7/30/2013

[biz] NEC携帯事業売却破談

以前売却交渉中の報が流れ、本決まりかと思われたNECの携帯事業売却の件、Lenovoに断られたそうで。原因はおそらくドコモのツートップ戦略の影響、話が出た当時ですら弱小だったシェアがさらにまさかの激減、ほぼ消滅して買う理由を見出せなくなってしまった、ってところでしょうか。

流石に主力のスマホで、只でさえ規模の小さい国内専業なのにトップのSonyの100分の1も売れてないって言うんだから仕方ないですね。もはや事業とは言えませんし、続けているのが不思議に思われる程です。さらに仮にドコモが今後その方針を撤回等したとしても、そのドコモ自体がジリ貧なのですから詰んでいます。生産調整して耐えるにも、当然その間設備費人件維持費材料費保管費もろもろが損失としてのしかかるわけで限度がありますし、レノボが参入するにしても今そのポジションからのスタートでは流石に勝ち目はないと判断しただろうのも無理からぬ話と言わざるを得ません。

もっとも報道によれば知財は売るという事で、売却自体が無くなったわけではなく、そして事業継続の上で欠くべからざる防衛戦略の要を手放してしまう以上、いずれにしてもNECが携帯から撤退する事だけは変わらない様子で、道連れとなる旧カシオ旧日立含め、配置転換もしくはリストラは必至、これに伴う損失も相当なものになりそうです。

しかしNEC、本件のように身切りすらままならなくなって、進退極まりつつある感がひしひしとしますし、これから先何を以って事業とし、企業体として継続していくつもりなのか、割と本気で疑問を覚えます。まさか宇宙産業とか本気じゃないでしょうし、ITサービス、あと通信設備位しか残りそうにない事は明白に見えるわけですけれども、逆にそこまで削げ落ちた後、果たして他社と十分に競るだけの体力が残されているか、またそれ以前に独立を保てるだけのポジションがあるのか。それすらも正直微妙な気もしますが、さて。

NEC、レノボへ携帯事業売却を断念 多額損失のおそれ

[関連記事 [biz] NEC、PCに続き携帯もLenovoへ ]

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そして間髪入れずスマホ撤退。引っ張る意味はないでしょうから当然と言うべきですか。国内メーカーの中では一番最初にAndroidに取り組んだメーカーだった筈ですが、そこが撤退本決まりも一番になるとは多少なりと皮肉な話です。

NECがスマホ事業から撤退 ドコモ「ツートップ」戦略で苦境に

7/27/2013

[IT] 顔認証による入出国自動化、廃案

やっと諦めましたか。

法務省がここ10年ほど実証実験を繰り返し、無茶だという外部の声を無視して導入を推進して来た、空港における顔認証による出入国時の本人確認自動化ですけれども、先日行われた大規模実証実験での2割近い論外な認識失敗率によって、遂に引導を渡される運びとなったそうで。理由はあまりにザルで不正し放題になってしまうから、だそうですが、そんなの最初から分かり切ってたでしょうに何を今更、としか。

ベンダーは非公表ですが、以前耳にした実証実験等の結果から推測するにおそらくはNECでしょうか。技術的な裏付けの全くない中、建前だけで無理やり進められたプロジェクトに延々と付き合ったその苦労は相当なものだったでしょう。まあお疲れです。少なくとも技術担当は殆ど詐欺にも等しい本案件からようやく解放されて安堵しているところか、それとも後始末の最中、コミットメントした性能やら何やら色々と違えた責任を追求されて針の筵、あるいは失業の危機で責任逃れに邁進中でしょうか。いずれにしても、元はと言えばメーカー側が売り込んだ話だし、長年に渡り巨額の委託費も貰い続けて来たのだから、およそ全て自業自得なわけですけれども、しかしよく実現の見込みの無いハリボテ技術でこれだけ引っ張れたものと、呆れの中にも若干の感心を否定出来ないところなのです。

そして今後は、というと、既に試験導入済みの指紋認証による自動手続きのみの推進に切り替えるんだそうで。これだけやらかしておいてまだやるか、とその面の皮の厚さ加減に改めて呆れさせられてしまうわけですが、そもそも今回顔認証は不正防止に難があるから諦めた、と言うのなら、指紋認証も偽造変造が容易なのだからその点は同じ、従って法務省の説明は論理的に一貫していないわけで。そんな事で大丈夫、なわけはないとも思うんですが、一度に全部諦める、というのは偉い人や組織、あと関連業界の事情から出来ないとかそういう事なんでしょうか。もし本気で指紋認証入出国を普及させようと考えているなら、結局のところ二の舞は必至に思われますし、少なくとも税金の無駄遣いには違いないのですから、一市民としては即刻やめて頂きたく思うのですけれども、そんな思慮が出来る人たちならとっくに止めてた筈ですよね。ええ。分かっていましたとも。

とりあえず、本件で利益を得てきたメーカー各位には、せめて本件の失敗の責任だけは速やかに取って頂きたく思う次第です。当人達は逃げ切る気満々なんでしょうけれどもね。

顔認証の導入見送り 空港の出入国審査、精度低く

7/26/2013

[IT biz] OCNがまた侵入されてダウン

OCNがまたまた。400万件のアドレス流出からの騒ぎも収まらぬ中、みすみす再度の攻撃を受けて侵入されてしまったんだそうで、慌てて該当サーバを隔離した結果、殆どのサービスが止まっちゃって阿鼻叫喚なんだとか。特にID関連のサービスを利用していた人は文字通り何にも出来ない感じ。

