5/23/2011

[biz] ソニー2011年3月期2600億赤字

大混乱の2011年3月期決算も終わりに近づく中、注目の大物ソニーが、期待通り派手にやってくれました。繰延税金資産を計上出来なくなって大爆死。数年前の日立と同じ格好ですね。しかし日立の時もそうでしたけど、そもそも数千億も純利益を出す建前というのが今時有り得ないって話で、要するに会計上の虚飾、それが落ちただけの事なわけで。ここ数年のソニーの純利益率を見ていれば当然予期されていた事ですし、さほど驚くべき話ではなく、一般論で言えば、実体的にはそれほど急激な変化があったわけでもないし、数字ほどのインパクトはない筈のものと思われます。

とはいえこれだけの大赤字はそうそうあるものではないし、実体はさておき社会的なイメージに対するインパクトはそれなりにある筈で、数年前から殆ど一貫して衰退し続け、先日の超大規模個人情報流出で決定的になりつつあったソニーブランドの凋落、そのストーリーを補強するものには違いないだろう事も事実。元々ブランドイメージに強く依存する企業だけに、そのイメージの側の毀損が逆に影響を及ぼす形で実体側の毀損も発生、拡大されるだろうし、そのイメージと実体の毀損が相互反射して増幅され、一気に瓦解していく事も十分に有り得る話だろうし、少なくとも単なる会計上、BS上の話では済まないであろう事は間違いないのですけれども。

いずれにしても、今回の赤字自体は会計上の話に過ぎないのだし、今後の実質たる事業の改善成否が問題なのですけれども、今年度は例年同等とか、いい加減な予想を発表したのはいただけません。ソニーの既存主力事業はジリ貧どころか崩壊寸前な状態で、といってそれを補える次のネタもほぼ皆無の危機的状況にあるのは周知の事実、だからこそ今回の繰延税金資産取り崩しになっただろう筈なのに。もう少し真面目にすべきだろうと思うのですけれども、そういうほら吹きな体質は今に始まった事ではないし、今更変えられない、という事なんでしょうかね。いい加減うんざりなのです。

ソニー、最終赤字2600億円に下方修正 11年3月期 引当金3600億円