤差上限値10%に対し、実際は50%を超える酷い不良品が発生していたところ、この分の計測値を一人の評価担当者が許容値内に入るよう改竄していた、とのこと。で、その担当者が異動になった後の計測で本来の計測値が出るようになり、遡って原因等の確認を行ったところ発覚した、といういかにもありがちな経緯なんだそうです。
そういう同社の発表だけを鵜呑みにすれば、主として評価担当者個人の犯行であり、責任も同人にある、という結論が導かれかねないわけですが。。。不自然極まりなく思われるところです。というのも、基本、評価担当者個人にそんな偽装を単独で行うメリットなんて無い、というかむしろ本来は改竄なんて評価担当の職務からして懲戒免職ものだし、本来の評価に加えて作業も心労も増える、やるだけ損な行為なのですから。余程の理由が無ければまず実行されないでしょうし、そんな理由が課長代理すなわち一平社員に過ぎない評価担当個人にあったとはとても考えられません。で、そういう理由がある、すなわち個々の製品の評価の良し悪しや性能認定の可否に著しい利害を持つのは、評価担当ではなく、営業・開発・生産・経営のどれかか全てか、いずれにしろ事業部門の側なのであって。そちら側が評価担当に圧力を掛けて改竄させる分には理由は十分だし、人事権がある以上、実行も容易でしょう。となれば、本件は評価担当の単独犯とは到底考えられず、組織ぐるみの犯行を疑わざるを得ないものと言えるでしょう。異動で発覚した、という点には若干違和感を感じないではありませんが、共犯たる組織の範囲が割と限定的だったと考えるべきでしょうか。
何にせよ、本件の責任は会社に帰せられるのですから、その浅はかな、あるいは甘い組織運営の報いとして、これから同社にはそれ相応の報いがあるわけです。既に当該製品は免震認定を外されました。これに伴い、既存の物件にはその建築確認に瑕疵が存在し、また建築基準法にも違反する事になりますから、行政からは早急な改善が求められ、同時に所有者からは損害賠償並びに他社製品への交換が求められるでしょう。そして、その交換等の工事に際しては、相当期間に渡る居住者等の退去も必要になるでしょうから、その費用等も積み重なります。その総額は幾らか、具体的な金額は不明ですが、件数からして少額とは到底言えないでしょうし、建物全体ならともかく、たかが一部品程度の売上では全く釣り合わない多額に上るだろう事にも疑いの余地はないでしょう。事業、また会社自体への信用も失うし、普通なら事業部門自体が取り潰しになりそうな話ではあるのですが、さて東洋ゴム社はどう対応するんでしょうね。以前同社がやらかした断熱パネルの時と同じ感じで、社長が交代するだけで終わりにするんでしょうか。それともそれすらせず、このまま件の評価担当社員に全てを被せてしらばっくれるんでしょうか。東日本震災からこっち、日本社会はとりわけ地震対策には敏感な事もありますし、よりにもよってそこで致命的な類の偽装を働いた同社にはより厳しい反応がありそうですが、さて。
そういえば、同社は伊プロサッカーチームの胸ロゴスポンサーにもなるんでしたっけ。同社については、思う存分恥を晒せばいい、と思うものの、犯罪者の広告塔になるチームにはいい迷惑でしょう。海外ではあまり関係ないのかもしれませんけれども。
東洋ゴムの建物免震ゴム、性能不足55棟 データ偽装も
その後数日。対象の建築物が未だに公表されません。五月雨式に、建築中のものや公共の、比較的公表しやすく、かつ公表しないデメリットの方が大きいような類のもののみがポツポツと散発的に公表されるのみです。マンションやビルの使用者、は流石に知らされてるんでしょうけど、それ以外の賃借人や第三者的な利用者にはとても不安だろうし、分かっていない筈もありませんから、さっさと公表すべき話な筈なんですが。
商談が壊れたり、保障等で大変な影響が出るだろうし、デベロッパーによっては業績面への打撃が洒落にならない事になりかねないので、それを抑えるべく現段階での公表は避け、できれば実際にはまず問題ないとかそういうお墨付きが出てからにしたいとかいう思惑はありそうですが・・・そんな事が可能なら、東洋ゴム社がとっくにその旨発表していたでしょうから無駄だと思うのですけれども。期末だからというのもあるんでしょうし、免震機構完備というのはおよそ建物の目玉といってもいい重要な要素ですから、まず重大な瑕疵にあたるし、色々商談がご破産になったり契約取り消しになったり、評価額が下がったり、大変な事になるのは分かるのですが、違法建築物には違いないのですから、速やかに認めて後処理に動くべきだろうと。 困ったものです。
具体的な偽装の内容は、同材料が当該認定を受けるにあたり、本来許容される変形度の誤差上限値10%に対し、実際は50%を超える酷い不良品が発生していたところ、この分の計測値を一人の評価担当者が許容値内に入るよう改竄していた、とのこと。で、その担当者が異動になった後の計測で本来の計測値が出るようになり、遡って原因等の確認を行ったところ発覚した、といういかにもありがちな経緯なんだそうです。
そういう同社の発表だけを鵜呑みにすれば、主として評価担当者個人の犯行であり、責任も同人にある、という結論が導かれかねないわけですが。。。不自然極まりなく思われるところです。というのも、基本、評価担当者個人にそんな偽装を単独で行うメリットなんて無い、というかむしろ本来は改竄なんて評価担当の職務からして懲戒免職ものだし、本来の評価に加えて作業も心労も増える、やるだけ損な行為なのですから。余程の理由が無ければまず実行されないでしょうし、そんな理由が課長代理すなわち一平社員に過ぎない評価担当個人にあったとはとても考えられません。で、そういう理由がある、すなわち個々の製品の評価の良し悪しや性能認定の可否に著しい利害を持つのは、評価担当ではなく、営業・開発・生産・経営のどれかか全てか、いずれにしろ事業部門の側なのであって。そちら側が評価担当に圧力を掛けて改竄させる分には理由は十分だし、人事権がある以上、実行も容易でしょう。となれば、本件は評価担当の単独犯とは到底考えられず、組織ぐるみの犯行を疑わざるを得ないものと言えるでしょう。異動で発覚した、という点には若干違和感を感じないではありませんが、共犯たる組織の範囲が割と限定的だったと考えるべきでしょうか。
何にせよ、本件の責任は会社に帰せられるのですから、その浅はかな、あるいは甘い組織運営の報いとして、これから同社にはそれ相応の報いがあるわけです。既に当該製品は免震認定を外されました。これに伴い、既存の物件にはその建築確認に瑕疵が存在し、また建築基準法にも違反する事になりますから、行政からは早急な改善が求められ、同時に所有者からは損害賠償並びに他社製品への交換が求められるでしょう。そして、その交換等の工事に際しては、相当期間に渡る居住者等の退去も必要になるでしょうから、その費用等も積み重なります。その総額は幾らか、具体的な金額は不明ですが、件数からして少額とは到底言えないでしょうし、建物全体ならともかく、たかが一部品程度の売上では全く釣り合わない多額に上るだろう事にも疑いの余地はないでしょう。事業、また会社自体への信用も失うし、普通なら事業部門自体が取り潰しになりそうな話ではあるのですが、さて東洋ゴム社はどう対応するんでしょうね。以前同社がやらかした断熱パネルの時と同じ感じで、社長が交代するだけで終わりにするんでしょうか。それともそれすらせず、このまま件の評価担当社員に全てを被せてしらばっくれるんでしょうか。東日本震災からこっち、日本社会はとりわけ地震対策には敏感な事もありますし、よりにもよってそこで致命的な類の偽装を働いた同社にはより厳しい反応がありそうですが、さて。
そういえば、同社は伊プロサッカーチームの胸ロゴスポンサーにもなるんでしたっけ。同社については、思う存分恥を晒せばいい、と思うものの、犯罪者の広告塔になるチームにはいい迷惑でしょう。海外ではあまり関係ないのかもしれませんけれども。
東洋ゴムの建物免震ゴム、性能不足55棟 データ偽装も
その後数日。対象の建築物が未だに公表されません。五月雨式に、建築中のものや公共の、比較的公表しやすく、かつ公表しないデメリットの方が大きいような類のもののみがポツポツと散発的に公表されるのみです。マンションやビルの使用者、は流石に知らされてるんでしょうけど、それ以外の賃借人や第三者的な利用者にはとても不安だろうし、分かっていない筈もありませんから、さっさと公表すべき話な筈なんですが。
商談が壊れたり、保障等で大変な影響が出るだろうし、デベロッパーによっては業績面への打撃が洒落にならない事になりかねないので、それを抑えるべく現段階での公表は避け、できれば実際にはまず問題ないとかそういうお墨付きが出てからにしたいとかいう思惑はありそうですが・・・そんな事が可能なら、東洋ゴム社がとっくにその旨発表していたでしょうから無駄だと思うのですけれども。期末だからというのもあるんでしょうし、免震機構完備というのはおよそ建物の目玉といってもいい重要な要素ですから、まず重大な瑕疵にあたるし、色々商談がご破産になったり契約取り消しになったり、評価額が下がったり、大変な事になるのは分かるのですが、違法建築物には違いないのですから、速やかに認めて後処理に動くべきだろうと。 困ったものです。
3/10/2015
[IT biz] ゴミにしか見えないApple watchはそれでも売れるのか
2015年初頭とされた当初の予定から遅れに遅れ、ようやく発売日が確定したiwatchことApple watchですが。。。注目された価格及びバッテリー駆動時間は、いずれも大多数を失望させる残念なものでした。いやまあ予想通りではあるんですけどね。延期した分改善があるかも、といくらかは期待もあったわけですが、完全に裏切ってくれました。というかむしろ悪化してます。