いやもう今更ですけどザルにも程があるでしょう。現在進行中で被害を被っているユーザの方々には誠にご愁傷さまです。これはもうユーザに掛かってる迷惑も明らかに度が過ぎてますから相当の賠償は避けられないでしょうし、プロバイダ自体の乗り換えが相当出るだろう事も必至、どうなっちゃうんでしょうOCN。まあでも自業自得だし仕方ないね。

OCN IDに再び不正アクセス、情報流出などの被害は調査中

[law] 研究費詐取で東大教授逮捕、に

東大よお前もか。容疑は研究費詐取、手口は架空発注からの還流、金額が判明している分で2000万強と少し大きい点にのみ東大らしさが多少反映されているように思われる以外は、このところ時々検挙の報が流れる従前の例と全く同様の陳腐な事件なわけですけれども。

既に逮捕済みの容疑者は秋山昌範教授、所属は東京大学政策ビジョンセンターの再生医療政策研究ユニット。長年医療機関の勤務医として過ごしながら、突然MITのビジネススクール客員教授への転身を経て現職に収まるという見るからに怪しい経歴の持ち主で、多少なりと興味を感じる一方、何かここ十年くらい東大ってこの手のアカデミックなバックグラウンドに乏しい、山師だか詐欺師だかな怪しげな人が増えたよね、と嘆息を禁じ得ないのであります。

特任教授とか導入しだした頃からでしょうか?産官学連携の名の下、そういう怪しげな、率直に言って従来の教授陣が漏れなく持っていた圧倒的な知的能力と膨大な実績、その両方がない凡庸もしくはお粗末な人たちが目に付くようになったのは。もはや珍しくもない経歴詐称や捏造等の犯罪も、その能力的に不相応な人事の帰結であるように思われて、残念でなりません。

といってそれも、伝統的な、硬直化しがちな組織を社会の要望に応えるべく変革を試みた結果ではあるし、副作用に過ぎない場合もあるだろうから、必ずしも一律に否定されるべきものではないんでしょうけれども。しかし、そこで安易に設立されたセンターやら横断組織やらの多くが、その安直な設計の帰結として何らの成果も生み出せぬまま膨大な予算をただ浪費して期待を裏切り、さらにおそらくは新組織の運営に付き物であるところの諸々の隙につけ込まれて不適切な人事のち本件の如き犯罪まで発生するとあっては、流石に杜撰と言わざるを得ないし、その運営の仕組み自体にも欠陥があるものと考えざるを得ないのです。

大学、またその所属する学者の方々が、その卓越した知的能力をより直接的に社会に生かそうとする、その志は誠に結構ですし、社会側が期待を掛ける気持ちも理解は出来ますが、肝心の学問が疎かになるようでは本末転倒も甚だしいし、元より私学を中心に経済はじめ各種社会活動に寄ったポジションを取っている大学も多数あるのですから、東大はあくまで最高学府として学問を追求し発展させる事がまず第一に求められるところ、すなわち社会貢献でもあって、それを犠牲にしては意味がないだろうと思うのです。もし現在の複雑化した社会的立場がそれを困難にしているのだとすれば、それは遺憾な事だとも。

もっとも本件のような犯罪が発生しているようでは話にもなりませんから、さしあたってまず本件の犯人・関係者が漏れなく速やかに検挙され、かつ同様の犯罪が二度と発生しないよう、組織運営の改変、殊に人事基準と予算管理システムの修正が必要でしょうけれども、さて。流石にそんな事も出来ない筈はない、と思いたいところですが。

東大教授を詐欺容疑で逮捕 架空の研究費を請求

7/18/2013

[biz law] JR東がSuica利用個人データを無断で外販

JR東がSuicaの利用データを利用客に無断で販売開始して、国交省からお叱りを受けつつ事情聴取中なんだそうで。

当該データは住所氏名が伏せられてはいるものの、年齢性別と紐付けられた個々人の生の乗降データの形式を取っているとか。これは単独では個人情報ではありませんが、他の情報と照らし合わせれば個々人との対応付けもある程度可能な状態と言えるわけですからアウトの可能性が高く思われます。国交省が問題視するのも当然でしょう。いけません。

そもそも、通常この種のサービス利用データは個人のプライバシーに属する情報であって、原則として商業利用は許されません。その極めて高いリスクを承知で利用しようとする場合には、最低限個々人の許諾を得た上で内部での取扱いにも当然慎重に慎重を期すべきだし、さらに外部に出す際には、万が一にも個人のプライバシー等を侵害しないよう、個人性が完全に除去された統計データの形式とするのが常識であるところ、その辺りの配慮を殆ど全くしてもいない点には愕然とさせられます。

おそらくはJR東にはそういう処理を自前で行う能力がないから日立に生データを売って後の処理は任せる形にしたんでしょうけど、自前で扱えないならなおさら外に出すべきではないわけで。しかもユーザに隠して勝手に売渡すとか全く理解出来ません。発覚すれば世間の袋叩きに遭って有形無形の損害を被るだろう事は容易に想像が付く筈なんですけれども。もっともそういうヤバさをある程度は理解していたからこそ非公表でやったのかもしれませんけど、しかしそれにしてもなぜにそう軽々しく人権侵害の領域に踏み込んでしまうんでしょう。これからはビッグデータですよ、名前を伏せれば個人情報じゃないですよ、とかそういう日立の口車に乗せられたとかそんな話なんでしょうか。いずれにせよ愚かにも程があろうというものです。JR東も日立も、法務は何をやってたんでしょう。

