2/08/2011

[biz] 国内の決算報道でミスリードが酷い

今更の話ではあるんですが、トヨタの3Q決算について、海外メディアの伝え方と綺麗に正反対なのが目に付いたので。

3Qの決算発表に際して、通常注目すべきは9-12月の直近三ヶ月の業績であるわけです。それ以前の数値は発表済なのですから。しかるに、海外メディアは素直にその部分の数値を読んで、10%超の売上げ減少、営業利益半減、と報道するわけです。

翻って国内メディアは、何故か4-12月の累計の数値を取り上げて、売上増、大幅な利益増、と結論の所が前者と全く正反対な報道をするわけです。嘘ではないのだけれど、3Q発表における最大の情報である所の9-12月分での各種数値の大幅な減少を、既知であるところの4-9月の数値で隠しているわけで、どうしたってミスリーディングを狙ってるとしか思えない、不適切な内容には違いないのですね。

もちろん、補助金終了以降の国内販売台数の激しい落ち込みは誰もが知っていることだし、そもそも企業の業績については本来各人が決算短信等を読んで理解すべき所であって、スポンサーの意を汲んだ大本営発表になりがちな報道の解釈など一顧だにすべきではないのですが、個人による証券の売買も無視できない規模にある現状、メディアによる解釈に影響される部分もそれなりにある筈で、問題なしとすべきでもないでしょう。メディア各社には、いやしくも真実の代弁者たらんとするのであれば、それなりの誠実さが必要なのは当然な筈、本件のような行いは決して許容されるべきではないと思うのです。

海外: Toyota Operating Profit Falls 47 Percent, Forecasts Lifted

国内:
トヨタ、11年3月期の純利益4900億円 予想を上方修正
10年4~12月は営業益8倍

トヨタ売上高、5%増14兆3516億円 4~12月期

公式:平成22年 3月期 第3四半期決算情報 (平成23年2月8日)