4/09/2015

[law] サッカーボール転倒訴訟、最高裁にて破棄、賠償責任否定

ここまで来るのにどれだけ手間掛けてるのかと。子供が校庭から蹴りだしたサッカーボールを避けようとして転倒したバイクの運転手が入院後痴呆発症のち誤嚥からの肺炎で死亡し、遺族が当該子供の親を相手取って損害賠償を求めた件ですが、ようやく決着したそうです。

判決は、日常生活上の不測の事故については親の監督責任は認められないとして、1審2審の原告勝訴を全面破棄し、賠償責任なしと結論づけました。事実審の判決で最も違和感を感じさせられた点であり、最高裁の見解を知りたくもあったところの最初の事故と死亡の因果関係認定については、それ以前の点で責任が遮断されてしまった形につき特に判断がなされなかったようで、それは若干残念な気もします。が、最高裁の判例としてはそのような個別の事例への処理に留まらず、子供の行為を原因とする事案での親の監督責任一般に広く適用されるべき規律だろう今回の判決は、これはこれで歓迎すべきなのでしょう。

しかしホント時間がかかりましたね。まさかこのままトンデモ判例が確定し、親に無茶な責任が負わされ、また子供の行動を著しく制約される帰結になってしまうのかと非常に心配もされたところでしたが、そうでなくて本当に良かったと思います。ただ、結局のところを言えば、常識的には無茶にしか見えない請求が棄却されただけの話で、時間をかけて色々広く心配させられた意味もあまり無かった結果になったわけで。心配し損というか、こう、無駄な手間や心労を掛けさせないで欲しいと思わずにはいられないのです。せめてこれがもっと短期間の話ならまだしも、これだけの長期に渡るというのはやはり社会的にも色々損失があるでしょうし、この混乱をもたらした神戸地裁・大阪高裁の各裁判官には、強く反省を求めたいところですね。個人的には裁判官としての能力に欠けているだろうと思えるわけなのですが。何にせよ、やれやれです。お疲れ様でした。

子供が蹴ったボールで事故、親の賠償責任認めず 最高裁

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