ちょっと前には富士通もビッグデータの市場を開くとか無茶苦茶な事言ってましたし、日立に限らず日本のITサービス業界全体がそんな感じなのかもしれませんけど。皆どうしてそんな考えなしなんでしょうね。困ったものです。

Suica履歴、販売していた…乗客に説明せず

----追記

激しい非難抗議を受けて一旦データの販売を停止、破棄したものの、2ヶ月後に再開予定、それもオプトアウトすなわち拒否の意思表示をした顧客データのみ除外して販売するつもりだとか。

反省してませんねえ。事前の告知説明とその上での個々の顧客の了解を取らなかった事が問題なのであって、オプトインすなわち事前に了解した顧客のデータのみ販売するようにしなければ誰も納得しないだろう事は明白なのに何を考えてるんでしょうか。いやそうすると手間はかかるし多分に大半の了解を取れずに販売出来なくなるからなんでしょうが、それはそもそも販売するなって話で、論外と言わざるを得ません。当然ながらこれで収まる筈はなく、このまま強行すれば訴訟が起こるだろう可能性も相当に高く思われるわけですが、本当に困ったものです。

あと、拒否の意思表示をするにしてもメールもしくは電話、それもその方法、アドレスや電話番号はJRのHPから記事を辿った先にあるPDFファイルの文書のしかも最後にこっそり記載されているだけとか、こんなもの告知したとは全く言えないどころか隠しているに等しいわけで、ふざけるにも程があるというものです。何様のつもりでしょうか。

本文です スイカ履歴販売「説明欠けていた」JR東陳謝

7/02/2013

[biz] ペンタックス消滅

流浪の果てに、遂に事業者としてのペンタックスが消滅してしまいました。一応ブランドとしては当面残るそうですが、それも長くなさそうですね。さらばPENTAX。

しかし本件の前提である所のRICOHのカメラ部門の整理目処が立ったって本当かねえ。事業的にはどう見てもボロボロだし次のネタも皆無、再建と言うより単にリストラの準備が出来たってだけな可能性も高そうに見えて、旧PENTAX含め当該部門の方々は今後より一層お気の毒な感じです。南無。

リコーイメージングに社名変更 ペンタックスリコー

6/13/2013

[biz] 川崎重工社長が突如解任さる

川重でお家騒動とな。火種は先般から話が進んでいた筈の造船部門、三井造船との合併交渉に反発する向きによるクーデターの形ですか。

まあねえ、大きいところ同士の合併だとどうしても該当部門にはリストラが不可避になるわけで、部門幹部の定年逃げ切りまでの保身策としては至極自然な話なんでしょう。無論企業イメージに与える影響はとても悪いし、実際問題として事業的に造船は危機的状況にあるわけで、色々と本末転倒な感は否めませんが、解任要件たる過半数の取締役を取り込めた時点で法的には何の問題もないし、結局のところ社内の根回しを疎かにした長谷川元社長の自業自得と解釈すべきものでしょうか。

といって、好調な鉄道部門を抱えて全体としては良好な経営状態にある川重の事ですから、たかが雇われ社長の首が飛んだ程度、取り立てて外野が騒ぐような話でもないんでしょう。とはいえ後継は誰になるのか、どう舵取りされるのか、こういうもろ権力闘争的な経緯を経てしまうと、少なくとも暫くは良くない影響が残るでしょうから、多少なりと心配な面も否定はしづらいところですが、さて。

川重、長谷川社長を解任 経営陣に確執か 

続報によると後継は村山滋、宇宙航空畑の人ですか。何故この人なの、と疑問なきにしもあらずですけれども、緩衝材的な人事ということなのかな。しかし宇宙航空って事は例の陸自ヘリ談合の当事者なわけで、その記憶も新しいところで外向けの顔というのはさすがにいかがなものかと。社内的には逆に高評価だったりしてクーデター後のトップとしてむしろ自然なのかもしれませんけど、黒すぎるでしょう。ますます迷走の予感が強まってしまうこの感じ、大丈夫なんでしょうか。

6/04/2013

[IT law] 決済偽装による電子データ詐取、初検挙

オンライン決済のトランザクションを偽装するアプリを用いた電子書籍データ等の詐取が初めて摘発されたとか。容疑は電子計算機使用詐欺、被害者は紀伊國屋書店、容疑者は狩野貴仁と菊沢秀和の2名。今回使用されたアプリはiOS用のiAP CrackerもしくはiAP Free、と。

いや、信じられません。何がって、直接サーバにアクセスすれば当然そのアクセスログから簡単に足がつくし、しかも決済を偽装した詐取なんて悪質性も甚だしく見逃される余地もない犯罪、例えて言えば窃盗犯が名刺を残していくに等しい不合理さなわけで、そんな行為を平然と行う人が存在するという事実が。しかしちょっと調べてみると当該決済偽装アプリは他のSNSゲーム等も複数対応していて、それも含めると利用者は相当多数になるんだそうで。既にモラル云々とかいう段階の話ですらなく、犯罪をそうと認識していないとしか思えない、狂気と言っても過言ではなかろう異常性の蔓延に戦慄を禁じ得ません。今回の容疑者の年齢は30代と40代で共に成人、未熟ゆえの出来心というような言い訳も成立しないし、一体どうなってしまっているんでしょう。