具体的には、価格は$300を軽く上回り、バッテリー時間は標準ですら18時間と一日も持たないとのこと。元々発表済みだった、通信をiphone等のiOSデバイス経由で行う点も変わりなし。健康管理関連もセンサの低精度から高機能なものは取り下げ。さらに本来主要機能となる筈だったApple Payも普及していない、とりわけ日本等多くの国で導入すらされていない現時点では、単体では単なる時計としてしか機能せず、さりとてそれ以外の機能についても、それが機能する状況すなわちiPhone等を持っているのであれば、あえて著しく操作性の低いwatchを使わずともそちらを使えばいいものばかりで、率直に言って機能的にはゴミと評価する他ないでしょう。
勿論、所謂アップル信者と揶揄されるような向きにとってはファッションアイテムとしての価値だけは十分にあるのでしょう。100万超えのモデルなんかそういう需要向けなんでしょうしね。けれども、そうでなければ惹かれないだろう程度にはデザインにも見るべきものは無いように思われるところです。やっぱりビスケットっぽい野暮ったさというか。それに、この点で競合する高級時計との比較で言えば、せいぜい数年程度の短い耐用年数からしてある種使い捨てに近い電子デバイスには、いくら貴金属を使っていようとも、その種の貴重品的な価値は限定される筈なわけで。同レベルの値付けがすんなり受け入れられると考えるのはあまりに楽観が過ぎると言うべきでしょう。
改めて製品としての評価を云々するまでもなく、酷すぎるんじゃないでしょうか。ここまで酷いと、逆にどれ位売れるのか興味が湧きます。基本的に金が有り余っていて糸目を付けない人か、もしくはアップル製品なら何でもいい礼賛者、でなければiPhone連動等の制約を知らないとか色々勘違いした人位しか買わないでしょうけれども、それがどれ位いるのか、一種の社会実験、マーケット調査として見る事も可能でしょうから。
同時に発表されたMacbookのUSB-Cコネクタ導入とそれに伴う従来型ポートの全廃止も、本件同様にどれ位受け入れられるのか気になるところです。流石にこっちはあまりに不便だとか使用過多等によるポートの劣化に伴うクレームだとかが殺到しすぎて早々にマルチポート化もしくは旧型ポートの復活が求められるだろうとは思いますけど。薄型にこだわるコンセプトはわからないでもないんですが、キーボードの如何にも打ちにくそうなペラペラ感にしろ、PCはあくまで一義的には道具だと考える私としては、幾ら何でもユーザビリティを犠牲にし過ぎだと思うのです。多かれ少なかれ、実際にPCとして使用する向きならばそう感じる事でしょう。
というわけで、いかにも傲慢に過ぎて、普通なら消費者からそっぽを向かれて終わる愚策に思われる今回のApple新製品群の仕様ですけれども。先日遂にスマホのシェアもsamsungから奪還し、売上・時価総額共に空前の規模に達して我が世を謳歌するAppleの事ですから、その圧倒的なブランドの影響力をもって無理を通してしまうのか、それとも普通に拒絶を食らって躓くのか。どうなっても別に問題もないんですけど、さて。
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具体的には、価格は$300を軽く上回り、バッテリー時間は標準ですら18時間と一日も持たないとのこと。元々発表済みだった、通信をiphone等のiOSデバイス経由で行う点も変わりなし。健康管理関連もセンサの低精度から高機能なものは取り下げ。さらに本来主要機能となる筈だったApple Payも普及していない、とりわけ日本等多くの国で導入すらされていない現時点では、単体では単なる時計としてしか機能せず、さりとてそれ以外の機能についても、それが機能する状況すなわちiPhone等を持っているのであれば、あえて著しく操作性の低いwatchを使わずともそちらを使えばいいものばかりで、率直に言って機能的にはゴミと評価する他ないでしょう。
勿論、所謂アップル信者と揶揄されるような向きにとってはファッションアイテムとしての価値だけは十分にあるのでしょう。100万超えのモデルなんかそういう需要向けなんでしょうしね。けれども、そうでなければ惹かれないだろう程度にはデザインにも見るべきものは無いように思われるところです。やっぱりビスケットっぽい野暮ったさというか。それに、この点で競合する高級時計との比較で言えば、せいぜい数年程度の短い耐用年数からしてある種使い捨てに近い電子デバイスには、いくら貴金属を使っていようとも、その種の貴重品的な価値は限定される筈なわけで。同レベルの値付けがすんなり受け入れられると考えるのはあまりに楽観が過ぎると言うべきでしょう。
改めて製品としての評価を云々するまでもなく、酷すぎるんじゃないでしょうか。ここまで酷いと、逆にどれ位売れるのか興味が湧きます。基本的に金が有り余っていて糸目を付けない人か、もしくはアップル製品なら何でもいい礼賛者、でなければiPhone連動等の制約を知らないとか色々勘違いした人位しか買わないでしょうけれども、それがどれ位いるのか、一種の社会実験、マーケット調査として見る事も可能でしょうから。
同時に発表されたMacbookのUSB-Cコネクタ導入とそれに伴う従来型ポートの全廃止も、本件同様にどれ位受け入れられるのか気になるところです。流石にこっちはあまりに不便だとか使用過多等によるポートの劣化に伴うクレームだとかが殺到しすぎて早々にマルチポート化もしくは旧型ポートの復活が求められるだろうとは思いますけど。薄型にこだわるコンセプトはわからないでもないんですが、キーボードの如何にも打ちにくそうなペラペラ感にしろ、PCはあくまで一義的には道具だと考える私としては、幾ら何でもユーザビリティを犠牲にし過ぎだと思うのです。多かれ少なかれ、実際にPCとして使用する向きならばそう感じる事でしょう。
というわけで、いかにも傲慢に過ぎて、普通なら消費者からそっぽを向かれて終わる愚策に思われる今回のApple新製品群の仕様ですけれども。先日遂にスマホのシェアもsamsungから奪還し、売上・時価総額共に空前の規模に達して我が世を謳歌するAppleの事ですから、その圧倒的なブランドの影響力をもって無理を通してしまうのか、それとも普通に拒絶を食らって躓くのか。どうなっても別に問題もないんですけど、さて。
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2/20/2015
[IT] Lenovo製PCのスパイウェアsuperfish疑惑確定
悪名高いLenovoの公式スパイウェア、通称"superfish"がようやく退場になったそうで。めでたい?いや、犯罪紛いのマイナスが一つ解消されただけの、マッチポンプ的な話ではあるのですけれども。
当該プログラムの名称は"Visual Discovery"で、2014年9月から2015年1月の間に製造・出荷されたLenovo製PCにプリインストールされ、Lenovoのサーバと連携してブラウザを問わずアドウェアと証明書を勝手に導入しポップアップ広告等を表示させる、のみならず、それ自体に有するSSL周りの脆弱性によってホットスポット等で攻撃者にPCを乗っ取られすらもする、よくもここまでと呆れる程に有害なソフトです。まあ、LenovoやHTCやら、中国系メーカーの製品については、この手の話は今に始まった話でなし、というかもはや常識となった感もあるし、むしろLenovoらしいと言えなくもないんでしょうけど。。。そもそもユーザの受け取り方によっては普通に犯罪とも言えるわけで、いい加減報いを受けて欲しいところですが、無理ですかね。
Lenovo曰く、既に当該アプリのプリインストールは取りやめ、サーバの運用も停止済との事ですが、脆弱性もありますから、未対応の場合は早急にアンインストール等対処しておくべきかと思われます。 手順は簡単。その詳細は色んな所でまとめられていますからここには載せませんが、プログラム一覧からアンインストールして、各ブラウザからアドオンを消して、証明書もあれば削除しておくだけです。
本件、日本では2014年の11月から12月頃にThinkpadの一部機種について処分セールをやっていた事もあって、直撃したユーザは国内でも結構な数に上るんじゃないでしょうか。実を言うと私も一台予備用に購入していて、多分該当していた筈なのです。多分、と不確かなのは、セットアップの際に不要なもしくは見覚えのないサード製プリインストールアプリはまとめて全部削除してしまっていたので、個別のプログラム名はよく覚えていないからなのです。そんなの消した気もするな、という位。作業前に作ったバックアップを復元すればわかるんでしょうけれども、一々確認のためだけに戻す気もしませんしね。ともあれ、怪しきは削除、が正解だったという事が改めて証明されたわけで、一安心するとともに悪くない気分なのです。
ちなみに、KingsoftとかNortonとかも当然即削除してしまっていました。secure bootもgrubを邪魔していたので無効にしたり。というか、残したのはタッチパッド制御と電源管理、あと保証関連位です。本音を言うとその辺も全て、特にPM周りはバックドア疑惑が絶えない事もあって消したかったんですけど、操作や今後の運用にも支障が出かねないので渋々残したのです。
