8/27/2013

[PC] Ubuntuの壁紙表示モードを修正

気づいたのがついこの間の事なのでいつからなのかはわからないのですが、普段使ってるUbuntu13.04のPCで、壁紙の表示形式がいつものアスペクト保持縮小から等倍切り出しに変わってしまってたのです。当然、gnomeの壁紙設定メニューから修正しようとしたのですけれども、そしたらGUIが下図のような感じに仕様変更されて、表示形式の設定項目が無くなってるんです。


これでは修正が出来ません。ちなみに元の画像は下のような感じ。上図では中央部分だけが切り出されて等倍表示されてしまっています。なお下図のウィンドウは上図のウィンドウの画像部分をクリックすると遷移する選択画面のうち、画像指定をするところです。タブレット系を意識したシンプルな画面構成が流行りな昨今にしても、設定画面でこれはシンプル過ぎる気がするんですが。

  

何でこんな事に?って考えても無駄だし、しょうがないなあ、とぼやきつつ他の手段で変更することに。どうするかというと、gnomeの内部設定を直接変更します。コマンドラインからgsettingsコマンドでも構いませんが、項目を一字一句覚えておくのも億劫なので、GUIツールのdconf-editorを使用します。コンソールから下記コマンドで起動です。

$ dconf-editor

もしdconf-editorが無ければ、apt-getしておきます。

[ dconf-editorインストールコマンド ]

$ sudo apt-get install dconf-tools

で、目指す項目はorg.gnome.desktop.background中のpicture-optionsです。下図のように辿ります。"wallpaper"になってます。


この値の部分をクリックするとドロップダウンリストが表示されて、そこから選択変更出来るようになっています。従来の表示形式は全て設定可能ですが、私の希望はアスペクト保持拡縮モードなので、"scaled" に変更します。


するとめでたく元通り。


こんだけの事です。標準の状態で使っていれば問題ない話なのかもしれませんが、何となくgnomeが見捨てられたような気がして、であれば若干残念な気もする次第なのです。というかそもそも何で設定GUIを変更したのやら。新しいGUIを見る限り、変更する意味は何処にも無いように思うんですけれども。。まあ考えても詮無い話ですかね。

8/26/2013

[IT] 2ちゃんねる有料登録者情報流出で

まさに阿鼻叫喚。悪名高き匿名掲示板2ちゃんねるの有料サービス登録者数万人分のクレジットカードを含む登録情報が流出してえらい騒ぎです。正確には公式ビューア通称●の運営企業N.T.Technologyがやらかした形ですが、ここは実質的に2ちゃんねるの運営と一体と見るべきでしょう。某自称元管理人氏の所得隠し摘発等と丁度時期が重なっていいタイミングだから、って色々とガサ入れなり規制なり、手を入れようとか何とかする動きが強まるかもしれませんね。

それはともかく。本件については、元々虚偽に溢れた掲示板なところ、過去の書き込みデータも流れただとか色々嘘臭い情報も飛び交って何が何処まで本当なのか、もうわけがわかりません。クレジットカードの番号、あと少なくとも一部のセキュリティコードまで漏れた事は事実のようですが。エクスコムグローバルの件があったのにまだセキュリティコード保存してたのかよと驚かされつつ、しかし多くの人が指摘するように、各ユーザ個人にとって本件の最も深刻な問題は、おそらく2ちゃんねるで課金までして活動をしていた事実そのもの、それが暴露された点にあるものと思われます。

有料登録する位だから余程のコアユーザなんでしょうし、いやもう社会的に致命傷になりかねない人とか結構いると思うんですけど、大丈夫なんでしょうか。もっとも、2ちゃんねるの書き込みの大半は誹謗中傷に溢れた、とても擁護出来ない内容だし、このご時世にこういう事態を想定出来なかった時点でほとんど同情の余地は見出し難く思われるわけなんですけれども。まあ個人的には、その書き込み内容から余程の被害が出たとかでもなければどうでもいいかな、とは思います。でもこれ幸いと色々やっちゃう人が沢山いるんでしょうから、大変ですね。南無。

2ちゃんねる自体は潰れようが生き延びようがどうでもいいです。まあこれだけプレゼンスが確立されたサイトなんだし、今の運営が潰れても、事業自体は何処か拾う所もあるでしょうから、まず消えはしないんでしょうけど。

[関連記事 [biz law] Wifiルータレンタルのエクスコムグローバル社、ユーザ情報10万件超漏洩 ]

[PC] New Nexus7の国内価格高すぎ

待望の新型Nexus7国内価格及び発売日決定!という事でいそいそと確認に言ってきたわけですが。そこで目にしたものはWifi版16GBで27800円、旧版19800円から4割値上げされたプライスタグ。

大方の予想は上限で24800円あたりだった筈なので、間違いなくほぼ全ての人が高いと感じたでしょう。いや、SnapdragonとWUXGA液晶の採用、あとメモリ等の部材価格高騰と、現状の為替相場を反映し、為替先高に備えた若干のマージンを加えると、まああり得なくもない値段ではあるんですが、旧Nexus7は戦略的な価格を唯一最大の売りとしてきただけに、コンセプトががらっと変わってしまったようにも感じられて残念です。32GB版もLTE版もさらに割高な感じですし。