一応、個々のユーザがアプリ一個導入するだけで簡単に欺けてしまう決済プロセスというのもそれはそれであまりに杜撰には違いなく、販売者側もその点は若干の批判を免れないでしょうけれども、それは詐取の違法性を減じるものではないし、利用者達が何を以ってその犯罪行為を正当化しているのか、不正と知りつつもその行為を為さしめるのか、あるいは単に有料物を無料で入手出来る事実を前にして理性自体を放棄したのか。いずれにせよその動機は不可解で、結果は残念な限りです。

しかし現実として同様の犯罪行為に手を染めてしまった人は多数に上る筈で、その弁解の余地もない悪質性に加え、その大半は本件同様に容易に特定される以上、司法の側としても見て見ぬふりをするわけにもいかないし、結局のところ原則として全員が検挙されざるを得ないものと思われるわけですけれども。そうであれば、まず人数的に前代未聞の逮捕者が出るものと予想されるわけですが、しかしやはりそのあまりの人数を考えれば通常の処理では捌ききれない可能性も高いでしょうから、実際の所どう処理されるのか、集団検挙に対応する特例的な仕組みを導入しあくまで法の執行を図るのか、あるいは法を曲げてその不正を放置する怠慢に甘んじるのか。極めて強く興味を惹かれるところなのです。

不正決済アプリ初摘発、警視庁が2人逮捕 電子書籍詐取の疑い

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やはり本件の他100名あまりの容疑者は既に特定済み、順次立件予定とのことで。犯行の時期が昨年6月~11月、半年以上経った今になってというのはその辺の準備に時間がかかっていたという事でしょうか。であれば以降は機械的に進むんでしょうけれども、しかし100人そこそこの小規模ですらこれほどの時間がかかるというのでは、他のサイト、サービスにおける同種犯行の摘発も考えるとやはり従来のプロセスによる逐次処理には相当無理がありそうに思われるところです。折しもサイバー犯罪対応の横断部門も立ち上がったところだし、その機能や存在意義を確認するいい機会、となるかどうか。さて。

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二ヶ月以上経ってようやく3人目、会社役員川上征人容疑者の起訴。この調子だと、全員終わるまでどれだけかかるのやら。

電子書籍詐取で会社役員を起訴、東京地検

5/29/2013

[pol] ブラックの象徴ワタミ会長、自民参院比例区出馬

ないわー。と誰もが思うところでしょう。一般受けが命の参院タレント枠に、まさか労働者の敵ブラック企業、その誰もが認める代表的経営者であり象徴であり代弁者であり、その言葉の成立の経緯を鑑みればむしろ既にそのものであると言ってもいいだろう渡辺美樹を持ってくるとは、自民の選対は何を考えているんでしょうか。野党総崩れで黙っていても圧勝確実な現情勢にあって、何故わざわざ一般大衆の反発が必至だろうこの人を立てるのか、その合理的な解釈は極めて困難に思われるところです。本気なの?ていうか本当なの?本当ならこれで投票先に苦慮する人が相当に出るんでしょうね。もっとも、投票先について再考熟慮する事自体はむしろ歓迎されるべきものではありますけれども。

自民、ワタミ会長を擁立へ 参院選比例区

5/27/2013

[biz law] Wifiルータレンタルのエクスコムグローバル社、ユーザ情報10万件超漏洩

Yahoo!JAPANがまたまたやらかしたりしてて漏洩事件には正直食傷気味なこの頃ですが、また割と大きなのが。

今回やらかしたのは海外渡航時用モバイルWifiルータレンタルサービスのエクスコムグローバル社、そのユーザ情報10万超が漏洩したそうで。具体的な内訳はユーザの氏名、住所、クレジットカード番号、有効期限にセキュリティコードとのことで、要するに全部漏れたってわけです。いけませんね。

それ自体はありふれた話ですが、本件はセキュリティコードが漏れているのが特にいけません。本コードはカードの現物保有の有無を確認するためのものですから、業者には保存禁止義務が課せられている筈、それに完全に違反していた事も同時に露見してしまったわけで。最近はパスワードを併用する信販会社も増えていますから、セキュリティコードがあるからといって直ちに不正利用し放題になるケースの割合はそう多くもないでしょうけれども、それでも格段に容易になるし、本件に伴う被害のうち相当割合の責がグローバル社に帰せられる事は間違いありません。これに伴い、信販会社から不正利用分とカード再発行分の手数料と併せてそれ相応に少なからぬ額の損害賠償請求がなされる可能性も高そうです。本件の補償として対象ユーザに発行した3000円分の割引クーポンの分も上乗せされて、合計で数十億規模の損失になる可能性がある、といったところでしょうか。会社の規模からすれば相当に厳しい損失でしょう。南無。

しかしセキュリティコードの漏洩にしても、本件が初めてというわけでは全然ないし、その度に当事者は相応の報いを受けている事も周知の事実、一度犯せば信用的にも経済的にも殆ど致命傷に等しい損害を被る失敗なのに、何故同じ轍を踏む業者が後を絶たないんでしょうか。おそらくはシステムを開発するエンジニアの多くが法務周りの知識を欠いているから、って事なんでしょうけれども、それはすなわちそもそも開発に必要な知識技術に欠けているわけで、本来ならそのような自称技術者程度の素人を開発に携わらせるべきではないでしょう。十分な知識を持った信頼出来るエンジニアも少なからずいるのですから、当然そちらへ依頼すべき話です。