まあLenovoだしChinaだし、という事で、バックドア位はデフォと想定して、自衛のためにその程度はやっておいて当然、でなければ中国企業の製品に手を出してはいけない、といった認識と理解が必要という事でしょう。つくづく今更な話ですけれども。やれやれです。
How to remove Superfish adware from your laptop
(追記)
その後公開された対象製品リスト(下記リンク)によれば、Thinkpadシリーズは対象外との事。であれば私個人については取り越し苦労ということになります。しかし、国内で定番のGシリーズが含まれてる時点で被害者が膨大な点に変わりはないわけで、被害に遭われた方はご愁傷さま。
Superfish Vulnerability
当該プログラムの名称は"Visual Discovery"で、2014年9月から2015年1月の間に製造・出荷されたLenovo製PCにプリインストールされ、Lenovoのサーバと連携してブラウザを問わずアドウェアと証明書を勝手に導入しポップアップ広告等を表示させる、のみならず、それ自体に有するSSL周りの脆弱性によってホットスポット等で攻撃者にPCを乗っ取られすらもする、よくもここまでと呆れる程に有害なソフトです。まあ、LenovoやHTCやら、中国系メーカーの製品については、この手の話は今に始まった話でなし、というかもはや常識となった感もあるし、むしろLenovoらしいと言えなくもないんでしょうけど。。。そもそもユーザの受け取り方によっては普通に犯罪とも言えるわけで、いい加減報いを受けて欲しいところですが、無理ですかね。
Lenovo曰く、既に当該アプリのプリインストールは取りやめ、サーバの運用も停止済との事ですが、脆弱性もありますから、未対応の場合は早急にアンインストール等対処しておくべきかと思われます。 手順は簡単。その詳細は色んな所でまとめられていますからここには載せませんが、プログラム一覧からアンインストールして、各ブラウザからアドオンを消して、証明書もあれば削除しておくだけです。
本件、日本では2014年の11月から12月頃にThinkpadの一部機種について処分セールをやっていた事もあって、直撃したユーザは国内でも結構な数に上るんじゃないでしょうか。実を言うと私も一台予備用に購入していて、多分該当していた筈なのです。多分、と不確かなのは、セットアップの際に不要なもしくは見覚えのないサード製プリインストールアプリはまとめて全部削除してしまっていたので、個別のプログラム名はよく覚えていないからなのです。そんなの消した気もするな、という位。作業前に作ったバックアップを復元すればわかるんでしょうけれども、一々確認のためだけに戻す気もしませんしね。ともあれ、怪しきは削除、が正解だったという事が改めて証明されたわけで、一安心するとともに悪くない気分なのです。
ちなみに、KingsoftとかNortonとかも当然即削除してしまっていました。secure bootもgrubを邪魔していたので無効にしたり。というか、残したのはタッチパッド制御と電源管理、あと保証関連位です。本音を言うとその辺も全て、特にPM周りはバックドア疑惑が絶えない事もあって消したかったんですけど、操作や今後の運用にも支障が出かねないので渋々残したのです。
まあLenovoだしChinaだし、という事で、バックドア位はデフォと想定して、自衛のためにその程度はやっておいて当然、でなければ中国企業の製品に手を出してはいけない、といった認識と理解が必要という事でしょう。つくづく今更な話ですけれども。やれやれです。
How to remove Superfish adware from your laptop
(追記)
その後公開された対象製品リスト(下記リンク)によれば、Thinkpadシリーズは対象外との事。であれば私個人については取り越し苦労ということになります。しかし、国内で定番のGシリーズが含まれてる時点で被害者が膨大な点に変わりはないわけで、被害に遭われた方はご愁傷さま。
Superfish Vulnerability
2/12/2015
[IT] 広告拒否アドオンAdblock Plusに大手サイト各社が有償で回避登録
ここ数年で広告拒否アドオンの定番になった感のあるAdblock Plusについて、GoogleやAmazon、Microsoftといった大手サイトが、額は不明ですが金銭を支払って自サイトをwhitelistに登録する事で回避させる契約を結び、ユーザの意思に反して広告を表示させていた、とかいう報道がなされているようです。
Amazon, Google and Microsoft escape Adblock Plus, for a price
そういう噂は、Googleについては昔からありました。実際、デフォルトに設定されているフィルタリストのEasyListではwhitelistにGoogleとかFacebookとかを含めて多数のサイトが登録されていて、その登録の基準というか指定の理由については謎でしたからそういう心配もあって当然だったわけですが、報道が真実なら、その疑惑が本当だったという事になります。極めて遺憾な話です。
感情はさておき。そういう事情であれば、以前からwhitelistは気に入らなかったものの、サイト閲覧自体への支障等を懸念して有効なままにしていたところ、そもそもwhitelist自体がそういう恣意的な理由で設定されているというのなら、ユーザが利用する上での悪影響への懸念は無用だろう結論になりますから、これで心置きなく除去する事が出来ます。というわけで、whitelistを全部無効にして、GoogleだろうがMicrosoftだろうが、自前で追加したad.*だとかのフィルタと合せて、原則通りad関連の要素は全て弾くように設定してしまいました。なお、[控えめな広告]については元々インストール直後に無効にしていたのでそのまま。というわけでこれですっきり。
その手順は、と一々書くほどのものでもないのですが、一部ちょっと紛らわしい点もあるので一応。と言っても、当該whitelist内要素の各チェックを外すだけなのです。
Firefoxの場合は、Adblock Plusの[フィルタ設定]ダイアログを開いて、[購読しているフィルタ]タブ中で購読しているフィルタをそれぞれ選択し、表示されるフィルタリスト中の"@@"で始まる例外指定要素(Firefoxなら、リストの後半(下)部。有効な要素は緑色表示)のチェックを外します。
なお、バージョンによっては各購読フィルタの内容リストはデフォルトだと下図のように非表示になっている場合もあるようなので、その場合には畳まれて右端に寄っているスライダをダブルクリックなりドラッグなりして表示させる必要があります。(これはfirefox@win8.1のケース)
なおこの時、例えばデフォルトのEasyListだと、whitelistの要素は結構な数があって、一つずつチェックを外すのもとても手間でうんざりします。そこでshiftキーを押しながら両端選択で複数一括選択して[space]キーをすれば一括でチェックを外せるのですが、これが結構時間がかかるようで、一気に全要素をやってしまうと分単位で応答しなくなって、とても不安にさせられます。なので、数十個ずつ位に分けてやる方が安全でしょう。それでも結構時間がかかるのですけれども。嫌がらせかと思うような仕様ですが、滅多にやる作業でもないだろうし仕方ないと受け入れるよりない感じでしょうか。ともあれそうやっておそらく数千にもなる例外設定を無効に。とりあえず使ってみた感じでは特段の問題も感じません。という事でこれでOK。
とはいえ、手動で外せる(ように見える)だけまだマシと言うべきなんでしょうけれども。これで内部的に別途whitelistが仕込まれていた、とか言うのなら、、、その時は流石にアドオン自体に見切りを付けざるを得なくなるわけなのですが、それはそれで面倒だし、まさかそんな事はない、と願いたいものです。以前blocksiteから乗り換えた時も結構な手間でしたから。やれやれです、とため息を吐きつつ。
[過去記事 [IT] フィルタアドオンのBlocksiteが履歴収集]
Amazon, Google and Microsoft escape Adblock Plus, for a price
そういう噂は、Googleについては昔からありました。実際、デフォルトに設定されているフィルタリストのEasyListではwhitelistにGoogleとかFacebookとかを含めて多数のサイトが登録されていて、その登録の基準というか指定の理由については謎でしたからそういう心配もあって当然だったわけですが、報道が真実なら、その疑惑が本当だったという事になります。極めて遺憾な話です。
感情はさておき。そういう事情であれば、以前からwhitelistは気に入らなかったものの、サイト閲覧自体への支障等を懸念して有効なままにしていたところ、そもそもwhitelist自体がそういう恣意的な理由で設定されているというのなら、ユーザが利用する上での悪影響への懸念は無用だろう結論になりますから、これで心置きなく除去する事が出来ます。というわけで、whitelistを全部無効にして、GoogleだろうがMicrosoftだろうが、自前で追加したad.*だとかのフィルタと合せて、原則通りad関連の要素は全て弾くように設定してしまいました。なお、[控えめな広告]については元々インストール直後に無効にしていたのでそのまま。というわけでこれですっきり。
その手順は、と一々書くほどのものでもないのですが、一部ちょっと紛らわしい点もあるので一応。と言っても、当該whitelist内要素の各チェックを外すだけなのです。