元々7インチのような小さい画面にそこまでの高精細液晶は必ずしも効果的とは言い難いのだし、これだと大部分の人が1万円台の競合機種に流れてしまいそうに思われるところですが、どういうつもりなんでしょう。まあiPadmini以外は無視、って事なのかもしれませんが、それにしたって元々のブランド力に圧倒的な差があるのだから、価格面で差が殆ど無いとなると、マニアックなユーザーはともかくも一般向けとしては勝負にならないのでは、とも。さてどうなることやら。とりあえず旧機種並のシェア獲得は望み薄だし個人的なニーズもないので、私は見送り決定です。

8/23/2013

[IT biz] 米Nasdaqがダウン

米ナスダックが突如として約3時間も全停止。言わずと知れた先端株取引における世界の中心、それがこれほどの長時間に渡って停止した事実自体は無論洒落にならないものです。が、システム全体が完全に停止したため、各銘柄も障害の発生時に取引価格が瞬間的に凍結され、復旧後は何事も無かったかのような安定した動きを示している所を見る限り、今のところ機会逸失以外の目立った特段の損害は見られず、障害の規模の割にはましな結果に止まったと言えそうにも思われなくもありません。予め障害時にはこういう止まり方をするように設計してたとか?それは流石にまさか、ですかね。

原因等は現時点で不明とのことで、早急な究明と公表、対策が待たれます。直前にApple株が急落していた事を取り上げて本件との関係を疑う声とか、色々怪しい情報が飛び交って鬱陶しいので。しかし、この手の障害は東証はじめ日本国内市場の専売特許かと思っていましたが。Nasdaqよお前もか、ととても残念な気分です。というより、以前旧大証の先物で大規模な障害をやらかしたシステムの本家がこのNasdaq OMX Groupだったし、遂にとかやっぱりとか言うべきところなんでしょうか、とか。

いずれにせよ、この規模の障害は滅多になかった、というかおそらくNasdaqとしては初めての事態なので、その後始末、再発防止等に、金融取引の中心、またITシステムの本家本元としてのらしさを見せるのか否か、興味津々なのであります。どう裁くのかな。

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その後発表されたNasdaqの声明では、原因は証券各社を繋ぐ価格情報処理システム(SIP)の不具合という事だそうで。それは旧大証の時の障害箇所と重なるわけで、おいおいおい国外の事とは言えあれだけの事があって放置してたのかよ、と驚愕を禁じ得ません。これだとOMX社の過失の度合いが格段に上がってしまって損害賠償請求も大変な事になりそうに思われるんですけれども。全く以って大丈夫じゃないですよね。各方面からの追求激化も必至、さてどうなる。

The NASDAQ's Statement On Today's 3-Hour Trading Halt Is Incredibly Vague

NASDAQ HALTS TRADING FOR THREE HOURS
NASDAQ RESUMES TRADING AFTER UNPRECEDENTED HALT

米ナスダック、売買停止3時間 異例のシステム障害

8/19/2013

[pol] PRISMを通して見えたアメリカ、不誠実の国

Edward Snowdenの暴露に端を発したPRISMの件で、今更ながら思うところを少し。

本件を端的にまとめると、米国家安全保障局(NSA)が2007年から長年に渡りGoogle(Youtube含む),Microsoft,Facebook,Apple,Yahoo!,AOL,Skype,PalTalk等の米国に拠点を持つ大手ITサービス企業と結託してインターネット上の情報の相当割合を監視するプロジェクトPRISMを運営していた事実が元NSA職員のEdward Snowdenにより暴露された、というものですね。

発覚を受けて、フランスが即時廃止を求める等、諸外国からの反発を受けたものの、元よりPRISMに協力していた英国では適法との見解が出され、米国内では国民の過半数の支持を得て、また政府も公認を与えて開き直り、協力企業各社も事実上追認し、批判に晒されながら現在も運営は継続され、上記各社のトラフィックは引き続き当局の監視下に置かれているわけです。

さて。Snowdenの身柄を巡る綱引きや政府の監視に対する反発、擁護の各意見、その経過等については既に山ほど記事が出されていますから今更述べようとは思いません。ただ、米国外の一個人として、この件が持つ意味について、多少なりと思うところがないわけではないのです。

まず、本件PRISMプロジェクト自体の是非については、その国民の支持と政府の公認がある以上、その活動が米国内に留まる限り、外国人が特に何も言うことはないでしょう。国内政策なのですから、その国の人間が好きにすればいい事です。テロの防止を優先させるという理由にも、米国の現状を踏まえれば相応の妥当性が認められない事もない、ように思います。

しかし、対外的な関係に与える影響に関しては看過し難いところです。例えば、米政府の従来の姿勢、殊に中国等の諜報行為に対して公然と加えてきた非難等については、己の行為を棚に上げてよくもあのような非難が出来たものだと。正義も正当性も、米国が口癖のように使うFairnessも、全てが欠片も無かった事が明らかとなった今、極めて強い軽蔑の感を禁じ得ません。もはやこれから先、米国が"Justice"を主張しても、その言葉を信じる事は不可能に思われる程です。