しかし悪貨は良貨を駆逐します。これからもコスト至上主義の下、コストの安い、しかし素人同然の拙い手になる致命的欠陥に満ち満ちた不適切なシステムが作られ続けてしまっていくんでしょう。困ったものです。ですが産業社会がもうそういう構造になってしまっているのだから仕方ありません。せめてその報いは存分に受けて頂かなくては不釣り合いというもの、さしあたりグローバル社とそのベンダには速やかに賠償のち退場願いたいところです。そうすれば多少は社会の教訓になるかもしれませんしね。

海外でも企業相手のクラッキングが頻発してるのを見ても、もういい加減なんとかしないと、またネット危機的な話から先般の通信ログ義務付けとか実質的な検閲とかそういう不適切な方向への流れが強まりかねないわけで、割と真面目にまずいようにも思われるところですが、さりとて現実的な方法論はというと見込みすらあるわけでなし、さてどうしたものやら。

カード情報10万件流出 海外渡航時の携帯レンタル 

----後日追記

続報で漏洩発覚の経緯が報じられていますが、信販会社からの不正利用通報、確認済みのものだけで100件を超えるという話なんだそうで。損害賠償額は当初見込みより大きくなるでしょうし、これはグローバル社逝ったかもしれませんね。今後はクレカ決済はやめて空港カウンターでの決済に一本化するともアナウンスされているようで、これは安全対策というより信販会社から契約を打ち切られただけの話なんでしょうけれども、そんな不便なシステムでは利用者も激減するでしょうし。

5/23/2013

[biz] 日本株バブルの崩壊に

ようやくというか、おそらく誰もが予想していた通りだろう展開なわけなんですけれども。Nikkei225が1日にして1000円超の下落、寄り付き時は上昇していましたからそこからだとさらにで計10%にも迫ろうかという落ち幅で、さすがにこれは崩壊と言って差し支えないでしょう。ここ数週間のCrazyとしか言い様の無い連続上昇と、そのチキンレース的に上がりきった極限で仕掛けられたおそらくは外資の売り、まさに絵に描いたようなバブルの演出と崩壊に失笑を禁じ得ません。各機関投資家はようやくというか債権安の流れに押されて止むなく株式にシフトし始めた所に直撃を喰らった恰好で、融通の効かない組織の性質上致し方の無い所ではあったんでしょうけれども、それにしても間抜けにも程があろうというものです。

そういう呆れを誘う目先の細部はさて措き、外から引いて見る分には色々と興味深い面はありますけれども。先日のBitCoinといいガンホー株といい、ほぼ同じパターンに嵌っているのを見ると、単なる突発的な現象には止まらない一種の流行り的なものなのか、とすれば割とシンプルな類のメカニズムが裏に成立しているのかもね、とか。元より殆ど観測が不可能に等しい市場構造については、具体的な所は当然ながら見定め難く、従ってどこまで行っても仮説の域を出ません。が、それでもその種の思考をこねくり回すだけで十分に面白く、暇つぶしにはもってこいなのです。ともあれ、やはり鉄火場は外から眺めるのが一番。しばらくは不安定な状態が続くでしょうから、阿鼻叫喚の声をBGMに色々考えるとしますかね。

日経平均急落、終値1143円安 00年4月以来の下げ幅

------後日追記

しかし本件日本株を筆頭にして債権も為替も各種商品も、どれもこれもが不安定この上ないこの現状、端から見てる分には面白いものの、経済的には甚だあるまじきところなんですよね。もっとも、そもそも経済に現実以外のあるべき姿など存在しないといえばその通りでもあるので、一定の秩序を求める多数がそう認識しているだろうというだけの話ではありますけれども。

とりわけ債権価格のボラの大きさは目を覆うばかりです。当局の制御が全く効いていない、というか単なる市場の1プレーヤーとして率先して引っ掻き回しているようにすら見えます。そう見れば、政府、また完全に中立性を失って政府の一機関と化した日銀は当然に債務の緩和のため利率抑制を指向しつつ、しかしその政策の基本方針には利率上昇とほぼ同義の筈なインフレ誘導を掲げる、その一連の政策に内在する根本的な自己矛盾がその不安定性の原因である、そういう仮説もそこそこ成り立つように見えなくもありません。もしその仮説がある程度正しいのだとすれば、この状況は単に制御困難なだけではなく、本来最低限の秩序をもたらすべき唯一の機関たる中央銀行自体が不安定性の源泉であり、従ってより不安定になる事はあってもその逆はないだろう結論になってしまうわけで。控えめに言っても非常にまずい事態には違いないでしょう。

その債権総量の大きさ、加えてさらに加速し続ける債務の増加率から導かれる当然の帰結として未曾有のカタストロフを予想し続けて来た向きからは、本件をそのついに訪れた"終わりの始まり"と位置づける見方も散見されます。その可能性は否定出来ないようにも感じつつも、それが現実となった場合に被害を被るだろう一市民としては心から勘弁して頂きたく思う次第で、とりあえず日銀には最低限矛盾のない政策を取って頂きたくお願い申し上げたいところです。

まあでも、一連の経済政策の本命というか本体である筈なところの実体的安定成長の達成については、その手段は未定、それ以前にゴールも具体化されておらず想像すら困難に思われる状況なのだし、実際問題どうしようもないんだろうなとも思うんですけど。それでも当局には建前にしてもある程度具体的な計画はあるでしょうから、そろそろ具体的なロードマップを示す形でまとまった話を伺いたいところですね。ていうかそうしないと収拾出来ないでしょこの状況。