Firefoxの場合は、Adblock Plusの[フィルタ設定]ダイアログを開いて、[購読しているフィルタ]タブ中で購読しているフィルタをそれぞれ選択し、表示されるフィルタリスト中の"@@"で始まる例外指定要素(Firefoxなら、リストの後半(下)部。有効な要素は緑色表示)のチェックを外します。
なお、バージョンによっては各購読フィルタの内容リストはデフォルトだと下図のように非表示になっている場合もあるようなので、その場合には畳まれて右端に寄っているスライダをダブルクリックなりドラッグなりして表示させる必要があります。(これはfirefox@win8.1のケース)
表示されるリスト中、"@@"で始まるもののチェックを外して無効にします。が、これが下の方に固まっていて見つかりにくくなっています。わざとなんでしょうか。原則の次に例外を置く事自体は別におかしくもないんですけど、隠されてる感ありありでどうも嫌な感じです。
なおこの時、例えばデフォルトのEasyListだと、whitelistの要素は結構な数があって、一つずつチェックを外すのもとても手間でうんざりします。そこでshiftキーを押しながら両端選択で複数一括選択して[space]キーをすれば一括でチェックを外せるのですが、これが結構時間がかかるようで、一気に全要素をやってしまうと分単位で応答しなくなって、とても不安にさせられます。なので、数十個ずつ位に分けてやる方が安全でしょう。それでも結構時間がかかるのですけれども。嫌がらせかと思うような仕様ですが、滅多にやる作業でもないだろうし仕方ないと受け入れるよりない感じでしょうか。ともあれそうやっておそらく数千にもなる例外設定を無効に。とりあえず使ってみた感じでは特段の問題も感じません。という事でこれでOK。
しかし、広告を拒否するためにアドオンを入れたと思ったら実はブロックされていなかった、それも開発元の故意によるもので、さらにその理由は単に広告主からの金銭提供だった、というのは、やはりユーザからすれば裏切りには違いないわけで、個人的にも到底許しがたい話なのであります。Adblock Plusは当然ながら無料アドオンですから、開発元として収益を得るにはユーザ以外から、となるとこういう手法は当然思いつくだろうし、広告主も話を持ちかけるだろうのは無理からぬところなのでしょう。けれども、広告の除去を主目的とするアドオンという事で、それを目的にユーザは導入するのですから、そのユーザの承諾なしに広告を通す設定を混ぜ込む、というのは、完全にユーザを騙すものなわけで、ツールとしての自殺行為というか、それだけはやってはいけない類の話でしょう。広告主側に対するマッチポンプにもなるわけですし。
とはいえ、手動で外せる(ように見える)だけまだマシと言うべきなんでしょうけれども。これで内部的に別途whitelistが仕込まれていた、とか言うのなら、、、その時は流石にアドオン自体に見切りを付けざるを得なくなるわけなのですが、それはそれで面倒だし、まさかそんな事はない、と願いたいものです。以前blocksiteから乗り換えた時も結構な手間でしたから。やれやれです、とため息を吐きつつ。
[過去記事 [IT] フィルタアドオンのBlocksiteが履歴収集]
1/30/2015
[note] IH調理器の壊れたスイッチを修理
してみました。知人から頼まれて。対象たるクッキングヒーターの型番は今は亡きNational製KZ-K221A、大分古い機種です。2口あるコンロのうち右側用のON/OFFスイッチが全く反応しなくなったとの事ですが、いくら古いと言っても通常の利用方法なら押下回数はたかが知れている筈、それで壊れるとは随分と運が悪い話だな、等と思いつつ、とりあえず分解して調査してみる事に。
他のスイッチは問題なく動作するので、おそらくは当該スイッチ部分の部品のみの破損と推定。であれば、修理するにも確認するにも、ともあれ当該部分の基盤にアクセスする必要があります。というわけでまず天板の取り外しから。天板のネジを数個外し、隙間にマイナスドライバをこじ入れてぐいっと持ち上げます。金属製につきそれなりに重いために結構な抵抗があり、それが何らかの固定がなされている場合と区別が付きにくい事もあって、万が一にも壊さないよう、ちょっとずつ慎重に。
抵抗を確かめつつグリグリとねじこみ、バコッバコッと持ち上げていくと、最後に抵抗が一気に弱まり、バコンガシャンという、何かが落ちたような割と心臓に悪い感じの重い音と共に鉄板が外れます。で、確認してみると、左右各コンロのコイルの中心部が緩めに鉄板に接着されていたらしく、それが鉄板の持ち上げと共にくっついて上り、途中で自重に耐えきれず外れて落下していたのでした。その際にコイル部のスプリング付きの支柱部が外れたりはしていますが、特に破損はなし。ほっと胸を撫で下ろします。
上から見るとこんな感じ。真ん中のこれまたスプリング付きの支柱が鉄板と接着されていたのですね。その点を含め、それなりに凝った作りになっていたのは少し意外でした。
しかし今回はコンロ部は修理も調査も対象ではないので、スルーです。鉄板を外すと現れるパネル部のネジを外し、パネルを手前に引き倒します。
すると基盤にアクセス出来るのです。ケーブルコネクタを外して、
さらにネジを幾つか外して基盤を取り出し。
基盤にはめ込まれているスイッチボタン用のブラスチックプレートを外します。基盤に固定されている液晶部を壊さないように注意しつつ。で、ようやく基盤が露出します。
問題のスイッチは、タクトスイッチのうち右端下側のものですね。[加熱 切/入]となっている赤いスイッチです。テスターで導通テストしてみると、スイッチを押しても全く導通しません。他のスイッチは問題ない所を見ても、単にこのスイッチが壊れただけ、と原因が判明しました。というわけで、大人しく交換すれば終わりです。で、寸法等を調べて、適合する部品を取り寄せました。(下図)オリジナルと同じ色(赤)のものもあったんですが、後々交換した事がわかる方がいいかと思い、色違いのものを使う事に。
交換作業自体は至極単純。はんだごて等で元のスイッチを取り去り、交換するだけです。なお、実は部品を取り寄せている間、当該スイッチが使えなくなるのは不便なので、応急処置的に隣のあまり使わない[揚げ物 切/入]スイッチを[加熱 切/入]の所に移植して使っていたのです。なので、届いた部品は下図の通り、その間抜けていた[揚げ物 切/入]の所に付けられています。
取り付け後にテスターで試したところ、問題無し。というわけでさっさと組み上げて、修理完了と相成ったのでした。無論、実際の動作も問題無し。
作業自体はそんな感じで、何という事もなかったのですけれども。意外でした。何がって、この手の極めて高い耐久性が求められる類の機器の、それもスイッチなんて一番壊れにくく作られている筈な箇所でこんな単純な破損が起こるというのが。スペースには余裕が有りすぎるくらいあって無理な設計というのも有り得ないし、部品自体も特に高価なものではなく、一般にコストカットの対象になるような箇所ではないものと思われるのにも関わらず、こんな致命的な故障に遭遇するというのはやはりとても運が悪いと言っていいんじゃないかと。
まさかソニータイマーよろしくわざと壊れやすくして買い替え・修理の頻度UPを狙った、なんて事もない・・・ですよね?そんな調整出来るようなもんじゃないでしょうし。といって、それは自力で修理が可能だったから言えるわけで、普通はこんな些細な故障でも丸ごと買い替えとかせざるを得ないんでしょうし、ひょっとしたら、と疑心も沸いてしまうのであります。それは考えすぎにしても、いささか不可解に思うくらいには意外な故障でありました。Nationalのようなブランドでも、昔のような耐久性はもはや期待出来ない、その事はよく理解していたつもりではありますが、それでもこうして見せつけられると、今更ながらにいささか残念な気持ちも禁じ難く感じられてしまうわけなのです。
ともあれ、無事修理出来た事はめでたし。というわけで今回はこれでおしまい。
1/23/2015
[pol] 安易な中東紛争肩入れ、曝け出された無謀と取り返しの付かない現実
Isramic Stateによる日本人人質殺害脅迫の件ですが。本件の分析や論評の類は既に山ほど出されていますが、今ひとつすっきり同意出来るものが見当たらないので、個人的に思うところをメモとして。
本件、元々中東の紛争には直接関与せず、おそらく当事者からはその他大勢の一つに過ぎず敵でも味方でもない第三者的な位置づけだっただろう日本が直接の脅迫相手にされた、イラク戦争時の捕虜殺害等とは一線を画す事案ですが、無論それには相応の理由もあるわけです。仮に何もなかったとしたら、普通の人質として関係者に身代金が要求され、あるいはそれを支払えば解放されて終わりだったものと想像される事案なのですから。
そうはならず、一線を画してしまった原因は明らか。安倍首相の中東訪問、その際に発表した政策や発言等の振る舞いに帰せられると言えるでしょう。すなわち、イスラエルとの協力関係構築を初め、中東での紛争関係国の一部に対する従来とは明確に異なる積極的な関与への政策転換と、IS敵対国の支援を明確にした多額の資金提供の決定、またその大々的な発表。これを以って、中東諸国を含め、世界から公式に日本はイスラエルの味方であり、ISの敵と認識される事になりました。ISにとっての敵、というだけですらなく。発言の内容、表現から言っても、誤解の類ではなく、むしろ安倍首相はそういう認識を広く周知させる事を意図したものと解釈する他ない振る舞いをしています。