協力した民間企業についても、政府と国家の安全保障という公共の利益のため、という理由にはそれなりの妥当性が認められますし、やはり各企業の施策なのですからするもしないも自由です。しかし、その膨大な、ほとんど全世界全ての顧客の信頼を裏切った事は事実なのです。ハッキングを不正と糾弾し、その対策が万全であり秘匿性は十分だとして顧客と契約しておきながら、全業務データを秘密裏に外部の監視に供する、これを裏切りと呼ばずして何を裏切りと呼ぶというのでしょうか。

当然その報いは小さいものではあり得ません。民間企業では特にクラウド等の顧客データを直接預かるサービスに対し、本件に伴ってEU圏の顧客が米国外のサービスに乗り換えるだけで年あたり兆単位の逸失が発生するとの見積りも出ているようですが、当然の結果と思われます。信頼出来ないサービスなど、使うのは何も知らない愚か者か、そうしなければならない絶対的な理由がある不幸な者くらいでしょうから。

もっとも、PRISMが未だ些かの修正を加えられる事すらなく、依然として稼働し続けているところを見ると、各企業も、そのような経済的な損失は認識した上で、それよりも監視への協力の方が重要だと考えているんでしょう。それならそれで一つの経営判断というもの、特に外部がとやかく言う筋合いは有りません。事業にとって殆ど致命的となるだろうその巨額の損失、また企業存続の基礎たる顧客の信頼までもを犠牲にした判断、その合理的な理解は極めて困難に思われますし、しかも、そのような判断を米国IT産業の殆ど全てと言ってもいい程の大企業群が揃って下している事実は、こうして眼前に突きつけられてなお信じ難く思われるところなのですが。

要するに、私個人にとって、本件の本質は、米国は政府も民間も、共に隣人や顧客に公然と裏切りを働き、露見した後も開き直って恥じることもない不誠実な人だらけである、その事を強く認識させられてしまった点にあるように思うのです。そして、その事に私は裏切られたと感じているのだと思うのです。思ったより強く。極めて残念な事ですが、私が信じていた米国は、もはや建前としてすら存在しないらしいのです。いいのです、それでも。所詮は他国、他人なのですから。自分の利益を全てに優先し、その為に他者を侮辱し、手酷く裏切っても、何も不思議はありません。ただ、残念なのです。米国も、中国と同じか、ある意味ではそれ以下と言うべき程に不誠実な国である、とそう認識せざるを得なくなった事が。

今にして思えばGoogleは当初から公言していました。ネット上に秘密など存在しないと。公にしたくない事は、そもそもネットや公共の耳目のあるところでしてはいけないと。長年非難を受け続けてきたその"Do Evil"を公認する事が、実はそれが、米国企業としては相対的にせよ最も誠実な態度であったとは、何という皮肉でしょうか。

[biz] 福知山花火大会の出店爆発事故の影響、これから

福知山の花火大会における爆発事故、残念ながら重傷者が複数死去する惨事に至り、また同時に出店の保安に関して運営側の管理、予防体制が皆無に等しかった事実も早々に確定し、そのあまりに大きい瑕疵を前にして、社会的にもこのまま単なる一業者の過失による事故としては到底片付けられないものと思われるわけですが、その予想される具体的な影響について少し。

まず責任の所在について。当然ながら第一に直接の責任は当の事故を起こした出店の業者にある事は明白です。その他に責任を負うものがなければ、後は被害者と当該業者の間のみで完結すべき話になるわけです。具体的には民事による賠償と刑事による業務上過失傷害致死です。この部分には一般の事例と比較して本件に特段の問題があるわけではありません。

しかし、この種の屋台は通常の独立した店舗ではなく、イベント運営の一環として営まれていた事で、当然にその運営組織全体にも一般の管理責任が生じています。それら組織の本件事故に関する責任が否定されるには、予防等の十分な措置が講じられていた必要があるわけですが、報道を見る限り十分どころかほぼ皆無であったものと考えざるを得ず、従って運営組織側にも民事の責任は認められ、刑事についても現時点で否定は困難であろうものと思われるところです。

すなわち、運営と業者は連帯責任にあるわけで、また本件屋台の加入していた損害保険の上限額は1000万程度との情報が事実であれば不足する賠償の補填を求めるだろう結果、今後提起されるだろう損害賠償請求訴訟においては当然に双方が被告となるだろう事はほぼ確実でしょう。有責性は殆ど争う余地もないでしょうから、問題は認容額の程度でしょうけれども、さてどうなるか。
 
さて。以上が本件単体に予想される先行きですけれども、この想定を踏まえると、色々と同種のイベント運営一般に影響が及ぶだろう事が予想されます。というのも、この種の出店、また運営のあり方は、縁日をはじめ、日本全国のあらゆるイベントに凡そ共通するものだからです。

本件運営組織である福知山商工会議所は、前記の責任を追求される結果、賠償等とは別に、今後の同種イベント運営において、相当の予防措置を義務付けられるでしょう。業者に対する安全確保体制の点検並びに各種証明提出、無制限の保険加入あたりはまず確実に義務化されるものと予想されます。そして、同様の出店について、全国で同様の規制がかかるでしょう。法制化されるか否かは不明ですけれども、社会的な圧力は相当なものになるでしょうから。