[過去記事 [biz] 長期金利が約0.3%まで急低下 ]

[過去記事 [biz] BitCoinのバブル劇に ]
[過去記事 [biz note] バブルの再来にげんなり ]

------さらに追記

バブル崩壊に歯止めを掛け、あわよくば再発生を目論んで発せられた通称第3の矢こと一連の政策の本体であるところの成長戦略ですが、実質的に既発表の、規制緩和を中心として実体を欠いた抽象的方針を繰り返しただけのものに止まり、要するに政府は実体部分の成長に関してはノーアイデアである事を大々的に喧伝する結果に終わってしまったようで。膨らんだ期待を実体化するに足りるだけの具体的なロードマップが求められていたところに所得150万増加とかプロセスをすっ飛ばした結果の空手形や願望ばかりとあっては失望されて当然というものです。もっとも大多数がそんなことだろうと予想していた通りになっただけの事なんでしょうけれど。

5/18/2013

[IT] Yahoo!JAPANで大規模漏洩再発

先月100万アカウント規模の個人情報漏洩が発生し、しかし公式には未遂と強弁してスルーしたYahoo!JAPANですが、この程規模を約20倍にして再発させてくれたそうで。今度は公式に既遂の可能性を認めていますけれども、これはおそらくは発見が遅れた事、また前回と異なり流出情報にパスワードが含まれていないものとされていて、そのために認めてもさほど致命的ではないと踏んでいるだろうからでしょう。でもそうであれば無意味な筈のパスワード変更を推奨してるあたり全く信用出来ませんし、前と同じくパスワードも全部ではないにしろ漏れたものと考えるべきでしょうか。

数は凄いし、無論懸念されるユーザへの被害は軽視出来るものではなく、当然深刻な話ではあるんでしょうけれどもしかし。個人情報管理一般に関して、対策に対策を重ねてすら簡単に突破される事例が相次ぐ昨今にあって、前回の件でYahoo!JAPANが取った対応のように、補償による損失を忌避するために、そもそも失敗すなわちシステムの欠陥を認めず放置しているようでは、再発もむしろ当然の帰結、今更特段の驚きもないわけです。本件による弊害、スパムの増加とかアカウント乗っ取りの危険が増えるだとか、その辺はユーザ側ではもう既に散々被っているわけですし。

現ユーザの反応には、堪忍袋の緒が切れる人、それでもアカウントは必要と判断して我慢する人、そもそも気にせずスルーする人、様々あるでしょうけれども、少しでも気にする向きにあっては、今更と感じる人が多数派なのでしょうきっと。従って、アカウント数自体は然程大きな変化を見せない可能性が高いものと思われるところです。

とはいえ、アカウントは減らずとも、ユーザ個々の利用実態についてまでもが維持されるだろうとは到底言えないでしょう。というより、既にユーザのアクティビティは他社のSNS系ゲーム等に完全に移行し、Yahoo!JAPANのアカウントサービスは、唯一高いシェアを維持するオークションを除き、米本社のそれと同様既に存在意義を失った不要なものと化してしまっているわけで、その傾向を多少なりと強める程度の影響は否定出来ない、とか言うべきでしょうか。

Yahoo!JAPANのユーザ情報2000万漏洩、と言えば一昔前なら天変地異的なインパクトがあったものですけれども、今にあってはこの程度。ことさら認識するまでもない、当然かつ些細な変化なのかもしれませんが、それでもそこに時代の流れの一端を感じて多少の感慨も禁じ得ないのです。何処が岐路だったんでしょう?Twitterが普及したあたりが決定的だったのかな。

ヤフーに不正アクセス 2200万件ユーザーID流出か

[過去記事 [IT] Yahoo! Japanで大規模漏洩]

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今更パスワード漏洩のお知らせ。当初からそんな事だろうとは思われたところですが、案の定というか、結果的にも最低な対応となってしまいました。しかし2200万中の148万とは前回のそれより大きいわけで、そんな状態で何がどうなれば当初のような愚かな発表が出来たんでしょう。ともあれ公式発表で最悪の嘘を付いてしまった以上は、上から下まで組織全体の責任という事になるわけですが、さてどう落とし前を付けるのやら。

パスワード148万件も流出か ヤフー不正アクセス

5/14/2013

[biz law] JAXA職員が架空発注詐欺

プログラムの改修を装った架空発注により計97万を詐取ですか。容疑者はJAXA主任研究員の須浪徹治と発注先のデザインワールド社社長の西村風歌の2名。よくある詐欺事件ですけれども、本件で仮装に用いられたのが「熱力学データ・プログラム」とのことで、名前からしてよくある普通のシミュレーション系の数値計算プログラム、のつもりな事は明らか、対してこのデザインワールド社の業務というのが翻訳デザインとの事で、社名からして素人が見ても請け負えない事は一目瞭然だろう筈なんですよね。なんでこんなのが成功しちゃったのやら。

おそらくは主任研というと課長クラスだろうから随意発注を専決でねじ込む位の裁量はあって、発注から検収まで全て自分の責任内で処理したって事なんでしょうけれども、購買部門、あと部下は何をしてたんでしょう。部下は何も知らされてなかったってだけなのかもしれませんけど、予算は何処も余裕のないこのご時世、自部門の予算位は普通把握してそうなもんですけれども。