そういう前提を踏まえれば、本件ISの脅迫も、敵対国へ攻撃を加えるにあたり、今ある手札で取りうる最も効果的な手段を選択し実行したに過ぎないものと理解出来るわけです。すなわち、国際社会から日本とISの敵対関係が認定されたが故の必然的な帰結と言えるでしょう。
で、実際にそういう事態に至ったわけですが・・・そこで曝け出されたのは、本件のように敵対側からの攻撃が実際に行われた場合、日本は何ら取りうる対策を有しないという事です。実力的手段は勿論の事、口頭の交渉すら殆ど不可能。訳が分かりません。そんな事は分かりきっていた、とは思うのですが、今回のように積極的な紛争への関与を打ち出すのなら、それなりの備えがあって然るべき筈、それが蓋を開けてみたら何も考えてませんでした、どうしようもないです、というのですから。幾ら何でもあんまりだと、その無謀、無能ぶりに眩暈がするのです。
集団的自衛権絡みで勇ましい事を言っていたのは何だったのでしょう。散々国民の安全を守ると軍事への備えを説いて組織も作り予算を注ぎ込んでおきながら、リアルな殺し合いには何の備えもなかったとか、笑い話にもなりません。もういいからお前ら全員行って何とかしてこいと。何ともならなかったらそのまま死んでこいと。元々信頼も期待もしてませんでしたから今更失望するわけでもありませんけれども、そのあまりの醜態には、いささか自棄な気分にもなろうというもの。
その上最悪な事に、上記紛争への関与表明等はもう取り返しがつかないのであって。最初から、ISとか区別せずに、紛争で被害を受けた人への人道援助として広く支援する、とか従来通りのスタンスにしておけばよかったものをと個人的には思うし、実際政府は脅迫後公式見解をその線に修正している様子ですが後の祭り。今後は国内でテロとかも冗談抜きにあり得るわけですけど、どうするんでしょうこれから。と言ってどうにもならないんでしょうけど。せめて私や私の知人友人の近くでは起こらない事を祈るばかりです。
Japan's Abe pledges support for Mideast countries battling Islamic State
(後日、追記)
そういう決定的な出来事があってから暫く。その間、事態は何も動かず、否、日本政府は何もする事が出来ず、ただ無意味な非難と解放要求の発信を繰り返すばかりでした。結果、人質の一人が予告通り殺害され、その一連の中で破格の広告効果があり、かつ反撃も無くISにとって安全である事が確認されたが故に、残った人質は広告塔として利用されています。おそらく、この先も相当期間に渡ってそのように利用され続ける事になるのでしょう。そして、その度に、日本社会はその解放を求め、それを受けて日本のメディアはISの要求を世界中に広報し、かつ日本政府はISの脅迫相手となる各国に対し働き掛ける事で、結果として日本全体が各国に対しISの要求に従うよう圧力をかける事にもなるのでしょう。あるいは、新たに日本人の人質を増やそうともするでしょう。取り返しが付かない、というのはそういうことなのです。逆に言えば、そうした利用価値があるが故に、日本人の人質は比較的殺されにくくなる面はあるでしょうけれども。。。気休めにもなりません。
(再追記)
と思っていたら、もう一人の人質もあっさり殺されてしまいました。ご丁寧に、今後の日本人を対象にしたテロの予告も添えて。交渉の余地が無い旨を知らしめる実績を積む事を優先したか、単にパイロットの方が交渉材料として直近の利用価値が高いと判断しただけの事か。いずれにせよ、日本はどうする事も出来なかったし、これからも何も出来ないのだろうから、大した違いもないのでしょうけれど。
[関連記事 [law] ISISに拘束された日本人に思う、武力措置の非現実性]
本件、元々中東の紛争には直接関与せず、おそらく当事者からはその他大勢の一つに過ぎず敵でも味方でもない第三者的な位置づけだっただろう日本が直接の脅迫相手にされた、イラク戦争時の捕虜殺害等とは一線を画す事案ですが、無論それには相応の理由もあるわけです。仮に何もなかったとしたら、普通の人質として関係者に身代金が要求され、あるいはそれを支払えば解放されて終わりだったものと想像される事案なのですから。
そうはならず、一線を画してしまった原因は明らか。安倍首相の中東訪問、その際に発表した政策や発言等の振る舞いに帰せられると言えるでしょう。すなわち、イスラエルとの協力関係構築を初め、中東での紛争関係国の一部に対する従来とは明確に異なる積極的な関与への政策転換と、IS敵対国の支援を明確にした多額の資金提供の決定、またその大々的な発表。これを以って、中東諸国を含め、世界から公式に日本はイスラエルの味方であり、ISの敵と認識される事になりました。ISにとっての敵、というだけですらなく。発言の内容、表現から言っても、誤解の類ではなく、むしろ安倍首相はそういう認識を広く周知させる事を意図したものと解釈する他ない振る舞いをしています。
そういう前提を踏まえれば、本件ISの脅迫も、敵対国へ攻撃を加えるにあたり、今ある手札で取りうる最も効果的な手段を選択し実行したに過ぎないものと理解出来るわけです。すなわち、国際社会から日本とISの敵対関係が認定されたが故の必然的な帰結と言えるでしょう。
で、実際にそういう事態に至ったわけですが・・・そこで曝け出されたのは、本件のように敵対側からの攻撃が実際に行われた場合、日本は何ら取りうる対策を有しないという事です。実力的手段は勿論の事、口頭の交渉すら殆ど不可能。訳が分かりません。そんな事は分かりきっていた、とは思うのですが、今回のように積極的な紛争への関与を打ち出すのなら、それなりの備えがあって然るべき筈、それが蓋を開けてみたら何も考えてませんでした、どうしようもないです、というのですから。幾ら何でもあんまりだと、その無謀、無能ぶりに眩暈がするのです。
集団的自衛権絡みで勇ましい事を言っていたのは何だったのでしょう。散々国民の安全を守ると軍事への備えを説いて組織も作り予算を注ぎ込んでおきながら、リアルな殺し合いには何の備えもなかったとか、笑い話にもなりません。もういいからお前ら全員行って何とかしてこいと。何ともならなかったらそのまま死んでこいと。元々信頼も期待もしてませんでしたから今更失望するわけでもありませんけれども、そのあまりの醜態には、いささか自棄な気分にもなろうというもの。
その上最悪な事に、上記紛争への関与表明等はもう取り返しがつかないのであって。最初から、ISとか区別せずに、紛争で被害を受けた人への人道援助として広く支援する、とか従来通りのスタンスにしておけばよかったものをと個人的には思うし、実際政府は脅迫後公式見解をその線に修正している様子ですが後の祭り。今後は国内でテロとかも冗談抜きにあり得るわけですけど、どうするんでしょうこれから。と言ってどうにもならないんでしょうけど。せめて私や私の知人友人の近くでは起こらない事を祈るばかりです。
Japan's Abe pledges support for Mideast countries battling Islamic State
(後日、追記)
そういう決定的な出来事があってから暫く。その間、事態は何も動かず、否、日本政府は何もする事が出来ず、ただ無意味な非難と解放要求の発信を繰り返すばかりでした。結果、人質の一人が予告通り殺害され、その一連の中で破格の広告効果があり、かつ反撃も無くISにとって安全である事が確認されたが故に、残った人質は広告塔として利用されています。おそらく、この先も相当期間に渡ってそのように利用され続ける事になるのでしょう。そして、その度に、日本社会はその解放を求め、それを受けて日本のメディアはISの要求を世界中に広報し、かつ日本政府はISの脅迫相手となる各国に対し働き掛ける事で、結果として日本全体が各国に対しISの要求に従うよう圧力をかける事にもなるのでしょう。あるいは、新たに日本人の人質を増やそうともするでしょう。取り返しが付かない、というのはそういうことなのです。逆に言えば、そうした利用価値があるが故に、日本人の人質は比較的殺されにくくなる面はあるでしょうけれども。。。気休めにもなりません。
(再追記)
と思っていたら、もう一人の人質もあっさり殺されてしまいました。ご丁寧に、今後の日本人を対象にしたテロの予告も添えて。交渉の余地が無い旨を知らしめる実績を積む事を優先したか、単にパイロットの方が交渉材料として直近の利用価値が高いと判断しただけの事か。いずれにせよ、日本はどうする事も出来なかったし、これからも何も出来ないのだろうから、大した違いもないのでしょうけれど。
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[biz] ヤマトメール便廃止の明らさまな建前
ヤマト運輸がメール便を廃止するそうですね。チェックが無い、もしくは甘いのをいい事にして大量の廃棄だとか未配だとか色々と酷い事件を頻発させ、その度に世間の顰蹙を買って来た同サービスですけれども、その料金の低さからリスク覚悟の小口通販で広く利用されて来ただけに、結構な規模の混乱が起こりそうです。当面の代替はゆうメールという事になるんでしょうけど、競合が撤退したとなってはこちらもいつまで継続されるか怪しいわけで、ユーザはメール便を利用する事業形態自体の見直しを考慮せざるを得ないでしょう。ご愁傷様です。