そうなれば、その帰結として、それらの規制に対応出来ない、いわゆるテキ屋と呼ばれる類の非正規性の強い業者は排除されるケースが増える筈です。暴力団排除の一環として既に実施した自治体では出店が激減した旨の報道がなされていますが、それと同様の光景がより広く一般に見られるようになるのでしょう。

ただ一方で、祭りの風情等としてこの種の出店が多くの人から愛されている事も事実ですから、一時的に不正業者が排除され減少したとしても、その後は正式な営業形態の、すなわち株式会社等として正式な法規制の下に運営される業者が保険も含め十分な与信を備えて新規参入を図り、出店自体は回復していく可能性は高いでしょう。その際に予想される排除された業者の妨害等を規制する法制も必要でしょうけれども、正式な法人であればそのあたりは容易でしょうし。いっそ非営利限定でもいいんじゃない、とも。

そういう変化を、管理社会化だ、として忌む向きもあるかもしれませんが、それよりは単にあまりに杜撰な運営組織が当然の修正を迫られただけと見る方が妥当な気がしますし、個人的には早急にそうなって欲しいとすら思う次第です。余程ましだと思うのです。こんな事故を見せられるよりは。

それに、そうやって一旦消滅して再生を果たした後、人々の愛した風情がそこにあるかはその時にならなければわかりませんが、仮に元と同じではなくとも、より愛すべき風俗がそこにないと考える理由はないだろう、とも思うのです。祭りは祭り。出店が入れ替わろうと、その本質は何も変わりませんよきっと。

8/17/2013

[IT] Firefoxが特定サイトでOSごとフリーズ

して困るのでちょっと調べて対処してみたんです。

環境はUbuntu13.04の64bit、Firefoxのバージョンは23.0。特定サイトというのはwww.asahi.comです。ここのトップを開いてしばらくするとシステム全体の挙動が非常に重くなって、Firefoxをkillするまで何も出来なくなります。もっとも、気づくタイミングが遅れるとkillするための別コンソールへの切り替えやそこでの操作すらままならず、あえなく電源を切るしかなくなってしまうわけですけれども。非常に性質が悪い不具合と言わざるを得ません。

一番簡単な解決方法はそのページを見なければいいだけで、実際しばらくはそうしてたんですが、原因が不明なのはどうにも落ち着かないので、少し時間を確保して簡単に調査をしてみた次第なのです。

まず当該現象の概要の確認。ページ表示時のプロセスをチェックして、plugin-containerが数十秒でGByte単位のメモリを消費している事を確認し、これが原因かつその中で問題を起こしているプラグインはflashと推測。

flashが不具合の発生箇所と仮定して、その不具合の発生要因の調査へ移行。第一にその他アドオンとの干渉を考慮し、それらを全て外して表示させてみたところ、全く変わらず。従ってflash単体内部の問題、すなわち当該サイト中の特定コンテンツ再生時の不具合と推測。www.asahi.comトップページのソースを概観し、フラッシュの再生箇所を列挙したところ1箇所のみ、これが原因と推測。表示直後に手動で再生・ループ再生を切るとその時点でplugin-containerのメモリ消費の増加が停止する事を確認、従って本flashデータに問題があるものと確定。

というわけで。問題の原因は、egmpromo2.swfという名前のフラッシュオブジェクトでした。名前とかHTML中のその周辺の感じからして、広告表示用のフラッシュのようで、実際私が確認した時には学校関連の広告等が逐次表示されていました。ページの右下の辺りに小さく表示されるだけの、データ量も本来は非常に小さいだろう事は間違いなく思われる程度のもので、今回の挙動はやはり不具合だった事も確定なのです。確認のため、当該swfファイルをローカルに保存してそれだけ再生してみましたがやはり同様のメモリ消費が発生しました。

フラッシュの中身が問題なのか、再生側のflashplayerが悪いのかはまだ不明ですが、ともあれここまで特定出来れば、当該ページでフラッシュの表示再生、もしくは表示処理にjavascriptを使用しているのでそれを切るかすれば解決なわけです。ふう。

しかし、仮にswf側に問題があったとしても、たかがこれだけの、別にウィルスとかいうわけではない筈の一コンテンツが含まれているページを閲覧するだけで不全に陥るFirefox、またLinuxOSはシステムとして流石にどうかと思うし、同様の問題が他サイトでも起こらないとも限りませんから、抜本的な対策をして置きたいところです。例えばplugin-containerのメモリ使用量に上限を設けるとか。今でも出来そうな気もしますし、ちょっと調べてみましょうかね。ともあれ、今回は一先ずこれでおしまい。

ちなみにShockwave Flashプラグインのバージョンは11.2.202.297でした。参考まで。

8/16/2013

[PC] インクの検出異常を起こしたプリンタを修理

夏休みのプチ修理その2。古いプリンタ。といっても単なるインク切れエラーなんですけれども。機種はEPSON製PM-860PT。古いですね。それで何が問題かと言うと、所有者曰く、下図のようなカラーカートリッジの交換を促す表示が出て、指示の通り交換をしても同じエラーが出る、というのです。受け取って試しにいじってみると確かに再現するのです。