いずれにせよ何ともお粗末な話です。こんなザル監査の産物としか言いようの無い例を見せられると、他にも沢山似たような話があるものと疑われる事も避け得ないわけですが、痛くもない腹を探られ、おそらくとばっちり的に予算削減の憂き目も見るだろう類似ポジションの方々におかれましては誠にご愁傷様です。組織的には自業自得ですけど。しかし被害額が97万って、人生を引換にするには到底見合わないし一体どういうつもりだったんでしょう。理解し難い話です。それとも余罪があるのかな。うーん。

JAXA職員ら2人逮捕=虚偽発注で97万円詐取容疑-宮城県警

[pol] 橋下大阪市長の慰安婦制度肯定・風俗推奨に

どうなってんでしょう。まさに末期的というか。まさか現代の、それも相当に有力な政治家の口から慰安婦制度を"必要"とまで正当化する意見を聞くことになろうとは、全く思いませんでした。

戦中の慰安婦制度の評価については元より緒論あるところ、彼の言のように慰安婦を強制された被害者ではなく自主的な職業的なそれと解釈して違法性を否定する立場自体は、正当化の論旨としては別段珍しいものではなく、むしろよく耳目にする所ではありますけれども、事例を一々検証するまでもなく慰安婦制度が軍組織と必ずしも随伴するものとは到底言えないのであって。その種の主張はあくまで個別事例における合理性肯定のための立証不可能な仮説に過ぎないわけで、根拠も何もない中、一般的に慰安婦が軍組織において必要不可欠であったとまで言い切ってしまった件の発言、その非合理性は明白なものと言わざるを得ません。

しかもその認識を大戦時のそれに対する個人的解釈に留めるならまだしも、米軍に対し風俗施設の公式な利用解禁を提案する等、現在の軍組織についてまで慰安婦の必要性を肯定し、あまつさえ普及を図る発言を繰り返すに至っては完全に論外です。当人はその後合法な風俗についての発言と釈明していますが、 それこそ建前であって、風俗の場では実態として違法な売春が横行するものである事実も認識していない筈はなく、従って風俗と言った時点で違法売春、少なくともその高い可能性が包含されていた事に疑いの余地はありません。しかるに一連の主張は、皮肉にも本人の言う通り、建前を廃した実質において、現時点では明らかに法的にも倫理的にも、少なくとも公には到底受け入れられないだろう個人的な反社会的主張となる、その事はその種の弁に長けた当人が理解していなかった筈はありません。しかし、そこまで理解は当然していただろうのに、その主張を、公の場で、公的組織に対し、公人として行う、それがどういう事なのか、どのような意味を持つか、少しでも考慮したのか。多分にそれも認識し意図した上のものである可能性は相当に高いものと推測されますけれども、その影響を鑑みれは、それは控えめに言っても信じ難い愚行と解釈する他ないのです。

その当然の帰結として、一連の主張は、あっという間に維新派の凋落を狙う政治的思惑を巻き込んでほぼ全方面から批判を受けるというか真っ向から否定され、発言者たる橋下氏、さらにその擁護を図った維新の会までもが支援者からは支持を失うと共に海外含めこれまで比較的無関心だった向きからは危険視されるという流れになっていて、得られたものは敵意だけ、に終わったようにしか見えないわけです。下記BBCのニュースでは"nationalist"とはっきり形容されて、日本で代表的な地位を占める政治家がそのように認識される事で懸念される影響、想像するのもうんざりしますが、その深刻さは残念ながら今更論ずるまでもないところです。強いて言えば一時的な関心が得られたとは言えるでしょうけれども、全く釣り合わないように思われますし、本気で意味が分かりません。政界から引退するための準備とか言われた方がまだ納得出来ます。

いずれにせよ、文字通り彼らにとっても我々にとっても百害あって一利なしな本件、速やかに責任を取って切腹なりして収拾のち無かった事にして頂きたく思う次第なのです。それが目的ならそれでいいから。

Japan WWII 'comfort women' were 'necessary' - Hashimoto

---1日経って

本人は未だ収拾を図るどころか逆に自己正当化と併せて煽り続ける始末。これまでの騒ぎとは質も規模も全く違う事態に至っているにも関わらずいつもの通りの対応で眩暈がします。海外ニュースサイトを巡回してると、至る所でどれもこれも洒落になってない内容の記事を目にせざるを得ないわけですが、安倍首相のナショナリストぶりも当然関連付けられてて、一気に悪の枢軸認定されかねない勢いです。いや仮にこれが他国の話、例えばベルリン市長とかの発言だとしたら私だってそう認定するだろうし当然の流れではあるんですが。勘弁してよもう。と言ってももうどうにもならんのでしょうけど。
Japanese Politician Says Wartime Sex Slaves Were 'Necessary'

---さらに翌日

この期に及んでまだ言うか。表現の問題ではない事は明白なのに。強弁逆ギレの挙句政府への責任転嫁を図るとかもう正気とは思えない、というか少なくとも多数からそう見做される事は避けられないでしょう。政治的には到底取り返しがつかない程に支持、その基礎までもを失っただろう事も間違いないでしょうから、他の維新の面々は今頃身の振り方について懊悩の真っ只中、といったところでしょうか。曲がりなりにも次代の担い手として嘱望された政治勢力に突如として訪れた終焉、これはすなわち日本の政治は短期的には死んだも同然と認識せざるを得ないわけで。もう目も当てられません。
橋下氏「国際感覚が乏しかったかもしれない」