メール便自体は特に法規制がかかっているわけでもないし、廃止するのも事業者の勝手ですから、それはまあいいのですけれども、その表面上の理由としたところの「顧客が信書利用した場合に顧客が違法に問われるリスクをなくすため」という建前は不自然不合理極まりなく思われるのです。それは個々のユーザが責任を負うべき話であって事業者の責任ではありえません。別に幇助してるわけでもなし、件数もここ5年で一桁台に過ぎない、とあっては事業自体に問題があるとは到底言えないでしょう。まして継続の是非にかかる要素などとどうして評価し得るのか、全く以て理解出来ないところです。ヤマトは自分達が何を言っているのかわかっているのでしょうか。もしこの論理を是とする、すなわち顧客が違法に問われるリスクは絶対に許容出来ないとの立場を取るなら、そもそも日本郵便の信書便以外、民間の運送業自体が成り立たないだろう結論になるのです。それすなわち自己否定というものです。
ですが、流石に自殺する意図があったわけもないでしょう。であれば、今回の説明の方が建前と結論付ける他ないわけです。メール便事業の実態を見れば、その低料金から個別小口の利用について採算が取れていないだろう事は明らかで、これを廃止したいだろう事もまた明らかなのですし。後継サービスが法人の大口顧客に限定したものという点からしても、結局は単に個人客向けメール便サービスを廃止するだけの事です。
ただ、それを面と向かって言うと単なる営利目的で一方的にユーザへのサービス提供を廃止した、すなわちインフラ事業者としての社会的責任を放棄した形になって体裁が悪いし、とりわけユーザの反発も激しくなるだろうから、責任を利用者側に転嫁した表現を使って回避を試みた、というだけの事なのでしょう。よくある話だし別段違法でも無いのですけれども、臆面もなくそういう姑息な振る舞いを見せつけられるのはとても不愉快に感じるわけです。 こういうのは見えないところでやって頂きたいし、本件のように事案の重大さ等からそれが無理なのであれば、建前を取り繕うにしてももう少し考えて欲しいと思うわけです。こんな明らさまでは逆効果というものですよ。
ともあれ。本件の個人向けメール便廃止ですけれども。おそらくは昨今のコスト高に伴って値上げを検討した際、いっその事面倒な個人客は切り捨ててしまうのが最も採算的には良いだろうと判断したんでしょう。そういう傾向は他の業界でも顕著で、自然な流れとも言えるでしょうけれども、どうにも安直に思えてなりません。個々の企業の判断としては合理的でも、業界、また経済の全体からすればどうなんでしょうか。本件について言えば、需要、それもインフラ部分の、相当な規模のそれを切り捨てているのですから、素直に考えれば社会経済自体を相当に縮小させる方向なのではないでしょうか。と言ってもどうしようもないのですけれども。これも時代の流れと言うことなのかもしれませんね。やれやれです。
ヤマト、メール便廃止 利用者の「信書」同封防ぐ
メール便自体は特に法規制がかかっているわけでもないし、廃止するのも事業者の勝手ですから、それはまあいいのですけれども、その表面上の理由としたところの「顧客が信書利用した場合に顧客が違法に問われるリスクをなくすため」という建前は不自然不合理極まりなく思われるのです。それは個々のユーザが責任を負うべき話であって事業者の責任ではありえません。別に幇助してるわけでもなし、件数もここ5年で一桁台に過ぎない、とあっては事業自体に問題があるとは到底言えないでしょう。まして継続の是非にかかる要素などとどうして評価し得るのか、全く以て理解出来ないところです。ヤマトは自分達が何を言っているのかわかっているのでしょうか。もしこの論理を是とする、すなわち顧客が違法に問われるリスクは絶対に許容出来ないとの立場を取るなら、そもそも日本郵便の信書便以外、民間の運送業自体が成り立たないだろう結論になるのです。それすなわち自己否定というものです。
ですが、流石に自殺する意図があったわけもないでしょう。であれば、今回の説明の方が建前と結論付ける他ないわけです。メール便事業の実態を見れば、その低料金から個別小口の利用について採算が取れていないだろう事は明らかで、これを廃止したいだろう事もまた明らかなのですし。後継サービスが法人の大口顧客に限定したものという点からしても、結局は単に個人客向けメール便サービスを廃止するだけの事です。
ただ、それを面と向かって言うと単なる営利目的で一方的にユーザへのサービス提供を廃止した、すなわちインフラ事業者としての社会的責任を放棄した形になって体裁が悪いし、とりわけユーザの反発も激しくなるだろうから、責任を利用者側に転嫁した表現を使って回避を試みた、というだけの事なのでしょう。よくある話だし別段違法でも無いのですけれども、臆面もなくそういう姑息な振る舞いを見せつけられるのはとても不愉快に感じるわけです。 こういうのは見えないところでやって頂きたいし、本件のように事案の重大さ等からそれが無理なのであれば、建前を取り繕うにしてももう少し考えて欲しいと思うわけです。こんな明らさまでは逆効果というものですよ。
ともあれ。本件の個人向けメール便廃止ですけれども。おそらくは昨今のコスト高に伴って値上げを検討した際、いっその事面倒な個人客は切り捨ててしまうのが最も採算的には良いだろうと判断したんでしょう。そういう傾向は他の業界でも顕著で、自然な流れとも言えるでしょうけれども、どうにも安直に思えてなりません。個々の企業の判断としては合理的でも、業界、また経済の全体からすればどうなんでしょうか。本件について言えば、需要、それもインフラ部分の、相当な規模のそれを切り捨てているのですから、素直に考えれば社会経済自体を相当に縮小させる方向なのではないでしょうか。と言ってもどうしようもないのですけれども。これも時代の流れと言うことなのかもしれませんね。やれやれです。
ヤマト、メール便廃止 利用者の「信書」同封防ぐ
1/07/2015
[biz] 羽田空港のNEC製鳥検出システム、機能せずゴミに
2年ほど前羽田空港に導入された鳥の自動検出システムについて、著しい誤検出・検出漏れのために事実上放置状態にある旨報道がなされていますね。それで空港がどう対処しているかというと、昔ながらの人的対応すなわち目視による確認に戻ってしまっているそうです。
当該システムはレーダーと監視カメラを用いた、ごくスタンダードな画像認識ソリューションです。ベンダはNEC。一応当時世界初という事で、プレスリリースも発行されました。今となっては、世界初というのは単に技術的に可能な機能に需要が無かっただけの事だったのだろう等と思えてしまうのですが、それはともかく。価格は一式およそ10億円。元々の機能・機器構成の割にいささか高価な感があった本システムですけれども、価格に見合うどころか最低限の働きすら出来ずに粗大ゴミと化す惨状を晒したわけです。しかし飛行機を鳥と間違うとか、どういう事なの。。。
この手の自動認識システム、メーカーの建前を真に受けて導入したところ、いざ実運用してみたらエラー頻発で使い物にならない、なんて事はよくある話ではあるのですが、用途が用途だし、そこそこの額の公金を使った案件でもあるために、社会的にそれ相応の落とし前を付ける必要はあるという事でしょう。こうして世間の批判に晒される運びとなってしまいました。直接の担当たる羽田空港の関係者、またおそらくは関与しただろう国交省の面々にはいい恥さらしですね。
といって、彼らもおそらくはNECの誇大広告的セールストークに乗せられてしまったところはあるでしょうから、多少は同情する余地も無いではないのかもしれませんが。しかしそれ以前にも顔認証等で散々に引っ張りまわされ、税金を搾取された挙句に白を切られておきながら、の話でもあるわけで。学習能力が絶望的に欠けているのか、逆に救えない程にNECと癒着していると言う事なのか、それともその両方か。いずれにしても関係者は須く救い難いまでの愚か者揃いだと言う他無く思われるところです。実用に耐えるか位、導入する前に検証しておけば回避も出来たでしょうにね。やれやれです。
先日お手盛りの実証実験で無理やりお墨付きを出し、さらに巨額の税金を注ぎ込んで導入される見込みとなった所の顔認証システムについても、実用に耐える能力が無いだろうハリボテ技術な点では同じですし、その結果もおそらくは本件と類似した帰結に至る可能性は非常に高いものと予想されます。問題は、その影響の及ぶ範囲、程度が共に本件とは桁違いに広くまた深刻になるだろう点でしょうけれども、それでもNECは無責任を貫くのだろうでしょうか。きっとそうなるのでしょう。想像するだに暗鬱たる気持ちにならざるを得ないのです。
しかしねえ。この手の話って、どれも紛う事なき詐欺なのに、何故繰り返し起こっては何事も無かったかのように見過ごされるんでしょう。いい加減予防なり事後罰なり、司法による歯止めが掛けられて然るべきだと思うのです。さしあたっては、国交省は本件に関してNECに損害の賠償を請求する位はして頂きたいところなのですが、さて。
ちなみに、本件システム導入時のプレスリリースはこちら。アレもコレも出来ると言いつつ、具体的な検出率とか性能に一切触れてない辺り、確信犯的でとてもテンプレな感じです。
NEC、鳥位置検出ソリューションを国内外で販売開始
10億円かけた羽田の鳥衝突防止装置、機能せず
[関連記事 [IT] 顔認証による入出国実証実験結果の出鱈目さに脱力]
[関連記事 [IT] 顔認証による入出国自動化に性懲りもなく復活の試み]
[関連記事 [IT] 顔認証による入出国自動化、廃案]