分解して基盤や配線等を確認しても特に問題は見られず、本体側の設定異常を疑ってリセッターソフトのSSCで色々いじってみても改善せず。ファームウェアの更新をしようにもそのコマンドはこのエラーが出ている状態だと設定メニューにアクセス出来ずそれも不可。これは詰んだかと半ば諦めたところで、カートリッジが2個ともリサイクル品な事に気づき、カウンタ異常の可能性を考慮して、駄目元でカートリッジのICチップリセットをやってみたところこれが効いたんですね。 下図がそれに用いたダイソーの税込105円リセッター。安いのはいいことです。
 
 

リセッターのピンをカートリッジのICチップに当てると上部のランプが赤く点灯して書き込み開始。これが数秒で緑色に変化すれば完了。


リセット後のカートリッジをセットすると、正常に認識してインクの充填処理が始まります。

そして程なく完了。

同様の処理をもう一個のカートリッジにも適用し、同じく成功。しかしまさかカートリッジ側とは。2個同時にカウンタ異常になる可能性は極めて低い筈なのですが、可能性を低く見積り過ぎてしまったのが敗因でした。こんなことってあるんですね。反省です。あと、どうせ古いものだし買い換えた方が、とか修理作業そのものに不誠実な態度で望んだ事も否定できません。そちらも反省しきりなのです。ともあれ成功のうちに完了した事には一安心です。というわけでおしまい。

8/12/2013

[IT] フィルタアドオンのBlocksiteが履歴収集

Firefoxの起動時に、妙なタブが出るようになったんです。wips.comなる見覚えのない会社の見出しで、閲覧データの履歴を収集するから同意しろ云々的なのが。折しもUbuntuターゲットのウィルス発生のニュースを目にしたところで、早速感染したかいやでも覚えはないけれど、と驚きつつよくよく読んでみると、フィルタリングに使っていたアドオンのBlocksiteのアップデートに伴う個人情報収集許諾の確認画面だったのです。wips.comはその運用会社って事ですね。

とりあえずウィルスに罹ったわけではないと理解して少しだけ安堵。しかし同時に疑問も浮かびます。というのは、この種のフィルタリングを入れているような人は、基本的に須く自らの意図しない、もしくは不要な通信を嫌う、すなわちその種のアクセス情報等の収集におそらくは最も拒否的な人たちである筈なわけで。でなきゃそもそもフィルタリングアドオンなんて入れないでしょうから。しかるにそのためのアドオンが履歴を取得するなんて、本末転倒というか殆ど自己矛盾に等しく、こんなもん誰が同意するんだろう、と、極めて強く疑問を抱かざるを得ない話なわけです。

私はもちろんBlocksiteを即使用停止、AdBlockPlusに乗り換えてしまいました。しかし色々と不安は残ります。というのも、なんかMozillaの掲示板でも私と同様の「なんじゃこれ?知らんぞふざけんな」的な疑問+ブチギレ気味なスレッドが立ってて、同様に怒り心頭なユーザによるさもありなんなやり取りが繰り広げられているのですけれども、その中でどうも以前からBlocksiteがこっそり履歴を収集していた疑いがあるとか、既にspywareだよとかそういう書き込みも散見されるのです。それが本当なら私個人としても極めて遺憾な話、強い憤りを覚えざるを得ないわけですが。どうなんでしょうwips.comさん。今回の同意確認は新機能の追加に伴うものなのか、それとも泥縄的なアレという事なんでしょうか。

まあ、アンチウィルスソフトを含めて、こういうスパイウェア等の対策ソフトこそが最も性質の悪いスパイウェアだという意見は昔からありますし、それ自体は別段驚く話ではないんですけれどもね。とても残念です。AdBlockPlusはそうじゃないといいんですけれども。

8/10/2013

[PC] 電源の入らなくなったノートPCを修理

今回はノートPC、それもマザーボードの修理です。個人の工作としてはかなり難度が高い部類の作業ですが頑張りました。ええ頑張りました。

事の次第は、先日、知人から、ノートPCが突然電源が落ちてそれから起動しなくなってしまった、しかも運悪く保証期間が丁度過ぎたところでメーカー修理は高くつきすぎて×、何とか直せないか、という事で相談を受けたんですね。

電源ボタンを押しても何の反応もない、そもそも電源ランプすら付かない、というその症状から、故障箇所はマザーボード、より具体的にはよくあるコンデンサーの破損だろうと推測され、その交換作業は出来なくもない範囲ではあったので、駄目元でいいなら、と言うことで修理を請け負ってしまったのでした。

機種はThinkpad EdgeシリーズのE530。Lenovo製PCはとても有難い事に分解手順の記載されたメンテナンスマニュアルが公開されています。その手順に従ってマザーボードを取り出し、それらしいチップコンデンサに適当にテスターを当てて導通テストをしてみると、回路が短絡しており、従って原因は予想通りコンデンサの破損だろうと判断、交換作業にトライ。