---翌々日

米国をしてアングロサクソン国家と断じた上でその人種的性向を持ち出して一連の発言の正当化を図ったそうで。収束どころか真逆の暴言侮言が飛び交い、引き続き目も当てられない惨状が続いている本件ですが、本発言はとりわけ信じがたく、時代錯誤も甚だしいというかパラノイアかと本気で疑わざるを得ません。元よりナショナリストと認定された一事のみによっても政治的には致命的なところ、これによってレイシストの認定まで加わり、まさに断末魔と言うべき様相です。早急な対処すなわち解職が切に望まれるところですが、少なくとも当面は望めず、従って本件は相当の期間に渡って続いてしまうんでしょう。全てが醜悪で見るに耐えません。

---さらにしばらくして

釈明会見がほぼ無意味に終わった事を受けて大阪市議会で問責決議の運びとなったそうですが。可決後は一旦辞職して出直し選との見方が流れていて、それ自体は自然な帰結ではあるんでしょうけれども、その出元が当の本人ではなく市議会議員でもなく松井府知事というのはいささか不可解に思われるところです。政治家の進退はその活動の中で最も決定的なものであり、その性質、周囲に与える影響を考えれば軽々しく言及するべきものではありえないし、まして当人を差し置いて他人が述べるなど常軌を逸しているように見えるわけですが、どうなっちゃってんでしょう維新の会。

そういう不可解な組織事情は措くとしても、橋下市長が職責外の国政に傾倒し、特に本件にあっては自治体にとって貢献どころか無害ですらなく、逆に評価を著しく毀損したものと広く評価されている以上、問責自体はむしろ当然の成り行きと言うべきところでしょう。この体たらくでは、先日提出された兼職解禁法案も論外とみなされるのも必至だろうわけで、さらに加速度的に存在意義やら支持やら、文字通りすべてを失っていく橋下氏以下維新の会、さて秋ごろにはどうなっている事やら。

橋下氏、問責可決なら出直し市長選も 松井氏示唆

5/10/2013

[IT law] クレカをハック、ATMから45億詐取の国際犯罪組織検挙

クレジットカードのトランザクション管理会社をハックして引き出し上限を改竄、偽造複製したカードを用いて短時間の内に多人数で多数のATMからの現金詐取に成功した集団が検挙されたんだとか。被害額はとりあえず容疑の分、12/21/12に$5million、2/19/13に$40millionの計$45million。前者はテストで2/19の方が本番って事なんでしょうけれども、そちらは僅か10時間の間におよそ20ヶ国で一気に引き出す電撃戦との事で衝撃が走ります。踏み台はまず第一に非公表ながらインドの機関、ここで操作したアラブ首長国連邦はRAKBANK発行のMasterCardのデビットカードのアカウントを用い、2回目はこれまた社名非公表ですが大胆にも米国内の管理会社を使ってアカウント操作したOmanはBank of Muscatのカードを用いたとの事。2/19の時には、例えばマンハッタンだけで3000近いATMから8人が手分けして一気に$2.4millionも引き出し、さらに足がつかないようすぐさま貴金属等に変える事でロンダリングも図るとか極めて計画的です。

うん、凄いですね。Oceans11的とか形容されてますけどそれ以上なダイナミックさ。組織力計画力実行力ともに前代未聞のレベルで、犯罪と分かっていてもその見事な手並みには感嘆の念を禁じ得ません。しかし結局は検挙され、リーダー格はドミニカの自宅で既に死亡している等 、破滅的な結末を迎えているあたりも不謹慎ながら痺れます。強いて言えば一回で完結させず段階を踏んだ点は余計にも思われますが、本番のような規模で実行するにはテストも必須だったんでしょう。

無粋を承知で技術的な面から見れば、本件のような手間も人員も膨大な組織的犯行は現実的には発生しないものと高を括っていただろう信販系のシステムがザルなだけと言うべきところなんでしょうけれども。VisaもMasterもこれまで何回もハックされて来てるのにこうしてあっさりハックされてしまう姿を見るにつけ、絶対完璧安全なシステムというのは事実上存在しない事を改めて思い知らされてしまうのです。顧客に被害が行かなければいいんですが、本件のように管理会社をハックすればそっちの方向もやろうと思えば出来るって事ですし困ったものです。一番困ってるのは信販会社でしょうけれども、それは事業者としての当然の責任なのですから、存分に困りつつ、速やかに十全の対応を取って頂きたく願うところです。

Cybercriminals 'drained ATMs' in $45m world bank heist
Cyberthieves Looted A.T.M.’s of $45 Million in Just Hours

BBCの記事によれば日本も捜査協力国の中に含まれているとの事ですけども、犯行の対象になったのか、単に確認を求められただけなのか。前者なら文化的に孤立性の高い日本までどのように手を伸ばしたのかこれまた興味が惹かれるところです。さて。

と思ってたらゆうちょのATM67ヶ所が引き出しに利用されたとか。しかし総額4億円?と言う事はATM1ヶ所あたり600万?そんなに引き出せるもんなんでしょうか。一日の引き出し上限額が50万との事ですから一ヶ所あたり12口座、全体で1000口座近く必要になる計算ですが・・・まあそれくらいは用意してたんですかね。
※当初金額を勘違いしていました。修正済です。大変失礼致しました。