当該システムはレーダーと監視カメラを用いた、ごくスタンダードな画像認識ソリューションです。ベンダはNEC。一応当時世界初という事で、プレスリリースも発行されました。今となっては、世界初というのは単に技術的に可能な機能に需要が無かっただけの事だったのだろう等と思えてしまうのですが、それはともかく。価格は一式およそ10億円。元々の機能・機器構成の割にいささか高価な感があった本システムですけれども、価格に見合うどころか最低限の働きすら出来ずに粗大ゴミと化す惨状を晒したわけです。しかし飛行機を鳥と間違うとか、どういう事なの。。。
この手の自動認識システム、メーカーの建前を真に受けて導入したところ、いざ実運用してみたらエラー頻発で使い物にならない、なんて事はよくある話ではあるのですが、用途が用途だし、そこそこの額の公金を使った案件でもあるために、社会的にそれ相応の落とし前を付ける必要はあるという事でしょう。こうして世間の批判に晒される運びとなってしまいました。直接の担当たる羽田空港の関係者、またおそらくは関与しただろう国交省の面々にはいい恥さらしですね。
といって、彼らもおそらくはNECの誇大広告的セールストークに乗せられてしまったところはあるでしょうから、多少は同情する余地も無いではないのかもしれませんが。しかしそれ以前にも顔認証等で散々に引っ張りまわされ、税金を搾取された挙句に白を切られておきながら、の話でもあるわけで。学習能力が絶望的に欠けているのか、逆に救えない程にNECと癒着していると言う事なのか、それともその両方か。いずれにしても関係者は須く救い難いまでの愚か者揃いだと言う他無く思われるところです。実用に耐えるか位、導入する前に検証しておけば回避も出来たでしょうにね。やれやれです。
先日お手盛りの実証実験で無理やりお墨付きを出し、さらに巨額の税金を注ぎ込んで導入される見込みとなった所の顔認証システムについても、実用に耐える能力が無いだろうハリボテ技術な点では同じですし、その結果もおそらくは本件と類似した帰結に至る可能性は非常に高いものと予想されます。問題は、その影響の及ぶ範囲、程度が共に本件とは桁違いに広くまた深刻になるだろう点でしょうけれども、それでもNECは無責任を貫くのだろうでしょうか。きっとそうなるのでしょう。想像するだに暗鬱たる気持ちにならざるを得ないのです。
しかしねえ。この手の話って、どれも紛う事なき詐欺なのに、何故繰り返し起こっては何事も無かったかのように見過ごされるんでしょう。いい加減予防なり事後罰なり、司法による歯止めが掛けられて然るべきだと思うのです。さしあたっては、国交省は本件に関してNECに損害の賠償を請求する位はして頂きたいところなのですが、さて。
ちなみに、本件システム導入時のプレスリリースはこちら。アレもコレも出来ると言いつつ、具体的な検出率とか性能に一切触れてない辺り、確信犯的でとてもテンプレな感じです。
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1/06/2015
[biz] トヨタの特許無償化に透ける水素車事業の行き詰まり
これは吃驚。トヨタ本体が保有する水素燃料車関連の特許5680件について、相手を問わず無償で公開、提供される事になったんだそうです。
部品メーカー等、子会社の保有する特許は対象外だし、一部を除いて2020年までの期限付きではありますけれども、利用者の資格を問わず全て使い放題。特許は保有にも相応のコストがかかる事からしても、競合他社に寄付をするに等しい、極めて異例な話ですね。といっても、競合する大手自動車メーカーとの関係で言えば、元々クロスライセンスで相殺するなり、開発時点で住み分けが図られていて、それ程大きいメリットがあるとも限りませんから、これは実質的に、主にベンチャーや他業種等の新規参入組向けの話、という事でしょうか。トヨタのリリース中の記載を読むに概ねそういう解釈で正しそうです。
とはいえ、水素燃料車は延々と開発を引っ張った挙句にようやくトヨタがmiraiをリリースしたところで、商業的にはそれ以外の実績は事実上無いも同然だし、これから普及を図るにあたっては周知の通りの課題すなわち、触媒に白金を必須とする事による高コスト性と、また燃料としての水素供給のための諸々のインフラが全く整備されておらず、またその設置コストも一件あたり数億円と、競合する電気自動車の充電設備と比較しても桁違いに高く、整備困難な点が致命的な障壁として聳え立っているのでありまして。それらを悉く乗り越えない事には特許を保有する益はないわけです。しかしながら現時点では解決の目処すら立っていないそれらの課題の難度と、仮にクリアするにしてもそれに必要となるだろうリソース、殊に時間を考慮すると、モノになる前に特許切れになってしまう可能性が高いのですね。
そういう事情を考慮すると、このまま特許を後生大事に抱えていても意味はない、ならばいっそ課題解決のためのツールとして役立てるべく放出してしまおう、というような考え方は確かに成立し得るでしょう。それで広く新規の協力を募りつつ、併せて競合他社にも同様のアクションを促し、基盤の整備を推進しよう、と。そういう事なら、理屈としては分からなくもありません。
ただまあ、そうだとしても、その辺は建前なんだろうなと。というのはそもそもの話、この辺の知財とかはあくまで補助的というか、少なくとも諸々の根本的な問題を解決するものではないのであって。触媒等の技術的な課題については当然それを解決する技術が必要になりますが、その開発についてトヨタは白旗を挙げたものと解釈する他ないし、インフラ整備にしても、その膨大な設備投資には民間に担い手が必要になるわけで、仮に成功すれば巨大な利益が見込めるにも関わらず、自ら担おうとはせずに他所に丸投げした、と言う事はすなわち、採算が採れるとは考えていないものと読む他ない話なわけで。
結局のところ、水素車自体、事業として成立する見込みが薄く、ぶっちゃけ出来ません、と宣言したようなものだと思うのです。ハイブリッドを投入した時のやり方と比較すれば明らかですけれども、実際、本当に事業として成立させる成算があるのなら、トヨタ単独進める事も厭わなかったでしょう。それを可能にする規模もリソースもあるし、後発というわけでもないのですし。しかるに、そのトヨタをして匙を投げるような問題を、他社、いわんや新規参入組に解決出来るだろうか、というと。。。その可能性は極めて小さいものと考えざるを得ません。
そんな本件。一見前向きに見える施策ではあるものの、一方で同時に水素車全体の先行きの暗さをも浮かび上がらせるものなのでありました。自治体や政府はミライ発表からこっち、補助金をえらい勢いで注ぎ込んでるようですが、高確率でトヨタに無駄金をバラ撒いただけで終わりそうです。といってこの種の建前ドリブンな案件の常として一旦動き出してしまうとしばらくは引き返せないんでしょう。残念な話ですが。
Toyota shares its fuel cell patents to help its hydrogen dreams come truets
部品メーカー等、子会社の保有する特許は対象外だし、一部を除いて2020年までの期限付きではありますけれども、利用者の資格を問わず全て使い放題。特許は保有にも相応のコストがかかる事からしても、競合他社に寄付をするに等しい、極めて異例な話ですね。といっても、競合する大手自動車メーカーとの関係で言えば、元々クロスライセンスで相殺するなり、開発時点で住み分けが図られていて、それ程大きいメリットがあるとも限りませんから、これは実質的に、主にベンチャーや他業種等の新規参入組向けの話、という事でしょうか。トヨタのリリース中の記載を読むに概ねそういう解釈で正しそうです。
とはいえ、水素燃料車は延々と開発を引っ張った挙句にようやくトヨタがmiraiをリリースしたところで、商業的にはそれ以外の実績は事実上無いも同然だし、これから普及を図るにあたっては周知の通りの課題すなわち、触媒に白金を必須とする事による高コスト性と、また燃料としての水素供給のための諸々のインフラが全く整備されておらず、またその設置コストも一件あたり数億円と、競合する電気自動車の充電設備と比較しても桁違いに高く、整備困難な点が致命的な障壁として聳え立っているのでありまして。それらを悉く乗り越えない事には特許を保有する益はないわけです。しかしながら現時点では解決の目処すら立っていないそれらの課題の難度と、仮にクリアするにしてもそれに必要となるだろうリソース、殊に時間を考慮すると、モノになる前に特許切れになってしまう可能性が高いのですね。
そういう事情を考慮すると、このまま特許を後生大事に抱えていても意味はない、ならばいっそ課題解決のためのツールとして役立てるべく放出してしまおう、というような考え方は確かに成立し得るでしょう。それで広く新規の協力を募りつつ、併せて競合他社にも同様のアクションを促し、基盤の整備を推進しよう、と。そういう事なら、理屈としては分からなくもありません。
ただまあ、そうだとしても、その辺は建前なんだろうなと。というのはそもそもの話、この辺の知財とかはあくまで補助的というか、少なくとも諸々の根本的な問題を解決するものではないのであって。触媒等の技術的な課題については当然それを解決する技術が必要になりますが、その開発についてトヨタは白旗を挙げたものと解釈する他ないし、インフラ整備にしても、その膨大な設備投資には民間に担い手が必要になるわけで、仮に成功すれば巨大な利益が見込めるにも関わらず、自ら担おうとはせずに他所に丸投げした、と言う事はすなわち、採算が採れるとは考えていないものと読む他ない話なわけで。