まずは破損箇所の特定。幸か不幸か、変形や焼損等目に見える程に壊れているコンデンサは見当たらなかったため、どのコンデンサが不良なのかは分からず、短絡しているチップを一つずつ外しては残りの回路の導通チェックをする面倒な手順を踏む羽目に。一個ずつ進めること10数個目、下図で左下端、赤丸マークしたコンデンサを外した時にようやく回路の短絡が解消されたのでした。こんな端の極めて安価なチップが一個壊れただけで全損扱い、というのには多少なりと理不尽にも思われてなりません。もうちょっと融通の効く構造にできないものでしょうか、ってThinkpadブランドとは名ばかりの廉価PC、コスト的に色々困難ではあるんでしょうし言っても詮無い事と理解してはいるんですけれども。


なお下図はそれまでに外したコンデンサの一部。


この種の修理のセオリーに従うならば、不具合が出たロットのチップは全交換しておくべきところなんでしょうけれども、破損チップが特定された時点でまだ3/4以上のコンデンサは外しておらず、予防のためだけにその全ての交換を行うのはとても億劫に思われた事、また自分のいまいち頼りない技術ではその交換作業の中で却って周辺の回路を破壊してしまう危険の方が高いように思われたため、ここまで外した分のみの交換にとどめ、残りは交換しない事に決定。まあ再発したらその時でいいでしょう、知り合いのだし、金銭を貰ってるわけでもないし、とかそういう感じで。

そして交換、というか取り付け作業に着手。取り外したチップの容量を計測したところ、二種類の大きさがある対象チップコンデンサの内、2012型のが4uFと10uF、1608型のが0.1uF位、と判明。2012型が手持ちに無かったため4.7uFと10uFを急いで発注、その到着を待って作業開始。緊張で時折手をプルプルさせながらピンセットとはんだごてで取り付けること小一時間、作業完了。元通りに組み上げ、ドキドキしつつ電源を入れてみると、見事一発で起動。ばんざーい。


ちなみに、一連の作業の中で一番大変だったのはこのチップコンデンサの取り付けで、最初は上手く行かず難儀したのです。色々と試行錯誤した結果、あらかじめチップの両端子にはんだを少し付けておき、それをコテで基盤側のはんだにちょんちょんと押し付けるようにして接続するのが一番やり易く感じました。このやり方だと使用するはんだの量が多くなりがちで、見た目は不格好なんですけどね。チップと基盤、いずれか片方だけだと縦方向に斜めになったりして上手く付いてくれないんだから仕方ない。果たしてどうやるのが正解なんでしょう。うーん。

ともかくも、当然ながら数ミリ単位で部品が密集する基盤上のこと、すぐ近くの他の部品にコテやはんだが当たらないように配慮しつつの作業は精神的にとても疲れるものでした。しかしそれだけにやはり電源が入った瞬間のカタルシスは半端なく、とても満ち足りた気分に浸ることが出来て幸せです。後は不具合、火を吹いたりとかしない事を祈るのみ。

というわけで工作の時間でした。お子さんの夏休みの課題ネタとしてお勧め、はとても危険過ぎて出来ない大人の工作、スリルもやりがいも満点なのですよ。故障時にはショックというか血の気が引いて涼めるところも夏にぴったり、とか。持ち主本人には洒落にならないでしょうから言えませんけれど。

7/30/2013

[biz] NEC携帯事業売却破談

以前売却交渉中の報が流れ、本決まりかと思われたNECの携帯事業売却の件、Lenovoに断られたそうで。原因はおそらくドコモのツートップ戦略の影響、話が出た当時ですら弱小だったシェアがさらにまさかの激減、ほぼ消滅して買う理由を見出せなくなってしまった、ってところでしょうか。

流石に主力のスマホで、只でさえ規模の小さい国内専業なのにトップのSonyの100分の1も売れてないって言うんだから仕方ないですね。もはや事業とは言えませんし、続けているのが不思議に思われる程です。さらに仮にドコモが今後その方針を撤回等したとしても、そのドコモ自体がジリ貧なのですから詰んでいます。生産調整して耐えるにも、当然その間設備費人件維持費材料費保管費もろもろが損失としてのしかかるわけで限度がありますし、レノボが参入するにしても今そのポジションからのスタートでは流石に勝ち目はないと判断しただろうのも無理からぬ話と言わざるを得ません。

もっとも報道によれば知財は売るという事で、売却自体が無くなったわけではなく、そして事業継続の上で欠くべからざる防衛戦略の要を手放してしまう以上、いずれにしてもNECが携帯から撤退する事だけは変わらない様子で、道連れとなる旧カシオ旧日立含め、配置転換もしくはリストラは必至、これに伴う損失も相当なものになりそうです。

しかしNEC、本件のように身切りすらままならなくなって、進退極まりつつある感がひしひしとしますし、これから先何を以って事業とし、企業体として継続していくつもりなのか、割と本気で疑問を覚えます。まさか宇宙産業とか本気じゃないでしょうし、ITサービス、あと通信設備位しか残りそうにない事は明白に見えるわけですけれども、逆にそこまで削げ落ちた後、果たして他社と十分に競るだけの体力が残されているか、またそれ以前に独立を保てるだけのポジションがあるのか。それすらも正直微妙な気もしますが、さて。

NEC、レノボへ携帯事業売却を断念 多額損失のおそれ

[関連記事 [biz] NEC、PCに続き携帯もLenovoへ ]

