9/19/2014

[biz] Larry Ellison退任

主にハイテク業界周りのあっちこっちで不振企業の敗戦処理が行われているようです。Microsoftの2100人レイオフをはじめ、いずれも盛者必衰を感じずにはいられませんけれども、これはその中でもとりわけ感慨深く思われるところですね。

Larry Ellisonは言わずと知れたDB系最大手Oracleの創業者であり、激動の業界にあって30年以上に渡ってトップであり続けた奇跡的な経営者です。法人特化の業態故に一般への知名度はMicrosoft等の花形には及びませんでしたが、その100億に届こうかという報酬の高さも相俟って、ITバブルの名残りを未だ体現するものとして、あるいは故Jobsに迫る程に特別視されていたわけです。Sun Microsystemsを買収したあたりからは日本企業との提携もあって国内メディアへの露出も増えましたかね?

しかしさしもの氏も齢既に70を超え、流石に世代交代を進めざるを得なくなった、ということなのでしょう。前期に続いて今ひとつに終わった直近四半期の業績発表と共に、CEOから退任し、権限をMark HurdとSafra Catzの2人に移譲する、との事。完全に引退するのではなく、今しばらくはCTO兼取締役として、事業運営を主導し続けるそうです。この辺は不振と言っても十分に利益を出し続けている優良企業の余裕といったところでしょうか。

Sunの買収で得たサーバ等のハード事業では結局Sun時代とあまり変わらずジリ貧のままだったのは残念でしたが、競合が競合だけに致し方なかったと言うべきでしょう。パートナーも頼りになりませんでしたし。それに、既に主戦場はクラウド系に移りました。そのコア中のコア技術を有するOracleをしても、新たな、以前のIBMとのそれをも超える苛烈な新興各社との競合を前にして旧態のままでいられる筈もありません。世代交代が起こる事はむしろ必然の成り行きのように思われるわけです。

ただ、それが上手くいくか、それは誰にも分かりません。おそらく、成功する可能性の方が低いのでしょう。 それは先んじて事業構造の変遷に晒され、十分に適応出来ずに混乱しつつ急速に力を失っていくMicrosoftやHP、Nokia等の旧最大手他社を見れば明らかです。それが元より競合も多数あるOracleであれば尚更でしょう。元HPのMark Hurdがしれっと後任に収まっている点からしても。

Oracleは、このままLarryと共に、傑出した経営者の伝説として完結するのか、それとも新世代が引き継ぐのか。個人的には後者となる事を期待したいところですが、さて。

Oracle's Larry Ellison steps down as two successors named

Microsoft cuts 2,100 jobs in its latest round of layoffs