6/16/2011

[law] 弁護士が被後見人から横領、隠蔽工作も

後見を担当していた高齢者の預金を着服して、隠蔽のために家裁への提出書類も改竄したけれどバレて御用と。要するに金目当てのクズが捕まった、というだけの話なわけですけれども、ただ、従来の悪徳弁護士のイメージからすれば、黒いけれどもやり手、グレーだけれど合法なやり方でずる賢く稼ぐ、という理性的なイメージが強かったもの、それに比べて本件はあまりに短絡的、バレたら終わりのストレートな犯罪で、その辺に少々違和感も感じられます。単にステレオタイプに毒されていただけかもしれませんけど。

大体、弁護士とか司法書士とか士業関係は、金の出入りについては税務を中心に各方面から極めて強くマークされているのは周知の事実、大量に逮捕者も出てるのに、その中で預金窃取とか、善悪以前に訳が分からないのですよ。預金解約日付の改竄とか、調査されたら速攻バレる稚拙な工作を弄しているあたりも、いかにも浅慮というか場当たり的な感じで。

率直に言って、弁護士とは思えない頭の悪さの表れに見えるわけです。もっとも、弁護士としての本来の職務を果たせない程に頭が悪いからこそ、かような犯罪に手を染めたのだろうとも推測されますけど。法科大学院制度の導入に伴う弁護士の飽和及び能力水準の低下が指摘されて久しいところ、弁護士による犯罪の増加もある程度予想はされていましたけれども、本件のようなケースを目の当たりにして、幾ら何でも酷すぎる、とそう思わずにはいられない所であります。特異なケースと思いたい所ですけれども、むしろ氷山の一角なんでしょうね。困ったもの、では済まないのですよ本当に。

成年後見人弁護士、1500万円横領容疑で逮捕 名古屋