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そして間髪入れずスマホ撤退。引っ張る意味はないでしょうから当然と言うべきですか。国内メーカーの中では一番最初にAndroidに取り組んだメーカーだった筈ですが、そこが撤退本決まりも一番になるとは多少なりと皮肉な話です。

NECがスマホ事業から撤退 ドコモ「ツートップ」戦略で苦境に

7/27/2013

[IT] 顔認証による入出国自動化、廃案

やっと諦めましたか。

法務省がここ10年ほど実証実験を繰り返し、無茶だという外部の声を無視して導入を推進して来た、空港における顔認証による出入国時の本人確認自動化ですけれども、先日行われた大規模実証実験での2割近い論外な認識失敗率によって、遂に引導を渡される運びとなったそうで。理由はあまりにザルで不正し放題になってしまうから、だそうですが、そんなの最初から分かり切ってたでしょうに何を今更、としか。

ベンダーは非公表ですが、以前耳にした実証実験等の結果から推測するにおそらくはNECでしょうか。技術的な裏付けの全くない中、建前だけで無理やり進められたプロジェクトに延々と付き合ったその苦労は相当なものだったでしょう。まあお疲れです。少なくとも技術担当は殆ど詐欺にも等しい本案件からようやく解放されて安堵しているところか、それとも後始末の最中、コミットメントした性能やら何やら色々と違えた責任を追求されて針の筵、あるいは失業の危機で責任逃れに邁進中でしょうか。いずれにしても、元はと言えばメーカー側が売り込んだ話だし、長年に渡り巨額の委託費も貰い続けて来たのだから、およそ全て自業自得なわけですけれども、しかしよく実現の見込みの無いハリボテ技術でこれだけ引っ張れたものと、呆れの中にも若干の感心を否定出来ないところなのです。

そして今後は、というと、既に試験導入済みの指紋認証による自動手続きのみの推進に切り替えるんだそうで。これだけやらかしておいてまだやるか、とその面の皮の厚さ加減に改めて呆れさせられてしまうわけですが、そもそも今回顔認証は不正防止に難があるから諦めた、と言うのなら、指紋認証も偽造変造が容易なのだからその点は同じ、従って法務省の説明は論理的に一貫していないわけで。そんな事で大丈夫、なわけはないとも思うんですが、一度に全部諦める、というのは偉い人や組織、あと関連業界の事情から出来ないとかそういう事なんでしょうか。もし本気で指紋認証入出国を普及させようと考えているなら、結局のところ二の舞は必至に思われますし、少なくとも税金の無駄遣いには違いないのですから、一市民としては即刻やめて頂きたく思うのですけれども、そんな思慮が出来る人たちならとっくに止めてた筈ですよね。ええ。分かっていましたとも。

とりあえず、本件で利益を得てきたメーカー各位には、せめて本件の失敗の責任だけは速やかに取って頂きたく思う次第です。当人達は逃げ切る気満々なんでしょうけれどもね。

顔認証の導入見送り 空港の出入国審査、精度低く

7/26/2013

[IT biz] OCNがまた侵入されてダウン

OCNがまたまた。400万件のアドレス流出からの騒ぎも収まらぬ中、みすみす再度の攻撃を受けて侵入されてしまったんだそうで、慌てて該当サーバを隔離した結果、殆どのサービスが止まっちゃって阿鼻叫喚なんだとか。特にID関連のサービスを利用していた人は文字通り何にも出来ない感じ。

いやもう今更ですけどザルにも程があるでしょう。現在進行中で被害を被っているユーザの方々には誠にご愁傷さまです。これはもうユーザに掛かってる迷惑も明らかに度が過ぎてますから相当の賠償は避けられないでしょうし、プロバイダ自体の乗り換えが相当出るだろう事も必至、どうなっちゃうんでしょうOCN。まあでも自業自得だし仕方ないね。

OCN IDに再び不正アクセス、情報流出などの被害は調査中

[law] 研究費詐取で東大教授逮捕、に

東大よお前もか。容疑は研究費詐取、手口は架空発注からの還流、金額が判明している分で2000万強と少し大きい点にのみ東大らしさが多少反映されているように思われる以外は、このところ時々検挙の報が流れる従前の例と全く同様の陳腐な事件なわけですけれども。

既に逮捕済みの容疑者は秋山昌範教授、所属は東京大学政策ビジョンセンターの再生医療政策研究ユニット。長年医療機関の勤務医として過ごしながら、突然MITのビジネススクール客員教授への転身を経て現職に収まるという見るからに怪しい経歴の持ち主で、多少なりと興味を感じる一方、何かここ十年くらい東大ってこの手のアカデミックなバックグラウンドに乏しい、山師だか詐欺師だかな怪しげな人が増えたよね、と嘆息を禁じ得ないのであります。

特任教授とか導入しだした頃からでしょうか?産官学連携の名の下、そういう怪しげな、率直に言って従来の教授陣が漏れなく持っていた圧倒的な知的能力と膨大な実績、その両方がない凡庸もしくはお粗末な人たちが目に付くようになったのは。もはや珍しくもない経歴詐称や捏造等の犯罪も、その能力的に不相応な人事の帰結であるように思われて、残念でなりません。