結局のところ、水素車自体、事業として成立する見込みが薄く、ぶっちゃけ出来ません、と宣言したようなものだと思うのです。ハイブリッドを投入した時のやり方と比較すれば明らかですけれども、実際、本当に事業として成立させる成算があるのなら、トヨタ単独進める事も厭わなかったでしょう。それを可能にする規模もリソースもあるし、後発というわけでもないのですし。しかるに、そのトヨタをして匙を投げるような問題を、他社、いわんや新規参入組に解決出来るだろうか、というと。。。その可能性は極めて小さいものと考えざるを得ません。
そんな本件。一見前向きに見える施策ではあるものの、一方で同時に水素車全体の先行きの暗さをも浮かび上がらせるものなのでありました。自治体や政府はミライ発表からこっち、補助金をえらい勢いで注ぎ込んでるようですが、高確率でトヨタに無駄金をバラ撒いただけで終わりそうです。といってこの種の建前ドリブンな案件の常として一旦動き出してしまうとしばらくは引き返せないんでしょう。残念な話ですが。
Toyota shares its fuel cell patents to help its hydrogen dreams come truets
12/24/2014
[law] 警察と市民が殺し合う米国
先日NYで起きた警官の射殺事件は明らかに決定的でした。警察側からすれば、黒人市民は全て警官の命を脅かすテロリスト、という事になったわけです。黒人側から見た警官のそれと同じように。結果、双方の疑心暗鬼は際限なく深まり、そして、黒人市民もまた無力ではなく、銃を所持している以上、その対立は感情的なものに止まらず、従来なら起こり得なかった筈の致命的な衝突すなわち、市民と警察とが互いに際限なく殺し合いを続ける、という最悪の形で現実化するだろう事も、殆ど避け難いものに思われるところです。
ただ、当然ながら両者の関係は対称的ではなく、元より警察側に著しく偏ったものにつき、その威力がさらに強化され、防衛のためと称して誤用あるいは濫用される結果、死者はこれからも主として黒人市民側に発生し続けるのでしょう。そして、それより遥に少ないながら、警察側にも死者が発生し、それがさらなる殺人の増加を導くのだろうと予想されるのです。しかもそれが分かっていながら、その是正はなされません。結果として、既にその兆候は複数現れているようです。Missouri州Berkeleyではまたしても十代の黒人青年が警察官に射殺されました。
本来守るべき市民を、その担い手である筈の警察が積極的に殺しているわけです。これは到底個別独立の突発的な事件と評価する事は出来ず、すなわち社会の秩序、法の公平や正義といった、社会の拠って立つべき基盤もまた、致命的に破壊されていると言えるでしょう。他人事ではありますが、その救い難い愚かな社会の有り様には、侮蔑の念を禁じ得ません。
尤も、殺し合うのも当人達の勝手ではあります。ただ、長きに渡って、justiceのため安全のため、と綺麗事を並べ立て、米国民を守る、として散々対立する他国の権利、またその市民の人命・人権を蹂躙して来た当人達が、いざ自分たちの事になればそんな事は知ったことかと言わんばかりに自らの犯罪を正当化し、自国の、それも弱者たる市民を平然として殺して責任も問わない。それも、大統領自らも加担するのですから。いっそ滅んでしまえばいいのですそんな国。
Police shoot dead black teen in Missouri
[関連記事 [law] NYPDの警官2人が襲撃され死亡、容疑者自殺]
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ただ、当然ながら両者の関係は対称的ではなく、元より警察側に著しく偏ったものにつき、その威力がさらに強化され、防衛のためと称して誤用あるいは濫用される結果、死者はこれからも主として黒人市民側に発生し続けるのでしょう。そして、それより遥に少ないながら、警察側にも死者が発生し、それがさらなる殺人の増加を導くのだろうと予想されるのです。しかもそれが分かっていながら、その是正はなされません。結果として、既にその兆候は複数現れているようです。Missouri州Berkeleyではまたしても十代の黒人青年が警察官に射殺されました。
本来守るべき市民を、その担い手である筈の警察が積極的に殺しているわけです。これは到底個別独立の突発的な事件と評価する事は出来ず、すなわち社会の秩序、法の公平や正義といった、社会の拠って立つべき基盤もまた、致命的に破壊されていると言えるでしょう。他人事ではありますが、その救い難い愚かな社会の有り様には、侮蔑の念を禁じ得ません。
尤も、殺し合うのも当人達の勝手ではあります。ただ、長きに渡って、justiceのため安全のため、と綺麗事を並べ立て、米国民を守る、として散々対立する他国の権利、またその市民の人命・人権を蹂躙して来た当人達が、いざ自分たちの事になればそんな事は知ったことかと言わんばかりに自らの犯罪を正当化し、自国の、それも弱者たる市民を平然として殺して責任も問わない。それも、大統領自らも加担するのですから。いっそ滅んでしまえばいいのですそんな国。
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12/21/2014
[law] NYPDの警官2人が襲撃され死亡、容疑者自殺
ついに起こってしまいましたか。。。New York、Brooklynでパトカーに乗って勤務中の警官2人が銃を持った男に襲撃され、共に死亡したそうです。
被害者の警官は Wenjian LiuとRafael Ramos、それぞれ勤続7年と2年。容疑者は28歳の黒人Ismaaiyl Brinsley、襲撃後に頭を撃って自殺した、とのこと。
犯人が事前に発信していた諸々のメッセージを考慮するまでもなく、原因の一端が警察、警官による人種差別的殺人への報復にあるだろう事に疑いの余地は殆どないでしょう。ここ数ヶ月、Fergusonの件を発端に、NYでも警官が丸腰の黒人を死亡させておきながら当該警官らは裁判にすらかからない、という、到底妥当とは考えられない事案が続き、即デモと暴動を発生させていた事は周知の通りです。しかも大統領含め誰一人としてそれを正そうとするどころか被害者の反発を非難するだけという、緩和が絶望的に思える程に悪化する人種対立の最中にあって、もはや多くの黒人については敵対感情にまで至っていただろうそれを考慮すれば、この種の私刑が発生するのも時間の問題だったと言えるでしょう。
すなわち本件は、犯罪性の強い行為、少なくとも多くの市民はそう捉えている事案を人種と地位に基づく特権により恣意的に不問にし、その結果発生した深刻な対立状況をただ威力をもって抑止するのみで実質的に漫然と放置した米司法ならびに政府の失敗あるいは自業自得と言う他ないものなわけです。
といって、あれだけの殺人を犯しながら単なる身内の擁護と責任逃れに終始して来た米司法が法制等の本質的転換に踏み込むとは考え辛く、おそらくはこの期に及んでも現状のまま、せいぜいが警官の装備や体制の強化をするだけで終わり、実質的な放置もしくはさらなる悪化が継続されるものと思われるわけですが。結果、その報いも余計に増える事になるのでしょう。その救い難い愚かさ加減には呆れるばかりなのです。他人事ですけど。
Two Police Officers Fatally Shot in Brooklyn; Suspect Is Found Dead
Officer’s Errant Shot Kills Unarmed Brooklyn Man
Grand Jury Declines To Indict NYPD Officer In Chokehold Death Of Eric Garner
[関連記事 [law] 米Missouri州Fergusonの白人警官による黒人少年射殺事件、不起訴決定で即暴動]
被害者の警官は Wenjian LiuとRafael Ramos、それぞれ勤続7年と2年。容疑者は28歳の黒人Ismaaiyl Brinsley、襲撃後に頭を撃って自殺した、とのこと。
犯人が事前に発信していた諸々のメッセージを考慮するまでもなく、原因の一端が警察、警官による人種差別的殺人への報復にあるだろう事に疑いの余地は殆どないでしょう。ここ数ヶ月、Fergusonの件を発端に、NYでも警官が丸腰の黒人を死亡させておきながら当該警官らは裁判にすらかからない、という、到底妥当とは考えられない事案が続き、即デモと暴動を発生させていた事は周知の通りです。しかも大統領含め誰一人としてそれを正そうとするどころか被害者の反発を非難するだけという、緩和が絶望的に思える程に悪化する人種対立の最中にあって、もはや多くの黒人については敵対感情にまで至っていただろうそれを考慮すれば、この種の私刑が発生するのも時間の問題だったと言えるでしょう。
すなわち本件は、犯罪性の強い行為、少なくとも多くの市民はそう捉えている事案を人種と地位に基づく特権により恣意的に不問にし、その結果発生した深刻な対立状況をただ威力をもって抑止するのみで実質的に漫然と放置した米司法ならびに政府の失敗あるいは自業自得と言う他ないものなわけです。
といって、あれだけの殺人を犯しながら単なる身内の擁護と責任逃れに終始して来た米司法が法制等の本質的転換に踏み込むとは考え辛く、おそらくはこの期に及んでも現状のまま、せいぜいが警官の装備や体制の強化をするだけで終わり、実質的な放置もしくはさらなる悪化が継続されるものと思われるわけですが。結果、その報いも余計に増える事になるのでしょう。その救い難い愚かさ加減には呆れるばかりなのです。他人事ですけど。
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