といってそれも、伝統的な、硬直化しがちな組織を社会の要望に応えるべく変革を試みた結果ではあるし、副作用に過ぎない場合もあるだろうから、必ずしも一律に否定されるべきものではないんでしょうけれども。しかし、そこで安易に設立されたセンターやら横断組織やらの多くが、その安直な設計の帰結として何らの成果も生み出せぬまま膨大な予算をただ浪費して期待を裏切り、さらにおそらくは新組織の運営に付き物であるところの諸々の隙につけ込まれて不適切な人事のち本件の如き犯罪まで発生するとあっては、流石に杜撰と言わざるを得ないし、その運営の仕組み自体にも欠陥があるものと考えざるを得ないのです。

大学、またその所属する学者の方々が、その卓越した知的能力をより直接的に社会に生かそうとする、その志は誠に結構ですし、社会側が期待を掛ける気持ちも理解は出来ますが、肝心の学問が疎かになるようでは本末転倒も甚だしいし、元より私学を中心に経済はじめ各種社会活動に寄ったポジションを取っている大学も多数あるのですから、東大はあくまで最高学府として学問を追求し発展させる事がまず第一に求められるところ、すなわち社会貢献でもあって、それを犠牲にしては意味がないだろうと思うのです。もし現在の複雑化した社会的立場がそれを困難にしているのだとすれば、それは遺憾な事だとも。

もっとも本件のような犯罪が発生しているようでは話にもなりませんから、さしあたってまず本件の犯人・関係者が漏れなく速やかに検挙され、かつ同様の犯罪が二度と発生しないよう、組織運営の改変、殊に人事基準と予算管理システムの修正が必要でしょうけれども、さて。流石にそんな事も出来ない筈はない、と思いたいところですが。

東大教授を詐欺容疑で逮捕 架空の研究費を請求

7/18/2013

[biz law] JR東がSuica利用個人データを無断で外販

JR東がSuicaの利用データを利用客に無断で販売開始して、国交省からお叱りを受けつつ事情聴取中なんだそうで。

当該データは住所氏名が伏せられてはいるものの、年齢性別と紐付けられた個々人の生の乗降データの形式を取っているとか。これは単独では個人情報ではありませんが、他の情報と照らし合わせれば個々人との対応付けもある程度可能な状態と言えるわけですからアウトの可能性が高く思われます。国交省が問題視するのも当然でしょう。いけません。

そもそも、通常この種のサービス利用データは個人のプライバシーに属する情報であって、原則として商業利用は許されません。その極めて高いリスクを承知で利用しようとする場合には、最低限個々人の許諾を得た上で内部での取扱いにも当然慎重に慎重を期すべきだし、さらに外部に出す際には、万が一にも個人のプライバシー等を侵害しないよう、個人性が完全に除去された統計データの形式とするのが常識であるところ、その辺りの配慮を殆ど全くしてもいない点には愕然とさせられます。

おそらくはJR東にはそういう処理を自前で行う能力がないから日立に生データを売って後の処理は任せる形にしたんでしょうけど、自前で扱えないならなおさら外に出すべきではないわけで。しかもユーザに隠して勝手に売渡すとか全く理解出来ません。発覚すれば世間の袋叩きに遭って有形無形の損害を被るだろう事は容易に想像が付く筈なんですけれども。もっともそういうヤバさをある程度は理解していたからこそ非公表でやったのかもしれませんけど、しかしそれにしてもなぜにそう軽々しく人権侵害の領域に踏み込んでしまうんでしょう。これからはビッグデータですよ、名前を伏せれば個人情報じゃないですよ、とかそういう日立の口車に乗せられたとかそんな話なんでしょうか。いずれにせよ愚かにも程があろうというものです。JR東も日立も、法務は何をやってたんでしょう。

ちょっと前には富士通もビッグデータの市場を開くとか無茶苦茶な事言ってましたし、日立に限らず日本のITサービス業界全体がそんな感じなのかもしれませんけど。皆どうしてそんな考えなしなんでしょうね。困ったものです。

Suica履歴、販売していた…乗客に説明せず

----追記

激しい非難抗議を受けて一旦データの販売を停止、破棄したものの、2ヶ月後に再開予定、それもオプトアウトすなわち拒否の意思表示をした顧客データのみ除外して販売するつもりだとか。

反省してませんねえ。事前の告知説明とその上での個々の顧客の了解を取らなかった事が問題なのであって、オプトインすなわち事前に了解した顧客のデータのみ販売するようにしなければ誰も納得しないだろう事は明白なのに何を考えてるんでしょうか。いやそうすると手間はかかるし多分に大半の了解を取れずに販売出来なくなるからなんでしょうが、それはそもそも販売するなって話で、論外と言わざるを得ません。当然ながらこれで収まる筈はなく、このまま強行すれば訴訟が起こるだろう可能性も相当に高く思われるわけですが、本当に困ったものです。

あと、拒否の意思表示をするにしてもメールもしくは電話、それもその方法、アドレスや電話番号はJRのHPから記事を辿った先にあるPDFファイルの文書のしかも最後にこっそり記載されているだけとか、こんなもの告知したとは全く言えないどころか隠しているに等しいわけで、ふざけるにも程があるというものです。何様のつもりでしょうか。

本文です スイカ履歴販売「説明欠けていた」JR東陳謝